2016.08.16 (Tue)

如何に働き易い環境を作るか を徹底的に追求している最中にある会社のことを知りました。

「あ、同じ考え方の経営者がいる。完成形はここなのか」

2011年頭に放送されたカンブリア宮殿で未来工業の山田昭男さんのお話を聞き、そんなふうに感じました。企業の有り様や働き方について持論をもつ経営者であれば恐らく誰でも知っている筈の企業。

ネットでは 楽園企業 とか ホワイト企業 とかって形容されていたりしますね。創業者のコメントは有名すぎて(衝撃的すぎて)Naverまとめになってたり、色々とネット媒体でも記事があって、あげれば多分キリがありません。それぐらい有名な会社さん。

2011年当時、ウチは創業5年目。iOSアプリ開発のフィードテイラーとして知られつつあった時期。エンジニアにとっての理想郷を本気で作ろうと思って早3年、有給休暇は多くて取り易く、給料も高めで残業禁止に副業推奨、と他に類をみない環境と制度を作って継続できていることを自負していた折、先人がいたんだ!!と大変感銘を受けました。

先のURLにも山田昭男さんの発言が沢山掲載されていますが、無駄がとても嫌いとか、徹底的な性善説思考だとか、評価についてとか、社長の役割とか、とっても考え方が似ていてビックリしたものです。

あー、やっぱり自分のやり方は間違ってないんだ、スタッフのことを信じて、良い環境を作ることに専念すれば会社は成功するんだな、やっぱり。そう感じて、絶対にやりきってやるぞーとエネルギーを貰ってたんですね。

だから、2011年以降はずっと頭の中に未来工業さんの存在がありました。いいところは真似をしようってんで、例えば4年前、アイディアを出すとAmazonギフト券を貰える会社 〜アイディア集約システム〜 というエントリで

この制度は、日本一幸せな会社と言われている岐阜の未来工業という企業の制度を元にしています。

なんて書いてる通り、新しく作る制度も一部真似させて貰ったりもしました。もちろん、有給を1時間単位で取得できるとか、副業推奨とか、真似ではなくウチオリジナルな制度も色々ありましたけど。

ま、結果的にウチは、楽園にもホワイトにもなりきれなかったんですが(一部のスタッフには楽園だと言われましたが)、色々と経営者として思い当たるところはありまして、この度、ずっと行きたかった未来工業さんの見学会に参加して改めて勉強してみようと思った次第です。

やっぱり働き方とか就労環境とか、そういうテーマは自分の頭から離れないようで、何かしら思い巡らしちゃうんですよね。自分が会社作ったのもそういう文脈でのことですし。

今、また新しいことを色々やり始めていますが、今後万が一なんてことになった時の為にも、一見根本思想的には同じに見えていた自社と未来工業さんの違いは何であったのか学んでこようと思います。だいたい答えは出ているのですけどね、百聞は一見にしかずといいますし、その確認という意味もあるでしょうか。

ということで、来週の8月24日に未来工業さんに見学に行ってきますという話でした。宜しければどなたか御一緒しませんか〜?お申込みはこちらから。まだ申込は間に合うそうです。


2016.07.31 (Sun)

先日こんなエントリを書きました。

facebookを見る頻度を下げたら読書量がだいぶ増えた話

facebookに限らず結局スマフォをすきま時間に見ていることが多いんですよね。ニュースアプリとか。最近だとポケモンGOもですかね。僕もちょっとやってますけども、でも隙間時間にスマフォへ伸びる手を本に切り替えるようにしてから、最近はスマフォより本を見てるほうが多くなりました。

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(Thanks! the photo on flickr by Sebastien Wiertz CC BY 2.0)

スキマ時間にする読書なので すきま読書。スマフォ持つより本を持つ。とは言っても余り無理してる感じはなくて、手を伸ばす先を本にしてるだけです。塵も積もればなんとやらで、7月は更に読書量が増えました。行動習慣の変化が分かり易く読書数に繋がってます。

一方、facebook等から得ている情報は減ってる気がしますね。情報源の一つではあるので、これはこれで見過ごせない事態ではあるのですけど。まぁ対策は別途考えるとして、7月の読書です。

10冊!月に10冊はこれまでの自分を振り返ってみても初めてかも知れません。

どれも面白かったですが、今月の中だと特にお勧めしたいのは池井戸潤の7つの会議。企業を舞台にしたビジネス小説は経営者として学ぶことや気付きが多いです。有事の時ってこうなっちゃうのだなやっぱり…って思ったりしました。前半が単調で読み疲れるとか、盛り上がりにかけるとか、そういうのが全く無く最初から最後まで楽しめました。

