2014.12.31 (Wed)

2014年の総括です。

まずは1枚のスライドを。

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これは年末に会社の現況を伝える為に作った資料の一部で、弊社の超大雑把な事業マトリックスと収益分布です。御覧の通り、一番ウェイトが大きいのはB2Bの自社商品。子会社であるSYNCNELが御提供させて頂いているスマートデバイス用ファイル配信サービスからの収益です。これが実に弊社(厳密には弊社グループ)収益の6割を占めるようになりました。

今でも幸いにして沢山のiOSアプリ開発をお手伝いさせて頂いているのですが、収益分布では圧倒的に自社のB2B事業が大きくなっています。ちなみに2割を占めているのは、そら案内をはじめとするAppStore経由で配信する自社アプリ。時々リリースさせて頂くネタアプリ等もここに含まれます。

2014年総括すると、創業時に夢にまでみた「自社にしか出せない価値で生き残る」構造がぼんやりと…ではなく明確な形になってきた年と言えると思います。自社プロダクトで収益8割という状態はIT系企業の多くが目指す所なので、この域にようやく一歩入れたのは、スタッフや御客様、パートナー様に恵まれているからこそと痛感していて感謝の思いを深める1年でもありました。昨年以上に「有り難う御座います」を声に・形にしたいと思って言動してきたつもりです。

また2014年は、こだわりを捨てた年でもあります。

SYNCNELでWindows専用の運用支援ソフトウェアの開発に1年中リソースを割いていましたし(完全業務用なので余り表には出てこない)、そら案内のAndroid版アプリを内製するようにしたり、とiOSに対する拘りを捨てました。

拘りは時に強みになりますが、時に足枷にもなる。だから、WindowsやAndroidもビジネス上必要であれば選択肢に入れる事も躊躇しない思考に切り替えた次第です。フィードテイラーは、iOS以外を排斥する会社から、iOSファーストで事業を起こす会社に脱皮したと思います。

なので、今ポートフォリオは

  • そら案内事業
  • SYNCNEL事業
  • iOSアプリ開発事業、iOSアプリコンサル・セミナー等の支援事業

となっていて、ここに今年立ち上げたDailyshotヨクスルという事業が更に加わっていく事になります。あくまでiOSファーストで、事業を起こしていく。展開次第ではプラットフォーム関係無しに事業拡大を図る。その一方で、弊社を必要として下さる企業様には最も得意とするiOSの世界でのみお応えしていく。そんな両輪展開を今後は進めていく事になりそうです。

 

今年リリースしたもの

カレンダーを遡ってみたら思ったより沢山ありました。ほぼ毎月何か新しい事をしてる感じですね。目立ったトピックを列挙してみました。

1/22 Nyatter Twitterでニヤニヤしよう!!画像収集支援iPhoneアプリ「Nyatter(ニヤッター)」を公開します
2/4 QR目覚まし 簡単には止められない目覚ましアプリ「QR目覚まし」をリリースします!
3/25 SORA デザインにこだわった天気予報アプリ「SORA」をリリースします
4/18 Sunshine 動画を分離する新作アプリ「Sunshine(サンシャイン)」をリリースします!
5/13 TailSearch Twitterエゴサーチ用のMacアプリ「TailSearch」を公開します
5/21 BGTube iPhone用YouTube再生リスト専用プレーヤー BGTube を公開します
8/4 そらレーダー 雨雲予測アプリ そらレーダーを公開します
9/18 8bitter
メジャーVerUP
8bitter v2.0.0 を公開 – 『8bitキーボード』追加!
10/22 そら案内 for OSX
フルリニューアル
そら案内(Mac版)v2.0.0 を公開しました
11/10 そら案内
メジャーVerUP
そら案内(iOS版) v4.0.0 を公開しました – iOS8 & iPhone6/6Plus対応
11/17 Dailyshot 新サービス Dailyshot をリリース!
12/2 そら用心 玄関に行けば降水確率を声でお知らせするiPhoneアプリ「そら用心」をリリースしました!
12/10 富豪キーボード ネタキーボードアプリ「富豪Keyboard」が審査を通過できないのでソースを公開します
12/22 そら案内 for Android メジャーVerUP そら案内(Android版)v2.0.0 を公開しました

細かなVerUPは省略してます。

少人数でこの数が出来る秘訣は?とよく聞かれるのですが、これは今まで作り上げた現場エンジニアの生産性を最大化する大石メソッド(?)の成果であると自負しています。6年この体制でやってますから理論として間違ってない筈。残業ゼロ・有給消化率高・離職率ゼロ・生産性UPという、一見矛盾するものを共存させる術やその実態について講演したり執筆したり取材を頂くのも多い1年でした。まぁ、僕の負担が大き過ぎるというのは相変わらずなのですけどね(笑)

 

新しく始めたこと

スタッフブログを始めました。

feedtailor_Inc__スタッフブログ___関西_大阪のiPhone・iPadアプリ開発_feedtailor_Inc__スタッフブログ

自社プロダクトのリリースやアップデートについてはほぼ全て各担当エンジニアに任せるようにして、この結果会社としてのOUTPUTが改善されました。これまでは僕が全部ブログに書いていたのでアプリのリリースやアップデートの情報が表に出ない事がしばしばあったのですよね。

また、物販も始めました。

そらビーコン___そらビーコン_Online_Shop

ってこれはそら案内事業の延長線上のものですが、ビーコンの販売を開始しまして、物販って大変だなぁ〜と痛感いたしました。今後も、そらビーコンだけでなく、アプリと連動して価値提供出来るような「モノ」の開発・販売は続けていく事になると思います。(将来ハードよりな人にもジョインして貰えたらなぁとか。)

あと、働き方というか就労環境を改善しました。

4分の1休

まず社内リクエストが幾つか出てきたので、有休消化スタイルの選択肢として「4分の1休」を増やしました。これまで有給は全休(丸っと一日)か半休(午前か午後の半日)の二択でしか取得出来なかったのですが、2時間分だけ取れるようにしたと。粗大ゴミを出す為にちょっと朝遅くなるとか、子供を迎えに行かなくちゃいけないので少し早めにとか、そんな感じで使っているようです。

半休を使うのは有給残が無駄に減るので勿体ない…という発想なのでしょうね。これは裏返すと有給消化率が高いという事でもあるのですけどね。消化率はかなり高い方ですが、もっと高くなれば良いなと思ってます。

昼休みの短縮

もう一つ。12月から試行中なのですが、昼休みはもっと短くても全然問題無さそうという提案をうけて15分の短縮化を試みてます。その分、朝を15分遅くか夕方を15分遅くかにしてみて、全体の生産性が下がらなければ定時を変えようかなと。

