2015.10.16 (Fri)

「そら案内」をはじめとする弊社の天気予報関連アプリを御利用頂いていた皆様に大切なお知らせがございます。

タイトルの通りなのですが、開発を担当していた@itok_twitが新たに設立した株式会社そらかぜに天気予報アプリ事業を全て無償で譲渡致しました。プレスリリースに詳細を記載しておりますので宜しければこちらをご覧下さいませ。

「そら案内」「そらレーダー」はApple社のAppStore仕様により、改めてそらかぜさんから同名の新アプリがリリースされる予定となっています。課金情報については移行できる仕組みが搭載されることになっており、新アプリで再課金になるようなことは御座いませんのでご安心下さい。

リリースはまだもう少し先のようですが、新アプリを追加でインストール頂くと、これまでのユーザ体験のまま御利用を継続頂けるような流れになる筈です。そらかぜさんから正式にアナウンスがいずれある筈ですので、少々ご面倒をお掛け致しますが、何卒ご了承下さいませ。

尚、商標も移管しますので、今後「そら案内」は弊社フィードテイラーのブランドではなくなりますが、「そら案内」は良いアプリですので現ユーザの皆様におかれましてはこれまでと変わらず御利用頂ければと思います。僕も一ユーザとして使い続ける予定です。

 


2015.10.13 (Tue)

先日のカンブリア宮殿は(株)ファンデリーさんでした。管理栄養士さんが作る弁当を販売しながら健康面を御客様一人ひとりにアドバイスするというビジネスをされてます。弁当を売る事がメインではなく国家資格である管理栄養士の知識やノウハウを継続的に売るというのが肝ですね。

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カンブリア宮殿で好きなのは、多くの回でその会社のビジネスがどのように誕生したかをちゃんと紹介してくれるところ。そのエピソードに商売のエッセンスが含まれているので見るたびに気づきを得られます。共通しているのは御客様の声にちゃんと耳を傾けてる、あるいは気付けているって事なんですよね。

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ファンデリーの阿部社長は若くして独立した後、宅配の野菜販売をされていたのだそうです。そこに天の声ならぬお客様の声が耳に入ります。訪問先の御客様に「糖尿病なのでなかなか料理が難しい。気軽に食べれる弁当があれば良いのに」と言われたのだとか。そこで管理栄養士さんの知識を裏付けに健康指向な弁当とアドバイスを提供するビジネスを始められたと。それが mealtime

制限された食事を提供する必要のある病院へと商圏は拡大し、今は健康的なダイエット目的の弁当という切り口でF1層の課題解決をしようとしておられるそうです。試食会で女性から厳しいコメントを受けているシーンは印象的でした。

 

ビジネスもアジャイル

改めて思いますが、世の中の問題の所在とそれをどう解決して欲しいのか…という問の答えはやっぱり御客様が持っているんですよね。明確に◯◯が欲しいと言葉にしたり明文化してくれるかはケースバイケースですが、B2BだろうがB2Cだろうが御客様の気持ちに寄り添った者のみがお金を継続的に得られるのは間違いありません。

弊社も子会社で SYNCNEL というクラウドサービスを提供させて頂いていますが、誕生から今までの歴史を紐解けば

  • MacからiPadにPDFをUSB以外で手軽に転送したいと思った
  • FastBoardというアプリを作った
  • ある大学の先生に呼ばれて「数十台で同じことやれたら良いのに」と言われた
  • これはクラウド型で実現すべきと判断して開発体制を整えて作った
  • 2011年にSYNCNELをリリースした
  • 大企業様から「柔軟にセキュリティルールを変えれたら良いのに」と言われた
  • 実装した
  • 上場企業様に次々と使って頂けるようになった

という経緯でして、当たり前ですが常にお客様に育てて頂いてきた歴史があります。ファンデリーさんのような例を見ると、間違ってなかったよなぁと思ったりします。

今どきのアプリ開発に似ていると思いますが、ビジネスを始める前から完成形を見通しきるなんてそもそも不可能です。VCがよくいう事業計画書が個人的に余り好きでないのはそういう理由からですが。掲げるものの方向性が大きく違わない程度にザックリ決めて始めてみる。そしてフィードバックを取り込むことを短い周期で繰り返していく、まさにアジャイル的なビジネスビルディングが必要なんだと思います。

 

ビジネスの先に潜む罠

とはいえお客様に言われるがままって訳じゃなくて、問題や課題の根源を探り出し如何に解決するかは経営者や会社のセンスまた技術の見せ所なんでしょうけどね。そこがオリジナリティなんでしょう。えてしてビジネスって経営者や企業が生み出してると思いがちですが、実のところ生み出してるのはやっぱり御客様ですね。やっぱり傲慢になっちゃいけない。

だから、自分は欲しくないからやらないとか、最もらしい理屈をこねて御客様の声に「できない」「やらない」「めんどくさい」で反応するとか、そんな姿勢が組織内で跋扈するようになるとビジネスの将来はおろか会社の将来さえも危うくなっちゃうのでしょう。当然ですね、ビジネスは御客様の声が作り出して維持させてくれる訳なので。

で、またまたカンブリア宮殿ですが、1年前に森下仁丹の社長さんがゲストたった回は、まさにそんな時の対応の仕方を紹介してました。

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価値の源泉を他業界に応用する事で活路を得たという positive な例でしたけども。とても参考になるのでビジネスオンデマンドでの視聴お勧めです。僕はそういう状況ありませんけども、そんな状況におかれたなら一度会社をリセットする道を躊躇なく選ぶだろうなぁ。

 

何かまた長文になりました。経営者出演系のTV番組はホント勉強になりますね。

モノで世に問う→微調整する、その繰り返しをどれだけ早く回して継続できるか、ですね。御客様の声には耳を傾け続け寄り添い続けたいものだなぁと改めて思う昨今です。次に新しく起こすビジネスがあれば、そこんとこを強く意識し、決して忘れないようにしていきたいですね。


2015.09.21 (Mon)

社長10年目で毎分毎秒仕事のことばっか考えてます。ちょっと大げさですが。

昔、大石さんってテレビ見ないんでしょうね、なんて言われたことがありまして。実のところ全然そんなこと無くて全くの逆。メチャクチャTV見てます。人一倍見てるかもです。

ということで、だいぶ偏ってるんですが僕が見てるTV番組を列挙してみようかなと思いました。12個です、ほぼ見てるものの全部。バラエティとかスポーツ/エンタメとかは皆無、経済とか経営のジャンルしか見ていません。自分らしいというか何というか…^^;

 

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ワールドビジネスサテライト(WBS)

王道ですね。毎晩録画して翌日朝に奥さんと食事や出社準備しながら見てます。出張の時はどうしても抜けてしまうのですが基本的に毎日。新聞でいうところの社会面とかエンタメ・スポーツ面がごっそり落としてくれていて、ビジネスに絡む時事情報に徹しているのが好き。重要な情報源の一つ。

 

