2015.08.02 (Sun)

アップル好きならお馴染みのMacFanにインタビューが掲載されました。アップル大好きアーティスト、TTRE土屋礼央さん(レオさん)のページ「pAple Inc.」という連載がManFan内にはありまして、面白いアプリを作ろうという企画にかれこれ2年ぐらい御一緒させて頂いてます。

アプリ開発はウチの @itok_twit が担当していて、僕はマイコミさんのビルにお邪魔しては編集長やレオさんと楽しく話をさせて頂いているだけという…(笑) アプリは、Bluetoothを使ったもので、恐らく秋には出るのではないかと思います。

だいたい隔月で僕が東京出張の際にお会いしてるんですが、とにかくレオさんが本当に多才な方でいつも驚きがあります。音楽は勿論のこと、色んなこと知ってはって博学だし、ラジオでもテレビでも雑誌でもあらゆるメディアでご活躍で、書籍も何冊も執筆してて、全国ツアーで飛び回ってはるし、趣味でそばも打つとかで、物凄いエネルギッシュなんですよ、そして話が面白い!人を楽しませることに秀でてる人って凄いなぁといつも感心するばかりなのです。

レオさんの最近の素敵な曲ユラユラのPVはこちら。

アーティストさんと接することって余りないもんですから、僕にとってはホント新鮮で毎回楽しませて頂いて元気貰ってます。この楽曲もそうですが、人に元気を与えられるのって素晴らしいですよね。

で、先般、MacFanの紙面が刷新されました。これに伴いレオさんのページでインタビュー企画が始まったということで、大変光栄なことにその(事実上の)第1回ゲストに選んで頂いたという訳なんです。こんな感じで、MacFanにまるっと1ページ対談の様子がドーンっと。

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前編/後編に分かれるそうで来月も掲載されるとのこと。タイトルが恐れ多いですが。今月はMac版の最新版Office2016についてミッチリ解説されていてオススメですので是非是非みなさんご購入を :-)

 

そういえば、インタビュー中にレオさんに「大石さん、ライブの企画とか向いてそう」と言われました。僕は音楽とは距離のある人生を送ってきて(でもRAG FAIRさんは知ってた)ライブともほぼ無縁だったので、まさか!とビックリしたんですが、「お客さんがどんな風に感じて、どのように楽しむか考えて作るとか得意そうじゃないですか」と。ほぇぇぇ〜とまたビックリ。

僕は普段から、お客さんになりきる、お客さんの立場に自分を置き換える、お客さんの脳みそと自分の脳みそを入れ替える勢いで臨め!なんて事をビジネスをやっていく上での大切なスタンスにしているんですが、基本的に誰もが呼吸と同じぐらいに当たり前にできる事と思ってきた訳です。それが誠実さというものだし、仕事ってそういうことだし。

だから、それをやろうとしてるとはとても思えない人の言動を見るにつけ超イライラしてきたんですよね。今もそうなんですけど。なんで、そんなに自分中心にしか考えられないの?って怒り心頭になることしばしばで、2年前に入社してもう辞めちゃった人を相当追い込んでしまった時期もありました。家族へのお祝いにサプライズを仕掛けるってしたことないでしょ?って言って。

自分が善人とかそんな傲慢なことはコレっぽっちも思ってないんですが、レオさんに言われたことで、お客様の気持ちで考えるっていうのはある意味スキルなのかも知れないと思い至った次第でして、何だか新しいキャリアというかビジネスプランというか、そういうもののヒントを得た気がしました。お客様を思う気持ちというか、そういうのって多分、意図的に育てる必要があるんですね。ある意味、それが人の感情として自然発生するものではないということがはとても残念なことだけど。

 

閑話休題。インタビューって僕もこれまで何度かして貰ってきたのですが、気づきが本当に多いです。喋ることで思考が整理されるし、言葉のやりとりの中で「あー、そうそう、自分が考えてるのって○○○○○やねん」って思考が言語化できたりとかしますしね。最近はインタビューする側にもなって気づきを得たこともあったので、改めてインタビューすげーと感じました。

結局なんのエントリか分からなくなってきましたが、メインはMacFanに載りました〜という御報告と、今月のMacFan是非買って下さい〜という話でした!


2015.07.24 (Fri)

ヨクスル(YOKUSURU)は、「世の中の製品やサービスに対して感じた問題点と改善案を提示して貰い、それをメーカやサービス提供元に代わってお届けする」という会員制事業です。実は1年程前に新事業「ヨクスル」を始めますというエントリで新サービスやります宣言をしてました。随分間が空いてしまったんですが、始めようと思います。

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消失するアイディア

既存の商品やサービスで「こうしたらいいのに」とか「ここ改善したらもっとよくなるのに」と思うことってありませんか?

僕は結構ありまして、コンビニの製品からアウトドアアイテムまで、いっつもアイディアが湧いてしまいます。例えば、セブンイレブンのホットコーヒーにスリーブ用意したら持ったときに熱くなくて良いのにとかですね(これは1年前の発表エントリで書いたネタですが)。そんなちょっとした思いつき。でもせいぜいメモにするぐらいか、奥さんとの雑談の中でボソっと言う程度なんです。

これをずっと勿体無いなぁと思っていました。小さなアイディアなんですけど、客としての声なのは変わりない。企業としたらそれが貴重な筈なのに、現場で消えて無くなってる。誰にも届かない。

どんな企業も必死にお客の声を聞きたいと思ってます。だからコールセンターを用意したり、アンケートハガキを用意したり、web上に問い合わせフォームを用意するんですけど、まぁ電話しないし、ハガキ出さないし、サイトも開かない訳です。ちょっとしたアイディアであればあるほどそうですね。電話にしろハガキにしろフォームにしろ、どちらかというとクレームを言う時に使います。ひどいケースではどこに言ったら良いか分からない場合すらあります。商品売りっぱなしかよみたいな。

