2019.06.05 (Wed)

(所要時間 : 約5分)

先日、一部ネット界隈で炎上の火種となった金融審議会「市場ワーキング・グループ」の最終報告書が6月3日に公表されました。「年金払えないから自助で頑張れって何でやねん!」と誤解された可愛そうな報告書の最終版ですね。

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ネット界隈が騒然としたのは報告書(案)のほうで、今回が本ちゃんの報告書。ということで改めて一通り読んだのですが、大変示唆に富むPDFで一読の価値ありな報告書に仕上がってました。

 

そもそも年金は悪くない

報告書の主旨は、「資産寿命をのばしましょう」ってことで、長寿社会を生き残るアドバイスみたいなもの。年金もう無理とは一言も言ってないので、一次資料にあたって現実を知るのに一読をお勧めしたい文書です。

個人的に一番価値を感じたのは、資産寿命 という考え方に触れる事ができる点。p.19の脚注に

資産寿命とは、「生命寿命」や「健康寿命」と関連して、老後の生活を営んでいくにあたって、これまで形成し てきた資産が尽きるまでの期間。資産寿命が尽きた後は年金等のフローの収入のみで生活を営んでいくこととなる。

と定義が載ってますが、長生きするというリスクに備える為に健康だけじゃなく資産も延命しましょうよということです。年金だけだと足りないようになってきたからですね。

少子高齢化って話もありますが、実は予想以上の長寿化で想定してた以上に定年後にお金がいるようになっちゃったのがホントのところ。また晩婚化と第一子出産の高年齢化、そして変わらない35年ローン新築購入という慣習でお金のいるフェーズが定年後にも随分はみ出すようになってきたことも大きいでしょう。

この報告書は、だから、官・民・国民の皆で頑張りましょうよって提言に過ぎないのですよね。

国民の「自助」の部分だけが取りざたされてますが、NISAの税制優遇改善すべきとか、iDeCoの制度PRもっとやれとか、金融庁や厚労省への提言もしっかり書いてます。ネットで炎上してたような「年金払えないから自助で頑張れ」って一言も書いてないんですよね。

色々調べると、国は別に怠慢してる訳ではなく、国民の老後に最高の保険として年金(特に厚生年金)を用意してくれてます。そもそも年金は賦課方式で理論的に破綻しないし、GPIFの運用も悪くありません。物価連動するところとか、受給開始を1年延ばしたら死ぬまで8%加算支給し続けるなんて民間の個人年金じゃまず不可能な特徴もありますしね。

そのへん、こちらの本がとても詳しいのでオススメです。

ネットでざわついた原因は、恐らく報告書(案)をベースに曲解したままSNSで発信力のある人が拡散してしまったことにあるのでしょう。例えばこういうのですね。

センセーショナルだから拡散されまくってますが、100歳まで生きると仮定すれば、実は貯金するより厚生年金にお金を投ずるほうが随分お得って事が分かります。ねずみ講というたとえはあまりに酷い。

って、ちょっと横道にそれました。

 

資産を延命する

冒頭の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の最報告書が言っていたのは、資産寿命をのばしましょうということでした。

資産寿命というコンセプトが公的文書で改めて強調された意味は本当に大きいと思います。資産って築くことに意識が向きがちだけど、延命する意識も大事って考えが浸透すると良いですよね。

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(よく引用される金融庁の図。高齢社会における金融サービスのあり方から)

よく見る図ですが、(2)の部分の上向き青矢印部分が、資産寿命を延ばすという意味。

高く積み上げることも重要ですが、下り坂の傾き具合をゆるくして、着地してしまうのをなるべく先延ばしにするということ。よく老後資産◯千万円!なんて言いますが、それだけでなく、例えば年間60万円(月5万円)だけでも資産が増えたり継続収入を得られることといった事も大切でしょう。

それを可能にする一つの手段が、

長期・積立・分散投資ならば、金融の先端知識や手間はほとんど必要ない。

として、報告書では積立NISAやiDeCoを活用した長期の資産運用を勧めています。行動を促すとても良い報告書なので、特に時間を武器にできる若い人に読まれると良いなぁと思いました。