労使間の契約書をまき直したり就労規則を変える面倒さはありますが、個々人の人生の合理性を考えれば悪くない変更なので実験中です。恐らく変わるかなぁ。生産性にダメージが無いなら、制度もどんどん変えていくのはウチらしいなと思います :-)

 

そして、2015年

ちょっとした予想というか期待を。

IoT

まず間違いなくIoT、全てのモノはインターネットに繋がるのです…っていう触れ込みで猫も杓子もアイオーティーと言ってる1年になるでしょう。ここ1,2年はBLEによりスマフォを介してモノがネットに繋がってきましたが、モノが直接ネットに繋がるケースも増えてくるでしょう。

ウェアラブル

猫も杓子もAppleWATCHと言ってるでしょう。年末にはGPS搭載なまさかの新モデルが発表されたりなんかして、初期のEDITIONを購入した人が阿鼻叫喚する事になるのではないでしょうか。

仮想通貨

bitcoinの次…が国内でも知名度を上げてくるでしょう。XRPとかSTELLARとか。IPOに疑問を感じる起業家の中には仮想通貨を使った資金調達スキームとしてICOなるものを考え始める人も国内で現れるでしょう。

B2B市場の急速なiPadシェア低下

やっぱりiPadでは仕事が完結しない、Officeがいるんだよ、迷ってたけど安いWinタブレットも出てきたしやっぱWinタブレットかなぁ、なんて機運が高まりB2B市場ではiPadの独壇場であったものがWindowsタブレットで喰われていくようになるでしょう。ビジネスアプリの豊富さから、WinタブレットとiPhoneの2台持ち or iPhone単体持ちがB2B市場の基本的な外回りスタイルになると思います。

他にも色々ありますがキリが無さそうなのでこのへんで。

弊社は、流行に迎合した商品開発(そのバズワード言いたいが為の商品やろ?的なもの)ではなく、冷静に「御客様の問題を解決する為の技術」という考えで最新技術やトレンドをチョイスして、メディアやVCに踊らされない軸を持った製品開発をしていきたいと考えています。

新しいトレンドを追いかけつつ新商品にもトライしながら、SYNCNEL・そら案内・Dailyshot・ヨクスルなど、既存のオリジナルサービスを強化してまいります。また、増員も考えてます。

本年も大変お世話になりました。2015年、今年と変わらず全力疾走致しますのでどうぞ宜しく御願い致します。皆様、良い年をお過ごし下さいませ。


2014.12.31 (Wed)

明けました。例年通り年賀状をwebで。

年賀状2015

昨日に2014年総括エントリを書いたところなので何やら違和感ありますが、2015年になりました。気がつけばもう10期目です。早いモノで大台の2桁。

今年もまた全力で走り抜けようと思います。やっぱりお金稼ぎというかビジネスが好きなんでしょうねぇ。ただ、金が手に入ればokかというとそういう事ではないのですが。

自分の夢に向かって挑戦します!頑張ります!たのしみます!という気概も生きていく上では大切なのですが、その先にあるものが、オレって格好良い!私って素敵!という未来だけなら、それはだいぶ残念な人生です。自分が目指すとこに行き着いた時、自分は社会にどんなインパクトを起こせているのか…を常に意識したいですね。

 

僕の場合は、「生産性を最大化する意識」と「企業が時間外労働(残業)をゼロに取り組むこと」が社会的問題の多くを解決するというメッセージを社会に発信し他の企業の就労環境に影響を与えること、が一つの目指す所です。そのメッセージ性を高める為にもっともっと上のステージに行かなくちゃいけない。

弊社では昨年、スタッフの1人が結婚し、別のエンジニアには新たなお子さんが誕生しましたが、これも就労環境が影響してると思う訳ですよね。ブラックなら結婚にも到らないし、子も作る気おきないでしょう。

晩婚化だー、少子化だー、とか未だに言うじゃないですか。そんな問題、全ての企業が時間外労働ゼロにすればサクっと解決すると思ってます、結構真剣に。その原動力が生産性の向上意識。お上が婚活支援するとか、待機児童減らそうとかじゃないっすよね。本質はそこではないし。本質ついてないからいつまで経っても解決しない。役人は表面しか見ていないし「楽」しようとしてるよなぁと感じる訳です。

会社における諸悪の根源は人事部にあり、

社会における諸悪の根源は就労環境と生産性にある

その実証をするのが僕の次のミッションです。昨日のエントリには書いていませんでしたが、2015年は働き方とか企業の在り方とかそういうメッセージを昨年以上に発信していきたいとも思っています。

とまぁそんな事を考えながら、新年早々、会社に来て仕事してます(笑)

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唯一身の回りで正月らしいアイテム。毎年家で飾っている木でできた可愛い鏡餅(?)です。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

 


2014.11.16 (Sun)

(渡欧中の飛行機の中で考えて書いた事をつらつらと…)

 

設立から8年強。人を採用するようになってから約6年。ずっと考えてきたのは、従業員(またはエンジニア)にとっての理想的な就労環境の実現でした。その為に僕がやってきたのは、役割分担の徹底と執拗なまでのムダの排除です。それが結果的に生産するもの(アプリやサービス)のクオリティを支え、御客様のメリット最大化を図りつつ、従業員の幸せも担保できると考えてきたからです。

危機感

これらに全力で(それこそ身を粉にして)取り組む事で、今でも離職率ゼロを維持し、待遇面含めエンジニアからは大きな不平不満も無く、フィードテイラーで将来は働いてみたいと思う人も現れ、開発したアプリ実績数は優に100を越え、Appleさんやキャリアさんとも直接お付き合いをさせて貰うようになり、大手企業がひしめくB2B市場でしっかり存在感を持つSYNCNEL(MCM業界で6位。上位でベンチャーはウチのみ)という自社サービスを収益源とするまでになりました。有給消化率は高く、残業時間ほぼゼロで、同じ業界で単純な対労働時間生産高を比較をするならスコアは相当高いだろうという自負も持っています。

今の状況を成功と仰って頂ける方もいます。まがりなりにもエンジニアの理想的な就労環境を作ることは出来た(と思っている)ので、自分が目指したものを達成した事を成功とするなら確かにそうなのかも知れません。

でも次のステージ(その理想環境の持続性確保)に目を向けてみると、ウチ独自の構造に潜む構造的欠陥がウィークポイントとして表出するようになってきていて、それに危機感を感じてしまうのです。今は良くても時間軸を先に伸ばすとそうも言っていられないと。経営者が自分のブログで危機感感じる〜と書くのもどうかと思いますが、持続性(サステナビリティ)が高くない事業や会社は長続きしないのは自明の事です。