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日経プラス10

他の番組と被らない限りはこれも毎晩録画している番組。BSです。WBSでメインキャスターを務めていた小谷さんが辞めてこの番組に移られたということで見始めました。経営者や業界人など多彩なゲストが特徴。視点が勉強になるので見てます。キャスターの山川さんのコメントも好き。

 

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プロフェッショナル仕事の流儀

人を「仕事」という切り口でフォーカスを当てたドキュメンタリー。仕事って、本質は技術や知識ではなくて、その「人」の思考や情熱なんだなぁってことを毎回の登場人物から気付かされます。絶対に妥協しない、常に御客様を見てる、という姿勢の背景にある苦楽や生き様には感銘を受けます。自分の言動を見つめなおす機会にしています。

 

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カンブリア宮殿

言わずと知れた…ですね。基本、1人の経営者に焦点をあて、龍さんと小池さんが経営哲学を聞き出すスタイル。出てこられる経営者が皆さん大変な苦労をされていて、どう立ち向かったのか、何が事業を育てたのかのエッセンスを御本人の言葉で聞けます。経営者として、やっぱ色んな経営者の考えを知るのは参考になりますね。

 

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ルソンの壺

月に1回。昔は週に1回でした。関西圏の変わった会社や面白い会社を紹介する番組。実は弊社もNHKから本番組に出演依頼と取材を頂いたことがありますが、何やかんやとあり形にはなりませんでした。まさか自分が好きで見ている番組からオファーが来るとは思いもしなかったのでエラく興奮したのを覚えてます。…が、そういう時期ではなかったんでしょうね。

 

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情熱大陸

これも言わずと知れた…ですね。人間密着型のドキュメンタリー。密着度がハンパ無いので、その人の素が出てる度合いがかなり高い番組かと。芸能人やプロスポーツ選手が多いのが個人的には今ひとつで、経営者やビジネス寄りな人をもっと取り上げて欲しいなぁと思いながら時々見てます。

 

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夢織人

キラリと輝く only one な技術や製品を持ってる小企業や零細企業を紹介する番組。アーティストが取材に言って、取材を踏まえて応援作品を作るという変わった構成です。規模は小さいけど元気な会社って、その会社を象徴する、尖りまくってるコダワリや何かが必ずあるもんです。それを持つことと洗練することが本当に重要であることを毎回気付かされます。

 

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がっちりマンデー

経済バラエティー番組って感じですかね。会社や人、商品やビジネス、経済を動かしている色んなモノを紹介する比較的ゆる〜い番組です。笑いながら楽しく見れるので好き。

 

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報道ライブ21「現代ビジネス講座 世界を知る力」

経済観点から世界を語る切り口が好きで、僕は寺島実郎さんの講演を毎年聞きに行ってます。毎回貰える資料集も目的だったりするのですが。で、その寺島氏が硬い硬い経済番組を始めたってのがこの番組。インタビュー形式ながら氏がずっと喋ってるという構図は妙に可笑しいんですが、国際情勢を経済的視点で俯瞰する一材料として良いと思います。

 

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池上彰関係

池上彰が好きで彼が出ている番組は大半見てます。池上彰のニュースそうだったのか!!池上彰の経済教室未来世紀ジパング〜沸騰現場の経済学〜池上彰の世界を変えた本とかとか。政治・経済・国際・文化・社会とまぁそれだけよく知ってますねと感嘆しながら勉強させて貰ってます。

 

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夢の扉+

夢を追いかけ続ける人や会社にスポットライトを当てたドキュメンタリー。他の番組と違って、医療とか環境とかサイエンス・テクノロジーよりなテーマが多いのが特徴です。主人公を応援する人からのメッセージ動画を主人公に見せて、視聴者もろとも泣かせようって構成が特徴。教え子からのメッセージとか。夢を持つ人に人は惹かれるのだなぁと毎回感じます。

 

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男子ごはん

全然ジャンル違いますが(笑) 奥さんが見てたのをキッカケに、今は僕のほうが好きで毎週見てます。見るようになって料理が趣味になりました。月に1度ぐらいしか出来てませんけども。時々メチャクチャ手間のかかる料理を短尺におさめてしまってるのに騙されて(笑)、自分でやってみたら一品作るのに2時間かかったってなことがあります。

 

と、ザザッと列挙してみました。ドラマやバラエティやスポーツは一切見ないので、こうして見るとホントに偏ってますねぇ。思いつく限り列挙したのは自分でも初めてでしたが、相当な時間をテレビに費やしてるってのがよく分かります。仕事しろよ(笑)

時間は普段から無い無いと言ってながらこれだけ見れてるのは、ながら視聴をしているのと、倍速再生があってこそですね。リアルタイムに見るということは絶対にやりません。必ず録画して、全てを倍速で再生します。この方法が一番合理的なんですよね。個人的には3倍速とか4倍速のプレイヤーが出てきて欲しいものだと常々思ってますが、なかなか出てきてくれません。高くても買いますのでメーカさん是非にお願いします :-)

TVを批判する向きは結構あるんですが、特定の切り口で構成された映像作品から得る情報密度ってやっぱり高いと思うんですよね。書籍や雑誌と一緒でしょうか。ネットでの情報収集って断片化された情報を自分で構成し直す必要があるのが結構面倒で。テレビは恣意的な編集が入っているってのはあるんですが、全てを真に受けなければ良いんでないかなと。媒体の使いようというのでしょうか。僕はTV大好きです。できれば有料にして貰って広告宣伝をなくして欲しいです。

ということで見てるTV番組の御紹介をしてみました。どれもお勧めですので皆様も是非 :-)


2015.09.15 (Tue)

本日は残念なお知らせです。このたび2つのサービスを終了させて頂くこととなりました。

 

Slidrs

Slidrs

2012年にリリースしたプレゼン資料の同期サービスです。当時、弊社事業SYNCNELで搭載した会議機能が一部で高く評価されたことを受けて新たに開発したものでした。

会議室を作成し資料を登録。専用アプリで当該会議室に入室すると、入室者のiPhone/iPad/ブラウザで資料が勝手にめくられて勝手に切り替わるというユーザ体験を提供するサービスで、セミナー等での使用を想定していました。

会議やセミナーにおける資料同期とはどうあるべきかを模索する為に開発し、その成果を企業用のファイル共有サービス SYNCNEL にフィードバックしようという意図がありました。単体での有償化などは全くプランに入っていませんでしたが、上場会社様から企業版は無いのかとお問い合わせを受けるなど、一定の需要はあったのだと思います。とてもシンプルで分かり易かったのが評価されてたようです。

単体での訴求も余りしていなかった為、現在はほとんどユーザ様はおられません。役割は終えたかなという判断で2015年10月31日をもって終了することにしました。

 

Dailyshot

昨年の秋にはじめたばかりのサービスでしたが、残念ながら終了することとなりました。

テーマを決めて毎日1つずつ手軽にコツコツ投稿していく系のサービス。自分の体重とか、その日の空の写真とか、今日の一言とかですね。

この手の投稿系サービスにしては珍しく、過去や未来の日付を明示的に指定して投稿できるとか、誰かの投稿に対して何度も良いね!が出来るという、良いね!インフレを楽しめる仕組みを搭載しているのも特徴でした。