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年金だけでは不十分。これが現実。国に責任がある論は一理ありますが、そういう国政を選択してきた国民の側に責任が全くないとは言えません。そもそも予測できない未来だったってのもあります。

現実をしっかり見据え、長生きというリスクに対峙し、できる人ができる事をできる範囲でやっていくべきなんだと思います。その意味で報告書は良いまとめになっています。

国は、NISAやiDeCo等の制度を用意し周知する、個人はそれを徹底的に利活用する。金融系の企業はちゃんと顧客の資産を守る(延命する)。

報告書には書いてませんでしたが、企業は更に内向き施策として、従業員の資産寿命をのばすのにどう寄与できるかをもっと考えて実践すべきなのだと思います。ここは自戒も込めてですが。終身雇用終了宣言もありましたし、従業員の資産寿命についてどう考えてるかは、その企業が選ばれるかどうかの重要なリトマス紙になるんじゃないでしょうか。

 

あぁ…気がつけばまた長文…(笑) このへんで止めておきます :-)

今回、面白い報告書だなぁと思って勢いまかせに書いてしまいました。実は最近、税金・法律・労務・投資などファイナンス関連に絡む書籍を読みあさってます。家族と従業員、自分の身近な人を守るために、ファイナンスの正しい知識と戦略がもっと必要かなと思いまして。

…じゃぁ、資産の延命できてるかというと正直まだ全然ですけど(笑)、引き続き仕事に影響出ない程度に勉強していこうと思います。


2019.04.27 (Sat)

(所要時間 : 約2分)

2019年4月の対応状況レポートをお届けします。

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(ついに7割を越えた)

2017年12月から続けているこのレポート、当初は50%にも満たない悲惨な状況でしたが、ついに7割を越えました。おめでとうございます!(誰に?w) いぁしかし平成のうちに大台に乗れてよかったです。

参考までに証明書の対応状況の変化が分かるように時間軸で並べてみました。2017年12月から2019年4月までの17回分です。

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が、余り面白いグラフではありませんね、残念。常時SSL化非対応サイトが警告表示になると騒がれた2018年7月前後で少し多めに増えたのが何となく分かるぐらいで、あとは綺麗な比例直線です。

上場企業の常時SSL化対応のこれから

7割の大台にのったことですし、今後、常時SSL化非対応サイトはマイノリティになっていくでしょう。「え?まだ対応してないの?上場企業なのに?」みたいな。

常時SSL化系のビジネスをされている会社様におかれましては、改めて非対応企業をローラー営業かける良い機会かも知れません。非対応企業の一覧もご提供できたりしますので、よろしければこちらからどうぞ(最後に宣伝w)

また来月もレポートします。


2019.04.21 (Sun)

経団連の中西会長が、終身雇用は守れないと思ってると明言したことが話題になっていますね。

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(4/22(月)によりよい雇用のあり方について説明するのだそう)

そもそも終身雇用なんて幻影だったので素直にそれを認めたのは潔いです。ただこれ、相当インパクトありそうです。企業はもう従業員を守れないと思う…って経済界の代表が白状したのですから。

これまで漠然と、企業は被雇用者を守ってくれる・そして守るべきであるという期待感や暗黙の了解みたいなものがあったと思うんですが、それをスパーンと「無理っすわ!」と言っちゃった。

まぁ、もちろん無理だよねーと皆分かってましたが今回のは会長の公式発言です。意味が全く違う。

影響ははかり知れず、大企業や中堅企業に「もう守れない」を前提とした組織や制度に変化していく力学が生まれるのは避けられません。組合側とはバトルになるんでしょうが、経団連会長が「もう守らなくてもいいよ」と免罪符を出した意味は大きいです。後ろ盾を得たと思ってる経営者もいるんじゃないでしょうか。

 

企業も、国も、守ってくれない

一方、ここんとこ国も「もう守れない」と言い続けてます。さすがに明言こそしてませんが、

  • iDeCoや積立NISAなど資産運用を促す制度の喧伝
  • 年金受給開始の繰り下げ等の年金制度再考
  • リカレント教育だとか人生再設計世代だとかの雇用支援策

