2015.06.30 (Tue)

雑文です。

最近、昔いてたブログ(日記)を読み返すことがあります。インターネット上のページを掻き集めてずっと残してるアーカイブサイトとかがあってですね、先日そこでたまたま見つけまして。振り返ってみるとブログ歴はもうすぐ15年ぐらいになるんです、実は。

20150630

(photo by bryan on flickr)

2000年前後に、当初はまだインターネットすら一般的でなかった頃なのでブログって言葉もなくて、「自分のホームページで日記書いてます〜」みたいな感じでやってたのです。

今になって思うと超残念なんですが、手元に全部残ってなくて、ネット上に残骸が断片的にある感じ。それを気分転換がてらに眺めたりするんですけども。10年前と考える事が全然変わって無いんですよね、面白いもんです。

以下は、2005年7月2日の朝に書いてた日記から引用。ちょうど10年前です。

自分が持つものを積極的にoutputしていく、どんどん持てる情報やビジネスアイディアを出していく、…そんなオープンな思想を持ち続けたいと僕は思っています。僕自身は余り大したものは持っていませんけど、稚拙であってもそれを外に出す事で何か新しいものが生まれるかも知れないから。人との出会いであったり、更なる自分の成長の機会であったり。

自分の人生のどの時点でそうなったのかは疑問ですが、僕は基本的にビジネスの話が大好きです。こんな事が出来るんじゃないか?こんな事をしたら面白いんじゃないか?….最初は稚拙かも知れないけど、話を、アイディアを、アツい思いを、ぶつけ合う事でだんだん具体性が見えてくるもので、まずはそういう議論をする事や議論をする機会が必要なんじゃないかなと。「へぇ良いねぇ」だけじゃなくて「具体的行動が先に伴いそうなもの」が。

幸いにして、今はそういう話が出来て将来面白くなりそうな人を身近に見付けています。それはまさに、自分のアイディアや熱意をホントにオープンにして発した結果。それを全部受け止めてくれて議論してくれる人が何故か吸い寄せられてきてくれた。発すれば目を向けてくれる人がいる、S極はN極を、N極はS極を、求めてるし引きつけられるもの、そういう事なのかも知れません。そんな力の働く空間で、僕はもっともっとアイディアや気付きをオープンにしてぶつけていきたいと思ってます。

さぁ、頑張ろう。

これで1日分。昔は文章短かった(笑)

当時は多分、最後の職場にいた頃かな..。この1,2ヶ月後ぐらいに退職して、休息期間を経て翌年起業することになります。そこに至るまでも、更にそこから今に至るまでも output が何かを引き寄せているのは変わりないんですよね。縁は勝手に引き寄せられてくる。

仏教の「因縁果」という考え方をこの間、大学で講義した時に話しました。は自分、は結果、因たる自分の言動が良いも悪いもを引き寄せて結果となるんだそうですよ。縁を求めちゃダメで、自分の言動を高めるところから始めよう、そうすりゃ縁は勝手に寄ってくるって話。10年前に思ってたこと、今も同じこと思ってますが創業してからの色んなご縁にホント感謝です。

がしかし。会社経営初めてもうすぐ丸9年、最近アウトプットが激減してる気がするんですよね、色んな意味で。執筆とかはさせて貰うのですけども。IN / OUT の比率が偏りすぎで、もっともっと発信しないとなぁと。facebookで散文書くのも良いんですが。

縁に飢えてるという訳では決してないのですけども、10年前の文章に触れて何となくそんな事を思いました。明日から超聖域だし、何らかのアウトプットしていきます。


2015.06.28 (Sun)

先日、社内1週間ハッカソン「超聖域」を行うことにしました(7月1日〜7月7日)というエントリを書きました。あれから1ヶ月半ぐらいが経ちまして、気がつけばもう明後日からです。会社としては初めての試みですが何が出てくるやら楽しみですね。

端的に言うと1週間何やってもいいですよ、以下のルールで…って取り組み。

  • IT分野ならジャンル不問
  • DEMOが出来るものであれば何でも良い
  • 7月1日からフルスロットルで動き出せるように準備しておく
  • 必要なモノがあればハードでもソフトでも会社が原則用意
  • チーム制を組んでやるのもok

もともとは、事前にどんなものを作るかのアイディアを全部出し合ってみて、これやるあれやる、何なら一緒にやりましょう、ってな展開で考えてましたが結局1人1人別々にやることとなったようです。ウチは週次でmtg(いわゆる個人面談のようなもの)をやっていますが、その中で何やるか聞いてみたりみなかったり結構適当で、何が出てくるかは半分ぐらいわかってません(笑

ジャンル不問ということで、まったく新しいことをやるって話もあれば、業務直結ながら普段の業務内では絶対できないことを思い切って1週間かけてやってみるって話もあれば、複数の案があるけどまだ何やるか決まってないという話もあって色々です。

自由な時間を与えるという意味

ついでに書いてみますが、1週間は極端ながらも、通常業務のある一定時間何するかは社員に完全に任せる、という取り組みは普通にどんな会社もやったら良いのにと思います。個人がどう考えてるか見えますのでオススメです。問題意識というか課題認識とか、発想力・アイディア力みたいなものが如実に見えてきますよ。

仕事に限らず日常でもありますもんね。面倒臭いなぁと思っていることもエイヤーと思い切って時間とってやると後が凄く楽になるとか。日常のやらなくちゃいけない沢山のことに埋もれているほど、あえて特別な時間を強制的に用意する。会社の場合、それによって生産性が少しでも上がれば、その後の1週間で4時間程度の時間って平気で回収するってなこともありますしね。

また、自由な時間のアウトプットから、そんなアイディアを持っていたのかとか、そこが気になってたのねとか、逆に何も普段と違うアウトプットが無い場合は、すまん、そこまで追い込んじゃってたのねとかも見えてきます。「通常業務の継続以外のことをやりましょう」という時間なのに、通常業務をやらざるを得ない期間がずーっと続くってことは、物理的にも気持ち的にもやっぱり余裕が無い訳ですよ。自由時間は一種のバロメータでもあります。