記憶屋シリーズは、ライトノベル的なものも良いかも…と手にとった本。I巻の前半でちょっと間延びした退屈感が募り、途中で止めそうになりましたが止めなくて正解。後半の盛り上がりと予想外の終盤に読んでてマジか!と声を出したぐらい。II巻もIII巻も同じ。総じてやるせなくせつない物語です。

SOFT SKILLS はソフトウェア業界の関係者は全員問答無用で読むべし!!と言っても言い過ぎではない名著でした。思うところ沢山あるので、この本についてはレビューを改めて書きたいと思ってます。

という訳で2016年7月の読書でした。スキマ読書良いですね。これは何気に広めていきたいかも。勿論、読むばっかりじゃなくてアウトプットもしっかりやってまいります。


2016.07.28 (Thu)

ウチは創業期に、大阪産業創造館(産創館)メビック扇町をはじめとする大阪のベンチャー育成/支援機関にかなり支えて頂きました。

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(メビック扇町のfacebookページ)

何度かこのブログでも言及したことがありますが、両機関はもちろん、関係者の皆様、またそこでご縁頂いた企業様や個人の方々の存在なく、ウチの創業から10年の歴史を語ることはできません。本当に感謝しています。

この度ですね、なんと、そのメビック扇町の名刺を持たせて頂くことになりました。ででん!

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自分が創業期にお世話になったところの名前を冠としてかぶらせて頂くことになるのは、何とも感慨深いものがありますね。光栄なことです。メンターという肩書がついている通り、恐れ多くもアドバイスをさせて頂くような立場になりまして、詳細については既にこちらでプレスリリースも出ています。

今年度は新た に、若手クリエイター支援強化に向け、 経験豊富な法務、知財、会計、労務等の専門家や経営、営業、産学連携、クリ エイティブなど様々な分野で専門性を有する、 府内の外部人材26人が「クリエイティブメンター」に就任。専門的 知見に基づき、大阪のクリエイターにアドバイスを行います。

ということで、メビック扇町やその取組についてのPR活動はもちろんですが、主には大阪府内の若手クリエイター(これには起業家の皆さんも含まれる筈ですが)を御支援させて頂くような格好になりそうです。

社長経験を何年も積むと「次代の起業家にアドバイスとか色々してあげたくなる」って先輩経営者が仰っていたのを思い出しますが、これは最近とても同感なのですよね。僕も色んな失敗をして、時間もお金も散々ドブに捨ててきたし、悩まなくてもいいことを沢山悩んできたので、そんな苦労は新しい起業家にはしてほしくないよなぁなんて思っちゃう訳です。

自分もまだまだなので、先輩風吹かせるようなつもりは毛頭ないんですけども。ってか逆に教わることも多いし。ともかく、IT系については知見はあるつもりなのと、事業づくりや事業譲渡や売却、組織作りとか経営側面でも色々経験をしているので伝えられることは、そこそこあるかなと思います。規模は小さいですけど。

そんな自分が少しでもお役に立てるのであれば…とこの度、御世話になったメビック扇町への感謝の気持ちもあって頂いた御指名を拝受した次第です。

そう言えば半年ほど前にこんなことを書いてました

創業から開発体制づくりに事業売却まで経験してきたことをOUTPUTして、 これからの起業家の皆さんが少しでも僕と同じ失敗にはまらないように出来たら良いなと思ったりもしています。 そんなOUTPUTの過程で生まれる事業もあったりするかも知れません。

アウトプットしてると思いもよらぬところからお声がかかる、世の中そんなふうにできているのかも知れませんね。

で、今晩、上述のプレスに記載の通りキックオフパーティが開催されるとのことで行ってまいります。尖った人が勢揃いする筈。懐かしい人達や、まだお会いしたことない方とのご縁ができるのが楽しみです。


2016.07.19 (Tue)

当たり前なんですけどね、ちょっと実験してる今日この頃であります。

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(Thanks! the photo on flickr by yosshi CC BY-SA 2.0)

見始めるとなかなか止まらないfacebook。スキマ時間に思わず見てしまうfacebook。ふと、facebookにどれだけ時間を取られてるか定量化してみよう…ということで最近、「ここはfacebookを見てるところだな」という時間を「読書」という行動にスイッチする実験をしております。