アイディアが届かない原因と機会損失

ちょっとしたアイディアが届かない理由って、大きく3つあると僕は考えてます。

  • (A)伝えるのが面倒くさい
  • (B)伝えるモチベーションが起こらない
  • ©伝えるルートがない or 分からない

別に伝えたところで今すぐ何か変わる訳でもないし、クレームと思われたら嫌だし、誰得って話です。

でも、お客様のちょっとした「ひとこと」が商品改善や新商品開発に繋がることは色んなアイディア商品の成功譚を聞けば分かりきったことです。それが企業に届いていないんだとしたら、この世の中は実は色んな機会損失をしてしまってるんじゃないかと思うんですよ。

作り手がなんぼ考えてもやっぱ気がつく範囲には限界あります。これはホント、政治の世界においても会社の中でもそうですね。政治家は国民のこと分からないし、経営者は従業員のこと分からんのです。

政治や会社はややこしいので置いといて、とりあえずは一般消費者向けの商品やサービスにフォーカス当てますが、もし上の三大問題が改善されたら、誰もがもってる筈のアイディア(マイクロアイディアとでも言いましょうか)が会話のネタぐらいで役目を終えてしまうのではなくて、きちんと然るべきところに届いて、結果的に世の中の商品やサービスはもっと良くなるんじゃないのかなと思う訳です。

20140724_1305

ヨクスルがやること

上記のような思いで始めてみるのがヨクスルです。ヨクスルがやるのは以下の3点。

  • 改善アイディアを投稿できるサイト(受け口)を用意します
  • 改善アイディアの投稿1つ毎に報酬金をお支払いします
  • 改善アイディアをメーカやサービス提供者へ代わりに届けます

アイディア収集&お届け代行みたいなものかも知れませんね。上に掲げた(A),(B),©の三大問題をそれぞれに対して、(A)ヨクスルが用意した投稿サイトをブックマークしておいて貰えればスマフォからいつでも投稿が可能、(B)Amazonギフト券で月次でお支払い、©声を届けるのを代行、…ってことでそれぞれ解決を図ったつもり。

アイディアを投稿して頂けたら、最低10円最高で20円もらえます、Amazonギフト券で。毎月集計後にメールで届く感じです。20円で1日1アイディアを続けると月に600円なので、それなりのものが買えますね。今はAmazonは買えないモノがないぐらい商品が充実してますから、本やCDとか買わないから無駄なポイントでしょってこともなく、生活用品の足しに使えると思います。水とか。トイレットペーパーとか。

詳しくはヨクスル会員制度のサイトをご覧下さい。

[ヨクスル(YOKUSURU)は、「世の中の製品やサービスに対して感じた問題点と改善案を提示して貰い、それをメーカやサービス提供元に代わってお届けする」という会員制事業です。実は1年程前に新事業「ヨクスル」を始めますというエントリで新サービスやります宣言をしてました。随分間が空いてしまったんですが、始めようと思います。

20150722_1614

消失するアイディア

既存の商品やサービスで「こうしたらいいのに」とか「ここ改善したらもっとよくなるのに」と思うことってありませんか?

僕は結構ありまして、コンビニの製品からアウトドアアイテムまで、いっつもアイディアが湧いてしまいます。例えば、セブンイレブンのホットコーヒーにスリーブ用意したら持ったときに熱くなくて良いのにとかですね(これは1年前の発表エントリで書いたネタですが)。そんなちょっとした思いつき。でもせいぜいメモにするぐらいか、奥さんとの雑談の中でボソっと言う程度なんです。

これをずっと勿体無いなぁと思っていました。小さなアイディアなんですけど、客としての声なのは変わりない。企業としたらそれが貴重な筈なのに、現場で消えて無くなってる。誰にも届かない。

どんな企業も必死にお客の声を聞きたいと思ってます。だからコールセンターを用意したり、アンケートハガキを用意したり、web上に問い合わせフォームを用意するんですけど、まぁ電話しないし、ハガキ出さないし、サイトも開かない訳です。ちょっとしたアイディアであればあるほどそうですね。電話にしろハガキにしろフォームにしろ、どちらかというとクレームを言う時に使います。ひどいケースではどこに言ったら良いか分からない場合すらあります。商品売りっぱなしかよみたいな。

アイディアが届かない原因と機会損失

ちょっとしたアイディアが届かない理由って、大きく3つあると僕は考えてます。

  • (A)伝えるのが面倒くさい
  • (B)伝えるモチベーションが起こらない
  • ©伝えるルートがない or 分からない

別に伝えたところで今すぐ何か変わる訳でもないし、クレームと思われたら嫌だし、誰得って話です。

でも、お客様のちょっとした「ひとこと」が商品改善や新商品開発に繋がることは色んなアイディア商品の成功譚を聞けば分かりきったことです。それが企業に届いていないんだとしたら、この世の中は実は色んな機会損失をしてしまってるんじゃないかと思うんですよ。

作り手がなんぼ考えてもやっぱ気がつく範囲には限界あります。これはホント、政治の世界においても会社の中でもそうですね。政治家は国民のこと分からないし、経営者は従業員のこと分からんのです。

政治や会社はややこしいので置いといて、とりあえずは一般消費者向けの商品やサービスにフォーカス当てますが、もし上の三大問題が改善されたら、誰もがもってる筈のアイディア(マイクロアイディアとでも言いましょうか)が会話のネタぐらいで役目を終えてしまうのではなくて、きちんと然るべきところに届いて、結果的に世の中の商品やサービスはもっと良くなるんじゃないのかなと思う訳です。

20140724_1305

ヨクスルがやること

上記のような思いで始めてみるのがヨクスルです。ヨクスルがやるのは以下の3点。

  • 改善アイディアを投稿できるサイト(受け口)を用意します
  • 改善アイディアの投稿1つ毎に報酬金をお支払いします
  • 改善アイディアをメーカやサービス提供者へ代わりに届けます

