イベント/セミナー
2017.05.14 (Sun)

去る2017年5月11日(木)、CMS静的化サービスのesparのリリースと同じ日の夕方、摂南大学さんで講演してきました。最近毎年お呼ばれしておりまして、何とも恐縮な次第です。

講義中写真

今回で3回目。毎回「ベンチャー経営論」という類の授業で1コマだけ担当させて貰ってます。

アジェンダ

こんなアジェンダで。

アプリ開発事業がメインだった時のことを例に出して、とかく世間はB2Cのビジネスに目が行きがちなので、もっともっとお金の動く別の次元があるんですよ〜、と学生さんにお話する時に必ず出すのがこの図。

4象限

ビジネスやる時はどこの象限を攻めれそうか考えたほうが良い、情勢を見ながらどこに軸足を置くかは考えた方が良いですよと。

ウチの場合でいうと、iPhoneアプリ開発を黎明期に始めた頃の売り上げ比率はこんな感じで、

1:9

2010年にiPadが出た時にB2B需要が増すとふんでB2Bに軸足を移すことにしてこんな感じ

1:4:4:1

って変遷をたどりつつ、自社商品の売り上げ比率を徐々に上げて

1:1:1:7

こんな感じになってきたところで事業売却しました〜という話をしました。

その他、いつもよくやる話の繰り返し「尖る」「発信する」ってのが大事だよ〜という話とか、事業は結局のところ運と縁だとかとか…のお話。

1,2割の学生さんは起業も考えているらしく、やはり経験談は説得力が増すモノなのか真剣にノート取りながら聞いてくれました。学生の数は170名余りだったそうで、担当の先生によるといつもの授業に比べて寝てしまってる学生さんは少なかったとか。嬉しいですね。

僕は堂々と語れるようなバックグラウンドも持ってないし、色んなご縁と運で何とか生き残ってきた類の経営者なのでの「資金調達して上場して超凄いでしょ〜」的な壮大なネタは持ち合わせてないですが、自分の経験が次代を担う若い方々の何かしらヒントになると良いなと思います。

講演は使い回すことは基本的にやらなくて、資料も話も毎回作り直します。これ、結構大変なんですけど良いんですよね。今回も自分がやってきて良かったことや失敗談を改めて整理して、タイミング的にも新事業をどう攻めて行けそうかを考えるきっかけになりました。

例年通り170名分の講義レポート&感想が届くそうなのでちょっとドキドキしてます。毎年お声がけ頂いている摂南大学さんに感謝です。


2017.02.27 (Mon)

2017年2月15日〜17日の三日間、「Japan IT Week 関西 2017」に出展致しました。

Japan IT Week はリードエグジビションジャパンが主催する国内大型IT系見本市の1つです。それが関西初上陸。約300社が集結する関西圏のIT系展示会としてはかなり大規模なものとなりました。

 

展示したもの

来月リリースを予定している新サービスを展示しました。

Webサイトの静的化とホスティングを行うサービスです。既存CMSを使用し続けながらサイトを静的化できる という、CMSと静的サイトの良いとこ取りをする仕組みを作りました。

昨年発表した WP Guard を洗練させて、WPだけに限らずどんなCMSにでも使えて、静的化するだけでなく静的ファイルのホスティングにまで踏み込んでます。https化まで(証明書の取得/更新を込みで)やっちゃうので、静的化の為のオールインワンなサービスですね。

名を espar(エスパー) と言います。Elastic Static PAge Renderer の太文字部分をくっつけた造語。柔軟な静的化エンジンで、Go言語を使って自社開発しました。静的化を追求したノウハウが凝縮されています。


既存CMSを静的化するのが主なので厳密には違いますが、一部Netlifyとコンセプトが近いと思います。会期中は、こんなものをまさに求めていた!という声を頂いたり、弊社展示を目的に来場された人がいらっしゃったりと、反応は想像していた以上に良いものでした。

 