僕はこんなふうに空模様の定点観測をするのに使っていました。

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将来的にカレンダー表示とか、数値入力についてはグラフ表示とか、色々と構想もあったのですけどね。思いのほかユーザ様が伸びなかったということもありまして、ご利用頂いているユーザ様には申し訳ないのですが、2015年10月25日をもって終了することにしました。

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尚、これまで投稿して頂いたユーザ様向けに、画像やテキストなどをテーマごとにダウンロードできる機能も御用意しましたので、PCからアクセスの上で取得をお願い致します。

 

ということで、2つのサービスの終了のお知らせでした。これまでご利用頂きました皆様に重ねて御礼申し上げます。有難うございました。

 


2015.09.03 (Thu)

最近人とお会いしてて習慣の話になることが続いたので、何となく書いてみようと思いました。

早朝の神社参拝は2008年から7年、マラソンは2012年からで3年ぐらい。色々続いてますね(^^) 今回は経営者としてずっとやり続けてること9つを御紹介してみようかなと。あ、特段何か凄いことをやってるとかではないです。

 

1. お参り

近所の大阪天満宮に毎朝参拝してます。2008年から始めてほぼ毎日欠かさずなので通算2000回は越えてるかと。

1日の始まりに仕事のスイッチを入れる儀式的な事ってあると思うんですが(缶コーヒー飲んだりとか、タバコ吸ったりとか、日経新聞開いたりとか)、僕の場合は神社参拝がそれに相当します。自分のことの祈願は一切しません。感謝の表現が主ですね、仕事のことを含めて。

頭をスッキリできるという意味で、朝の切り替えスイッチの中でも僕はこれが一番だと思ってます。近くに神社がある方はオススメ。神棚とかが会社にあっても良いかもですね。

2. 掃除

出社して真っ先にやること。所要時間1分ぐらい。机の上、仕事道具であるMacなど、自分が作業する身の回りを必ず掃除します。使ってるのはコレ。ささっとホコリが取れてスッキリ。

実は掃除には物理的な汚れを除去する効果は余り求めてません。デスクワーカーにとっての机の掃除という行為は、雑然としてしまった机の上からやるべきことを洗い出して気付きを得る為の行為だと考えてます。

「あ、これもやらなくちゃ」「あー、こっちもか」と机の上を毎日掃除するだけで気付きが得られるんですよね。汚れの除去は本質ではないなと。1分程度とはいえ考える時間にもなってとても良いです。ウェーブ、お勧めですよ :-)

3. 当日の打ち合わせ準備

普通すぎますが。

カレンダーを見てその日の打ち合わせ予定を確認します。その上で、用意すべき資料とか事前にやっておくべきこととかをチェックします。最近はEvernoteでメモを取る事が多いので、あらかじめ議題を列挙したりなどなどですね。

4. ルールブックのチェック

これだけはちょっと珍しいかも。

僕は自分のことを意志の弱い人間だと思っているので、あえて自分の行動を矯正するルールのようなものを自分に課しています。守らなければ罰ゲームという訳ではないのですけど、今では50個ぐらいになった行動指針群をルールブックと呼んでいて毎日チェックしています。

例えば、

午前の打合せがある東京出張で新幹線を使う場合は、必ず新大阪6:03発の始発新幹線に乗って東京で仕事をする。座席はA列。

とか、

迷ったら迷う時間を削減する為に、より変わった選択肢又は金額の高い方(但し現実的であること)を選ぶ

とかってなルールがあります。子供じゃないんだから…という話なんですが(笑)

ルール化して考える時間を極力無くすって感じでしょうか。守れてないものも沢山あるけど、そこは時々チューニング。毎日◯☓つけるってことはやってなくて単に眺めるだけ。自分を変えていく習慣作りに繋がる仕組みにはなってる気がしないでもないです。

5. 読書

毎朝10分。タイマーをセットしてやってます。10分経過してタイマーが鳴ったら読んでる途中の段落の最後まで読んで終了(というのもルールブックに書いてある)。

まとまった読書時間がなかなか取れず積ん読対策として始めたことで昔は30分にしてたんですが、今は時間配分を変えて10分にしてます。時々衝動的に本を買いまくる時期が訪れて、そんな時は本棚がカオスなことになります。

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やっぱり本が好きなんですよね。

6. プロジェクト俯瞰

会社で進行中のプロジェクトを俯瞰できる1週間単位のガントチャートのようなものを作っていて、それを眺めるようにしてます。誰がいつまで何を手がけるのか、組織全体の動きを見ます。将来の案件を入れるタイミングを見計らったり、後述する財務表を確認する前の、お金の何となくの動きをイメージするのに使ってます。

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こんな感じのモノで、昔は OmniPlan というツールを使ってましたが、今は Google Spread Sheet に切り替えてます。よくよく考えたらセルを塗っていけばガントチャートになりますもんね。

最低当年度の終わりまで、最長で1年先まで線を引くように。1つのプロジェクトが数ヶ月単位のものなので場当たり的に動くのは効率的ではないというのと、会社全体が1年を通してどう動くかを視覚化することで先を見据えたオペレーションができる、というのとで毎日欠かさず見ています。大きな会社さんだと部署とかチームごととかなんでしょうかね。

7. 業績とキャッシュフローのチェック

業績やお金の実績とフォーキャスト(予測)を毎日チェックしてます。弊社は月末締めとか翌月末払いとか月次単位のビジネスなんですが、それでも毎日見ています。膨大な数字から気づきって毎日何かしらあるものなので。

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試算表と資金繰り表ってよくお金関係のアドバイスを受ける際に出てくるんですが、個人的にイマイチなんですよね。よく知られている通り、売上や原価や利益という帳簿関連の数字と、お金の入りと出のリアルな動きって全くリンクしませんから。常に2つを時間軸で並べてみたいということで、自分なりに見易いと思える表を作っています。多分色んな経営者が独自の見方を持ってると思います。

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プロジェクトや案件ごとに、業績に関する数字と、実際のお金の動きとを同じ列で並べて見ます。スイッチボタンで同時表示・損益only・金の動きonlyを切り替えれるようにして1年先ぐらいまで眺めています。ぶっちゃけ、今仮にキャッシュインが無くなったらいつ墜落しそうかとか、この時期にはちょっと余裕ができそうだとか、それを毎日見るように。

一緒に月末時点の現金残高を必ず記録して、フォーキャストに基づく現金推移予想とどれぐらい乖離したか、乖離幅が多ければ何が原因かってことを考察するようにしてます。消費税の予定納税とか労働保険の納付とかの奇襲(笑)的キャッシュアウトの情報も忘れずに記入。毎日必ず数字とにらめっこして、6.のプロジェクト俯瞰のイメージを併せて常に早めの経営判断を心がけてます。

8. TODOチェック

GTDポモドーロテクニック、そして自分のオリジナルの工夫を組み合わせてタスク管理をしています。先日のWSWS100周年イベントで御紹介しました。嫌だなぁ・やりたくないなぁという気分が乗らないタスクを、如何に先行して終わらせるかという事にフォーカスした独自の管理手法です。