アイディア収集&お届け代行みたいなものかも知れませんね。上に掲げた(A),(B),©の三大問題をそれぞれに対して、(A)ヨクスルが用意した投稿サイトをブックマークしておいて貰えればスマフォからいつでも投稿が可能、(B)Amazonギフト券で月次でお支払い、©声を届けるのを代行、…ってことでそれぞれ解決を図ったつもり。

アイディアを投稿して頂けたら、最低10円最高で20円もらえます、Amazonギフト券で。毎月集計後にメールで届く感じです。20円で1日1アイディアを続けると月に600円なので、それなりのものが買えますね。今はAmazonは買えないモノがないぐらい商品が充実してますから、本やCDとか買わないから無駄なポイントでしょってこともなく、生活用品の足しに使えると思います。水とか。トイレットペーパーとか。

詳しくはヨクスル会員制度のサイトをご覧下さい。

](http://www.yokusuru.tips/member.html)

ウチは皆さんに報酬金を支払うのみで、集約した声を届けるのはウチが企業に頼まれる訳でもなく勝手にやるので、ビジネスとしては最初からして赤字モデル(笑)です。企業からお金もらって…とかってなると単なるマーケティングサービスで他になんぼでもありますから、それはやりません。

収益モデルは追々考えていこうかなと。アイディアをまとめて企業に販売するとかそれは何だか安易な感じがするし面白くないので今のところは考えていません。不満買取センターさんとかありますしね。とはいえお金が無いと続かないので、ホントにお金をかけてられなくなったら辞めちゃうかもですが(笑)

この事業はほぼ僕の個人プロジェクトみたいなもんなので、リソースは限られていて最初はアプリありません。リソースの問題以上にまずは運用を回してみてどんなものが必要そうか検討していきたいと考えているのが大きいのですが。「仕組み」が重要なのであって「アプリ」は本質ではないですから、まず小さくwebのみから始めます。

ということで、新しい取り組み「ヨクスル」のご紹介でした。何かアイディアを思いついたときにご利用頂ければと思います。本当にAmazonギフト券貰えますんで(^^) 僕は日々の小遣い稼ぎに使うつもりです。


2015.07.17 (Fri)

大阪イノベーションハブをきっけでご縁を頂いた(株)Warranteeの庄野社長からご紹介を頂きまして、この度ラジオ関西に生で出させて頂く事になりました。

日時 7月21日(火) 13:20から10分程度
番組 桂春蝶のバタフライエフェクト
コーナー アプリを訪ねて三千里

だそうです。創業直後に地域FMに出させて頂いたことはあったので、ラジオはこれで2回目になりますが、生放送は多分初めだと思います。当日、アプリの紹介とか何故作ったのかとかそういう会話になると担当の方には事前にお聞きしているのですが、

大概トークが脱線することがありますが、それは生放送の醍醐味ということでよろしくお願いいたします。

という事だそうで。お相手が落語家とあらば絶対に脱線するやろなぁと容易に想像できて、それがまた楽しみだなと。

ラジオと言えば大学受験時代の旺文社ラジオ講座ぐらいなもんで普段はラジオとは縁遠い人間なものですから若干恐縮なところはあるのですが、なかなか頂けない貴重なご縁。関係者の方や聞かれる方に喜んで頂けるような10分になるよう頑張ります。あ、ちなみにアプリは「そら用心」を紹介させて貰おうかなーと思ってます。

今は radiko ってな大変便利サービス(Webもアプリも)がありますので(地域外だとやっぱり聞けないという事だったかとは思いますが)、リアルタイムに聞けそうな方がおられたら宜しければ是非お聞き下さい。


2015.07.10 (Fri)

これはもう前々から思っているのですが、忙しさを理由に全然できていないので自分の尻を叩くという意味でここに宣言します。

8月中に電子書籍を出します

文章のアウトプットという意味では15年前、インターネット黎明期からホームページを持っていて文章を書いていましたので結構長かったりします。経営者になって色々考えながら長文を書くようになった8,9年ほど前からでしょうか、いつか本を書きたいなぁと何となく思うようになりました。

何度か企画書を作って、ご縁のあった技術評論社さんとかに持ち込んだ事もあったんですが、編集者さんのアドバイスを頂きながら企画そのものをブラッシュアップする過程で日々の忙しさから優先順位を上げられずフェードアウト…

電子出版が可能になったここ数年の波にも乗らずでしたしね。Kindle出版界ではすっかり有名なウズウズ出版においても、その初期の頃に書きませんか?と代表の板羽さんに直接お誘いも頂いていましたが、これも優先順位を上げられずスルー。

_7__板羽_宣人_-_メッセージ

チャンスという女神は「ご縁」という形で突如やってくる訳ですが、それを掴みに行って手放さない努力をしなければ機会損失しかありません。自分のことを残念なやつやなーとホント思うのです。ものを書くということについて。やりますという姿勢は見せながらも実績残せてないという。

もはや若干やるやる詐欺になりかかってるということもありますし(汗)、会社経営からして思いついたらつべこべ言わずまずやってみるというスタンスやのに何でやねんと感じるし、このままでは埒があかんと思いまして宣言しようと思い至りました。実は大阪のアプリ開発でも有名なジールズの大谷社長とはお互い本を書くと言い合っていて遂に先月末「7月末には原稿を完成させることにしましょ。できなければ罰ゲームでw」という約束を交わしていたりしてまして、自分を一歩も引けない状況に置いてみたという訳です。

1冊って訳ではなく、せっかくなので何冊か書きます。あ、8月中に何冊とかはさすがに厳しいですが。もっと崖っぷちに追い込んだほうが良いと思うので、考えてるものを3つほど列挙してみます。

 