かかった費用

ブースはこんな感じになりました。専有面積は 3m x 3m の9㎡の最小サイズです。

何といっても場所代が半端なかったです。複数社で負担しあって共同出展するならともかく、従業員数人規模の小さな企業が負担する額としてはかなり高額です。明細はこちら。

項目 代金
小間代(0.5小間) 約50万円
調度品レンタル 約20万円
キャッチコピー看板 約1万円
搬入搬出費 約1万円
お弁当 約5000円


小間とはブースのことで、3m x 6m の18㎡の1小間が基本サイズ。その半分の9㎡が最小単位。基本1小間単位で申し込みますが、0.5小間というのは規模の小さい企業向けの特別プランで、これにざっと50万。

ホント陣取りだけで壁も机も電気も含まれていませんから、何から何まで全部自分で用意する必要があります。初めての出展なら要領もよくわかりませんので、運営側が用意しているレンタルセットを契約するのが良いんじゃないでしょうか。ちょっとお高いですけど、ウチはそうしました。

机やイス、カタログスタンドなどはもちろん、壁や社名版、カーペットに電気工事など、展示をしている様を出すのに最低限必要な物々を揃えてくれます。ダサくなるので標準レンタルセットは避けたほうが良いという意見もありますが、標準セットを卒業できるのは2,3回経験してからかなぁ。

これらに、後述するモノを色々と作った費用を加えると全部で費用は100万円そこそこ。名の通った展示会はおおよそこんな感じになるんじゃないでしょうか。

 

作ったもの

3m x 3m のブースは案外広いので何も無いと本当に惨めなブースになってしまいます。この種の展示会には僕も見る側として何度も行ったことがありますが、貧相なブースの残念さといったらもう…。机にパンフレットだけとか哀愁感ただよいまくりですから。

そうなるのは避けたかったので、とにかく賑やかになるようにと色々作ったものの一覧が以下。

  • 大型パネル(A1サイズ)
  • 地面に立てかけるバナー(50cm x 160cm)
  • リーフレット(2種類)
  • 机上パネル(A4サイズ)
  • プロモーション動画(40インチの液晶で再生)

これだけあると、3m x 3m 程度なら貧相な感じにはなりません。

ブース全体が何となくちゃんとやってる雰囲気に見えたことに初出展の自分らがまず驚きましたが、反省点が幾つか。もちろん、良かったなという点もあります。

  • 壁面にぶら下げるパネルはA0サイズでもよかった(A1だと小さく見える)
  • 壁の背丈が結構あった(2.7m)ので、ぶら下げるチェーンは長めのものを用意すればよかった
  • 机上パネルはスマートに机を彩ってくれるので効果あり
  • 立てかけバナーの存在感と賑やかし効果が思った以上にあった
  • 液晶TVで動画再生するには40インチ以上が必須(27インチのiMacは小さ過ぎる)
  • テーブルの白布の代わりにロゴ入りのオリジナルのものを用意すればよかった

全てやってみて初めて分かる気づきですね。特に良かったのは立てかけのバナー。


(ひとことブログのikuneeと、遊びに来てくれたジールズさん)

ほぼ人間一人分の大きさなので、やはり存在感があってブースの最前面ギリギリに斜め方向に置いておけば確実に視界に入ります。これがあるだけで随分と雰囲気が違いました。スタンドとバナー部分は取り外しが可能で、別のバナーを作れば差し替えが可能なものです。

当面、こんな感じで実物を社内の会議スペースに飾るつもりですので興味お有りの方は是非お越し下さい。

 

かけなかった費用

出展者用には運営側が気を使って(?)本当に色々とオプションを用意してくれています。最も高額な場所代(前述)は最初に支払ってしまうのですが、その後は出展者用の管理画面のようなものがWeb上に用意される他、メールで色々と案内が届きます。

オプション類は「せっかく出展するのだから」とあれもこれも付けてしまいがちになりますが、そこはあえて手持ちのもので代替したり、そもそも使わないという判断をしました。

  • 液晶TV(自社会議スペースにある40インチを持ち込み)
  • 有線ネットワーク(現場ではテザリングを使用)
  • バーコードリーダ
  • セミナー枠や広告枠

ネットワークは「当日現場でデモができなかったらどうしよう」という心配もありましたが、敷設すると10万円もかかるという話だったので却下。心配も杞憂に終わりました。期間中はテザリングで十分でしたし、有線があっても全く使わなかったと思います。