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こんな感じで。これは8月の1ヶ月分。毎日肥大していきますが、ここから何をやるかpickupして一日が始まります。タスク管理は永遠のテーマなんですけど、あることに気がついて工夫を始めてから先送りしてしまうことが随分と減りました。

9. 経営日誌

今で7冊目。毎日、自分が経営をしていて感じたこと、思ったことを記録しています。心理療法や瞑想の世界で「ジャーナリング」と呼ばれる手法に近いのかなぁ〜と最近になって気がついたのですが、思考を定着させることが目的でやってます。

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色々書いてますね。

嬉しい感情、悩みの感情、怒りの感情を全部記録して、あとビジネスアイディアとかも書いたりします。Evernote とかデジタルなノートではなく、紙にペンで書くという行為にあえてしてるのが特徴です。論拠は特に無いですが、考えるということを最も深くできる行為のような気がしていて紙とペンを使ってます。

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振り返ってみると自分が何を感じ何を考えてたかが分かるのでとても面白いです。有名な四行日記でも良いのですべての人に手書き日誌をお勧めしたい。

 

短くまとめようと思ったんですが、かなり長くなってしまいました。こんな感じで毎日やってます。他にも細かく言い出すとあるにはあるのですが、主だったものを御紹介しました。

どんなことであっても毎日の積み上げってホント大きいよなぁと感ずる昨今です。進むことは着実に進むし、大事な判断はタイミングを間違えずに出来ると思います。TODOや経営日誌とかは、結構こだわってやってる部分なので気が向けば個別に詳細書いてみようと思います :-)


2015.08.27 (Thu)

前回記事で言及した新成長戦略にある「有給取得率を2020年の70%」という目標。弊社はほとんど達成していますが、中には有給休暇を取るのに余り積極的ではないエンジニアもいます。まぁ余り休まれたくない系の経営者には好都合なのでしょうが、僕はどっちかというとドンドン休みなさい派。それこそ有給マナー記事でNGとされてた「ちょっと気分が乗らないから」って理由でも業務に支障がないなら休んだら良いのに思ってます。映画の日だから有給とかも全然okだと思うんですよ。

一方で100%達成している人もいますし、100%を超えている人もいます。今日はなぜ有給取得率が100%を超えるのかという話。

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(on flickr by Matthew Baron / CC BY-SA 2.0)

 

有給取得率が100%を超えるカラクリ

といっても運用レベルではやってる会社もあると思います。

例えば、色んな事情でその年の残り時休が0になってしまってたとします。つまり有給休暇を使い切ってしまったと。その状態で家族の都合があったりとか、どうしても1日(8時休)休まないといけなくなったとします。ここで、普通なら欠勤扱いになっちゃう訳ですね。お馴染みの式で日割り計算して1日分が減給になってしまう。有給休暇が無いのですから当然といえば当然です。

ですが、ウチでは有給休暇の残りがマイナスになることを許容しています。上記の状態でも別に休んでok。悪気があって有給を全部使い切った訳でもないだろうし、そんな状態でも休みたいってのは多分よっぽどの事な訳です。

そこでもし会社が猜疑心のようなものを抱くのなら、多分そんな人間を雇った会社が悪いってこと。信じれるならむしろ、残有給ゼロになったにも関わらず申し出てる有事だからこそ、尚のこと休んで貰うべきなのです。

で、この例だと欠勤にならず、その日をもって残数が -8時休 というマイナス状態になります(つまり1日分多く休んでて100%を越えてる状態)。懲罰的に給与が減ることはありません。このマイナス分をどこかでリカバーしてねという状態なんですね。

当該の休みを取得した翌日から毎日1時間ずつ時間外労働して8営業日かけてリカバーするのもokだし、土日など休みの日に丸っと一日分8時間労働してもok。常識的な範囲でまぁ1,2ヶ月以内ぐらいを目安に補填して貰ったら大丈夫ということにしています。

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こんなふうに補填する為のシートが別途用意してあります。明確なリカバー期限は特に定めていません。これはまぁ社員を信じているからってのと10人程度の小さな会社だからできることなんですけども。それなりの規模の会社がもしやるのなら、リカバー期限を制度的に設けるべきでしょうね。3ヶ月とか。あと休職の扱いとの関係でマイナス側の下限も規定した方がいいでしょう。

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(on flickr by umjanedoan / CC BY 2.0)

 

従業員にとってプラスなら厭わない

実はこれ、労基法的にはグレーです。

ブラックではありませんが、お世話になってる社労士さん見解では限りなく白に近いグレーとのこと。リカバーする為の労働は必ず時間外労働になってしまうので、その分に応じた時間外手当を出しなさいという事になっちゃうんですよね。そこは出してません。ですが、従業員にとっては欠勤より良いはず。

土日に出勤して後から休む振替休日ってのは規程されることは多くても、その逆というか、先に休んで後から補填するだけってシンプルなルールが何でないのかと前から疑問に思っていました。

「減給にはならないから早々にリカバーしてね」「わかりました」そういう両者合意があればむしろ労働者にとってプラスな筈なんです。有給使いきってマイナスに振り切ってまで休むってよっぽどの事ですよ。なので僕は良かれと思って敢えてやっています。

もし監督署が、残有給休暇マイナスは許さない、補填させる労働には時間外手当を出せ、というのなら、問答無用に欠勤扱いにするしかないでしょうね。どんな事情であれ。でもそれって従業員の幸せなんですかね?と監督署に問うてやろうと思ってます。恐らく「法律だから厳密にやると…」というのが彼らの言い分なんでしょうが、それなら彼らの労働者を守る!というアイデンティティは嘘ってことです。

 

ま、そんなこんなで結構有給の扱いについては「時休」という時間単位の概念を取り入れたり、マイナスを許容したりと柔軟にやってますというお話でした。

 


2015.08.25 (Tue)

前回に続いて有給ネタ。何か色々考えてたことをダ~と吐き出してしまいました。長文です。

2010年の新成長戦略によるとは2020年までに有給取得率を70%にするのだそうです。「元気な日本」復活のシナリオとしてその目標を掲げているにも関わらず、あと数年しかないのに到底達成出来そうにないという残念感。弊社ではほぼ達成しています。エンジニアによっては100%だし、100%越えてる人もいます(そのカラクリはまた別途)。

2014年にエクスペディアが行った調査では日本の有給取得率は50%なんだそうです。もう目標達成は絶望的と言わざるを得ません。1990年代からやってる少子化対策と同じで、これもまた達成できずに終わってしまって「あー、ダメだったねぇ。ま、次の10年計画にもまた書きましょか」って感じになるんでしょうか。何ですか、そのユルフワ感。

民間企業では目標未達を何とか回避すべく「チャレンジ」なんて裏ワザまで繰り出して捏造してまで目標達成しようとするのに、国が掲げる目標はなんというか危機感が全く無いのは何故なんでしょ。皆、高齢で10年後とか30年後とかの責任が追求されないからなんでしょうか。かといって、国が全力で「チャレンジ」されても困りますけども。