(A) 就活なんて適当でいい、人事部なんて潰せばいい 〜企業で働くということの意味〜 (仮)

先日、摂南大学様でさせて貰った80分の講演内容を肉付けして作ろうと思ってます。就活を取り巻く甚だしい「無駄」を、企業とは何か、働くとは何か、という視点から持論展開してみようかと。根底にあるのはハフポでお叱り(?)を受けた人事部門の「採用ごっこ」に終止符を打つべきだ 〜誰も幸せにならない子供遊び〜の投稿にあります。もちろん批判非難するだけの攻撃的な内容にはせず建設的なものに。

 

(B) 残業ゼロの会社力 (仮)

うちの開発者は基本残業ゼロなんですけども、その仕組みをどうやって作ってるか、その結果、どんな会社になってるかってことを書いてみようと思ってます。その最重要な要素がウチでほぼ毎日欠かさずやってる夕方mtg(夕礼)なのですが、そこに焦点をあててこんな仕事のやり方もありちゃいますかという提案的な内容にしたいなと。

 

© できる自信を無理やり作る自制術・時制術 (仮)

複数のプロジェクトが常時走っている中でいかにして効率よく仕事を捌いていくか、やる気が起きない時にいかに先送りせずタスクを消化するエネルギーを得るかという課題が常に自分にはあり続けた(今もそう)んですが、最近ようやくメソッド化できてきたような気もするのでそれをまとめてみようかなと。自分を制し、時間も制するということにフォーカスしてみようと思ってます。

 

って感じで、ボリューム的に全部電子書籍向きかなと勝手に想像してますが、だいたい2万文字から3万文字ぐらいなのだそうですよ、電子書籍って。その規模なら色々書いてみたいネタはあるのですが、あまり大風呂敷を最初に広げるとそれこそ崖っぷちからホントに落ちてしまいますから、まずは上記の (A) から書くことに意識を集中します。というか今まさに書いていってます。たいがい苦戦してますが(T_T)、80分の講演や80枚近いスライド資料が材料としてありますので上記3つの中では一番書き易いのです。

GMBAの毎月の締め切りもあるし、その他普通に複数走ってるプロジェクトをマネジメントしたり、会社経営に伴う雑務も多々あるんですが、丸9年を迎え10年目に突入した節目の年なので挑戦してみようと思う次第です。頑張ります。


2015.07.02 (Thu)

本日、お付き合いのある証券会社さんが訪ねてこられました。明日はとあるVCさんが担当が変わるという事で来社されます。別にequityなオペレーションをしている訳じゃないですが担当がいらっしゃるんです。そして先週は取引のある銀行さんが来られました。転換社債型新株予約権付社債、いわゆるCBのお話で。

Numbers And Finance

(photo by Ken Teegardin on flickr)

ベンチャーやってると…というか丸9年も経ってるともはやベンチャーではありませんが、資本政策に関係しそうな人に沢山お会いしますね。ここ数年また資金がダブついているんでしょう。あとは監査会社とか東証さんとかも、久しぶりにお会いしたのはこの1,2年の間。

ウチみたいに基本的にequityな資金調達は考えていませんよ…って姿勢を明確にしてる会社でも訪ねて頂ける理由が相変わらず理解できずにはいるのですが、ありがたくいつもファイナンスな質問を投げかけては勉強させて貰ってます。

昔に この日本で本当にシード段階の投資が出来るのか というエントリを書いて、VCは名ばかりで冒険しないってことを書き殴ったことがあります。今もあまり根底の部分で考え方は変わってないものの、冒険に付き合ってくれないじゃんっていう当該エントリに漂ってた嘆き(?)みたいな心情は今は余りありません。

冒険というか挑戦というか、まぁその思いはいつでも持ってて、先日とある社長に次の10年で考えてる事をぶっちゃけたら「それまたチャレンジングですね」と言って頂いたりもしてやっぱり生き方のスタンスは変わりませんが、がっついて超前のめりに行く感じを今は余り持ってないのが正直なところです。歳をとって落ち着いてきたんでしょうかね(笑) って冗談はさておき、資金調達にまつわる色んな事をこの9年間見聞きしてきて、華々しく見える調達関連ニュースの数々に些か疑問を感じる思いの方が最近は強くなってます。

本質的に融資と何が違うのか

やっぱ融資と何ら変わらないなーという印象が拭えないんですよ。特にVCからの調達って返済義務がないお金だから良いな〜と融資と対象的に見られる風潮がありますが、償還期限ってのがある事は余り意識されてないように思えるんですよね。でなきゃ、facebookで「調達おめでとうございます!」って普通言えません。めでたくねーよ!責任重大だよ!みたいな。(いぁ昔は自分もそう言ってたことあるけど)

お金出して貰って2,3年後に上場出来なかったら、経営陣はVCによる買取請求権の発動と闘わなくちゃいけなくて、巧く切り抜けてるおられる方もいますが、中には悲惨な結末を迎えた人もいる。借金背負って消息を絶った方とか実際に身近でおられますしね。結局、上場の約束を担保に将来返済額が変動し得る高額融資を受けるようなものという認識で間違ってない構造があるように思うのです。

上場したらしたで回収の対象となるターゲットが結果的に新規上場だと煽られて買った株主になります。gumiさんとかgunosyさんとかが最近だと顕著でしょうか。IPO案件の上場後株価チャート見てると、結局VCが出資することで幸せになったのって誰なんだろうと思うこともしばしば。はたから見てると資金繰りが苦しくなったがゆえのequityってのも見え隠れする案件もありますし(特に5000万円未満の規模)。IPOだけじゃないです、流行りの(?)BuyOutなExitにしても、じゃぁ最初からM&Aされてた方が良かった事ないですか?って思っちゃう。お金の回収ありきで組み上がるストーリーに無理は無かったかと思ってしまうんですよね。