という訳で、組織運営における少しの自由時間は全ての企業でやる価値ありと僕は思います。アウトプットの発表する場が伴えばという前提はあります、もちろん。なかなか勇気いりますけどね。

超聖域も一つの実験

今回の超聖域は実に1週間。普通に考えてみたら、経営者またはマネージャたる立場の人間が自分の元で働くメンバーが1週間何やってるか全く分からないという状態を自ら作り出すって「何考えてんねん、暇か!」と怒られそうなものですが、これもまた実験ですので終わった後にはpositiveな面、negativeな面、色々学びはあると思います。期間終了後にはまたレポートを書きたいと思います。スタッフブログにも各人からレポートがあがる筈。

当該期間中、もちろん、お客様にご迷惑がかからないよう緊急事態には取り組みを停止することを前提にしてますのでご安心下さい。

ということで明後日から始まります。

あ、ちなみに僕は何故かスケジュール的に打ち合わせがあまり入ってない期間でもある(1日出張だけど)ので、僕も何かアウトプットがしてみようかなと思ってます。メールや電話等々の対応があるので、いっても時間は限られていますが。久しぶりに開発者的な事をやってみるかなぁとか、執筆やってみるかなとか色々考えてます。


2015.05.25 (Mon)

このタイトルでのエントリは実に8回目になります。そして今年2回目。

少し間が空いてしまってますが、今月頭の2015年5月1日にエンジニアがまた1人増えました。今回 join してくれたのは、@ankou1060さん。iPhone L♡VE部の関係者の方は「おぉ。あの人が!」と御存知の方もいらっしゃると思います。

anteru_20150524

フルネームがアンコウテルオ、通称アンテルさんです…ってことに社内ではなってまして、ホントの(?)本名はみんな忘れてるぐらい社内はアンテルさんで通ってます。えーっと、名字は何さんでしたっけみたいな。僕も社内でアンテルさんって呼ぶし、社内で使ってるslackのアカウント名もanteruです。

anteru_slack_20150524

別にふざけてる訳ではなくて、業界コミュニティにおけるアイデンティティを尊重するというか。もちろん本人が嫌でなければなんですけどね。そこは副業とかコミュニティにおける活動とかを制限するよりむしろ推奨しているウチらしいやり方だと思います。唯一名刺だけは本名で作ってしまっていて、後から気がついたんですが「feedtailor アンコウテルオ」っていう名刺の方が良かったかなぁとちょっと後悔してます。…って何の話ですか。

閑話休題。

ウチでは、主力商品となっているSYNCNEL事業を拡大する為、かねてよりweb側のエンジニアが必要って状態にはなってました。本来は2年前に増員しておくべきだったのですけど。その判断が出来なかったのは僕の大失敗として反省していて、その遅れを取り戻す事が火急のタスクとなってました。

で、「誰かweb系のエンジニアで良い人いないかな?」と夕方mtgでみんなに話をしたのが3月頭。心当たりがありますよーと @sumihiro に推薦して貰ったのがアンテルさんだったという訳です。一度面談という形で会ってからは トントンと話が進んで今に至るという感じで、当初の期待通りに即戦力としてSYNCNELの開発にガッツリ関わって貰ってます。

joinして貰ってまだ3週間程度、GWを挟んでるので実働2週間程度ですが、担当して貰ったSYNCNELの新機能が早速5月末のアップデートで反映されるぐらいのスピード感。来月も別の機能追加分がデプロイされるかも。これは、SYNCNELサーバ担当の @kumatch のハンドリングが秀逸というのも勿論ありまして、エンジニアの時間を無駄にしない、生産効率を何より重視する、モチベーション重視、というウチの文化が形になってきてるなぁと感じさせてくれています。

 

ちなみに今回オープンな募集も求人サイトも一切使わずに人財探しをしたのですが、やっぱり知人繋がりの採用のメリットは大きいですね。既存のメンバーが全員アンテルさんを(リアルかTwitter/facebookかは別にして)知ってるし、アンテルさんも全員知ってくれてる。どういう会社であるかを僕がブログでアウトプットしてるのもあって全てがスムーズでした。あ、これが、かの夕方mtgなんですね…みたいな。

自分1人ではない会社になってもう6年以上ですが、振り返ってみると

  • 働き易い環境を作り、社長がアウトプットする
  • スタッフのTwitter/facebookによる発信を推奨する
  • スタッフの副業やプライベートな活動を制限しない
  • joinして貰う人は既存メンバーの知人とする

あたりをやってたら自然と優秀な人が集まってきたなぁと感じます。人財に関しては恵まれ過ぎている環境での所感なので一般化できる法則かどうかは分かりませんけども。

でも振り返ると確かにそうなので、今後、(1)不特定多数への求人はしない (2)joinして貰う人は僕を含むメンバーの知人のみとする、を社の規則として定めることにしました。リクナビとかの求人媒体はそもそも使ったこと無くて唯一このブログで募集したことが一回あるぐらいだったですが。10人も間近となってきて今社則等を整備してまして、そこにも条項として明記しようと思ってます。

 

そんなこんなありまして、1年に2回も「新しい仲間が…」と書くことになったぐらいなので2015年もまた弊社にとっては激動期なのでしょう。「激動」にもいい加減なれてきましたが。何はともあれウチの主力事業であるSYNCNELに即戦力が加わった事で会社として更に加速していきたいと思ってます。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

 


2015.05.24 (Sun)

久しぶりの書評です。

4062189445 日本インターネット書紀 この国のインターネットは、解体寸前のビルに間借りした小さな会社からはじまった
鈴木 幸一
講談社 2015-03-13
by G-Tools

 

インターネットの世界に身を置いてる人は知らない筈がないインターネットイニシアティブジャパン(IIJ)の鈴木会長の著書。日本の歴史書である日本書紀をもじった本書のタイトル「日本インターネット書紀」は、本書の内容を端的に表現しており言い得て妙。JPNICが書く表層的な年表とは違い、日本の商用インターネットがどんな人達によってどんな想いで作られてきたかが良く分かります。