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(on flickr by Jônatas Cunha / CC BY-SA 2.0)

 

有給取得率向上は利益減に繋がるのではという恐れ

さて、そもそも有給取得率を上げるべきなのは何故なのか。冒頭にリンクを示した新成長戦略には

「ディーセント・ワーク(人間らしい働きがいのある仕 事)」の実現に向けて、「同一価値労働同一賃金」に向けた均等・均衡待 遇の推進、給付付き税額控除の検討、最低賃金の引上げ、ワーク・ライ フ・バランスの実現(年次有給休暇の取得促進、労働時間短縮、育児休業等の取得促進)に取り組む。

[第3章 - 6 雇用・人材戦略]

とあって、ワークライフバランスを実現するのが目的と明記されてます。それが人間らしい働きがいのある仕事になるのかは別問題だと思いますが、有給取得率が低い=仕事漬けになっている=バランスを欠いている、という論理式は確かに正しいので、その取得率向上が必要なのは分かります。

でも、きっと多くの会社経営者からすると有給取得率もワークライフバランスも、どうでも良いことです。なぜなら企業の存在目的である営利追求に反する(と感じる)から。企業とはWikipediaの定義を借りれば「営利を目的として一定の計画に従って経済活動を行う経済主体」です。

未だに高度成長期の労働集約型思考で、働く時間に応じて売上が積み上がり利益が確保できると考えられている訳です。自社の総労働時間が減るような取り組みに積極的になる筈がありません。

有給取得率向上=労働時間減=売上減=利益減

経営者の頭のなかは基本こうです。そりゃ、やるモチベーションが起こりません。普通に恐いですから。

なので今のままだと、社員の幸せを第一義に持ってきている…というような変わった企業でしか2020年70%は達成できないでしょう。メディアでこんな素敵な会社もあるんだ!って紹介されるようなレアケースでしょうね。それではいけない。レアであってはいけなくて、当たり前にならなくちゃいけない。だからこそ成長戦略に入れてるのだと思うんですが、当たり前にするには、そうなってない場合に罰があるか、そうなってる場合に賞があるかのいずれかまたは両方で経営者を誘導するしかありません。努力目標とか推奨とかではぬるいと思う訳です。

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(on flickr by Robert Sanzalone / CC BY 2.0)

 

中途半端な助成金は意味が無い

有給取得率をあげたら、利益が上がるんだ。

有給取得率増=利益増

こういうふうに経営者に直結するイメージを植えつけないといけないんじゃないでしょうか。でも、有給と利益を結びつけようとすると必ず「生産効率あげたら実現できます!」なんて話になる。この文脈にある制度と思われる、職場意識改善助成金ってな厚労省の助成金もあるそうなんですが、詳細を見ても間接的過ぎて全くやる気が起こらない訳です。

一部引用しますと、以下の取り組みに要した経費を目標達成(有給取得日数を4日以上増やす)したら補助金出しますっていうんですね。

いずれか1つ以上実施してください。

○労務管理担当者に対する研修

○労働者に対する研修、周知・啓発

○外部専門家によるコンサルティング(社会保険労務士、中小企業診断士など)

○就業規則・労使協定等の作成・変更(計画的付与制度の導入など)

○労務管理用ソフトウェアの導入・更新

○労務管理用機器の導入・更新(※1)

○デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新

○テレワーク用通信機器の導入・更新(※1)

○労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフトなど)(※2)

※1 パソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。

※2 成果目標をいずれも達成した場合のみ、支給対象となります。

やりませんよ。普通に面倒くさいですから。書類も作るのだるいし。しかも補助は100%じゃなくて50%だったり75%だったりと中途半端。

生産性の向上って機器の導入やコンサルを受ける事では果たせないことを経営者は直感で理解してます。「こんなことしてもねぇ…」と猜疑心一杯です。せいぜい、そもそもソフト買おうとしてたからこの助成金をあてがおうか、みたいな思考にしかならない訳です。道具を買って研修受けたら労働者の生産性が上がります、単位時間あたりの売上増が図れますよ、そんなぐらいに経営が簡単なら日本はもっと元気な国になってます。

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(on flickr by A Healthier Michigan / CC BY-SA 2.0)

 

経営者に突き刺さる施策を

もっと強烈な、有給取得率増=利益増という分かりやすく経営者の思考に刺さる構図が必要だと思うんですよね。有給取りやすい会社かどうかって結局経営者に依存する訳ですから。

経営者がTOPダウンに「純利益増に繋がるんだから有給取得率あげろ!」って指示を出したらいやがおうでも上がりますよ、どんな会社でも。反対する人はいないでしょう。経営者は純利益が上がって嬉しい。従業員は実質的な休みが増えて嬉しい。相互にモチベーションがありますから、いっきに浸透する筈です。

そんな都合の良いモノがあるのか。

そこで有給取得率に応じて減税するというアイディアはどうかと。インセンティブによってモチベーションは上がり人は行動するものです。経営者もご多分に漏れず。有給取得増が手元に残る現金の量に直結するなら、どんな経営者も有給取得率を無視できなくなるでしょう。

ちょっと思考実験(?)してみます。

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例えば、課税対象所得の10%を有給取得率に連動する控除対象候補枠として捉えます。話を簡単にしますが、課税対象所得が1000万円なら100万円。ここに、(当年の自社有給取得率) から (前年度の有給取得率の全国平均) を引いた割合を掛け算した結果を課税対象から控除してあげることにする。

もし自社の有給取得率が90%で、前年度の全国平均が50%なら 90 – 50 = 40% ですから、100万円 x 40% = 40万円が控除される。つまり全体の40万円分(4%分)の節税を考えなくて良くなって、1000万円 – 40万円 = 960万円が課税対象所得となる。

経営者としては嬉しいですね。結果として税金減るし、現金残るし、節税と称して余計なものに金使わなくて済む訳です。

で、更に全国平均との差を係数とするので、全ての会社は競うように有給取得率を上げてくる。乗り遅れちゃいけないと。悠長に平均より下回ってる状態を続けている企業にはマイナスインパクトとなって何故か税金が増える。そんなことできんのか?(笑)

思考実験なので続けると、当年の有給取得率が40%にとどまってしまったら -10% が係数となって、100万円 x 10% の 10万円分が課税対象所得に加算、税金が増える。有給取得率を最低でも全国平均以上にしておかないと余計に税金が取られるという恐怖。一方で早めに上げれば上げるほどより多く減税される。そうすりゃ嫌がおうでも日本の有給取得率上がりませんかね。

有給取得率増は成長戦略で目標に掲げられている以上はもはや国是だし、従業員のhappy度が増すのは間違いないし、当期純利益増の見込みもあるんだから経営者が反対する理由は基本的にありません。自然と生産性を上げる工夫を自らするようにもなるでしょう。