だから、やっぱりシナジーの起こる事業会社に事業提携前提で第三者割当増資を引き受けて貰うのが一番綺麗なモデルだなぁと個人的には感じますね。多くのequityな資金調達は急激な成長を意図してやるもんですが、お金を入れて貰うばかりか、利益直結しやすい開発力や営業力のパワーも分けて貰える訳ですし、全体最適という意味ではベスト解だと思うんですよ。

何だか雑感に始まり雑文に終わる感じですが。

こんな事考えてますのでウチはやっぱりVCは無いですね。前向きに考える事すらも無いでしょう。とはいえ、事業会社さんからってのも多分無い、それならもうM&Aの方(される側)が合理的だと思うから。今、身近にいる出資を受けてる/受ける事を考えておられる方々のことを思い巡らしながら、VCの回収圧力のせいでエラい事になってしまう事がありませんようにと願う昨今です。


2015.06.30 (Tue)

雑文です。

最近、昔いてたブログ(日記)を読み返すことがあります。インターネット上のページを掻き集めてずっと残してるアーカイブサイトとかがあってですね、先日そこでたまたま見つけまして。振り返ってみるとブログ歴はもうすぐ15年ぐらいになるんです、実は。

20150630

(photo by bryan on flickr)

2000年前後に、当初はまだインターネットすら一般的でなかった頃なのでブログって言葉もなくて、「自分のホームページで日記書いてます〜」みたいな感じでやってたのです。

今になって思うと超残念なんですが、手元に全部残ってなくて、ネット上に残骸が断片的にある感じ。それを気分転換がてらに眺めたりするんですけども。10年前と考える事が全然変わって無いんですよね、面白いもんです。

以下は、2005年7月2日の朝に書いてた日記から引用。ちょうど10年前です。

自分が持つものを積極的にoutputしていく、どんどん持てる情報やビジネスアイディアを出していく、…そんなオープンな思想を持ち続けたいと僕は思っています。僕自身は余り大したものは持っていませんけど、稚拙であってもそれを外に出す事で何か新しいものが生まれるかも知れないから。人との出会いであったり、更なる自分の成長の機会であったり。

自分の人生のどの時点でそうなったのかは疑問ですが、僕は基本的にビジネスの話が大好きです。こんな事が出来るんじゃないか?こんな事をしたら面白いんじゃないか?….最初は稚拙かも知れないけど、話を、アイディアを、アツい思いを、ぶつけ合う事でだんだん具体性が見えてくるもので、まずはそういう議論をする事や議論をする機会が必要なんじゃないかなと。「へぇ良いねぇ」だけじゃなくて「具体的行動が先に伴いそうなもの」が。

幸いにして、今はそういう話が出来て将来面白くなりそうな人を身近に見付けています。それはまさに、自分のアイディアや熱意をホントにオープンにして発した結果。それを全部受け止めてくれて議論してくれる人が何故か吸い寄せられてきてくれた。発すれば目を向けてくれる人がいる、S極はN極を、N極はS極を、求めてるし引きつけられるもの、そういう事なのかも知れません。そんな力の働く空間で、僕はもっともっとアイディアや気付きをオープンにしてぶつけていきたいと思ってます。

さぁ、頑張ろう。

これで1日分。昔は文章短かった(笑)

当時は多分、最後の職場にいた頃かな..。この1,2ヶ月後ぐらいに退職して、休息期間を経て翌年起業することになります。そこに至るまでも、更にそこから今に至るまでも output が何かを引き寄せているのは変わりないんですよね。縁は勝手に引き寄せられてくる。

仏教の「因縁果」という考え方をこの間、大学で講義した時に話しました。は自分、は結果、因たる自分の言動が良いも悪いもを引き寄せて結果となるんだそうですよ。縁を求めちゃダメで、自分の言動を高めるところから始めよう、そうすりゃ縁は勝手に寄ってくるって話。10年前に思ってたこと、今も同じこと思ってますが創業してからの色んなご縁にホント感謝です。

がしかし。会社経営初めてもうすぐ丸9年、最近アウトプットが激減してる気がするんですよね、色んな意味で。執筆とかはさせて貰うのですけども。IN / OUT の比率が偏りすぎで、もっともっと発信しないとなぁと。facebookで散文書くのも良いんですが。

縁に飢えてるという訳では決してないのですけども、10年前の文章に触れて何となくそんな事を思いました。明日から超聖域だし、何らかのアウトプットしていきます。


2015.06.28 (Sun)

先日、社内1週間ハッカソン「超聖域」を行うことにしました(7月1日〜7月7日)というエントリを書きました。あれから1ヶ月半ぐらいが経ちまして、気がつけばもう明後日からです。会社としては初めての試みですが何が出てくるやら楽しみですね。

端的に言うと1週間何やってもいいですよ、以下のルールで…って取り組み。

  • IT分野ならジャンル不問
  • DEMOが出来るものであれば何でも良い
  • 7月1日からフルスロットルで動き出せるように準備しておく
  • 必要なモノがあればハードでもソフトでも会社が原則用意
  • チーム制を組んでやるのもok

もともとは、事前にどんなものを作るかのアイディアを全部出し合ってみて、これやるあれやる、何なら一緒にやりましょう、ってな展開で考えてましたが結局1人1人別々にやることとなったようです。ウチは週次でmtg(いわゆる個人面談のようなもの)をやっていますが、その中で何やるか聞いてみたりみなかったり結構適当で、何が出てくるかは半分ぐらいわかってません(笑

ジャンル不問ということで、まったく新しいことをやるって話もあれば、業務直結ながら普段の業務内では絶対できないことを思い切って1週間かけてやってみるって話もあれば、複数の案があるけどまだ何やるか決まってないという話もあって色々です。