バーコードリーダはこの主のイベントでキレイなお姉さんが持ってるやつですね。来客者の入場証をスキャンしておけば後から個人情報をCSVダウンロードできるという代物。システム利用料が10万円超えするビックリ価格だったのでやめました。まぁ、そもそも効率性を重視して獲得しただけのリストはお金になる効率が極めて低いので利用する価値は疑問です。ここはお金をかけなくて正解。

あと動画制作もお金をかけずでした。冒頭に載せましたが、KeynoteやPowerPonintのアニメーションやトランジションを使えば何とかなるもんです。


動画の有効性ですが、正直、展示会場ではゆっくり最初から最後まで見て貰うという方は皆無に近いです。そもそも、途中で「ご説明させて頂きます」と声をかけますしね。ブースの賑やかし役です。控えめながらBGMも流しました。

なお動画を流す液晶TVはレンタルするとバカ高いので、会社のミーティングルームのものを持ち込みました。以下は40inchの液晶TVを梱包している様子。

購入時の箱を事務所引越し時に捨ててしまっていたので、楽天のこちらのショップから購入した法人向け専用の梱包セットが役に立ちました。展示会が終わった今、この大きな箱は 展示会用品セット として一式を入れておく箱になってます。

 

とまぁそんな訳で、ドドドっとかかった費用とかモノとか紹介してきました。これを読んで下さった方が出展される時に参考になれば幸いです。展示会に出てみて実際何が良かったのかとか、そのへんのお話はまた改めて書きたいと思います。


2017.01.27 (Fri)

iOSのフィードテイラーから、セキュリティのフィードテイラーへ。

事業の軸を変えるのも軸を増やすのも相当なエネルギーと覚悟がいるものです。ましてや全く違うドメインとなると尚のことそうだなぁと改めて思います。創業3年目には、社名に冠するRSS関連事業からiOSアプリ開発事業に軸を移し、そして11年目の今、セキュリティ事業に軸を向けると。

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(Thanks! the photo on flickr by Andres Atehortua CC BY-SA 2.0)

年末年始に熟考して進むべき道がクリアになってきたので、2017年は自信を持ってセキュリティのフィードテイラーで打ち出していきます。その発信の一環として、新サービスの披露をかねて2つの展示会に出ることにしました。

 

関デジDAY2017(2/9)に協賛

一つは関西デジタルコンテンツ事業協同組合さんが主催される関デジDAY2017。お馴染みメビック扇町で開催されます。開催主旨やコンセプトに共感したのもあって、弊社にしては珍しい協賛という形を取らせて頂いてます。前のめりでいくならそれぐらいが良いかなと。

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(参加申込みはDoorkeeperのイベントページから)

協賛企業は4社。KDDIウェブコミュニケーションズさん、ファーストサーバさん、クレディセゾンさん。で、フィードテイラー…何でやねんと。格差感すごい(笑) でも今回展示するモノ(後述)はどこよりも尖ってる自信のあるものですので、来場の御客様にも関心を持って頂けると思います。

開場は2017年2月9日の13:00。入場無料です。場所はメビック扇町。15時からは協賛企業のプレゼン枠で30分ほど僕からお話させて頂きますので、宜しければお越し下さい。

それからもう一つ。

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第1回 関西情報セキュリティEXPO(2/15-17)に出展

言わずと知れたリードエグジビションジャパンさんの大型イベント。関東圏では馴染み深いあの Japan IT Week が関西に初上陸、2017 Japan IT Week 関西 が開催されます。今までこの手のイベントでは、ウチの製品を扱って下さる販売店さんと御一緒に出たりとか、ヘルプでお邪魔したりとかでしたが、今回は何と自社出展です。

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情報セキュリティ分野だけではなく、IoT/M2M、組込みシステム、モバイル活用、Web&デジタルマーケティング、クラウドコンピューティング、と他にも5大テーマでEXPOが併設された大イベント。

そこに弊社は、一番小さいサイズですが小間を確保して、新サービスを引っさげて出展致します。僕はもちろん、@t0shiyaも、ひとことブログ執筆担当の@ikuneeも現地入り。3日間セキュリティを前面に出して発信させて頂きます。小間番号は 8-7 です。