等々は明らかに国からの「もう守れない」というメッセージを伝えるものです。

そんな不安も漂いつつある中での今回の終身雇用終焉宣言ですからね。さすがに多くの人が、国も企業ももう守ってくれないんだと認識して、自分の将来は自分で守ろうする意識が今よりもっと広がるのではないでしょうか。

ただ、もう責任持たなくて良いんだ〜と免罪符を得たことでのんきに構えている企業は、早晩採用の苦境に立たされることになります、きっと。

なぜなら終身雇用の問題って結局は従業員に支払うお金の問題に帰着する訳で、終身雇用が終わった今、その象徴たる「生活給と退職金」に代わる何かを従業員に提示しなくちゃいけないからです。

では何があるでしょうか。

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終身雇用の代わりに企業が提示できるもの

一つには「将来キャッシュフローの形成支援」があります。

平たく言えば、従業員にこの会社に勤めたら自分でお金を稼げる・残せるような未来が作れると思って貰える契約関係や待遇のことですね。従業員の未来のお金づくりを会社が支援するのです。

従業員が自分の事業を作る/育てる支援をしてくれる(副業推奨や残業なしとかはその一環)とか、会社で作った事業を譲渡してくれるとか、フルコミットでなくなった後も事業からの分配金を得られる仕組みがあるとか、プライベートな資産運用や節税を支援/補助してくれるとか…

珍しいですが実際やってる企業はあります。

従業員の副業支援だとサイボウズさんとか有名ですし、資産運用支援では企業型DCを導入してる企業はそうでしょう。共通してるのは、従業員の将来に目を向けているということ。多分、今後はそんな姿勢を発信して制度や取り組みにも表れている企業が選ばれるようになっていくでしょう。

逆に従業員の将来を真剣に考えてない企業は選ばれなくなるでしょう。だって、従業員にしてみれば将来の自分や家族を守る準備ができないってことを意味しますから。

 

高度経済成長期が生んだ終身雇用という幻影が、平成の最後にかき消されました。その意味で経団連会長の発言は僕はとても良かったと思います。むしろ遅かったぐらい。

自分らは逃げ切り世代のくせに…と非難する向きもありますが、逃げ切れてない・逃げ切れそうにない団塊世代が非常に多いことを最近飛び交ってる「老後破産」という言葉が示してますよね。

誰が悪いではなく、労使が共に意識を変える必要があると思います。これからは、被雇用者は自らを守る意識を持ち、企業はそれを支える意識を持つ。そんな関係が理想的な労使関係になっていくのだと思います。

令和という時代が、労使抗争ではなく労使共創の時代になると良いですね。


2019.04.17 (Wed)

WordPressサイトの静的化を訴求し初めて3年になるでしょうか。

ウチの強みはなんと言っても、WordPressサイト静的化エンジンと、静的ホスティング環境の両方を独自開発・運用しているという点です。両方を商用で内部開発してる会社は余りありません。

これまで約100のサイトの静的化に耐えてきたエンジン、メディア砲にもビクともしないホスティング環境。それらは弊社の3年に及ぶノウハウ・自動化技術の結晶です。

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(静的化エンジンはGoで内製。ホスティング環側ではLuaも使ってたり)

本日、そのノウハウや自動化による省力化によるコスト削減をお客様に還元すべく、espar の価格改定をする発表を行いました。

WordPressサイトを最速・安全なサイトに変換する静的化サービス espar が大幅な価格改定。条件を満たせば月額2400円から。

WordPressサイトにつきまとうセキュリティ問題・スピード問題の両方を合理的に解決する手段は静的化をおいて他にありません。だからもっと広めたいなぁと。

価格改定により、条件さえ揃えばお求め易い価格になりました。

ちなみに、既にご提供済みのお客様には、価格改定による影響について個別にご案内をさせて頂きます。(当たり前ですが)高くなることはなく、基本変わらないか、お安くなるかのどちらかです。離れられないサービスにしておいて後から価格を上げるクラウドサービスを時々見ますが、それは何か違う気がしますので。

 