想いが詰まっているという意味では、鈴木会長の経営哲学を随所に垣間見る事ができ、共感できるところや学びを得るところが多く、単なる歴史書ではない面白さがあります。社史であると同時に歴史書でもあり、それでいて経営に関する指南書でもある書籍はなかなかありません。

文句なしの★5つ。

IIJさんと取引のある関係者は当然として、仕事でインターネットに関わるビジネスパーソンや起業家の皆さんには是非とも読んで貰いたい本です。というのも起業家が必ずぶち当たる壁にあのIIJの創業者もぶち当たっていてそれを突き破ってきた実話にエネルギーを貰えるから。

妄想に近い確信」という本書内の言葉が個人的にはとても響いたのですが、何か会社を起こすとか事業を立ち上げるとか新しいことを始める時って必ずそれを持ち続けることが必要で、だからこそ成功する筈なんですよね。鈴木会長はそれをずっと持ち続けてきた。インターネットが世の中を変える、インターネットが当たり前になる、どんな事業も最初は真面目に聞いてくれる人がほとんどいない悲しみと空しさに苛まれるもんですが、諦めなかった。

「将来の大きな話をすればするほど、無力感だけが募る」(p.97)

それでも言い続け、機会を作って行動を続ける人のところにヒトもモノもお金も運も集まるように世の中はなっているのでしょう。郵政省を動かし、銀行から融資保証を受け取り、その途端に一気に物事が動き出す第1章終盤,第2章のくだりの躍動感は、へこたれそうになってもやり続ける元気を与えてくれます。

かといって動き出したら順風満帆って訳ではなく、山有り谷有りが企業というもの。第3章,第4章と続くクロスウェーブコミュニケーションズ(CWC)設立から会社適用法までとその後の過程も当時の新聞記事などに触れながら実に生々しく描写されています。

潰える夢もある。もうなんというか会社って大変ですよねと共感しきり。規模の大小はあれ山も谷も経験している自分も沢山の力を得ました。パワーを貰ったってのは amazon のレビューにも同じようなことが書かれているので、この書籍の特性の一つでしょうね。どんな経営者も頑張るぞってなれます。

民事更正法と会社更正法の違いとか、やっぱり苦境の時は公私ともに銀行様に苦しめられてしまうのか〜って実利的な勉強になったポイントも結構あります。経営者としての考え方に共感できることも多く、

技術を看板に超大企業と競争しようとすれば、いつも先行するほかない。どんな状況でも大きく化けそうな開発を続けていかなければ、勝負にならない。…(中略)…「濡れぞうきん」とは、ぎゅうぎゅうに絞るだけでなく、技術者にある程度の遊びを許容しておくということである。(p.213)

競争力の源泉は、やはり人間以外にない (p.221)

このあたりは自分も常々感じていることなので、再確認できたのは非常に良かったところです。今やどんな企業も個人も「技術」とか「知見」とかの尖りポイントで生き残りをかけるしか無く、ヒトが生み出す価値への着眼と、それを突き詰めるリソース(時間・お金)的な余裕を少なからず持つ必要がありますよね、やっぱり。

他にも読書メモは色々残ってるんですが、書き切れないぐらいに沢山ありました。線も沢山引いたし、付箋もだいぶ貼りました。学びの多い一冊。本棚に残しておいてまた何かの時に読み返すことになるかも知れません。

iij_20150524

弊社はIIJさんとは、特にSYNCNELでお取引をさせて頂いているほか、iOSアプリ開発やiDEP関連で御相談を頂くこともあったりとか、かつては僕の誤解から大変失礼な態度を取ってしまった事もあったり(その節は申し訳ありませんでした…)とか、結構深い関係を構築させて頂いています。

だから、という訳ではないんです、たまたま本屋で気になるタイトルの本を見付けて手に取ったのがこの本で、迷う事無く購入して読んでみたら大変示唆に富んでいたと。深くお付き合いさせて頂いている取引先の創業者が書かれた書籍を読むって初めての体験で、とても良いものだなと思いました。苦楽の歴史や激動の過去、経営哲学を垣間見させて貰えるのって素晴らしいことです。世の中、電子書籍もお手軽になって盛んですし、全ての社長さんは本を書くと良いと思う…って自分の事を棚に上げてそう思った次第。

ちょっと脱線しましたが、お勧めの★5つ本の御紹介でした。本書の最後には、

インターネットが引き起こす変化は、ようやく序章が終わっただけ、本当の大変革はこれから始まろうとしている。…(中略)…インターネットは、いまだ、無限の可能性のほんの一端が具体化され始めたにすぎないのである。(p.445)

とあります。これ程までに進化したインターネットがまだ序章であるとはホント同感で、僕も若干末恐ろしく漠然と感じているところでもありますが、その未来にプラスの方向で会社としても個人としても貢献が出来ればと思っています。

 


2015.05.06 (Wed)

前からずっとやりたいな〜と思っていた新たな取り組みを、先日社内のミーティングで発表しました。その名も超聖域。今年の7月1日〜7日の1週間に渡って行います。超聖域って何やねんという話ですが(笑)

副業推奨とかメール禁止とか開発室分離とか、弊社の変な(?)取り組みや制度をこのブログで過去に紹介させて頂いてきたのですが、そういえば「聖域タイム」という仕組みについてはちゃんと書いた事がありませんでした。今回の「超聖域」とは「聖域タイム」という弊社の取り組みの拡大版になります。併せて御紹介。

聖域タイムとは

聖域タイムとは、Googleの20%ルールに近い取り組みで、毎週水曜日の午後の時間(ざっと4時間程度。上図参照)を、エンジニアめいめいが普段の業務を離れて、

  • 業務無関係に作ってみたいものを作る
  • アイディア会議で出たネタを実際に開発
  • 新しい技術の調査や実証実験
  • 社内の業務フローや環境改善

等々、普段の業務に終われてるとなかなか出来ない事や新しい事をやるのに時間を使いましょうっていう取り組みです(勿論、火急の案件やトラブル対応等をする場合は別)。2009年からやっているのでもう6年間続いてますね。