移動中の隙間時間とか、家に帰ってから寝る前にとか、移動の伴う先々で5分/10分と隙間に見ることが結構多い。ので、なるべく文庫本や新書を持ち歩くことにしました。思わずスマフォ見ようとしちゃう手を心のなかで叩(はた)いてなるべく本を手に取ると。

そんな1ヶ月を送ってみた6月の読書量は…。

ってな感じに、もう何年も1ヶ月に1,2冊読めれば御の字だったところから当社比約3倍。まぁ読む人はもっと読んではると思いますけども、兎に角いつも以上に読んだ本の冊数が増えました。自分にとっちゃ結構すごいこと。7月も似たようなペースで進んでます。

自分がどれぐらいfacebookを見ているか時間計測して月◯◯時間っていう定量化もあるんですが、読書好きな自分にとっては、おぉこれだけの冊数を(ページを)読めていたのか…という定量化が思いのほか心に刺さりましたという話。

もちろん facebook は貴重な情報源なので今の僕には絶対必要なものなんですが、やっぱりバランスは何事も重要だなぁとか、facebookをはじめSNSをする時間をルール化して決めなくちゃなぁ、なんてことを改めて思った次第です。


2016.07.07 (Thu)

おかげさまで7月7日をもって、フィードテイラーは設立10周年を迎えました。日頃お付き合い頂いている皆様、本当に有難うございます。

創業当時、10年後の自分なんて想像もできませんでしたが、何とかなるものですね。資金調達して上場!みたいな派手な成功劇を残せた訳ではありませんが、会社作り・組織作り・事業作りと一通りの多様な経験をさせて頂いた10年間となりました。

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身内でシミジミと10周年の祝賀会…の様子。激ウマで超お気に入りの、とうもろこしの掻き揚げ。

良いことも悪いことも全部ひっくるめて良かったなと。あらゆる経験は自分の骨肉となり、サラリーマン続けてたらできなかった経験をビックリするほどさせて貰ってきました。有り難くも今でも色々とお声掛け頂けるのは、自分ならではの、また自社ならではの価値を提供してこれたからなんじゃないかなと思います。

 

次はどんな10年になるんだろうと思い巡らした時、やはり自分/自社ならでは…というのは重要なポイントで。ふと7周年の時のエントリを読み返してみたら、こんなことが書いてありました。

あての無いガムシャラなだけの努力はダメらしく、 (1)アレもコレもという何でも屋になる誘惑と闘って敢えて特定分野に尖り続ける事だけに努力すること、 (2)時にはドラスティックに変わる事を恐れず拘りを捨てる勇気、の両方が必要なのだろうなと振り返ってみて思います。

字ヅラ通りに今も一緒かというと少し違いますが、基本的には同じことを思ってまして、これからは10年の経験あってこその自分らしさで尖っていきたいなと思ってます。既に動き始めてはおりますが。

例えば、先日紹介した MICSS のような、iOSの世界をずっと見てきたからこそできるモバイルインテグレーション事業とかですね。あとは、最近講演の機会が多かったりもしますが、こんな失敗しない方が良いですよ〜的な話も10年の気づきを体系的にまとめたものなので、自分ならではのコンテンツになるでしょうか。

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理想の就労環境作りに執着した結果得たものは多い

他にも、昨年の今頃に宣言してから(お恥ずかしながら)書いては消し書いては消しを繰り返してばかりの執筆の件も、いい加減そろそろ形にせねばと今頑張ってます。自分にしか書けないものはなにかと考えた時、「就労環境を限りなくホワイトにしたら何が起こるか」という社会実験レポートのようなものは自分にしか書けない提案や警鐘になるよな…なんて結論に至って今進めていたりします。

 

サービスなのか、ブログなのか、講演なのか、執筆なのか、姿・形は異なれど兎にも角にもアウトプットですね。そこから自分や自社がどこに最も尖っていくべきかが導き出されるのだと思います。これまでと同じように。

10年間、弊社とお付き合いを頂いてきた皆々様に改めて御礼申し上げます。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。


2016.06.30 (Thu)

自分とこで開発・運営していたSYNCNELという事業を、上場会社の富士ソフト様に事業売却させて頂いたのが本年の2月1日。有り難いことに、それ以降もずっとお付き合いさせて頂いております。

その富士ソフト様で明日7月1日に開催されるという社内イベントにて、少しばかり講演させて頂くことになりました。特定企業様に向けての講演は年始のヴァル研究所様でお話させて貰って以来でしょうか。