という訳で espar の価格改定のご案内でした。

理論的に最高のものを妥当な価格で提供できるのが一番だと常々思います。自動化技術の蓄積はその方針を維持する原動力になりますから、これからも更に開発に力を入れてまいります。今後ともWordPressサイトの静的化サービス espar を宜しくお願い致します。


2019.03.30 (Sat)

2019年3月のレポートをお送りします。

3月もまたほぼ最終日での投稿になりましたが、3/25時点では既にレポート作成して公開してました。ブログのエントリが遅れてました。

さて、期末に何か特別な変化があったでしょうか。恒例のグラフです。

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(今月も特に大きな変化はない)

先月の68.3%から0.9ポイント増の69.2%です。余り変化ありませんねー。いぁホント動きが見られなくなりました。微増続きです。

EV証明書対応数が11社増加と気持ちいつもより多めに増えたので、予算消化で意識高い上場企業が対応してきたのかなぁと推測もできなくはないですね。

今月はIPOしたIT系企業のサイトが常時SSL化対応していない…という冗談みたいな例がありました(笑) 時々あるのですけどね。どこがどう間違ったらこんな恥ずかしい事態に陥るのだろうと不思議でなりません。晒すのが目的ではないので、書かないですけども。

全体で7割目前まできたのは評価すべきだと思います。来月は確実に7割超えますね。さすがに年内8割は難しそうですが75%は超えるかと。微増ながら増え続けることを喜びつつ粛々と観測し続けていきたいと思います。


2019.03.21 (Thu)

テレビは経済番組をメインで見るのですが、ここ数年はYouTubeも好んで見ています。

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(Thanks! the photo on flickr by Aurelien BLAHA / CC BY 2.0)

面白い・勉強になるコンテンツが沢山あって、気がつけば結構なチャンネルを登録してたりしますよね。皆さんはどんなチャンネル見てますか?

さて、以前に見てるテレビ番組を書いた事があったので、YouTubeチャンネルでも同じように僕が見てるチャンネルをツラツラと書いてみようかなと思いました。祝日ですしね(関係ない)

 

料理系

最近、余り料理できてないですけど。やっぱり人様の料理を研究ってことで。料理系動画はホント沢山あるんですけど、映像作品としても素晴らしいものが幾つかあります。お気に入りが以下2つ。

Peaceful Cuisine

ホントもう映像が美しい料理チャンネル。料理系動画をwatchしている人は多分知らない人いないんじゃないでしょうか。世界的にも有名なヴィーガン料理YouTuberさんです。肉料理はでてきません。

癒し系料理動画とでも言うのかなぁ。包丁の音とか、焼いてる時の音とか、心地よいのですよね。コーヒー豆を炒ったり豆腐を作ったり…ってなことも自分でやってて結構珍しいと思います。

JunsKitchen

Peaceful Cuisine よりもチャンネル登録数が多くて、world wide には多分こっちのほうが有名でしょうかね。英語です。でも場所は日本。

主に和食のレシピ動画です。特徴的なのは、毎回必ず飼い猫が登場するところ。自分とこのニャンコに見せてあげる為に動画作ってるんじゃないか…と思います(何度かニャンコの食事を作ってたことも)。配信頻度はかなり低め。ニャンコかわいい。

 

DIY系

DIYをやるようになってから頻繁に見るようになりました。お気に入りのチャンネル3つ紹介します。

オトーライ☆OTOHRAi

始まった当初から見てます。DIY動画では珍しい小芝居つきw 奥さんが頻繁に登場するんですが、クスっとできるなごみ系動画です。YouTubeという個人発信の場だからこそ成り立つコンテンツですね。

作っているものがとても身近というか、難しくなさそうというか、DIY初心者が見ても、あーこれなら真似して自分でも作れるかなぁと思えるのがとっても良いです。

haLkichi - 晴吉

こちらも始まった頃から見てます。初心者だった晴吉さんが凄い勢いでスキルアップされていくDIY動画。作られるもののセンスがとてもよくて、映像クオリティも素晴らしい。