既に200名ぐらいの方々に招待状をお送りさせて頂いたり、最近お会いした方には手渡しでご案内させて頂いています。招待状をお持ち頂くと無料で入場できますので、お越し頂けたら嬉しいです。まだ届いてないぞっという方は僕宛でメッセージやメールなど頂けましたらすぐお送り致しますので宜しければお声掛け下さい。

 

で、何を展示するのか

招待状に同梱でお配りしているご案内のパンフがこれ。Webサイトの静的化 によるセキュリティ確保サービスです。以前に WP Guard という Wordpress 向けプラグインを発表させて頂きましたが、今回はその進化系のサービスを主役に据えます。esparって書いてるやつですね。

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(パンフは時間の関係もあり、素材を組み合わせて使って自作しました。illustrator便利ですね)

展示では、Webサイト静的化について価値訴求すると共に、動的なCMSサイト(WordPress)がハッキングされるデモとか、任意のWebサイトをその場でリアルタイムに静的化してしまうデモとかもやらせて頂く予定です。

このWebサイト静的化という分野。海外を含めて色々マーケットを調べていると、ぼちぼちお金の伴う動きが出てきています。2016年は、日本じゃ余りニュースになってませんが Netlifyが約2億調達した なんて話もありました。既に静的化の周辺に static web hosting という事業ドメインが生まれていて、お金が動きはじめる気配を感じます。

課題解決に必然性があり、お金の動く傾向が見られたなら、それは進むべき半歩先の未来です。そういう訳で、フィードテイラーはセキュリティの中でもまずはWebサイト分野に絞り込み、更に static web hosting のカテゴリへ事業の軸を向けます。今回の展示会出展は、その前哨戦的な位置づけとして新サービスをご披露する場にしたいなと考えてます。

お時間御都合の会う方は是非お越し頂けましたら幸いです。会場でお会いできるのを楽しみにしています。


2016.10.13 (Thu)

11月1日にお馴染みメビック扇町の企画クリエティブサロンという企画で講演させて頂く事になりました。お呼ばれしたゲストが話したことをベースに参加者皆で議論する感じの企画です。

今まで著名な方も含めて色んなクリエイティブ系の方々がお話されたようで、恐れ多くもその第118回目に御招待頂きました。

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以下、詳細ページに掲載されている紹介文です。

お金も経験もコネも実績も何もない状態からソフトウェア開発会社を立ち上げて約10年。まさにゼロスタートから、受託開発依存で食いつなぎ、オリジナルのサービスを立ち上げ、自社の収益基盤に成長させた後、上場企業に事業売却するという激動の年月を過ごしました。 無い無い尽くしで創業した自分が、なぜここまで生き残ってこれたのか。様々な失敗と経験を振り返ってみて得ることのできた気付きを共有させて頂きたいと思います。

創業から10年間の…と、何度かこんな解説を書いてきたような気がしますね。今年は色んなところでお話させて貰ってます。そう言えば、来年も大学で講演させて頂くことも決まりました。

事業づくりのノウハウを宣うほどに経験豊富ではありませんが、今回も、ゼロからB2B事業を作ってある程度まで育てた経験と、自分の中で大切にしてきた考え方をお話できればなと思ってます。

ぶっちゃけ、僕は運が良かったのです。

iOSアプリ開発事業も、自社のクラウドサービスも、巡り合わせがミラクル過ぎました。大成功とは全然言えないですけどね。でも、ゼロ出発の会社でここまでこれたからこそ言えることがあります。運や縁が引き寄せられる自分や組織なのかどうか…が、事業ではとても重要な要素なのではないかということ。

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(最近よくスライドに出す図。自分が散々失敗して気がついたこと)

ここ暫く「創業から10年…」という文脈で話させて貰ってるのはそんな話で、自分の経験をベースに運や縁というものをある程度論理的にまとめてみたものです。結局は当たり前の事やんと自己ツッコミしちゃう程なんですけども。ただ以前の講演で、思ってたことが文章化されて良かったなんて感想も仰って頂いたりもしたので、当たり前のことが話し手の経験に基いて明文化されることにも価値はあるのだと思います。

お役に立てたら幸い。自分の人生にも意味あるな〜なんて思います。当日はディスカッションタイムもあるそうなので講演というよりも座談会的雰囲気が近いかもですね。という訳で11月1日、夜遅い時間ではありますが宜しければお越し下さいませ。