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(Thanks! the photo on flickr by Stephen Dann CC BY-SA 2.0)

タイトルは『無い無いづくしのベンチャーが10年間生き残ってこれた理由』というもの。4月にWSx2勉強会でお話したことを4分の1ぐらいの量にまとめ直したもので、自分が事業作りでこだわってきたことをお話する予定です。

従業員数が4桁規模の会社様にもなられますと、社内のイベントということでも平気で100名を超える方が集まるのだそうで、凄いことですね。100名規模は先日(6月9日)の摂南大学様の講演に続いて連チャン。毎回結構がっつり準備するほうなので、沢山の方に聞いて頂けるのは嬉しいです。

僕を含め何人か先方社内以外の方も登壇されるそうで、大手企業の役員さんとか大学教授さんとか、ホント凄い肩書の方ばかりで、しかも自分が順番的に最後というなかなかのプレッシャーです :-) 20分の所要時間でスライド30枚という自分らしさ(?)でいつものようにお話をしたいなと思います。

ところで、この種のイベントでお呼ばれする講演って他の凄い方々の講演を自分も聞かせて頂ける機会でもあったりするんですよね。招待講演者の特権といいますか、実は今回それも楽しみだったりします。

2016年は過去最大の講演数

最近は登壇することが続いています。7月下旬にもう一つお呼ばれをしてまして、気がつけば2016年上半期は平均して1ヶ月に1回以上は講演させて貰ってることになります。8月以降は今のところ予定ありませんが、年内あと数回はお話させて貰うかも知れません。

講演活動も今後の弊社事業の1つとして位置づけていきたいですね。講演そのものというか講演を含む周辺全部ひっくるめて。時間なんぼあっても足りませんが頑張ってまいります。こちらのページに少し紹介がありますので興味おありの方はご覧頂ければ幸いです。


2016.06.03 (Fri)

既報の通りiOSアプリ開発を内製でやることは無くなりましたが、iOS関連事業はしっかりと続けさせて頂こうと思ってます。ということで、新しいサービスを始めます、というか始めていますというのが正しいのですが、平たく言えば iPhone/iPadなどのiOSデバイス業務活用をご支援するコンサルティング・サポートサービス です。

以下、背景とか経緯とかを書かせて頂こうかなと。

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(Thanks! the photo on flickr by Maurizio Pesce CC BY 2.0)

 

作らなくても、素晴らしい業務用サービスが沢山ある

8年間iOSアプリ開発業界に身をおいてきたからこそ思いますけど、業務用アプリはホント作るべきじゃないんですよ。B2Cはまた別ですけどね。今は本当に驚くほどの既成品やクラウドサービスがありますから、それらを使うに越した事はありません。

GMBAの連載でも書かせて頂いたことがあります。遡ると古くはもう2011年頃からセミナー等で言い続けている気がします。この主張をもっと強くしていこうと。作らない方が良いですよ〜という話ですね。

業務用アプリでは、それぞれ用途に特化した数多のサービスがあって、下手すりゃ明日から使えます!月1万円です!てなことが普通にあります。膨大な時間とお金を投ずるのは余り賢明じゃありません。例えば、

などなど、一般的な業務利用の場合は必要なものはほとんど揃うので、作るだけ時間の無駄な場合が結構あります。車輪の再発明はよくない。用途毎に既存サービスを使いこなして本業の収益改善や経費削減するのが、本来あるべきiOSデバイスの使い方だと思うんですよね。

どうしても…ってなったら作る。

どう考えても用途特化し過ぎてて、既成品が無いんだ…って場合にのみ作る。

やっぱり業務用の専用アプリ開発は最終手段です。しょっぱなに出すカードではないんですよね。それを理解してる企業様がやっぱりiOSデバイス活用に成功されてる気がします。

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例えば大和ハウス工業さんは、既成品と独自開発とを組み合わせた本当に素晴らしい活用事例です。Appleのサイトに事例として動画付きでよくまとまっているので宜しければ是非。

 

クラウド型のiOS向け業務支援サービスが抱える課題

しかし、多くの現場では、サービス導入してみたけど使いこなせないとか。なんか違うとか。そういったことが往々にして起こります。IT全般やシステム開発、iOSなど色んな知識を持ってる人が社内におられる場合は別なのですが、現場ではそうでない場合が結構多いんですよね。