昔に発表させて貰ったDevLOVE関西の時の資料から1枚引っ張ってきました。

DevLove関西Decision_today_key

DevLOVE関西発表資料から。僕はグリーン。全ての案件の窓口・調整役を担っている

御客様とのコミュニケーションはゲートウェイたる僕(上図グリーンの人)が担い、実経験に基づくエンジニアリング知見と御客様とのコミュニケーションという渉外力とでもって内外の「壁」を作り、少数精鋭のエンジニアが開発業務に専念する時間を限りなく100%に近づける、これがフィードテイラー流の開発体制です。

このゲートウェイの役割は僕にしか出来ないと昔から思っていて、だからこそウチらしさが現れるポイントともなっていました。しかし、この構造は、僕の負荷がプロジェクトの増加に伴い比例的に増えていくという欠点を持っています。まぁ当然と言えば当然で、何とか耐えてたつもりなんですがそろそろ限界が見えてきました。

経営とは何か

限界は最近特に顕著に見えてきて、僕が経営者として「経営」を行える時間が年々逓減しつつある事に現れてます。正直、経営者ではなく、プロジェクトマネージャーとしての大石という顔でいる事が多くなりました。つまり、経営をちゃんと出来てないに等しい。

経営とは、リソースから生み出せる価値の最大化です。

ウチのようなソフトウェア開発業の場合、エンジニアの1時間が御客様の満足にどの程度繋がったのか、エンジニアの1時間がどれだけの利益に繋がったのか、エンジニアの1時間がエンジニア自身のモチベーションやその身内の笑顔にどの程度繋がったのか、それらの指標を何倍にも何十倍にも膨らませる事により、社内外の関係者全てをより幸せにするということが経営だと僕は考えています。

そこに時間をかけれていないなら、いずれ時代の趨勢に左右されジリ貧状態になっていく事になるでしょう。内外に提供しうる価値を増幅出来てないんだから。それこそ歯車が一つ狂えば一気に崩壊します。だから経営者は、中長期的な複数の視点や戦略を持って次の手を次々と考察し模索し実行に移していく必要がある訳です。

それが今、余り出来なくなっていて、考える時間が本当にありません。毎週ハーフマラソンの距離を走っているのは考える時間を無理矢理にでも確保する為と言って良いほど。経営者が経営に専念できないのは長い目で見れば御客様にご迷惑をかけるばかりか、社内外の幸せ度が落ちていくに違いない。この状況を抜本的に解決すべき状態にあります。

そんな中でも頑張って経営っぽい事をしたなぁ〜と思った例を一つ。

昨年子会社化したSYNCNELは、とあるオペレーションで何も追加の開発を行うこと無くある時から利益が10%増になりました。勿論、御客様には全く不利益になる事が無く…です。開発者の1時間が生み出す利益が「調整」だけで1.0から1.1になった。併せて御客様の満足度も販売パートナーの満足度も体感で1.1倍にはなってます。

経営っぽいですね。

その他にも、今は他ソリューションとの連携を深めて、販売チャネル増と解約率減を図る動きもとり始めていますが、これも社内リソースが生み出す価値の現状1.0を2.0にし易くし、0.8にならないようにする取り組みであり、今その調整を進めています。またこの11月に渡欧してロンドンで会議をしてきたのも同じ目的です。

経営とはこういう事であり、資料作りも会食もプレゼンも出張も全部この為にやっています。ホントはここにもっと時間をかけなくちゃいけないのに、上述の構造的欠陥が負荷になっている為にかけられる時間が余りない。これは言い換えると、御客様や販売パートナー様にもっと便益を提供出来る機会を逸失していると言えなくもない状態です。あわせて、担当しているプロジェクトのスピード感にも影響します。

経営の専念率も最大化

エンジニアの役割分担の徹底と開発専念率最大化を推し進めながら、自らの経営という役割専念率を低下させていっている状況とも言えます。そろそろ自分の役割を再定義して自分の時間というリソースの配分を最適化しないといけません。

もちろん、マネージャー的な自分の役割をいきなりゼロにする事はできませんけど。現状を100だとしたら少しずつ減らしながら1年後には50%減って残り50%は経営に専念してるイメージです。3年後には10%で、9割はホントに経営してる感じ。

繰り返しになりますが経営とは社内リソースから生み出す価値をブーストさせること。

果たしてそんなに簡単にいくのか分かりませんが、今回見えている課題(限界)は打破する為に何かを捨てなければならないタイプの限界。そこで創業から、特にスタッフが増えてからずっと持っていたエンジニアのゲートウェイ的な役割は自分でなきゃダメというこだわりを捨てる事にしました。気持ちだけで越えられる限界もありますけど、この限界はそうじゃない。だから、自分の役割を一部担って貰い得る人にジョインして貰う時がきたと判断したのが先日のことです。

多岐にわたるプラットフォーム・言語での開発経験があり、自社商品・サービスのマネジメント経験があり、メールや各種ドキュメントの作成能力も備え、電話対応や接客も全うに行う事ができ、最新のテクノロジに対する向上心と学習意欲を持ち、営業・技術営業として打ち合わせもこなし、各種セミナーや講演も行うような人にジョインして貰えると僕の負荷は目下50%になるなと。

さすがにここまでは高望みし過ぎですがエイヤーと踏み込む時だと思う昨今です。

 

30代最後の誕生日を迎えてすぐ渡欧の為に乗った機中で、とある原稿執筆に追われながら未来の事を色々と考えていました。変わるべき時が来たのだと思います…っていうかちょっと遅すぎた感は否めません。それを取り戻すように年末年始は激務が続きそうですが、思い描く次のステージ(理想環境の持続性確保)も見えてきたのでそこに到達すべく頑張ってまいります。


2014.11.03 (Mon)

走るようになってから早くも2年。最初は走るだけで足が痛かったのに、tipsnessに通ったり専属トレーナーに見て貰うようになったりとしているうちに、

とおおよそ半年スパンぐらいで進んできまして、次はフルマラソン!と直近の大会参加から半年後となる来月、いきなり日本を飛び出てフランスに渡る事にしました。11月9日(日)に開催される FRENCH RIVIERA MARATHON 2014 です!