上に料理系で紹介した Peaceful Cuisine のDIY版と言っても良いかも。御本人も初期の配信で言及されているので絵や音の作り方はかなり意識されているかと。見ていてとっても心地よいDIY動画です。上の動画は好きな回の一つ。まさかの結末にご注目w

ISHITANI FURNITURE

映画作品を見ているかのようなクオリティ。家具製作職人さん、DIYではなくプロの仕事動画です。

オーダーメードで1点1点作られてる過程はとても貴重かと。身近な家具がこんなふうに作られるんだなぁ〜と勉強にもなります。時々出てくるワンコが可愛いのですよ。

カミヤ先生のDIY!家具教室

DIYのノウハウ動画です。

お勧めの工具の紹介や工具の使い方、木工でのモノの作り方などがメイン。電ノコのキックバックを実演するとか、貴重な映像もあります。作品として楽しむというよりも、純粋に木工DIYを勉強する一教材としていいかなぁと思います。

 

科学系

なにげに好きなジャンルなんですよね。2つご紹介。

nimspr

物質・材料研究機構(NIMS)が配信しているチャンネル。科学系コンテンツ好きには良いですね。

特に「未来の科学者たちへ」のシリーズが好き。このシリーズ見ると科学って凄いなぁと関心するのですが、理論や理屈を分かり易い映像に変えるセンスや技術も勉強になるんです。

SUSHI RAMEN【Riku】

「普通、仮に思ってもやらないよね?」という実験をガチでやっちゃう(今は)大学生のYouTuber。ご存じない方はほぼいないんじゃないか。

やってみた系動画では発想・センス・行動力がずば抜けてますよね。才能の無駄遣いとはこういうことを言うんでしょうw。ただただ尊敬しかありません。笑いなくして見れない大量のヤッテミタ動画、どれも楽しいです。

 

ということで幾つかご紹介しました。どれもお勧めのものばかりですので、仕事の合間とか気分転換に宜しければ是非 :-)


2019.03.12 (Tue)

(所要時間 : 約5〜6分)

本日、新しいサービス espar form を発表しました。Webサイト静的化を促進する事業の第二弾。

一言で言うと、静的サイト上で問い合わせフォームを簡単に実装できるツールです。本エントリでは espar form の概要や、作るに至った背景について書いてみたいと思います。(プレスリリースも出していますので宜しければこちらをご覧下さい。)

ざっくり絵を書くとこんなイメージでしょうか。

20190312_espar-form_diagram

htmlにJavaScriptコードを貼り付けて少しいじれば、問い合わせフォームが動き出すというもの。メールサーバもperlやphpもCMSもプラグインも何もいりません。(さすがにhtmlをホスティングするサーバはいりますが…)

制作担当の方からすると、

  1. htmlに<form>タグを書く
  2. ルールに従ってhtmlをちょっと編集する
  3. サーバにアップロードする

以上!って感じですね。お手軽さを見て頂く為に、2分程度の動画を作ってみましたのでご覧下さい。


Webサーバ側の設定も触っていなければ、PHP等のスクリプトを置くこともしてしません。ただJavaScriptを貼り付けてクラス指定しただけ。静的なhtmlにメール送信機能を簡単にアドオンできる様子がご覧頂けるかと思います。

htmlであれば何でも良いので、Webページであればどこにでも、既存CMS内でも独自システム上でも基本的に関係なく使用できます。例えばWordPressなら、ContactForm7やMW WP Form の代わりに使って頂くとかでしょうか。(既にある事例の多くがプラグインの置き換えです)

ちなみに上の動画では、導入作業を想定してましてlocalhostなWebサーバ上のhtmlから送信できてますが、当然ながら本番稼働時には無効化する前提です。

 

背景

今、静的サイトが高速性・安全性の両面で再評価されています。キャンペーン用のランディングページとか、シンプルなコーポレートサイトとか、Webを静的に制作・公開する例がぼちぼち増えてきてました。

古くは静的再構築のMovableTypeですが、最近だとGithub Pagesfirebase, Netlify 等の静的ホスティングサービス、他には手前味噌ながら弊社のesparとかデジタルキューブさんのShifterのようにWordPressサイトを静的化するサービスもあったりで、ツールが揃ってきてるのもあるでしょう。

静的化機運の高まりは、「もう静的で良いんじゃない?」という声が昔より大きくなっていることや、「静的であること」が文教/行政/医療の制作案件ではRFPに要件として含まれていることにも感じます。

高速性・安全性の両面で静的サイトが最善の選択であることを、多くの人が感じ始めているんでしょうね。条件が一緒なら、静的サイト以上に高速なサイトも、静的サイト以上に安全なサイトも存在しませんから。そこに反論の余地はありません。

 

問い合わせフォームは?