毎週水曜日には何か新しいモノが生まれてきました。富豪ブック8bitterそら用心はこの時間でプロトタイプが出来て製品化されたものです。製品ではなくとも例えば、弊社製ライブラリをFTFoundationというオープンソースなものとして整理して公開したりとか、社内のビルドシステムの自作やら、業務用システムのチューニングだったり、最近だとチャットシステムをSlackに移行した直後に便利なbotが早速投入されたりとか。

エンジニアも毎週水曜日の午後がそういう時間枠としてある…という事を前提にアイディアを考えたり、「あー、これ面倒だよなぁ。次の聖域でやってもっと楽にしよう」とかって発想で準備をしたりします。言うなれば、日々思い浮かぶアイディアや課題に取り組める「器」です。仕組みとしてこういう時間があると、組織って今月よりは来月、今年よりは来年、確実に進化するんですよね。ウチの開発スピード感やネタアプリを沢山出せている秘密の一つです。

で。

最近、1泊2日で泊まり込みで新しいサービスをワーッと勢いで作っちゃうみたいな事が流行ってるじゃないですか。いわゆるハッカソン。大阪市は結構盛んで、Moffとかは超成功例の一つなんですけど、あぁいう企画を社内でやれたら面白いのになぁとずっと思ってました。

 

社内でハッカソンを1週間やるとどうなるだろう

ある意味、実験なのですけどね。普段の聖域タイムを丸1日に伸ばすぐらいから…とかも考えたんですが。

ラズパイなどハードが絡んだネタにエンジニアが興味を持ってそうな雰囲気とか、通常業務でやる事が多すぎてアイディア出しても作れなさそうなんですよねぇ〜という声があったりとか、そういう事を見聞きして、じゃぁGoogleのDemoDayやfacebookでもやってるように丸1日って小さいことを言わず、

1週間まるごと使ったら良いんじゃないかな?

と思いまして、それで社内1週間ハッカソンにしようと。で、7月1日(水)〜7月7日(火)までを期間として最終日のPMに大発表会。その後、創業日パーティを兼ねた飲み会(7月7日が創業日)って感じだと年1回のイベントっぽくて面白いなぁと。通常の聖域タイムの拡大版なので名前は 超聖域

通常業務の緊急対応事案があれば勿論普通にやることを前提に、基本は通常業務を離れて「何か」を作ります。ルールは以下の通り。

  • IT分野ならジャンル不問
  • DEMOが出来るものであれば何でも良い
  • 7月1日からフルスロットルで動き出せるように準備しておく
  • 必要なモノがあればハードでもソフトでも会社が原則用意
  • チーム制を組んでやるのもok

既存の自社サービスの中で、いつか追加したいと思っていた機能を実装してみるのもありだし、全く新しく別のネタを作ってみても良し。カジュアルゲーム作りにトライするのも良いし、Arduino使って何か面白げなブツを作るのもokだし、AppleWatch向け新サービスのプロトタイプでも良いし、ELECTRONで node によるMac/Win/Linuxのネイティブアプリ作ってみたり、Surface Pen 使ったWindows8.1向けの何かでも良いし、Androidアプリだって構わない、もちろん社内の業務システム改善ネタでも全然ok。

手前味噌で恐縮ながらウチのエンジニアの開発力&スピード感は折り紙付きですから、40時間あれば結構なものが出来上がる筈です。

 

何が生まれるか分からない面白さ

facebookの「いいね!」の仕組みは、こういう取り組みから生まれたと聞きますし、ひょっとしたらウチでも何か凄いモノが出来るかも知れませんね。そうなったら面白いなぁ。新たな商品誕生の契機になるかも知れませんし、新たな技術の獲得となって今後の案件で御客様に喜んで貰える力になるかも知れません。さて何が出てくるでしょうか。

7月7日の大発表会を誰でもお越し頂けるようにして、経営者である僕ですら何が生まれたか分からない中での発表会を一緒に楽しむって展開も考えたんですが、今回は第一回目という事でとりあえずやめとく事にしました。でも成果物の中から公表可能なものは発表会後にスタッフブログ等で御紹介させて頂こうと思います。

という事で、社内1週間ハッカソン「超聖域」まで2ヶ月足らず。どんな事になるやら、楽しみです。


2015.03.10 (Tue)

久しぶりの更新です。書きたいこと沢山あるんですけどね、自分の役割を担ってくれる人は増えたのにタスクが多すぎて結局仕事が減ってないという(笑) まぁそんな状態に拍車がかかりそうな、業界で今年一番の注目アイテム Apple Watch の価格&発売時期が本日明朝に発表となりました。

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いぁー、ビックリです。

何がっていうと発売日。噂によると最初は日本が含まれない事になってて、「米国から並行輸入だなー、USにいる弟に開発用に買って貰わなくちゃいけないかなぁ」なんて事を考えていたのですが、米英仏独などと並んでまさかの一次販売国入りですから。4月24日、想像してたより早い!

iPhoneがiPadがライフ/ワークスタイルを変えたようにまた新しいユーザ体験をもたらすであろう Apple Watch を、いよいよ現実感もってヒシヒシと感じる事ができるようになってきた訳です。あと1ヶ月半ほど。楽しみですね。

ということで?