自由な時間を与えるという意味

ついでに書いてみますが、1週間は極端ながらも、通常業務のある一定時間何するかは社員に完全に任せる、という取り組みは普通にどんな会社もやったら良いのにと思います。個人がどう考えてるか見えますのでオススメです。問題意識というか課題認識とか、発想力・アイディア力みたいなものが如実に見えてきますよ。

仕事に限らず日常でもありますもんね。面倒臭いなぁと思っていることもエイヤーと思い切って時間とってやると後が凄く楽になるとか。日常のやらなくちゃいけない沢山のことに埋もれているほど、あえて特別な時間を強制的に用意する。会社の場合、それによって生産性が少しでも上がれば、その後の1週間で4時間程度の時間って平気で回収するってなこともありますしね。

また、自由な時間のアウトプットから、そんなアイディアを持っていたのかとか、そこが気になってたのねとか、逆に何も普段と違うアウトプットが無い場合は、すまん、そこまで追い込んじゃってたのねとかも見えてきます。「通常業務の継続以外のことをやりましょう」という時間なのに、通常業務をやらざるを得ない期間がずーっと続くってことは、物理的にも気持ち的にもやっぱり余裕が無い訳ですよ。自由時間は一種のバロメータでもあります。

という訳で、組織運営における少しの自由時間は全ての企業でやる価値ありと僕は思います。アウトプットの発表する場が伴えばという前提はあります、もちろん。なかなか勇気いりますけどね。

超聖域も一つの実験

今回の超聖域は実に1週間。普通に考えてみたら、経営者またはマネージャたる立場の人間が自分の元で働くメンバーが1週間何やってるか全く分からないという状態を自ら作り出すって「何考えてんねん、暇か!」と怒られそうなものですが、これもまた実験ですので終わった後にはpositiveな面、negativeな面、色々学びはあると思います。期間終了後にはまたレポートを書きたいと思います。スタッフブログにも各人からレポートがあがる筈。

当該期間中、もちろん、お客様にご迷惑がかからないよう緊急事態には取り組みを停止することを前提にしてますのでご安心下さい。

ということで明後日から始まります。

あ、ちなみに僕は何故かスケジュール的に打ち合わせがあまり入ってない期間でもある(1日出張だけど)ので、僕も何かアウトプットがしてみようかなと思ってます。メールや電話等々の対応があるので、いっても時間は限られていますが。久しぶりに開発者的な事をやってみるかなぁとか、執筆やってみるかなとか色々考えてます。


2015.05.25 (Mon)

このタイトルでのエントリは実に8回目になります。そして今年2回目。

少し間が空いてしまってますが、今月頭の2015年5月1日にエンジニアがまた1人増えました。今回 join してくれたのは、@ankou1060さん。iPhone L♡VE部の関係者の方は「おぉ。あの人が!」と御存知の方もいらっしゃると思います。

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フルネームがアンコウテルオ、通称アンテルさんです…ってことに社内ではなってまして、ホントの(?)本名はみんな忘れてるぐらい社内はアンテルさんで通ってます。えーっと、名字は何さんでしたっけみたいな。僕も社内でアンテルさんって呼ぶし、社内で使ってるslackのアカウント名もanteruです。

anteru_slack_20150524

別にふざけてる訳ではなくて、業界コミュニティにおけるアイデンティティを尊重するというか。もちろん本人が嫌でなければなんですけどね。そこは副業とかコミュニティにおける活動とかを制限するよりむしろ推奨しているウチらしいやり方だと思います。唯一名刺だけは本名で作ってしまっていて、後から気がついたんですが「feedtailor アンコウテルオ」っていう名刺の方が良かったかなぁとちょっと後悔してます。…って何の話ですか。

閑話休題。

ウチでは、主力商品となっているSYNCNEL事業を拡大する為、かねてよりweb側のエンジニアが必要って状態にはなってました。本来は2年前に増員しておくべきだったのですけど。その判断が出来なかったのは僕の大失敗として反省していて、その遅れを取り戻す事が火急のタスクとなってました。

で、「誰かweb系のエンジニアで良い人いないかな?」と夕方mtgでみんなに話をしたのが3月頭。心当たりがありますよーと @sumihiro に推薦して貰ったのがアンテルさんだったという訳です。一度面談という形で会ってからは トントンと話が進んで今に至るという感じで、当初の期待通りに即戦力としてSYNCNELの開発にガッツリ関わって貰ってます。

joinして貰ってまだ3週間程度、GWを挟んでるので実働2週間程度ですが、担当して貰ったSYNCNELの新機能が早速5月末のアップデートで反映されるぐらいのスピード感。来月も別の機能追加分がデプロイされるかも。これは、SYNCNELサーバ担当の @kumatch のハンドリングが秀逸というのも勿論ありまして、エンジニアの時間を無駄にしない、生産効率を何より重視する、モチベーション重視、というウチの文化が形になってきてるなぁと感じさせてくれています。

 

ちなみに今回オープンな募集も求人サイトも一切使わずに人財探しをしたのですが、やっぱり知人繋がりの採用のメリットは大きいですね。既存のメンバーが全員アンテルさんを(リアルかTwitter/facebookかは別にして)知ってるし、アンテルさんも全員知ってくれてる。どういう会社であるかを僕がブログでアウトプットしてるのもあって全てがスムーズでした。あ、これが、かの夕方mtgなんですね…みたいな。

自分1人ではない会社になってもう6年以上ですが、振り返ってみると

  • 働き易い環境を作り、社長がアウトプットする
  • スタッフのTwitter/facebookによる発信を推奨する
  • スタッフの副業やプライベートな活動を制限しない
  • joinして貰う人は既存メンバーの知人とする