しかし静的サイトでは必ず「問い合わせフォームをどうするか?」が問題になります。htmlファイルですから動かなくて当然ですね。なので従来から、

  • Googleフォームを使って iframe で埋め込む
  • formzu 等のSaaS側入力フォームサービスに任せる
  • SPIRAL 等のCRMツールを使う

などで回避してましたが、これはこれでドメインが変わるとか、デザイン・機能が制限されるというデメリットがありました。結果、やむなくWordPress化するとか、結局phpで独自に組むとか…になってしまうケースも見聞きします。静的ページのメリットは大きいのに、ホント勿体無い。そして静的→動的の変更は正直面倒くさい。

ここをどうにかしたいな〜と前々から思っていました。

Google Analyticsのような感覚で、html上に JavaScript のコードを貼り付けたら入力フォームが動き出す…そんなものが作れないか。そうして生まれたのが、espar form です。

 

espar form の特徴

espar form は、html上のフォームにメール送信機能をアドオンするという、従来のSaaS型フォームサービスとは全く異なるアプローチでフォームに挑んでます。幾つか特徴をご紹介します。

実装の自由度が高い

冒頭の動画をご覧頂くと想像つくと思うのですが、自分のhtmlに貼り付けるだけ…ということは、フロントエンドもまた自由なんですね。

よって、SaaS型ではやりにくかった独自のエフェクト付き問い合わせフォームとか、計算ロジックを伴う見積りフォームへの応用とかとか、比較的自由度の高い実装が可能になります。以下は実際の導入事例で、条件を入力すると計算結果が表示され、同時にメールが飛ぶという見積りフォームです。

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(制作会社様やその担当者はフロントエンドの開発に専念できる)

自由度の高いメールテンプレート

メールのテンプレートも比較的自由度を高めにしました。専用の管理画面から設定します。<form>要素内にある <input> 要素の name 属性値を変数として使う感じですね。

20190312_espar-form_admin

{{ .email }} と書けばそこが name=“email” な <input> 要素の入力値に置き換わるみたいな。他にも、IPアドレスやUserAgentを出力する変数も用意。普通にあって然るべきものは一通り備えています。

書き方を見ると分かる人には分かりますが、Go言語の html テンプレート表記を採用してます。なので、テンプレート内での条件分岐も簡単。if else を書けば「ラジオボタンの値が○○なら宛先メアドはこちら」みたいな事が簡単に実現できます。(Go言語の経験がなくてもマニュアルを用意していますので誰でも簡単に書けます)

他サービスとの連携

Slack, ChatWork, direct のビジネスチャットに連携する機能も用意してます。問い合わせフォームに入力があると通知を飛ばせます。Slackの拡張機能でメールの設定をする…といった手間はありません。

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(slackの指定チャンネルやchatworkのトークルームに問い合わせ内容が届く) 20190312_espar-form_direct
(directで通知を飛ばしている例。複数のチャットサービスに同時に通知することも可能)

将来的には各種のCRMと連携するとか、GoogleのSpreadSheetやサイボウズさんのkintoneとか、いわゆるクラウド型DBと連携することも検討中です。

結局、お問い合わせの内容ってどこか別のシステムに登録して蓄積していくものですから、メールから転記するより勝手に登録された方が便利ですもんね。また、APIを備える企業独自のシステムと連携することも可能です。(別途費用はかかりますが)

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(今後、LINE WORKS や SpreadSheet, kintone など色んな仕組みに繋げていく予定です)

もちろんセキュリティも考慮してて、悪意ある送信ができない(やりにくい)設計にしています。

20190312_espar-form_security
(セキュリティの観点から送信元ホスト名の自由な変更は不可、その他閾値を設定可)