フィードテイラーでは全スタッフに Apple Watch を支給する事にしました。価格はおおよそ想定内だったので発表をみて即決。隣にいた奥さんはマジか!とエラいビックリしてましたがホントです。元々、Happy My Mac 制度や Happy My iPad 制度など、スタッフが個人用Mac/iPadを購入する事を支援する制度はありましたので似たようなものですね。名付けて Happy My Apple Watch 制度。

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支給すると言っても厳密にはApple Watchを購入した事が分かる領収書があれば、最も安いモデル(Apple Watch SPORT 38mm モデル。約42,000円)の金額相当を給与に特別加算する(支給額に対する源泉は引かれる)形になります。特別ボーナスみたいな感じでしょうかね。もちろん所有権は個人です。

実質タダで Apple Watch を手に入れるのもよし、ちょっと上乗せして、普通には手が届きにくいレギュラーエディションの Apple Watch を買うもよし(EDITIONでも良いけどw)。何にせよ時代の変革は常に肌身で感じて貰いたいのです。自社の事業にも関係ありますしね、何よりウチのスタッフの大半には「買いたいなー」「使えるなら使いたいなー」という思いがあります。

アイディアって新しい刺激で創発されるじゃないですか。じゃあやっぱり刺激は沢山受けて貰った方が良い訳です。イベント然り、人との出会い然り、新しい製品との触れ合い然りですね。本人に前向き感・前のめり感があるなら、その体験のハードルを下げてあげるのも会社の役割だと思うんですよ。

だから、その気になればリスクゼロでApple Watch持てますよ、時代の変わり目感じれますよ…という状態にしてみようと。ひょっとしたら Apple Watch 所有率が一番高い会社になるかも知れませんね(笑)。まぁ強制ではないので別に欲しくない場合は買う必要もないのですが。でもみんな買うだろうなぁ。自分なら買うかなぁ。っていうか買って体験して欲しいかな、経営者としては。

…と、相変わらず変な会社ですが、iOSアプリ開発のスペシャリストを謳う以上は Apple Watchのアプリ開発も積極的に行ってまいりますので、お気軽に御相談下さいませ。開発に従事するほぼ全員が実際にブツを使っている会社の方が御安心頂けるんじゃないかなーってのもありますよね、きっと(^^) 今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

 


2015.02.02 (Mon)

このタイトルでエントリを書くのは7回目になりますね。書くのが随分と遅れてしまいましたが、実は2015年の年明け早々から1人増えてまして現在8人体制となっています。

新たにjoinして貰ったのは @t0shiya さん。

iPhone LOVERS が集まるユーザグループイベント iCUG ではお馴染みの方なので iCUG 関係者はよくご存じかと思います。これまでウチでの採用は(パートで入って貰っている奥さんを除いて)全てエンジニアに限っていたのですが、この度、初めて非エンジニアの採用となりました。

20150202
(御客様と打ち合わせする一方で、サーバの設定をしたり、アプリを開発したり、電話したり…)

昨年11月にこのブログで書いたエントリ フィードテイラー流の課題と対策 〜こだわりを捨てる時〜 でこんな事を書いてました。

自分の役割を一部担って貰い得る人にジョインして貰う時がきたと判断したのが先日のことです。

多岐にわたるプラットフォーム・言語での開発経験があり、自社商品・サービスのマネジメント経験があり、メールや各種ドキュメントの作成能力も備え、電話対応や接客も全うに行う事ができ、最新のテクノロジに対する向上心と学習意欲を持ち、営業・技術営業として打ち合わせもこなし、各種セミナーや講演も行うような人にジョインして貰えると僕の負荷は目下50%になるなと。

何とまぁ贅沢な(笑) と自分でもツッコミを入れたいし、そんな人おらんとツッコミを頂いたものですが、昨年のこの時点では既に @t0shiya にアプローチしてました。

飲食系で接客の経験があり元バーテンダー、サーバ側開発・インフラ構築・アプリ開発も実績ありという異色の経歴、渉外含むマネジメント経験もあって更に基本Mac/iPhoneラヴ…という今のウチには「正に」な人財。

実はiCUGでの御縁をきっかけに過去2回程、弊社にアプローチをかけて貰っていたのですが、当時2回ともiOSやWinを強化したい時期だったという事もあって、タイミングが合わずお断りをしていたんですよね。「いつかjoinして貰いたいです」と言いながら。

で、今回。ようやく開発の分かるマネジメント層を強化すべき時期が来て、オファーしたところ有り難いことに即決頂いた次第。トントンと事は進み新年初日から加わって貰っているという訳です。弊社の赤魔導師 @sumihirojoinして貰った時も思いましたが、結果はやはり想いの総量なんでしょうね。

早速、1月から案件をお任せしてます。既に1件クローズしたのですが、担当の方からは「知識や技術、コミュニケーションスキルも素晴らしい方で御社の層の厚さを実感しました」と仰って頂くなど御客様の反応も上々。フィードテイラーの開発部所属として案件を任せつつ、一方SYNCNELでは営業部所属としてパートナー御支援や営業同行をお願いすべく早速東京出張にも行って貰ってます。

今のところ会社としてのスピード感が上がるであろう手応えアリ。

おかげで、僕の負荷は明らかに軽くなっていて、負荷が軽くなった僕はその分、経営を含む、やりたいと思ってるのに全然出来ていなかった事の数々をやっていきます。SYNCNELを中心に、新事業の立ち上げや社内体制の整備・強化など、これまで以上の変化を積み上げていく、2015年はそんな第一歩になると思います。同時に、案件をハンドリングする層に厚みがでる事で、エンジニアの生産性も更に上がるでしょう。

僕がいなくても細かな調整が進んでいる、僕がいない会議が会議室で行われている、などなど普通の会社なら当たり前だけどこれまでウチでは有り得なかったシーンに不思議さを感じる昨今です。でもこれも会社の変革期という事なのでしょうね。

という訳で、新たに8人体制となったフィードテイラーを今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

 


2014.12.31 (Wed)

2014年の総括です。

まずは1枚のスライドを。

20141225_001

これは年末に会社の現況を伝える為に作った資料の一部で、弊社の超大雑把な事業マトリックスと収益分布です。御覧の通り、一番ウェイトが大きいのはB2Bの自社商品。子会社であるSYNCNELが御提供させて頂いているスマートデバイス用ファイル配信サービスからの収益です。これが実に弊社(厳密には弊社グループ)収益の6割を占めるようになりました。

今でも幸いにして沢山のiOSアプリ開発をお手伝いさせて頂いているのですが、収益分布では圧倒的に自社のB2B事業が大きくなっています。ちなみに2割を占めているのは、そら案内をはじめとするAppStore経由で配信する自社アプリ。時々リリースさせて頂くネタアプリ等もここに含まれます。