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初フルマラソンが海外って全く想像もしていませんでしたが、お誘い頂いた事もありエントリさせて貰った次第です。フランス南部のニースからカンヌまで、保養地として知られるコートダジュールを走り抜ける感じでのフルマラソンで、ほぼ平坦地の海岸沿い、紺碧の海を見ながらのランになるそうです。

コートダジュール

非常に気持ち良さそうなのですが、制限時間が6時間とフルでの大会参加が初な僕には少し短めでトレーナーにも心配されたぐらい。…ですので、鑑賞してる余裕は無さそうです(苦笑)

愉しんで走ってこようと思います。

気候も違うし、海外だし、初めてのフルだし…の初めてづくし。せめて「初めて」の1つは初めてじゃないように練習しておこうという事で、先月に一度プライベートな練習でフルを走って感触は掴んでます。フルの距離を初めて走った直後の写真がこちら。これが想像以上に大変だったです(笑)

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30km過ぎで痙攣が起こるわ、足をつって道端に倒れ込んで悶えるは、と散々でしたが足ひきづってでも5時間半で完走できたので、本番当日はギリギリ制限時間内にゴール出来るんではないかなと。2年引きずってる右足の痛み復活の疑いもありましたが、今朝の最終調整ランの様子では何となく大丈夫そうです。

そんなこんなで11月6日の深夜から11月14日の夕方まで日本を離れ欧州にいます。半分プライベート半分ビジネスの1週間となります。

大会後はいつもお世話になってる実業家の加藤さんがおられるモナコに少し滞在させて頂き、その後、フランスはニースで1泊明け翌朝始発でロンドンに飛んで1日過ごします。ロンドンでは弊社子会社事業SYNCNELの海外展開に関する現地打ち合わせ。すぐとんぼ返りでニースでまた1泊、翌日ニース発のドバイ経由で帰国予定です。

弾丸的日程なのは自分らしいという事で(笑)

約1週間日本を離れる事になりますが、その間でも基本的にネット環境は常に確保するようにしていますので普段と余り変わりません。お客様、並びに販売パートナーの皆様、当該の期間はネット経由で連絡が取れる状況ですので、何かありましたらメールやfacebook等でいつも通りに御連絡頂けましたら幸いです。

ニースカンヌマラソンの参加レポートは、また改めて書かせて頂こうかと思ってます。


2014.09.16 (Tue)

先日発表された iPhone6, iPhone6Plus, Apple Watch などに目が向いてしまう昨今ですが、そうこう言っているうちに毎年恒例のiOSメジャーバージョンアップのiOS8が登場します。弊社ではこのiOS8リリースのタイミングに合わせて、以下の通り幾つかのアプリの提供を停止またはサービスそのものの停止をさせて頂く事にしましたのでお知らせ致します。

 

そら案内 Classic

現在、そら案内は旧式の そら案内 Classic とは別アプリとして公開済みのそら案内 for iOSをメンテナンス対象としています。今回、そら案内 Classic について、非常に古いOSのしがらみがあり既にメンテナンスが事実上不可能な状態になっていること、またiOS8上では そら案内 Classic が期待通りに動作しないこと、データ配信元の日本気象協会様との取り決めがあること、の3つの理由でAppStoreからの配信を停止させて頂きます。

但し、そら案内 Classic 向けに気象情報を配信しているサーバは運用を継続致しますので、現在そら案内 Classicを御利用頂いているユーザ様には特段影響は御座いません。そのまま御利用頂けます。ただ、iOSを8にアップデートされますと御利用が継続できません。予めご了承下さい。iOS8にアップデートされる場合は是非そら案内 for iOSの御利用を御検討下さいませ。

 

SocialMessage

古いOSのしがらみがありメンテナンスを継続する事が難しいこと、またサーバのランニングコストの関係で赤字事業と化しており利益回復も見込めない時期が2年近く続いていること、の2つの理由でAppStoreからの提供、並びにサービスそのものを停止させて頂きます。

iOS8公開日である9月17日以降はAppStore上からSocialMessageが見えなくなるのと同時に、お手元のSocialMessageを御利用頂けなくなります(厳密にはTwitterやfacebookに大きな修正が入らない限りはメッセージ受信/送信は御利用頂けますが、PUSHは同日より届かなくなります)。御利用頂いているユーザ様、開発に御協力頂いた皆様には申し訳御座いませんがご理解賜れますようお願い致します。

 

GBScanner

古いOSのしがらみがありメンテナンスを継続する事が難しいことを理由にAppStoreでの公開を停止させて頂きます。

 

FastBoard

古いOSのしがらみがありメンテナンスを継続する事が難しいこと、また現在はほとんどユーザ様がいらっしゃらないと思われること、の2つを理由にAppStoreでの公開を停止させて頂きます。

FastBoardは、デスクトップ環境からiPadにファイルをWiFiやBluetoothで転送するアプリなのですが、実はこのFastBoard、弊社子会社で展開するファイル配信インフラサービス「SYNCNEL」の原点にもなったアプリです。

デスクトップから数十台のiPadに同じファイルを配信できないか?

FastBoardを使われた大学様や企業様から、そんな相談を何度か頂きました。そこで「これはビジネスになる」と考えFastBoardのコンセプトをクラウド化したのがSYNCNELなんですね。FastBoardが無ければSYNCNELは生まれなかったし、SYNCNELが弊社の大きな収益源にもなっている事を鑑みれば弊社の存在すら危うかったかも知れません。

そんな訳で愛着たっぷりですが、役割は終えたと判断し公開を停止致します。

 

という事で、上記4アプリをiOS8公開の2014年9月17日をもって公開停止/サービス停止とさせて頂きます。尚、SocialMessageをのぞき現状御利用頂いているユーザ様は現環境のままであれば継続的に御利用頂けますのでご安心下さい。

尚、これら以外の以下のB2C向け弊社公開アプリについてはiOS8でも動作する事を確認(一部微調整が必要なものもありますがアップデートで対応します)しており、今後も公開・サービス提供を継続させて頂きます。ただ、今後もiOSの進化等で停止に至るものもでてくる可能性はありますのでご了承下さい。

…という訳でiOS8に伴って停止となるアプリの御案内でした。一方で、iOS8公開後に提供を開始するアプリも御座いますので順次御紹介させて頂こうと思っております。


2014.09.09 (Tue)

久しぶりに読んでてワクワクした書籍。賛否両論分かれるかも知れませんが、個人的に読んでて凄く響くものがありました。幸せとは何かを論理的に語るという新しい幸福論の先駆けとなる書籍かも知れない…そう思ったのです。一気に読み切ってしまうこの本の愉しさは、テクノロジーと人の幸せについて新しい関わり方を提示する未来を感じさせてくれる事にある気がします。

ウェアラブルセンサを使って計測した人間の活動(具体的には加速度センサによる手の動き)記録から、人間を支配する逃れられない法則がある事を導き出しているのが非常に興味深いです。それが人の幸せや労働生産性を論ずる所まで発展するのには興奮すら覚えました。

もう一度いおう。幸せは加速度センサで測れる。

という著者の断言は決して新興宗教の戯れ言ではなく、マッドサイエンティストが都合良くデータを解釈した無茶な論理的飛躍(狂言)でもなさそうな事がこの本から分かります。