仮に上期報告で上方修正した企業は、利益増えて税金払うのを嫌がって、下期には「みんなもっと有給取れ!」って気運が会社に満ちたりなんかする。何か素敵じゃないですか。

問題となるのは税収。ただ減るだけなら財務省が黙ってませんもんね。

いずれ100%に収束していくので「恒久的な減税になってしまわないか」という懸念はクリア、多分。目下の税収減は、有給休暇増による経済効果による税収増で相殺出来ないかと。「有給休暇完全取得の経済効果」 という論文があって、100%有給取得が実現すると約15兆円の経済効果と約188万人の雇用創出効果があるとされていますから結構な税収増になるだろうし、GDPも上がるんじゃないですか。そして失業率も下がると。

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(on flickr by Bhupinder Nayyar / CC BY 2.0)

 

税制は経営者のモチベーションコントローラー

有給取得率で税金が増減するってアイディア、面白いと思うんだけどなぁ。会計的にダメっぽいけど。ま、妄想ですし、思考実験の域を出ないですし。企業が有給取得率を偽って申告するのをどう防ぐかとか、有給取得率を上げる一方で滅茶苦茶サービス残業させるブラック企業が出そうとか、やっぱり簡単ではないですね。

でも人間は良くも悪くも金が全てだと思うのです。経営者は特にそうで、むごい程にお金で動きますし当たり前だけどお金を見て経営判断します。だからそれを逆手に取って行動心理学という訳ではないですけど、お金の出入りを調整する税金の仕組みを労働関連の制度と絡めていくと良いんじゃないかなと常々思ってたので、何かネタ的に勢いで書いてみました。

税の専門家でもないし、経済の専門家でもありませんし、研究をやってる訳でもないので、何の裏付けもありませんが。もうちょっと厚労省と財務省が協力すると日本の労働環境は良くなって、皆happyになりそうな気が何となくするのです。何だか何目線なのかよくわからないエントリになってしまいましたが、一経営者として思ったことを書いてみました。


2015.08.24 (Mon)

少し前に有給取得がセーフかアウトかを列挙した記事が盛り上がりを見せました。

会社を休む理由、これってセーフorアウト!? マナーの専門家に聞きました

20150824_1654

結婚式はセーフだけど、マンションの立会工事は要検討で、気分が乗らないという理由ならアウトとかとか、有給マナー10選。これをマナーとして教えるコンサルタントがいるんだと驚愕した次第です。

有給に対するスタンスも有給制度そのものも各社色々なので、厚労省もそういうアンケートすれば面白いのにと思ったりもしますが、ここはちょっとウチの変わった有給制度をご紹介してみようかなと思い筆を執りました。

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(on flickr by Gunilla G / CC BY-SA 2.0)

 

時休という概念

ウチの有給休暇制度最大の特徴は、有給休暇の粒度の違いにあります。よくあるのは、有給休暇は1日単位で取るのが原則で、せいぜい午前休や午後休など半日単位が最小の粒度ってのが多いと思います。

奥さんが風邪をひいてしまって父親の自分が子供を幼稚園に送らないといけないってなシーンでは午前休を取る。ちょっと大きな買い物をして届くのが晩の19時で定時退社してもギリギリ間に合いそうにないって場合には午後休を取る。…ってな感じに普通はなる訳ですね。

でも、ちょっと合理的ではないなと。1時間や2時間で良いのに半日取ることになるのは果たして良いのか。

そんな疑問からウチでは1時間単位で有給休暇を取れるようにしています。1日8時間労働なので、粒度は0.125日単位。2時間なら0.25日、5時間なら0.625日とかってもうややこしいので、それなら時間で休みを取るということにしようと新たに時休という言葉を作ったのです。辞書にも載ってません。造語です。

労基法では勤続年数に応じて従業員に与えるべき最低有給休暇日数が決まっていますが(労基法第39条)、うちでは時休に換算して付与します。12日加算される場合には 12 x 8 = 96 [時休] が貰える訳です。その持ち時休を各自が1時間単位で消化していく感じですね。

子供を送ってからでも10:00に出社できるなら1時休で済みますし、荷物の受取の為に少しだけ早く出れたら良いのなら2時休ですむ訳です。極めて合理的で勿体無くない。会社としても半日休まれるより、2時間だけの休みのほうが業務進みますよね。

お子さんのいる家族だと、変な言い方ですけどやっぱり有給を取らざるを得なくなるリスクって高い訳ですよ。突然熱出しちゃうとかですね。自分は子供いないし持つ気もないのでリアルな大変さってのは全く体感出来ませんが、有給取得単位が半日という制約があると、勿体無いってなるやろなぁという従業員の思いは想像ができる訳です。お子さんが2人、3人と増えてきたら尚のことそうですよね。いつ何が起こるか分からないから、残しておきたい。1時間だけ遅出できたら良いのに…ってなるでしょう。2時間だけ早く帰ってあげれるだけで良いのに…ってなりますわ、普通。

だからウチは時間単位で取得できる有給制度にしています。

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(on flickr by Liz Foreman / Public domain)

 

管理が大変ではないのか

ややこしくない?と言われることもありますが全然そんな事はありません。

1日という概念に囚われてるから、1時間だと0.125日になってしまう、既存の仕組みとマッチしないしややこしいなぁ…と誤解してしまうのです。ライフスタイルも多様になってきている訳だし、有給の概念につきまとう「日」という単位を「時」に変えたらいいだけです。

労務管理_記入例__-_Google_スプレッドシート

これは社内マニュアルにある時休管理の画面例ですが、5列目が何時間休むかの数字です(青字の行は集計用)。5時間休むこともあれば1時間だけ休むこともある。8時間が丸っと一日休みってことですね。右から3列目が残った時休の数。

エンジニアは休みたいと思えばシートに入力する、会社側はそれを見て承認する。それだけ。ハンコもなけりゃ、別に理由を聞いたりそれを書く箇所を設けているということもありません。

ウチは週次でミーティングをやってますが、「今週は休む予定ある?」ってこのシートを一緒に確認しながら会話します。本人が言いたければ「ちょっと子供の授業参観行ってきますが問題ないすか。シートには書きました」とか「どうしてもiPhoneの購入で並びたいんですよ。あとからシートに書いておきます」とかって言います。仮に言わないとしても聞くことは基本ありません。業務で万が一の時があった場合に緊急連絡可能かどうか、それだけは聞くぐらいでしょうか。

とまぁこんな感じで時間単位であっても excel で普通に管理できます。大変な事は何一つありません。ウチはカレンダーとかと連携させたくて Google の Spread Sheet で作ってますが。

有給の社内申請用紙が「日」を前提にしているとか、給与明細のフォーマットがとかまぁ色々ありますけども、社内都合の面倒臭さを優先するのか、ライフスタイルの多様化受け入れ姿勢を優先するのかの二者択一ですよね。僕は後者を優先すべきだと思いますけど。(社内でシステム開発できるべきという持論を僕はもってますが、こういうところにも理由があります)

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(on flickr by Liber the poet / CC BY-SA 2.0)

 

時休の効果

有給を効率的に使えるようになったという効果はあるようです。勿体無い使い方が無くなったという声も実際にありましたね。この仕組は途中から導入しましたが、それ以前に比べると全体的な有給消化率は上がっています。悪いことは基本的に無いですね。