あたりをやってたら自然と優秀な人が集まってきたなぁと感じます。人財に関しては恵まれ過ぎている環境での所感なので一般化できる法則かどうかは分かりませんけども。

でも振り返ると確かにそうなので、今後、(1)不特定多数への求人はしない (2)joinして貰う人は僕を含むメンバーの知人のみとする、を社の規則として定めることにしました。リクナビとかの求人媒体はそもそも使ったこと無くて唯一このブログで募集したことが一回あるぐらいだったですが。10人も間近となってきて今社則等を整備してまして、そこにも条項として明記しようと思ってます。

 

そんなこんなありまして、1年に2回も「新しい仲間が…」と書くことになったぐらいなので2015年もまた弊社にとっては激動期なのでしょう。「激動」にもいい加減なれてきましたが。何はともあれウチの主力事業であるSYNCNELに即戦力が加わった事で会社として更に加速していきたいと思ってます。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

 


2015.05.24 (Sun)

久しぶりの書評です。

4062189445 日本インターネット書紀 この国のインターネットは、解体寸前のビルに間借りした小さな会社からはじまった
鈴木 幸一
講談社 2015-03-13
by G-Tools

 

インターネットの世界に身を置いてる人は知らない筈がないインターネットイニシアティブジャパン(IIJ)の鈴木会長の著書。日本の歴史書である日本書紀をもじった本書のタイトル「日本インターネット書紀」は、本書の内容を端的に表現しており言い得て妙。JPNICが書く表層的な年表とは違い、日本の商用インターネットがどんな人達によってどんな想いで作られてきたかが良く分かります。

想いが詰まっているという意味では、鈴木会長の経営哲学を随所に垣間見る事ができ、共感できるところや学びを得るところが多く、単なる歴史書ではない面白さがあります。社史であると同時に歴史書でもあり、それでいて経営に関する指南書でもある書籍はなかなかありません。

文句なしの★5つ。

IIJさんと取引のある関係者は当然として、仕事でインターネットに関わるビジネスパーソンや起業家の皆さんには是非とも読んで貰いたい本です。というのも起業家が必ずぶち当たる壁にあのIIJの創業者もぶち当たっていてそれを突き破ってきた実話にエネルギーを貰えるから。

妄想に近い確信」という本書内の言葉が個人的にはとても響いたのですが、何か会社を起こすとか事業を立ち上げるとか新しいことを始める時って必ずそれを持ち続けることが必要で、だからこそ成功する筈なんですよね。鈴木会長はそれをずっと持ち続けてきた。インターネットが世の中を変える、インターネットが当たり前になる、どんな事業も最初は真面目に聞いてくれる人がほとんどいない悲しみと空しさに苛まれるもんですが、諦めなかった。

「将来の大きな話をすればするほど、無力感だけが募る」(p.97)

それでも言い続け、機会を作って行動を続ける人のところにヒトもモノもお金も運も集まるように世の中はなっているのでしょう。郵政省を動かし、銀行から融資保証を受け取り、その途端に一気に物事が動き出す第1章終盤,第2章のくだりの躍動感は、へこたれそうになってもやり続ける元気を与えてくれます。

かといって動き出したら順風満帆って訳ではなく、山有り谷有りが企業というもの。第3章,第4章と続くクロスウェーブコミュニケーションズ(CWC)設立から会社適用法までとその後の過程も当時の新聞記事などに触れながら実に生々しく描写されています。

潰える夢もある。もうなんというか会社って大変ですよねと共感しきり。規模の大小はあれ山も谷も経験している自分も沢山の力を得ました。パワーを貰ったってのは amazon のレビューにも同じようなことが書かれているので、この書籍の特性の一つでしょうね。どんな経営者も頑張るぞってなれます。

民事更正法と会社更正法の違いとか、やっぱり苦境の時は公私ともに銀行様に苦しめられてしまうのか〜って実利的な勉強になったポイントも結構あります。経営者としての考え方に共感できることも多く、

技術を看板に超大企業と競争しようとすれば、いつも先行するほかない。どんな状況でも大きく化けそうな開発を続けていかなければ、勝負にならない。…(中略)…「濡れぞうきん」とは、ぎゅうぎゅうに絞るだけでなく、技術者にある程度の遊びを許容しておくということである。(p.213)

競争力の源泉は、やはり人間以外にない (p.221)

このあたりは自分も常々感じていることなので、再確認できたのは非常に良かったところです。今やどんな企業も個人も「技術」とか「知見」とかの尖りポイントで生き残りをかけるしか無く、ヒトが生み出す価値への着眼と、それを突き詰めるリソース(時間・お金)的な余裕を少なからず持つ必要がありますよね、やっぱり。

他にも読書メモは色々残ってるんですが、書き切れないぐらいに沢山ありました。線も沢山引いたし、付箋もだいぶ貼りました。学びの多い一冊。本棚に残しておいてまた何かの時に読み返すことになるかも知れません。

iij_20150524

弊社はIIJさんとは、特にSYNCNELでお取引をさせて頂いているほか、iOSアプリ開発やiDEP関連で御相談を頂くこともあったりとか、かつては僕の誤解から大変失礼な態度を取ってしまった事もあったり(その節は申し訳ありませんでした…)とか、結構深い関係を構築させて頂いています。

だから、という訳ではないんです、たまたま本屋で気になるタイトルの本を見付けて手に取ったのがこの本で、迷う事無く購入して読んでみたら大変示唆に富んでいたと。深くお付き合いさせて頂いている取引先の創業者が書かれた書籍を読むって初めての体験で、とても良いものだなと思いました。苦楽の歴史や激動の過去、経営哲学を垣間見させて貰えるのって素晴らしいことです。世の中、電子書籍もお手軽になって盛んですし、全ての社長さんは本を書くと良いと思う…って自分の事を棚に上げてそう思った次第。

ちょっと脱線しましたが、お勧めの★5つ本の御紹介でした。本書の最後には、

インターネットが引き起こす変化は、ようやく序章が終わっただけ、本当の大変革はこれから始まろうとしている。…(中略)…インターネットは、いまだ、無限の可能性のほんの一端が具体化され始めたにすぎないのである。(p.445)