加速度センサをはじめとする様々なセンサのデータから人間の思いや心を読み解けるということ。

例えば、あるプロジェクトのメンバーに体の動きを含む様々な指標をセンサーで計測しながら、ある事を行った時に幸せと感じたかどうかのヒアリングをした実験が紹介されています。人が幸せだなぁと感じる度合いと身体的な活動量(センサから読み取ったその人の活動の多さを指標化したもの)と相関があるというのです。

じゃ、活動量が多いなら幸せと感じるのだから活動量を増やしましょうというアプローチで行動原理を変えましょう、そうすっと幸せになれる筈ですよね…というのが本書の論理。組織も社会も人も、人間の活動そのものの大量のログからどうすべきかを学ぶべきだと。

とあるコールセンターでの実験も紹介されていて、各種の計測値から導かれる値とオペレータの受注率に相関があり、実はオペレータの性格やスキルよりも「休憩時間中の会話の活発度」が大きく寄与していた事が分かったというのですね。だから、スキルを磨く事よりも休憩時間中の会話の活発度が上がるような仕組み・制度を作った方が売上が上がると。

他にも、とある店舗での実験紹介では、四六時中、店員と顧客の店舗内位置情報を大量に記録、そこから、店内の特定の場所に店員が長い時間立っていれば立っているほど店舗売り上げが上がる事が読み取れたという話もあります。で、実際に「この場所に長く立つように心がけて下さい」と呼びかけると売上が上がったという…。

…とまぁこのように、人間の活動を逐一記録した結果得られる大量の観測値から、行動指針をあぶり出し、より幸せを感じるようにしたり、より受注率を高めたり、より売上を上げたりといった事を行えることを本書は示しています。

これって普通に凄く無いですか?

どこぞのコンサルやメンターの言う事を真に受けてあーでもないこーでもないとやってる暇があるのなら、人間の大量の行動ログの中に潜む見えざる導きの手(何らかの傾向や相関)に組織も人も自らの行動を委ねても良いんじゃないかと言っています。

 

いみじくもこのブログエントリを書いているのは2014年9月10日のAM1時、iPhone6と同時にiWatchが発表されるのではないかと世界の期待感がピークに達している時間帯です。もし本当に iWatch が出るのなら、この書籍のテーマ「幸せを測る」「行動を設計する」といったユーザ体験を人類にもたらすプラットフォーム的なデバイスになる事でしょう。

個人的見解ですが、iWatchのようなウェアラブルな端末は、何かを表示するとか、何かを知らせるとか、何かを制御するとか、…っていう事よりも、多種多様なセンサー群を駆使した、言うなれば Lifelog Anytime Anywhere を実現する事にその本質があると考えるからです。iLoggerと言っても良いぐらいと思ってます。

まぁ実際出るかどうかは分かりませんが、もし出るのなら、本書が掲げる幸せを測る、観測値から人間の行動に変化を促すようなアプリケーションや関連サービスを是非とも開発したいと思う次第です。


2014.07.25 (Fri)

突然ですが、新しい事業を始めます。

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名前を「ヨクスル」と言います。「良くする」という言葉をカタカナに変えただけの名称ですが、ちょっとでも世の中を良くする事が出来たらいいなという想いを込めてます。iOSアプリとは全く関係の無いところで始める新事業です。

 

ヨクスルとは、そしてその背景

ヨクスル(YOKUSURU)は、「世の中の製品やサービスに対して感じた問題点改善案を提示して貰い、それをメーカやサービス提供元に弊社が代わりにお届けする」という会員制事業です。

製品やサービスについて「こうだったら良いのに!」と思う事って無いですか?実際に購入したり体験してみて、ふと感じたり、イラっとした体験をきっかけに思いついたり。いわゆる「気づき」ですね。僕は昔からそういう事を結構思いつくほうでした。まぁ人によってはどうでも良かったり、重箱の隅つつかんでも!というネタになるのですけどね。

例えば、(とっても些細な話ですがお付き合い下さい)

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これ。あのFRISKのガムです。2014年2月に発売開始されました。FRISKを常日頃買っていたしCMも結構印象的だったので発売直後に購入した訳ですけど、一度買ったきりで以後買うことはありませんでした。

なぜか。

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原因はコレ。FRISK GUMのケース裏面にはガム捨て用のシートが付属していて便利!なのですが、このシートを一枚はがした後、ケース側の残シート群の上面に粘着剤のネバネバが強く残ってしまうんですよね。

つまり、ケースの片面がずっとネバネバした状態になって気持ち悪い。ポケットに入れたら内側の生地にひっかかるし、鞄の中で紙資料に引っ付いて折り目の原因になるかも知れない…と問題を感じて以後買うことはなくなりました。

問題点 ガム捨て用のシートをはがした後にケース側に粘着剤のネバネバが残ってしまう
改善案 ネバネバが残らないようにするか、粘着式をやめ差し込み式にするのはどうか。回数券の入れ物のような

と明文化できますが、こんなこと誰にも言わないんですよね。ただただ静かに買わなくなる、それだけです。で、実際には今は改善されているようなのですが、それを後から知らせて貰う訳ではないですから、一度気持ちが離れた僕は購入者として再び戻る事もなかった訳です。

例をもうひとつ。

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ご存じセブンカフェのコーヒーです。変な持ち方してますが、何もコップ全体を見え易くする為にしているのではありません。すぐ後述しますが、これも一度買ったきり、二度と買わなくなりました。なぜか。

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原因はココ。写真の為に無理して持っていますが、実は熱すぎて後者の写真のような持ち方が出来ないんですよね。普通この形状のカップで出てきたコーヒーってこういう持ち方しませんか?お持ち帰り前提なのに、直感的な持ち方が出来ないんです、熱すぎて!で、持とうとして「アチチチ!!」ってなる。

これは、

問題点 持ち帰りを前提にしているのに熱すぎて、当たり前の持ち方が出来ない。蓋をつけるのを忘れていたら運び中にやけどの恐れさえある。
改善案 スタバのようにスリーブを用意する。使い回す前提で10円ぐらいで売ってくれても良い。

と明文化できますが、これもまぁ言いません。そもそもどこに言うべきかも分かりませんし、仮に店員さんに言ったところで上には伝わらないと勝手に思い込んでるし、クレーマーだと思われても嫌ですから。

ただただ静かに買わなくなる。それだけです。

まぁこんな事はあげ出すとキリが無いぐらい個人的には沢山あるのです。

日々気が付いては将来ビジネスに使えれば…とメモを取っていた事もありますが、「何か」に対するちょっとした事の改善案って、その「何か」をビジネスにする所までがそもそも大変で、その「何か」を良くする筈の+αなアイディアが活かされる事ってほとんど無かったりします。

で、人と会話をしていたり、Twitter/Facebookを眺めてると、「何か」を「こうしたら良いのに」と思ってるのは皆同じっぽい。沢山あるのですよね。ただ、その+αなアイディアはせいぜい雑談のネタになるぐらいで、すぐに水泡のごとく消えていってしまう。