2014年総括すると、創業時に夢にまでみた「自社にしか出せない価値で生き残る」構造がぼんやりと…ではなく明確な形になってきた年と言えると思います。自社プロダクトで収益8割という状態はIT系企業の多くが目指す所なので、この域にようやく一歩入れたのは、スタッフや御客様、パートナー様に恵まれているからこそと痛感していて感謝の思いを深める1年でもありました。昨年以上に「有り難う御座います」を声に・形にしたいと思って言動してきたつもりです。

また2014年は、こだわりを捨てた年でもあります。

SYNCNELでWindows専用の運用支援ソフトウェアの開発に1年中リソースを割いていましたし(完全業務用なので余り表には出てこない)、そら案内のAndroid版アプリを内製するようにしたり、とiOSに対する拘りを捨てました。

拘りは時に強みになりますが、時に足枷にもなる。だから、WindowsやAndroidもビジネス上必要であれば選択肢に入れる事も躊躇しない思考に切り替えた次第です。フィードテイラーは、iOS以外を排斥する会社から、iOSファーストで事業を起こす会社に脱皮したと思います。

なので、今ポートフォリオは

  • そら案内事業
  • SYNCNEL事業
  • iOSアプリ開発事業、iOSアプリコンサル・セミナー等の支援事業

となっていて、ここに今年立ち上げたDailyshotヨクスルという事業が更に加わっていく事になります。あくまでiOSファーストで、事業を起こしていく。展開次第ではプラットフォーム関係無しに事業拡大を図る。その一方で、弊社を必要として下さる企業様には最も得意とするiOSの世界でのみお応えしていく。そんな両輪展開を今後は進めていく事になりそうです。

 

今年リリースしたもの

カレンダーを遡ってみたら思ったより沢山ありました。ほぼ毎月何か新しい事をしてる感じですね。目立ったトピックを列挙してみました。

1/22 Nyatter Twitterでニヤニヤしよう!!画像収集支援iPhoneアプリ「Nyatter(ニヤッター)」を公開します
2/4 QR目覚まし 簡単には止められない目覚ましアプリ「QR目覚まし」をリリースします!
3/25 SORA デザインにこだわった天気予報アプリ「SORA」をリリースします
4/18 Sunshine 動画を分離する新作アプリ「Sunshine(サンシャイン)」をリリースします!
5/13 TailSearch Twitterエゴサーチ用のMacアプリ「TailSearch」を公開します
5/21 BGTube iPhone用YouTube再生リスト専用プレーヤー BGTube を公開します
8/4 そらレーダー 雨雲予測アプリ そらレーダーを公開します
9/18 8bitter
メジャーVerUP
8bitter v2.0.0 を公開 – 『8bitキーボード』追加!
10/22 そら案内 for OSX
フルリニューアル
そら案内(Mac版)v2.0.0 を公開しました
11/10 そら案内
メジャーVerUP
そら案内(iOS版) v4.0.0 を公開しました – iOS8 & iPhone6/6Plus対応
11/17 Dailyshot 新サービス Dailyshot をリリース!
12/2 そら用心 玄関に行けば降水確率を声でお知らせするiPhoneアプリ「そら用心」をリリースしました!
12/10 富豪キーボード ネタキーボードアプリ「富豪Keyboard」が審査を通過できないのでソースを公開します
12/22 そら案内 for Android メジャーVerUP そら案内(Android版)v2.0.0 を公開しました

細かなVerUPは省略してます。

少人数でこの数が出来る秘訣は?とよく聞かれるのですが、これは今まで作り上げた現場エンジニアの生産性を最大化する大石メソッド(?)の成果であると自負しています。6年この体制でやってますから理論として間違ってない筈。残業ゼロ・有給消化率高・離職率ゼロ・生産性UPという、一見矛盾するものを共存させる術やその実態について講演したり執筆したり取材を頂くのも多い1年でした。まぁ、僕の負担が大き過ぎるというのは相変わらずなのですけどね(笑)

 

新しく始めたこと

スタッフブログを始めました。

feedtailor_Inc__スタッフブログ___関西_大阪のiPhone・iPadアプリ開発_feedtailor_Inc__スタッフブログ

自社プロダクトのリリースやアップデートについてはほぼ全て各担当エンジニアに任せるようにして、この結果会社としてのOUTPUTが改善されました。これまでは僕が全部ブログに書いていたのでアプリのリリースやアップデートの情報が表に出ない事がしばしばあったのですよね。

また、物販も始めました。

そらビーコン___そらビーコン_Online_Shop

ってこれはそら案内事業の延長線上のものですが、ビーコンの販売を開始しまして、物販って大変だなぁ〜と痛感いたしました。今後も、そらビーコンだけでなく、アプリと連動して価値提供出来るような「モノ」の開発・販売は続けていく事になると思います。(将来ハードよりな人にもジョインして貰えたらなぁとか。)

あと、働き方というか就労環境を改善しました。

4分の1休

まず社内リクエストが幾つか出てきたので、有休消化スタイルの選択肢として「4分の1休」を増やしました。これまで有給は全休(丸っと一日)か半休(午前か午後の半日)の二択でしか取得出来なかったのですが、2時間分だけ取れるようにしたと。粗大ゴミを出す為にちょっと朝遅くなるとか、子供を迎えに行かなくちゃいけないので少し早めにとか、そんな感じで使っているようです。

半休を使うのは有給残が無駄に減るので勿体ない…という発想なのでしょうね。これは裏返すと有給消化率が高いという事でもあるのですけどね。消化率はかなり高い方ですが、もっと高くなれば良いなと思ってます。

昼休みの短縮

もう一つ。12月から試行中なのですが、昼休みはもっと短くても全然問題無さそうという提案をうけて15分の短縮化を試みてます。その分、朝を15分遅くか夕方を15分遅くかにしてみて、全体の生産性が下がらなければ定時を変えようかなと。

労使間の契約書をまき直したり就労規則を変える面倒さはありますが、個々人の人生の合理性を考えれば悪くない変更なので実験中です。恐らく変わるかなぁ。生産性にダメージが無いなら、制度もどんどん変えていくのはウチらしいなと思います :-)