他にも色々と特徴がありますので、よろしければ espar form のページ をご覧下さい。

ちなみに価格は結構安価に設定してます。月額何千円とかは、頂いたりしません。しかも同一ホスト内なら幾つフォームを使っても料金変わらずです。詳しくは料金表ページをご覧下さい。

 

JavaScript 前提とする是非

良いことばかり書いてきましたが、もちろんデメリットもあります。それは、JavaScript が前提になっているということ。espar form は、JavaScript が無効なブラウザでは動きません。

JavaScriptを前提とする是非は昔から議論されていて、

賛否が分かれるんですよね。1%をどう見るのか。企業によってはJavaScriptを無効にしている場合もあるのでもっと神経質になるべきという方もいらっしゃるとは思います。

ただ弊社は、<noscript>タグを併用すれば問題はないと判断しました。<noscript> タグ内で、メールを送って頂くよう伝えたり、無償のフォームサービスに誘導する等の代替措置が取れるからです。その代わりに得られる完全な静的サイト化のメリットのほうが遥かに大きいと考えています。

20190312_espar-form_noscript
(<noscript>タグを使って javascript が実行出来ない人への動線も確保)

 

感想を頂けるモニターさんを募集します

リリースを記念してモニターさんを募集させて頂くことにしました。

実は、espar form の原形は1年以上前にできてたのですが、制作事業をされてる方に協力を頂きながら洗練させて今に至ります。

espar form は先にも書いた通り全く新しいアプローチでフォームに挑戦しています。だからこそ、制作担当の方のフィードバックはホントに貴重なので、これからも色んな方からの感想やコメントを頂いて更に進化させていきたいと思っている次第です。

もちろん無償です。お金を頂くつもりはありません。興味お持ち頂けたら こちらをご覧頂き、宜しければぜひ御連絡下さい。(法人の方はトライアル申し込みを御連絡頂ければと思います。30日間無償でお試し頂けます)

   

というわけで新サービスの発表でした。これからも弊社はWebの静的化に取り組んでいきたいと思います。静的化を阻む何かがあるのならそれらを全部取っ払っていきたい、そんな意気込みでこれからも頑張っていきます。引き続きどうぞ宜しくお願い致します。


2019.03.01 (Fri)

昨年秋ごろに、

突然ですが、来春にオフィスを引っ越します。

書いてたのですが、春を待たずに早々と2月のうちに引っ越しをしてしまいました。11坪の部屋から約7坪の部屋へ。本日より新事務所での営業を開始いたします。

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(まだまだ散らかりまくり…)

まだ散らかってますが、ボチボチ片付けを進めるのはもちろんのこと、プライベートでハマっているDIYをオフィスに持ち込み、自分で居心地良い空間に作り変えていこうと思ってます。ソフトやサービス作るのも面白いですが、リアルなモノづくりの楽しさも実感している昨今です。

以下はOAフロアを自作している様子。床を5cm上げるパネルを敷き詰めた上にタイルカーペット用のピールアップボンドを塗ってるところです。

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(OAフロアは配線がめちゃきれいになるので自作お勧めです)

坪数の大きな新し目のビルの部屋だとOAフロアって普通なんですが、いわゆる数名規模のオフィスではなかなかOAフロア化された部屋ってありません。

無いものは自分で作る。ソフトやサービスの開発と一緒ですね。

作りたいものありすぎて、いつ完成するのか自分でも分かりませんが。以下は本棚を拡張すべく背面に打ち付ける木材を加工中の様子。

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事務所の引っ越しで普通はノミを使うことはないですね。Maker精神バンザイ。仕事がおろそかになってはいけないので、バランス取りながら色々やっていきます。

 

働き方が変わればハコも変える

前のエントリにも書きましたが、弊社は今リモートが当たり前になって打ち合わせもビデオが大半で、従業員を雇うより個人のパートナーさんとの連携重視となったので、オフィスに広さを求める理由がなくなってしまいました。