そんな「何か」を良くするに違いないアイディアをきちんと届けられないか、もしそれが世の中を少しでも良くするのなら、消えゆく声を形にして出来るだけ届けたい。それが「ヨクスル」のコンセプトです。

 

ヨクスルの仕組み

メンバーの皆様に、何か製品やサービスに対する問題点を感じたら、改善案と一緒に弊社へスマフォ等を使ってメールで届けて頂きます。運営側から○○について御意見下さい的なお知らせはしません。それは巷のアンケート・調査事業と一緒で、その効果には個人的に疑問を持っていますので…。

ヨクスルでは何でも良いので製品やサービスについて思い至った時点で好きにメールして頂く感じ。頂いた投稿は弊社がお預かりし、数がまとまれば可能な限りメーカやサービサーにお届けします。お届けした結果どうなるかは分かりませんが、改善される可能性は少しはUPするのではないかと。

で、ご存知の通りウチの会社はアイディアを明文化したスタッフにAmazonギフト券を進呈する制度がありまして、それと同じように改善案を送って頂いた方に1件あたり少額のAmazonギフト券(15円程度。金額は仮ですが)を適度な期間で合算して送らせて頂きます。

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問題提起と改善提示したら収入が得られる仕組みとも言えますが、ただその分、誰もが会員にはなれる訳では無いという制限を設けます。問題を定義しアイディアを明文化できる力を持っている…とウチが(というか僕が)判断できる方のみとさせて頂く予定です。やっぱり建設的な意見を持つ方々と一緒に世の中の何かを変えていけるほうが愉しいですから。

批判やネガティブ意見で憂さ晴らしをするのではなく、ホント小さな事でも良いので世にあるものを変えていこう、そんな想いに共感して貰える方がメンバーになって貰えたら嬉しいなと思ってます。

ちなみに、メンバーになるのにお金は不要。会費のようなものを頂く事も考えていません。でも投稿するとギフト券は貰えるという…凄いですね :-)あ、カラクリが何かあるとかじゃありませんのであしからず。純粋にウチがキャッシュアウトするだけです(後述)

既に専用のサイトを作っていますので、

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ご興味お持ち頂けたり、面白いと思って頂けた方は、こちらからBETAエントリをして頂けたら嬉しいです。準備が整えば追って詳細を御連絡させて頂く予定です。

 

ヨクスルのビジネスモデルと想い

ところで、「ヨクスル」の収益モデルは?

…余り考えていません。

お金儲けよりは、ぶっちゃけ僕の「愉しそうだ」という想いだけで始める事業です。全く考えてないと言うと嘘になるのですが、お金は後からついてくるものですから。(今や上場企業様を含む約200社様に御利用頂いているSYNCNELも最初はキャッシュフローがマイナスでしたしね :-)) とはいえ、ヨクスルのビジネススキームの絵みたいなモノは少し描いてます、一応経営者ですので。ウチのスタッフも「その発想は無かったですわー」と言ってくれたりしますし、全く無計画な訳ではありません。

でもですよ、そんな話はとりあえず抜きにして、世の中の「何か」を良くする声がもっと届くようになれば面白いと思う訳ですよ、単純に。言うあてもなく消えゆく+αなアイディアがちゃんと伝わって何かが変わる可能性が今よりずっと増すならば、それが何十・何百・何千・何万・何十万と集まっていく事で声なき声が形となり、世の中を良くしていくんじゃないかなと思うんです。

ひょっとしたら、アイディアから副次的な収入を得るという副業手段の提供が、また別の「何か」を良くするかも知れません。もしかしたら、些細な+αなアイディアは日本人的なおもてなし精神が源泉で、それを沢山顕在化させる事が国だって良くするかも知れません。

全ての人がきっと「何か」を良くすることができる。

その仮説の実証をしてみたいと思います。製品やサービス(もちろんアプリとかも)に何かを感じた事のある方、日々色んな製品に接する主婦の方、新たな副業手段を手にしたいと思われる方、創業来ウチや僕とご縁を頂いた皆様、色んな方に是非エントリして頂ければと思っています。もちろん僕もヨクスルのメンバーとして、世の中を変えながら副収入を得るつもりです :-)

 


2014.06.21 (Sat)

以前にも紹介した事がありますがウチはアイディアをOUTPUTする事を推奨する制度があります。アイディア1つで500円のamzonギフト券が貰えるという制度。

別にそのアイディアが「良い」と判断されなくちゃいけないとか、プロジェクトとして「採用」されなくちゃいけないという条件は特に無く、

  • アプリやサービス等の新企画
  • 社内で気がついた問題点とその改提案

といった、何かを生み出したり、何かを良くする見込みのあるアイディアであれば、OUTPUTするだけで500円のamazonギフト券が貰えます。宇宙エレベータを作るとか、今の自分たちではどうしようも無い感が超高いと判断できそうなもの以外は何でもok。

「だから、沢山アプリが出てくるんですねぇ」

という声を頂く事もあるんですが、ご褒美的な報酬があるだけでは新しいアイディアが生まれ続ける事は無いと思います。生まれたアイディアを受ける「器」が無いと、アイディア出そうぜ!と発破をかけた瞬間には何かが出てきたとしても、それを継続させるのは難しいと思うんですよね。

  • アイディアを発表する場が定期的にある
  • アイディアを形にする事を後押しする

という仕掛けが「器」として、会社の制度として、機能しているから継続的にアイディアが出てくるのではないかなと何年かやってみて思う訳です。さすがにまぁ毎日何か出てくるって訳じゃないんですけど。

lamp © 2014 freemanphoto, Flickr

アイディアを出したらそれを形にさせて貰えるんだ、放置にはならないんだ、という状態を作り出す事が特に重要で、よくあるのは(自分が前いた会社にもありましたが)、全社的にアイディアを出しましょう〜〜ってな呼びかけがあって集まるは良いけど課長/部長/役員クラスまで議題になっていく過程であーでもないこーでもないと時間がかかる割にnegative意見がぶつけられるだけで結局何も始まらず呼びかけた歴史が残るだけで終わるパターン。

合議制がアイディアを潰すとはよく目にする意見ですが、それよりも、僕はこういう優柔不断さが組織に露呈する事でアイディアを出すモチベーションが下がってしまうことの方が問題だと思ってます。

アイディアが出たら、ポジティブなリアクションを会社としてすぐに返す。例えばアプリのアイディアがあるなら、すぐにプロトを作り始めるようGOサインを出せば良い。是認する事が大事でしょう。