 

そして、2015年

ちょっとした予想というか期待を。

IoT

まず間違いなくIoT、全てのモノはインターネットに繋がるのです…っていう触れ込みで猫も杓子もアイオーティーと言ってる1年になるでしょう。ここ1,2年はBLEによりスマフォを介してモノがネットに繋がってきましたが、モノが直接ネットに繋がるケースも増えてくるでしょう。

ウェアラブル

猫も杓子もAppleWATCHと言ってるでしょう。年末にはGPS搭載なまさかの新モデルが発表されたりなんかして、初期のEDITIONを購入した人が阿鼻叫喚する事になるのではないでしょうか。

仮想通貨

bitcoinの次…が国内でも知名度を上げてくるでしょう。XRPとかSTELLARとか。IPOに疑問を感じる起業家の中には仮想通貨を使った資金調達スキームとしてICOなるものを考え始める人も国内で現れるでしょう。

B2B市場の急速なiPadシェア低下

やっぱりiPadでは仕事が完結しない、Officeがいるんだよ、迷ってたけど安いWinタブレットも出てきたしやっぱWinタブレットかなぁ、なんて機運が高まりB2B市場ではiPadの独壇場であったものがWindowsタブレットで喰われていくようになるでしょう。ビジネスアプリの豊富さから、WinタブレットとiPhoneの2台持ち or iPhone単体持ちがB2B市場の基本的な外回りスタイルになると思います。

他にも色々ありますがキリが無さそうなのでこのへんで。

弊社は、流行に迎合した商品開発(そのバズワード言いたいが為の商品やろ?的なもの)ではなく、冷静に「御客様の問題を解決する為の技術」という考えで最新技術やトレンドをチョイスして、メディアやVCに踊らされない軸を持った製品開発をしていきたいと考えています。

新しいトレンドを追いかけつつ新商品にもトライしながら、SYNCNEL・そら案内・Dailyshot・ヨクスルなど、既存のオリジナルサービスを強化してまいります。また、増員も考えてます。

本年も大変お世話になりました。2015年、今年と変わらず全力疾走致しますのでどうぞ宜しく御願い致します。皆様、良い年をお過ごし下さいませ。


2014.12.31 (Wed)

明けました。例年通り年賀状をwebで。

年賀状2015

昨日に2014年総括エントリを書いたところなので何やら違和感ありますが、2015年になりました。気がつけばもう10期目です。早いモノで大台の2桁。

今年もまた全力で走り抜けようと思います。やっぱりお金稼ぎというかビジネスが好きなんでしょうねぇ。ただ、金が手に入ればokかというとそういう事ではないのですが。

自分の夢に向かって挑戦します!頑張ります!たのしみます!という気概も生きていく上では大切なのですが、その先にあるものが、オレって格好良い!私って素敵!という未来だけなら、それはだいぶ残念な人生です。自分が目指すとこに行き着いた時、自分は社会にどんなインパクトを起こせているのか…を常に意識したいですね。

 

僕の場合は、「生産性を最大化する意識」と「企業が時間外労働(残業)をゼロに取り組むこと」が社会的問題の多くを解決するというメッセージを社会に発信し他の企業の就労環境に影響を与えること、が一つの目指す所です。そのメッセージ性を高める為にもっともっと上のステージに行かなくちゃいけない。

弊社では昨年、スタッフの1人が結婚し、別のエンジニアには新たなお子さんが誕生しましたが、これも就労環境が影響してると思う訳ですよね。ブラックなら結婚にも到らないし、子も作る気おきないでしょう。

晩婚化だー、少子化だー、とか未だに言うじゃないですか。そんな問題、全ての企業が時間外労働ゼロにすればサクっと解決すると思ってます、結構真剣に。その原動力が生産性の向上意識。お上が婚活支援するとか、待機児童減らそうとかじゃないっすよね。本質はそこではないし。本質ついてないからいつまで経っても解決しない。役人は表面しか見ていないし「楽」しようとしてるよなぁと感じる訳です。

会社における諸悪の根源は人事部にあり、

社会における諸悪の根源は就労環境と生産性にある

その実証をするのが僕の次のミッションです。昨日のエントリには書いていませんでしたが、2015年は働き方とか企業の在り方とかそういうメッセージを昨年以上に発信していきたいとも思っています。

とまぁそんな事を考えながら、新年早々、会社に来て仕事してます(笑)

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唯一身の回りで正月らしいアイテム。毎年家で飾っている木でできた可愛い鏡餅(?)です。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

 


2014.11.16 (Sun)

(渡欧中の飛行機の中で考えて書いた事をつらつらと…)

 

設立から8年強。人を採用するようになってから約6年。ずっと考えてきたのは、従業員(またはエンジニア)にとっての理想的な就労環境の実現でした。その為に僕がやってきたのは、役割分担の徹底と執拗なまでのムダの排除です。それが結果的に生産するもの(アプリやサービス)のクオリティを支え、御客様のメリット最大化を図りつつ、従業員の幸せも担保できると考えてきたからです。

危機感

これらに全力で(それこそ身を粉にして)取り組む事で、今でも離職率ゼロを維持し、待遇面含めエンジニアからは大きな不平不満も無く、フィードテイラーで将来は働いてみたいと思う人も現れ、開発したアプリ実績数は優に100を越え、Appleさんやキャリアさんとも直接お付き合いをさせて貰うようになり、大手企業がひしめくB2B市場でしっかり存在感を持つSYNCNEL(MCM業界で6位。上位でベンチャーはウチのみ)という自社サービスを収益源とするまでになりました。有給消化率は高く、残業時間ほぼゼロで、同じ業界で単純な対労働時間生産高を比較をするならスコアは相当高いだろうという自負も持っています。

今の状況を成功と仰って頂ける方もいます。まがりなりにもエンジニアの理想的な就労環境を作ることは出来た(と思っている)ので、自分が目指したものを達成した事を成功とするなら確かにそうなのかも知れません。