前回の引っ越しは組織が変わったので引っ越したという色が強かったですが、今回は働き方や仕事の仕方が変わったから引っ越したって感じです。こういう引っ越しもありですね。

結果、固定費が大幅に下がったので、そのぶんエンジニアの給与を昇給(ベア)したり、お客様に提供しているサービスインフラの増強に充当しています。こんな働き方改革(?)があっても良い。

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(何か創業直後に戻ったかのような雰囲気が漂いますw)

駅からは近いので、宜しければ遊びに来て下さい。

あ、今回、部屋をグッと狭くした分、これ以上モノが入らない状態になりました。引っ越し祝いのお花など、万が一にも送っちゃうぞ〜!と思って頂いたりした方がおられましたら、お気持ちだけ頂きますね。いつも気にかけて頂きありがとうございます。

という訳で引っ越しましたエントリでした。2月は引っ越しにリソースを割いたぶんビジネス的に余り動けなかったので、3月以降は色々仕掛けていきます。今後ともフィードテイラーを宜しくお願いします。


2019.02.28 (Thu)

2019年2月のレポートをお送り致します。

オフィス引っ越しのドタバタにリソースを取られてしまい、すっかり遅れてしまいました。2月最終日だし(笑) これは、レポート作成作業を完全自動化するには至っていないのが原因ですね…。今後対処していきます。

さて、国内上場企業の常時SSL化対応状況ですが、2月はどうだったでしょうか。

20190228_sslreport201902
(最近は1%台の微増に落ち着いてきた)

こんな感じ。

先月から1.0ポイント上昇しています。「常時SSL化しないと大変なことになるよ!」と若干煽り感のあった2018年のようにはいきませんね。年末までこの調子の微増が続くのだと思います。

じれったさを感じるばかりではあるのですが、とはいえ対応企業7割の水準が見えてきましたので良しとしましょう。弊社ではこれからも粛々とレポートを作り続けてまいります。来月もまたレポートします。


2019.01.28 (Mon)

本日、2019年最初のプレスリリースを出しました。

国内上場企業のWebサイトURL一覧が毎月届く、サブスクリプション型データ提供サービスを開始

データ提供サービスなので、事業の種類的には初めての試みになります。とはいえ、この分野を新規事業としてやっていく…てな気持ちは毛頭なくて、どちらかというと既存資産の商品化です。

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上場企業のURL一覧は案外存在しない

2017年からやっている常時SSL化対応レポートを始める前に調査して分かったことですが、上場企業のURL一覧って案外ありません。国が出してる訳でもないし、東証が出している訳でもない。webでの情報発信は今や当たり前だし、なぜ無いのか疑問ですけどね。

仕方なしに「上場企業 URL 一覧」でググると

など、それっぽいのが出てくるのは出てきます。…が、月次で最新情報を期待するのは難しそうだったり、拠出が不明だったり、禁止されている行為が一部行われて生成されてたりと、無償公開前提でレポートを作るにしても色々心もとなかったのです。

かといって、帝国データバンクなど企業情報販売のサービスを頼るのも違う。URLしかいらないのに(弊社にとっては)他の余計な情報までついてくるのでコストパフォーマンス悪いんですよね。

そこで諦めることもできましたが、なければ作るはやっぱりエンジニアリングの基本です。結局自作するに至り、今は国内の全上場企業の最新URL一覧を自社の資産として持つことができています。

この上場企業一覧を、必要とする法人様に定期的にお届けしようという訳です。

別に定期性は必要なく現時点の最新一覧さえあればokという場合にも対応可(1年分の費用お支払い)。お届け方法やデータの詳細、価格などは専用ページに記載しておりますので興味お有りの方は宜しければご覧下さい。

 

という訳で、新サービス発表のお知らせでした。

振り返ってみると2018年は忙しさにかまけてて、プレスや会社webでの発信が疎かになり過ぎてました。これまで年に数回は何かしら新発表してたのに、昨年はプレス1回だけですしね。

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(自社サイトのプレスのページ。2018年は1件。比較的多かった2015年とかは年に6回も出してた)

そんな訳で今年は対外的発信強化の年にすべく、暖めてる色んなネタをどんどんリリースしていこうと思います。