ウチの場合、水曜日の13:00〜14:00が定期的なアイディア会になってます。皆、アイディアを事前に社内システム(Redmine)に登録しておいて、それを水曜日の午後に発表します。皆でそれを聞く。アイディアが何も無く終わる時も結構ありますが、それでも続けます。アイディアが受け入れられる器が存在する事が大事なんですよね。

アイディアを発表して貰い、何かしらリアクションします。否定するのは基本無しで、どっちかっていうと場にいる皆で香辛料を振りつける感じですか。こんな事もできそう?とか、こんなのどう?的な。その時間の僕の役割はいわゆるファシリテーションとGOサインを出すこと。基本否定はせず肯定しかしません。「ふんふん、なるほど、良いんじゃない?」って言って、発案者本人だけで完結するなら「じゃ、やってね、このあとすぐ」って言うだけです。

だから、水曜日の午後はその会のあと終業まで「聖域タイム」として基本的に通常業務をしない時間枠にしていて、その時間を使って作って貰います。以下はエンジニアのタイムテーブル。

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そして、ウチではメールも電話もエンジニアとは直接繋がないし、開発室には突然の来客も含め一切ノイズが無い状態にしていますから、早ければその時間でプロトが出来ちゃう訳ですね。で、プロトを見て、担当案件の進捗度合いを勘案し、「じゃぁ、明日からちょっとリソース割いてみて」って案件化させます。で、気がつけば、受託もやりながら残業無しで、自社アプリ達は5年たってこんな事になってます。人数の割に結構多い。

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アイディア会から出たものは結構あります。まぁこれはアプリという形があるので分かり易いかも知れませんが、別にアプリ開発事業じゃなくても一緒ですね。スタッフからのアイディアにはとにかくポジティブなリアクションをすぐに返す

そして、仮に「じゃ、やってね、すぐ」ってGOサインを出してもその時間が取れなければ形になりませんから、それを会社としてサポートしてあげることも重要です。人間、アイディアを出すって事は、少なくとも課された日々の業務よりも絶対に「やりたい」というモチベーションがあります。これ、普遍の事実。それを組織として後押しする、後押しする以上はそれを遂行できるよう環境を整備するのが重要です。何か言いたいとしてもウダウダ言わない。

  • アイディアを発表する場が定期的にある
  • アイディアを形にする事を支え後押しする(すぐに)

これだけで結構アイディアって出てきます。回り出したらしめたもので、ひたすら続けるのみですね。

 

アイディアを受け付ける仕組み、アイディアを発表/議論する会、アイディアを形にする時間、それを後押しする環境、が全部揃って新しいアイディアって生まれ続けるんじゃないかなという話。

時々、アイディアってどうやって出てくるんですかねーと聞かれる事があるのですが、新しいアイディアがなかなか出てこないという企業さんは、まず四の五の言わずどんなアイディアにもお金でもってリアクションするという仕組みだけでも取り入れたら良いんじゃないかなーと思うんですが、どうでしょうかね。

ウチと同じく1アイディアで500円のamazonギフト券だとしたら、仮に毎月1000個のアイディアが上がってくるとしても高々50万円。下手なコンサル入れるよりよっぽど安いですよ。

んで、まずは、本人だけで完結あるいは試行が出来そうなアイディアについて、週1時間の自由時間を与える。場合によっては予算もつける。支えて後押しする。それだけでアイディアって出続けると思うのです。


2014.06.07 (Sat)

先月の5月18日(日)に弊社エンジニア @kumatch の結婚披露宴が行われました。

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ウチのエンジニアの中では唯一の独身であったのでここ数年気にはなりつつも、遂にキターと報告を受けた時には感慨深く思った次第ですが、同時に披露宴への招待状を受け取った訳ですね。いぁー実に目出度い!。と貰った招待状を開封したところ、見慣れない一つの紙片が。

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「…当日お言葉を賜りますように…」と書いてある。こ、これはまさかスピーチってやつかー。祝辞の経験なんて今までに無いですから!!

新郎側の勤務先社長という立場なので、いわゆる友達代表とか同僚代表とかよりは厳かな感じの位置付けなんだろうなぁと想像しながら詳細を聞いたところ、宴の開始直後、最初の最初だと。いわゆる主賓の挨拶の位置付けではありませんかと。

新郎新婦の人生の節目、御両家の皆さんにとっても家の歴史に残る場での挨拶という責任重大な大役を仰せつかった訳であります。経営者になって人を雇用するとは、こういう事もありうるという事ですね。無論、立場上、人前のプレゼンには慣れてるのですが、意味合いが全然違います。緊張しない訳がないですし、それに、

プレゼンじゃないからスライドも配布資料もない!!

のですよね。スライドまたはテキスト等の有る無しって、話し易さに凄く影響してきます。場も場だから失敗は許されない。結果的には、何とか全う出来たのですが、こういう経験を30代のうちにさせて貰うのは大変貴重な機会なのでせっかくなので記録に残しておこうって事で、僕が話した挨拶の内容や、準備の仕方とかを書いてみます。

自分が経営する会社の従業員が結婚する、しかも参加者の年齢を考えれば自分はまだ若輩者、ってな同じシチュエーションに身を置く事になる若き経営者の一助になれば嬉しいです。

 

原稿を準備

社長であればプレゼンの機会なんて日々の仕事で何度も何度もあると思いますが、主賓の挨拶は基本的に宴の最初に来るものですから、その挨拶の成否によって宴全体の空気が変わってしまいます。その意識で準備が必要であろうと、普段のプレゼンで発表者ノート機能なんて一切使った事ありませんが、さすがに今回は原稿を用意しました。原稿必須。後述しますが、読み上げる為ではなく、練習する為に。

1ヶ月前ぐらいには何を喋るかアウトラインを考えて、2週間前ぐらいから詳細をノートやEvernoteとかにOUTPUTしていきます。社長たるもの忙しいので、万が一直前に時間がとれなくなる可能性を考えて早めの準備。練習の為にも早いにこした事はありません。

 

練習と推敲

時間はどれだけ長くても5分。絶対5分には収まるように、そして気持ちのこもった挨拶になるよう、実際のシーンをイメージしながら、それこそ服装もジャケット羽織ってポケットチーフをさして本番さながらの状態を作って声を出して練習です。これは恥ずかしがらずに絶対やった方が良いかと。僕は10回、20回どころじゃない回数練習しました。経験上、話の時間と練習すべき量は反比例しますね。

言葉が詰まってしまう所、流れるように喋れない所などは、言い回しや言葉の順番を調整し推敲を重ねました。実際に喋ってみないと分からないので敢えて声に出すんですが、重要なのは一言一句正確に言おうとしない事じゃないかなと。「読み上げ」に感情や気持ちを伴わせる事が難しいからです。祝辞は本の朗読って訳でもありませんしね。