とあります。これ程までに進化したインターネットがまだ序章であるとはホント同感で、僕も若干末恐ろしく漠然と感じているところでもありますが、その未来にプラスの方向で会社としても個人としても貢献が出来ればと思っています。

 


2015.05.06 (Wed)

前からずっとやりたいな〜と思っていた新たな取り組みを、先日社内のミーティングで発表しました。その名も超聖域。今年の7月1日〜7日の1週間に渡って行います。超聖域って何やねんという話ですが(笑)

副業推奨とかメール禁止とか開発室分離とか、弊社の変な(?)取り組みや制度をこのブログで過去に紹介させて頂いてきたのですが、そういえば「聖域タイム」という仕組みについてはちゃんと書いた事がありませんでした。今回の「超聖域」とは「聖域タイム」という弊社の取り組みの拡大版になります。併せて御紹介。

聖域タイムとは

聖域タイムとは、Googleの20%ルールに近い取り組みで、毎週水曜日の午後の時間(ざっと4時間程度。上図参照)を、エンジニアめいめいが普段の業務を離れて、

  • 業務無関係に作ってみたいものを作る
  • アイディア会議で出たネタを実際に開発
  • 新しい技術の調査や実証実験
  • 社内の業務フローや環境改善

等々、普段の業務に終われてるとなかなか出来ない事や新しい事をやるのに時間を使いましょうっていう取り組みです(勿論、火急の案件やトラブル対応等をする場合は別)。2009年からやっているのでもう6年間続いてますね。

毎週水曜日には何か新しいモノが生まれてきました。富豪ブック8bitterそら用心はこの時間でプロトタイプが出来て製品化されたものです。製品ではなくとも例えば、弊社製ライブラリをFTFoundationというオープンソースなものとして整理して公開したりとか、社内のビルドシステムの自作やら、業務用システムのチューニングだったり、最近だとチャットシステムをSlackに移行した直後に便利なbotが早速投入されたりとか。

エンジニアも毎週水曜日の午後がそういう時間枠としてある…という事を前提にアイディアを考えたり、「あー、これ面倒だよなぁ。次の聖域でやってもっと楽にしよう」とかって発想で準備をしたりします。言うなれば、日々思い浮かぶアイディアや課題に取り組める「器」です。仕組みとしてこういう時間があると、組織って今月よりは来月、今年よりは来年、確実に進化するんですよね。ウチの開発スピード感やネタアプリを沢山出せている秘密の一つです。

で。

最近、1泊2日で泊まり込みで新しいサービスをワーッと勢いで作っちゃうみたいな事が流行ってるじゃないですか。いわゆるハッカソン。大阪市は結構盛んで、Moffとかは超成功例の一つなんですけど、あぁいう企画を社内でやれたら面白いのになぁとずっと思ってました。

 

社内でハッカソンを1週間やるとどうなるだろう

ある意味、実験なのですけどね。普段の聖域タイムを丸1日に伸ばすぐらいから…とかも考えたんですが。

ラズパイなどハードが絡んだネタにエンジニアが興味を持ってそうな雰囲気とか、通常業務でやる事が多すぎてアイディア出しても作れなさそうなんですよねぇ〜という声があったりとか、そういう事を見聞きして、じゃぁGoogleのDemoDayやfacebookでもやってるように丸1日って小さいことを言わず、

1週間まるごと使ったら良いんじゃないかな?

と思いまして、それで社内1週間ハッカソンにしようと。で、7月1日(水)〜7月7日(火)までを期間として最終日のPMに大発表会。その後、創業日パーティを兼ねた飲み会(7月7日が創業日)って感じだと年1回のイベントっぽくて面白いなぁと。通常の聖域タイムの拡大版なので名前は 超聖域

通常業務の緊急対応事案があれば勿論普通にやることを前提に、基本は通常業務を離れて「何か」を作ります。ルールは以下の通り。

  • IT分野ならジャンル不問
  • DEMOが出来るものであれば何でも良い
  • 7月1日からフルスロットルで動き出せるように準備しておく
  • 必要なモノがあればハードでもソフトでも会社が原則用意
  • チーム制を組んでやるのもok

既存の自社サービスの中で、いつか追加したいと思っていた機能を実装してみるのもありだし、全く新しく別のネタを作ってみても良し。カジュアルゲーム作りにトライするのも良いし、Arduino使って何か面白げなブツを作るのもokだし、AppleWatch向け新サービスのプロトタイプでも良いし、ELECTRONで node によるMac/Win/Linuxのネイティブアプリ作ってみたり、Surface Pen 使ったWindows8.1向けの何かでも良いし、Androidアプリだって構わない、もちろん社内の業務システム改善ネタでも全然ok。

手前味噌で恐縮ながらウチのエンジニアの開発力&スピード感は折り紙付きですから、40時間あれば結構なものが出来上がる筈です。

 

何が生まれるか分からない面白さ

facebookの「いいね!」の仕組みは、こういう取り組みから生まれたと聞きますし、ひょっとしたらウチでも何か凄いモノが出来るかも知れませんね。そうなったら面白いなぁ。新たな商品誕生の契機になるかも知れませんし、新たな技術の獲得となって今後の案件で御客様に喜んで貰える力になるかも知れません。さて何が出てくるでしょうか。

7月7日の大発表会を誰でもお越し頂けるようにして、経営者である僕ですら何が生まれたか分からない中での発表会を一緒に楽しむって展開も考えたんですが、今回は第一回目という事でとりあえずやめとく事にしました。でも成果物の中から公表可能なものは発表会後にスタッフブログ等で御紹介させて頂こうと思います。

という事で、社内1週間ハッカソン「超聖域」まで2ヶ月足らず。どんな事になるやら、楽しみです。