別に労基法的にNGな訳ではない(というか労基法も日しか前提にしていない)ので、経営者の皆さんも是非時間単位で休めるようにしてあげたらどうでしょうかというエントリでした。有給取得率上がると思いますし、確実に働きやすい会社度合いがUPすると思いますよ。

 


2015.08.02 (Sun)

アップル好きならお馴染みのMacFanにインタビューが掲載されました。アップル大好きアーティスト、TTRE土屋礼央さん(レオさん)のページ「pAple Inc.」という連載がManFan内にはありまして、面白いアプリを作ろうという企画にかれこれ2年ぐらい御一緒させて頂いてます。

アプリ開発はウチの @itok_twit が担当していて、僕はマイコミさんのビルにお邪魔しては編集長やレオさんと楽しく話をさせて頂いているだけという…(笑) アプリは、Bluetoothを使ったもので、恐らく秋には出るのではないかと思います。

だいたい隔月で僕が東京出張の際にお会いしてるんですが、とにかくレオさんが本当に多才な方でいつも驚きがあります。音楽は勿論のこと、色んなこと知ってはって博学だし、ラジオでもテレビでも雑誌でもあらゆるメディアでご活躍で、書籍も何冊も執筆してて、全国ツアーで飛び回ってはるし、趣味でそばも打つとかで、物凄いエネルギッシュなんですよ、そして話が面白い!人を楽しませることに秀でてる人って凄いなぁといつも感心するばかりなのです。

レオさんの最近の素敵な曲ユラユラのPVはこちら。

アーティストさんと接することって余りないもんですから、僕にとってはホント新鮮で毎回楽しませて頂いて元気貰ってます。この楽曲もそうですが、人に元気を与えられるのって素晴らしいですよね。

で、先般、MacFanの紙面が刷新されました。これに伴いレオさんのページでインタビュー企画が始まったということで、大変光栄なことにその(事実上の)第1回ゲストに選んで頂いたという訳なんです。こんな感じで、MacFanにまるっと1ページ対談の様子がドーンっと。

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前編/後編に分かれるそうで来月も掲載されるとのこと。タイトルが恐れ多いですが。今月はMac版の最新版Office2016についてミッチリ解説されていてオススメですので是非是非みなさんご購入を :-)

 

そういえば、インタビュー中にレオさんに「大石さん、ライブの企画とか向いてそう」と言われました。僕は音楽とは距離のある人生を送ってきて(でもRAG FAIRさんは知ってた)ライブともほぼ無縁だったので、まさか!とビックリしたんですが、「お客さんがどんな風に感じて、どのように楽しむか考えて作るとか得意そうじゃないですか」と。ほぇぇぇ〜とまたビックリ。

僕は普段から、お客さんになりきる、お客さんの立場に自分を置き換える、お客さんの脳みそと自分の脳みそを入れ替える勢いで臨め!なんて事をビジネスをやっていく上での大切なスタンスにしているんですが、基本的に誰もが呼吸と同じぐらいに当たり前にできる事と思ってきた訳です。それが誠実さというものだし、仕事ってそういうことだし。

だから、それをやろうとしてるとはとても思えない人の言動を見るにつけ超イライラしてきたんですよね。今もそうなんですけど。なんで、そんなに自分中心にしか考えられないの?って怒り心頭になることしばしばで、2年前に入社してもう辞めちゃった人を相当追い込んでしまった時期もありました。家族へのお祝いにサプライズを仕掛けるってしたことないでしょ?って言って。

自分が善人とかそんな傲慢なことはコレっぽっちも思ってないんですが、レオさんに言われたことで、お客様の気持ちで考えるっていうのはある意味スキルなのかも知れないと思い至った次第でして、何だか新しいキャリアというかビジネスプランというか、そういうもののヒントを得た気がしました。お客様を思う気持ちというか、そういうのって多分、意図的に育てる必要があるんですね。ある意味、それが人の感情として自然発生するものではないということがはとても残念なことだけど。

 

閑話休題。インタビューって僕もこれまで何度かして貰ってきたのですが、気づきが本当に多いです。喋ることで思考が整理されるし、言葉のやりとりの中で「あー、そうそう、自分が考えてるのって○○○○○やねん」って思考が言語化できたりとかしますしね。最近はインタビューする側にもなって気づきを得たこともあったので、改めてインタビューすげーと感じました。

結局なんのエントリか分からなくなってきましたが、メインはMacFanに載りました〜という御報告と、今月のMacFan是非買って下さい〜という話でした!


2015.07.24 (Fri)

ヨクスル(YOKUSURU)は、「世の中の製品やサービスに対して感じた問題点と改善案を提示して貰い、それをメーカやサービス提供元に代わってお届けする」という会員制事業です。実は1年程前に新事業「ヨクスル」を始めますというエントリで新サービスやります宣言をしてました。随分間が空いてしまったんですが、始めようと思います。

20150722_1614

消失するアイディア

既存の商品やサービスで「こうしたらいいのに」とか「ここ改善したらもっとよくなるのに」と思うことってありませんか?

僕は結構ありまして、コンビニの製品からアウトドアアイテムまで、いっつもアイディアが湧いてしまいます。例えば、セブンイレブンのホットコーヒーにスリーブ用意したら持ったときに熱くなくて良いのにとかですね(これは1年前の発表エントリで書いたネタですが)。そんなちょっとした思いつき。でもせいぜいメモにするぐらいか、奥さんとの雑談の中でボソっと言う程度なんです。

これをずっと勿体無いなぁと思っていました。小さなアイディアなんですけど、客としての声なのは変わりない。企業としたらそれが貴重な筈なのに、現場で消えて無くなってる。誰にも届かない。

どんな企業も必死にお客の声を聞きたいと思ってます。だからコールセンターを用意したり、アンケートハガキを用意したり、web上に問い合わせフォームを用意するんですけど、まぁ電話しないし、ハガキ出さないし、サイトも開かない訳です。ちょっとしたアイディアであればあるほどそうですね。電話にしろハガキにしろフォームにしろ、どちらかというとクレームを言う時に使います。ひどいケースではどこに言ったら良いか分からない場合すらあります。商品売りっぱなしかよみたいな。

アイディアが届かない原因と機会損失

ちょっとしたアイディアが届かない理由って、大きく3つあると僕は考えてます。

  • (A)伝えるのが面倒くさい
  • (B)伝えるモチベーションが起こらない
  • ©伝えるルートがない or 分からない

別に伝えたところで今すぐ何か変わる訳でもないし、クレームと思われたら嫌だし、誰得って話です。

でも、お客様のちょっとした「ひとこと」が商品改善や新商品開発に繋がることは色んなアイディア商品の成功譚を聞けば分かりきったことです。それが企業に届いていないんだとしたら、この世の中は実は色んな機会損失をしてしまってるんじゃないかと思うんですよ。

作り手がなんぼ考えてもやっぱ気がつく範囲には限界あります。これはホント、政治の世界においても会社の中でもそうですね。政治家は国民のこと分からないし、経営者は従業員のこと分からんのです。