自分の言葉って感じを出そうと思ったら、原稿とは筋書きに過ぎず、構成を記憶して喋りを繋げていく糊ぐらいの捉え方の方が良いのだと思います。

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本番、原稿は手に持つが実際には見ない

小さく折りたたんで手に持つ程度(途中1回だけ見た)。主賓の役割は、宴の雰囲気を良いものにする、御両家が当事者の婚姻を誇りに思い、参加者の祝う気持ちをブーストさせることにある筈なので、作られた喋りにならないように気をつけました。読むじゃなくて話す。だからこそ練習の数が重要なんじゃないかと。

 

そんな感じで臨んだ祝辞の原稿は、以下のような感じです。ほぼそのまま転記してみます。名前の部分は伏せてます。ちなみに @kumatch の業務はSYNCNELのサーバサイドの開発・運用です。

〇〇さん(新郎)、〇〇さん(新婦)、そしてご両家の皆様、本日は御結婚お目出度うございます。

心よりお喜び申し上げます。

どうぞお座りになって下さい。

只今御紹介をあずかりました大石と申します。この度はこのような素晴らしい宴にご招待賜りましたこと御礼申し上げます。人生の大先輩が多くいらっしゃる前で大変恐縮では御座いますが、5分ほどお時間頂戴致しまして御祝いのお言葉を申し上げます。

会社では普段「〇〇さん」と呼んでいますので、そのままの呼び方で話させて頂きます。

入社して貰ってもう4年が経とうとしていますが、彼がいなければ弊社の事業は成り立たないと言っても過言ではありません。弊社はいわゆるIT企業で、詳しくは余り申し上げられないのですが、御客様の業務に無くてはならない、これが無かったら困るというものを開発し提供させて貰っています。おかげさまで何年もその事業をやっていますが、ほとんど何のトラブルもなく提供が出来ています。御客様の満足度も非常に高い。それを支えてくれている主要なメンバーのうちの1人が〇〇さんなんですね。

〇〇さんの仕事ぶりはとにかく堅実、適度に石橋を叩きながら1歩1歩確実に歩みを進めてくれるタイプです。時には、自分から「大石さん、これついでにやっときます?」と半歩先の提案をしてくれる事もあります。1言うと普通1返します。時には0.5しか返さない人もいる。でも〇〇さんは違う。1言うと10返ってくる、時に12が返ってくる事もあるんですね。これが出来る人はなかなかいないんですよね。IT業界全ての社長さんが欲しがる逸材、それが僕の〇〇さんに対するイメージです。

さて時に〇〇さん(新郎)、事業をこれまで支えて来てくれた事に本当に感謝しています。有り難う御座います。是非今後もお願いしたいと思いますが、これからは、まず支えるべき最優先は奥さん、そして家庭です。物理的にも精神的にも経済的にも、その持ち前の堅実さと半歩先を見る視点でしっかり支えてあげて下さい。

そして〇〇さん(新婦)、彼は本当に毎日9時〜18時全力で開発をして帰ってくると思います。どうか、優しくその労を労ってあげて下さい。心の支えに、〇〇さん(新郎)の帰るべき安息の場に、なってあげて下さい。

結びとして、円満な夫婦になる為のコツを御紹介します。この3つの言葉を毎日、心を込めてお互いに言うようにしてみて下さい。「ありがとう、ごめんなさい、おいしい」…全て相手の存在や行為を認める気持ちありきの「会話」を始めるきっかけとなる言葉です。会話こそが幸せな家庭を醸成していくと思います。

お二人の未来が幸多くなる事を祈念しまして、また、皆様の永きに渡るご健勝を願いまして御祝いの御挨拶とさせて頂きます。改めて、御結婚、お目出度う御座います。

話の構成を細かく分けるとこんな感じでしょうか。

  1. 祝いの言葉
  2. 着席の促し
  3. 自己紹介
  4. 招待の御礼
  5. 御両家の年配の方々への言葉
  6. 新郎の事業への貢献
  7. 新郎とのエピソードと経営者としての見解
  8. 新郎へのメッセージ
  9. 新婦へのメッセージ
  10. 夫婦へのメッセージ
  11. 結び

練習では丁度5分だったんですが、実際には100%言えていなかったのでもう少し短かった筈です。原稿を見ずにしゃべったので、全体的に「てにをは」や言葉がだいぶ異なっていたり、6,7,8あたりは原稿と少し微妙に違ったのですが、原稿再現度70%ぐらいで話が出来たんじゃないかと。ホントは録画や音声も残せたら良かったのですが、当日、予想以上に初っぱな(宴が始まって1分後w)だったので録音も録画して貰う余裕もなかったです。

でもまぁ後から、良い挨拶でしたよとか、印象に残りましたとか、そんな感想をお聞き出来たので悪く無かったのだと思います。原稿再現度100%を敢えて目指さず、作られた文章ではなく自分の言葉で話をしたからかも知れません。ポイントは、

  • 原稿は作るが筋書きと位置付けて本番では見ない
  • 徹底的に実際に声をだして身振り手振りをいれて練習する

の2点だったかなと。

主賓としてスピーチするのは人生で初めての事でしたが、とっても良い経験をさせて貰いました。多分もうこれが最初で最後かなーと思いますが、万が一2回目以降があっても大丈夫そうです :-)同じ境遇の方に何かの参考になれば幸いです。何はともあれ @kumatch、結婚お目出度う御座います!お幸せに〜。


2014.04.18 (Fri)

またまた新作アプリをリリースしました!名前は「Sunshine(サンシャイン)」と言います。今年に入ってからほぼ月1で新作を発表している気がしないでもないです。多分あと1,2個続きそう。

さて今回リリースしたSunshineというアプリ

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動画を扱う人にはとーっても便利なユーティリティです。

動画ファイルで「音声いらないんだよなぁ」とか「音声だけが欲しいんだよなぁ」とか思った経験は皆さんありませんでしょうか?僕は結構あるんですよね。動画デモを撮影したけれど、空調の音とか消したいんだよね、とか。自分のセミナー撮影して貰ったのは言いんだけど、音声だけにして配布したいのさ。とか。

そんな時に活躍するアプリです。

具体的な使い方は、本日から公開しているfeedtailorスタッフブログにて開発担当@sumihiroによる紹介エントリが上がっていますのでこちらを御覧下さいませ。

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あ、ちなみに何でSunshineという名前なのかという点にも言及されてまして、30代の方でしたら面白く読んで貰えると思いますので是非 :-)

Sunshineはブロガーの方にも、動画系のクリエイターの方にも、あるいはお仕事ででも、活用頂けるアプリに仕上がっているかと思います。使う人が使うとある種の神アプリになる可能性もあると個人的には思ってまして、宜しければ是非お試し下さいませ。10回までの変換なら無償で御利用頂けます!

という事で新作の御紹介でした〜。