でも次のステージ(その理想環境の持続性確保)に目を向けてみると、ウチ独自の構造に潜む構造的欠陥がウィークポイントとして表出するようになってきていて、それに危機感を感じてしまうのです。今は良くても時間軸を先に伸ばすとそうも言っていられないと。経営者が自分のブログで危機感感じる〜と書くのもどうかと思いますが、持続性(サステナビリティ)が高くない事業や会社は長続きしないのは自明の事です。

昔に発表させて貰ったDevLOVE関西の時の資料から1枚引っ張ってきました。

DevLove関西Decision_today_key

DevLOVE関西発表資料から。僕はグリーン。全ての案件の窓口・調整役を担っている

御客様とのコミュニケーションはゲートウェイたる僕(上図グリーンの人)が担い、実経験に基づくエンジニアリング知見と御客様とのコミュニケーションという渉外力とでもって内外の「壁」を作り、少数精鋭のエンジニアが開発業務に専念する時間を限りなく100%に近づける、これがフィードテイラー流の開発体制です。

このゲートウェイの役割は僕にしか出来ないと昔から思っていて、だからこそウチらしさが現れるポイントともなっていました。しかし、この構造は、僕の負荷がプロジェクトの増加に伴い比例的に増えていくという欠点を持っています。まぁ当然と言えば当然で、何とか耐えてたつもりなんですがそろそろ限界が見えてきました。

経営とは何か

限界は最近特に顕著に見えてきて、僕が経営者として「経営」を行える時間が年々逓減しつつある事に現れてます。正直、経営者ではなく、プロジェクトマネージャーとしての大石という顔でいる事が多くなりました。つまり、経営をちゃんと出来てないに等しい。

経営とは、リソースから生み出せる価値の最大化です。

ウチのようなソフトウェア開発業の場合、エンジニアの1時間が御客様の満足にどの程度繋がったのか、エンジニアの1時間がどれだけの利益に繋がったのか、エンジニアの1時間がエンジニア自身のモチベーションやその身内の笑顔にどの程度繋がったのか、それらの指標を何倍にも何十倍にも膨らませる事により、社内外の関係者全てをより幸せにするということが経営だと僕は考えています。

そこに時間をかけれていないなら、いずれ時代の趨勢に左右されジリ貧状態になっていく事になるでしょう。内外に提供しうる価値を増幅出来てないんだから。それこそ歯車が一つ狂えば一気に崩壊します。だから経営者は、中長期的な複数の視点や戦略を持って次の手を次々と考察し模索し実行に移していく必要がある訳です。

それが今、余り出来なくなっていて、考える時間が本当にありません。毎週ハーフマラソンの距離を走っているのは考える時間を無理矢理にでも確保する為と言って良いほど。経営者が経営に専念できないのは長い目で見れば御客様にご迷惑をかけるばかりか、社内外の幸せ度が落ちていくに違いない。この状況を抜本的に解決すべき状態にあります。

そんな中でも頑張って経営っぽい事をしたなぁ〜と思った例を一つ。

昨年子会社化したSYNCNELは、とあるオペレーションで何も追加の開発を行うこと無くある時から利益が10%増になりました。勿論、御客様には全く不利益になる事が無く…です。開発者の1時間が生み出す利益が「調整」だけで1.0から1.1になった。併せて御客様の満足度も販売パートナーの満足度も体感で1.1倍にはなってます。

経営っぽいですね。

その他にも、今は他ソリューションとの連携を深めて、販売チャネル増と解約率減を図る動きもとり始めていますが、これも社内リソースが生み出す価値の現状1.0を2.0にし易くし、0.8にならないようにする取り組みであり、今その調整を進めています。またこの11月に渡欧してロンドンで会議をしてきたのも同じ目的です。

経営とはこういう事であり、資料作りも会食もプレゼンも出張も全部この為にやっています。ホントはここにもっと時間をかけなくちゃいけないのに、上述の構造的欠陥が負荷になっている為にかけられる時間が余りない。これは言い換えると、御客様や販売パートナー様にもっと便益を提供出来る機会を逸失していると言えなくもない状態です。あわせて、担当しているプロジェクトのスピード感にも影響します。

経営の専念率も最大化

エンジニアの役割分担の徹底と開発専念率最大化を推し進めながら、自らの経営という役割専念率を低下させていっている状況とも言えます。そろそろ自分の役割を再定義して自分の時間というリソースの配分を最適化しないといけません。

もちろん、マネージャー的な自分の役割をいきなりゼロにする事はできませんけど。現状を100だとしたら少しずつ減らしながら1年後には50%減って残り50%は経営に専念してるイメージです。3年後には10%で、9割はホントに経営してる感じ。

繰り返しになりますが経営とは社内リソースから生み出す価値をブーストさせること。

果たしてそんなに簡単にいくのか分かりませんが、今回見えている課題(限界)は打破する為に何かを捨てなければならないタイプの限界。そこで創業から、特にスタッフが増えてからずっと持っていたエンジニアのゲートウェイ的な役割は自分でなきゃダメというこだわりを捨てる事にしました。気持ちだけで越えられる限界もありますけど、この限界はそうじゃない。だから、自分の役割を一部担って貰い得る人にジョインして貰う時がきたと判断したのが先日のことです。

多岐にわたるプラットフォーム・言語での開発経験があり、自社商品・サービスのマネジメント経験があり、メールや各種ドキュメントの作成能力も備え、電話対応や接客も全うに行う事ができ、最新のテクノロジに対する向上心と学習意欲を持ち、営業・技術営業として打ち合わせもこなし、各種セミナーや講演も行うような人にジョインして貰えると僕の負荷は目下50%になるなと。

さすがにここまでは高望みし過ぎですがエイヤーと踏み込む時だと思う昨今です。

 

30代最後の誕生日を迎えてすぐ渡欧の為に乗った機中で、とある原稿執筆に追われながら未来の事を色々と考えていました。変わるべき時が来たのだと思います…っていうかちょっと遅すぎた感は否めません。それを取り戻すように年末年始は激務が続きそうですが、思い描く次のステージ(理想環境の持続性確保)も見えてきたのでそこに到達すべく頑張ってまいります。