政治や会社はややこしいので置いといて、とりあえずは一般消費者向けの商品やサービスにフォーカス当てますが、もし上の三大問題が改善されたら、誰もがもってる筈のアイディア(マイクロアイディアとでも言いましょうか)が会話のネタぐらいで役目を終えてしまうのではなくて、きちんと然るべきところに届いて、結果的に世の中の商品やサービスはもっと良くなるんじゃないのかなと思う訳です。

20140724_1305

ヨクスルがやること

上記のような思いで始めてみるのがヨクスルです。ヨクスルがやるのは以下の3点。

  • 改善アイディアを投稿できるサイト(受け口)を用意します
  • 改善アイディアの投稿1つ毎に報酬金をお支払いします
  • 改善アイディアをメーカやサービス提供者へ代わりに届けます

アイディア収集&お届け代行みたいなものかも知れませんね。上に掲げた(A),(B),©の三大問題をそれぞれに対して、(A)ヨクスルが用意した投稿サイトをブックマークしておいて貰えればスマフォからいつでも投稿が可能、(B)Amazonギフト券で月次でお支払い、©声を届けるのを代行、…ってことでそれぞれ解決を図ったつもり。

アイディアを投稿して頂けたら、最低10円最高で20円もらえます、Amazonギフト券で。毎月集計後にメールで届く感じです。20円で1日1アイディアを続けると月に600円なので、それなりのものが買えますね。今はAmazonは買えないモノがないぐらい商品が充実してますから、本やCDとか買わないから無駄なポイントでしょってこともなく、生活用品の足しに使えると思います。水とか。トイレットペーパーとか。

詳しくはヨクスル会員制度のサイトをご覧下さい。

[ヨクスル(YOKUSURU)は、「世の中の製品やサービスに対して感じた問題点と改善案を提示して貰い、それをメーカやサービス提供元に代わってお届けする」という会員制事業です。実は1年程前に新事業「ヨクスル」を始めますというエントリで新サービスやります宣言をしてました。随分間が空いてしまったんですが、始めようと思います。

20150722_1614

消失するアイディア

既存の商品やサービスで「こうしたらいいのに」とか「ここ改善したらもっとよくなるのに」と思うことってありませんか?

僕は結構ありまして、コンビニの製品からアウトドアアイテムまで、いっつもアイディアが湧いてしまいます。例えば、セブンイレブンのホットコーヒーにスリーブ用意したら持ったときに熱くなくて良いのにとかですね(これは1年前の発表エントリで書いたネタですが)。そんなちょっとした思いつき。でもせいぜいメモにするぐらいか、奥さんとの雑談の中でボソっと言う程度なんです。

これをずっと勿体無いなぁと思っていました。小さなアイディアなんですけど、客としての声なのは変わりない。企業としたらそれが貴重な筈なのに、現場で消えて無くなってる。誰にも届かない。

どんな企業も必死にお客の声を聞きたいと思ってます。だからコールセンターを用意したり、アンケートハガキを用意したり、web上に問い合わせフォームを用意するんですけど、まぁ電話しないし、ハガキ出さないし、サイトも開かない訳です。ちょっとしたアイディアであればあるほどそうですね。電話にしろハガキにしろフォームにしろ、どちらかというとクレームを言う時に使います。ひどいケースではどこに言ったら良いか分からない場合すらあります。商品売りっぱなしかよみたいな。

アイディアが届かない原因と機会損失

ちょっとしたアイディアが届かない理由って、大きく3つあると僕は考えてます。

  • (A)伝えるのが面倒くさい
  • (B)伝えるモチベーションが起こらない
  • ©伝えるルートがない or 分からない

別に伝えたところで今すぐ何か変わる訳でもないし、クレームと思われたら嫌だし、誰得って話です。

でも、お客様のちょっとした「ひとこと」が商品改善や新商品開発に繋がることは色んなアイディア商品の成功譚を聞けば分かりきったことです。それが企業に届いていないんだとしたら、この世の中は実は色んな機会損失をしてしまってるんじゃないかと思うんですよ。

作り手がなんぼ考えてもやっぱ気がつく範囲には限界あります。これはホント、政治の世界においても会社の中でもそうですね。政治家は国民のこと分からないし、経営者は従業員のこと分からんのです。

政治や会社はややこしいので置いといて、とりあえずは一般消費者向けの商品やサービスにフォーカス当てますが、もし上の三大問題が改善されたら、誰もがもってる筈のアイディア(マイクロアイディアとでも言いましょうか)が会話のネタぐらいで役目を終えてしまうのではなくて、きちんと然るべきところに届いて、結果的に世の中の商品やサービスはもっと良くなるんじゃないのかなと思う訳です。

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ヨクスルがやること

上記のような思いで始めてみるのがヨクスルです。ヨクスルがやるのは以下の3点。

  • 改善アイディアを投稿できるサイト(受け口)を用意します
  • 改善アイディアの投稿1つ毎に報酬金をお支払いします
  • 改善アイディアをメーカやサービス提供者へ代わりに届けます

アイディア収集&お届け代行みたいなものかも知れませんね。上に掲げた(A),(B),©の三大問題をそれぞれに対して、(A)ヨクスルが用意した投稿サイトをブックマークしておいて貰えればスマフォからいつでも投稿が可能、(B)Amazonギフト券で月次でお支払い、©声を届けるのを代行、…ってことでそれぞれ解決を図ったつもり。

アイディアを投稿して頂けたら、最低10円最高で20円もらえます、Amazonギフト券で。毎月集計後にメールで届く感じです。20円で1日1アイディアを続けると月に600円なので、それなりのものが買えますね。今はAmazonは買えないモノがないぐらい商品が充実してますから、本やCDとか買わないから無駄なポイントでしょってこともなく、生活用品の足しに使えると思います。水とか。トイレットペーパーとか。

詳しくはヨクスル会員制度のサイトをご覧下さい。

](http://www.yokusuru.tips/member.html)

ウチは皆さんに報酬金を支払うのみで、集約した声を届けるのはウチが企業に頼まれる訳でもなく勝手にやるので、ビジネスとしては最初からして赤字モデル(笑)です。企業からお金もらって…とかってなると単なるマーケティングサービスで他になんぼでもありますから、それはやりません。

収益モデルは追々考えていこうかなと。アイディアをまとめて企業に販売するとかそれは何だか安易な感じがするし面白くないので今のところは考えていません。不満買取センターさんとかありますしね。とはいえお金が無いと続かないので、ホントにお金をかけてられなくなったら辞めちゃうかもですが(笑)

この事業はほぼ僕の個人プロジェクトみたいなもんなので、リソースは限られていて最初はアプリありません。リソースの問題以上にまずは運用を回してみてどんなものが必要そうか検討していきたいと考えているのが大きいのですが。「仕組み」が重要なのであって「アプリ」は本質ではないですから、まず小さくwebのみから始めます。

ということで、新しい取り組み「ヨクスル」のご紹介でした。何かアイディアを思いついたときにご利用頂ければと思います。本当にAmazonギフト券貰えますんで(^^) 僕は日々の小遣い稼ぎに使うつもりです。