そうすると、せっかく入れたiOSデバイスが無駄になってしまう。何万円もするのに引き出しの肥やしになってるiPadって冗談じゃなくホントにありますから。2桁、3桁台数規模で。

デバイス入れたら終了、じゃないんですよね。買って入れたら勝手に業務改善するほど甘くありません。PCでも同じですね。

課題整理と要件定義と設計と運用とサポートが必要ですし、細かい話になると、社内サーバとの連携をどうするとか、端末の調達はどうしようとか、アプリの配布はどうしようとか、500台の設定どうしようとか、どんな設定がいるのか、アプリ開発が必要になるのか、その場合はどうするのか、iDEPって何とか、更新にクレジットカードのみって困るんだけどとか、VPPとかCustomB2Bって聞くけどとか、AppleID取るの面倒なんだけどとか…。考えるべきことはビックリするほど多いです。そこがB2Cなアプリとは決定的に違うところ。

でも実は、サービスの開発会社さん(メーカ)は一件一件全て対応することができない事情があります。本社が東京で関西に御客様がおられて…ってな場合は尚更ですね。理由は簡単で、クラウドサービスの単価が安い から。1000万円の売上がスポットで立つ訳ではない案件に懇切丁寧に張り付くって実際問題なかなか難しいのです。サービスとして競争力を高める為にどちらかというと開発部門にお金を投じますから、営業サイドに専任をあてがうのはなかなか難しい。

じゃ、営業機能を委任している販売代理店さんに任せるか。

これがまた一筋縄ではいきません。単価が安いという同じ理由で、やはり精緻なヒアリングから提案、サポートまで入るとなかなか元が取れなかったりします。販売代理店さんも難しいなか頑張って下さってる。だって1ライセンス月額500円とかそういう世界ですからね。仮に500ユーザ分の契約を獲得しても売上は月に25万円。2,3割を販売代理店取り分にしてるケースが多いので月75,000円、そこから営業経費を引くと利益は残りません。

(ウチがかつてやってたSYNCNELというサービスでは、初期の頃は特に販売店の住友セメントシステム開発さんが採算度外視でかなり動いて頂いたのが大きくて軌道に乗り始めました。本当に感謝してます。)

お金の面を度外視するとしても、エンタープライズiOSの知識は必要ですし、IT全般の知識も相当に必要な訳です。モノを売るだけの販社活動ってクラウドの場合は特に段々難しくなってきてるんですよね。既存システムの理解やネットワークの知識、iOSに限らない各種OS(Win/Mac/Linux)の知識、他のクラウドサービスの知識、他システムと連携をさせるならAPIの知識や開発のスキルも全部必要です。

でも販売代理店さんが全てをカバーできるのは稀で、どうしても弱いところが出てしまいます。その弱いところを埋められたら、御客様の環境やワークフローに最適&最強なシステムをデザインできそうなのに、経済的側面と知識的側面で機会損失をしているということです。

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(Thanks! the photo on flickr by Susanne Nilsson CC BY-SA 2.0)

クラウドサービスの低価格は当たり前という風潮は Google Apps の功罪の罪の部分だと僕は思ってます。クラウドなら1カウアンと月500円でしょ、Google Apps に合わせてよ、みたいなことになっちゃった。確かに安いのは良いことだけど、マーケット特性が違う市場に価格論だけを持ち込めば色々おかしくなります。付いて行ってない日本が悪いと批判するのは簡単ですけどね。でも実際問題、ここ4,5年の間に生まれた国内B2Bクラウドサービスで単価3桁クラスで他人資本も無く成功してるベンチャーがどこにいるというのか。

ウチもSYNCNELでは随分と悩まされました。上述の通り、安い相場観は結果的に皆を幸せにしてないです。これはメーカとして経験してきたからこそ断言できます。

 

MICSSでやろうとしてること

長々と述べてきた上記の課題を解決することです。

幸い、iOSの知識をはじめ過去の経験で知見だけは幅広く持っていますので、御客様のiOSデバイス導入を成功に導く課題整理・要件定義・運用サポートが可能です。開発もできるので運用サポートの部分を自動化できたりとかもしますね。これを御客様に価値として認めて頂かないといけないですが。そこは当社の努力ポイントですね。

重要なのはやはり、作ることを前提にしない こと。作らない Mobile Integration です。万が一作るのなら、必要最低限にする。その為のコンサルティングやサポートを御客様の本当の成功/満足の為にさせて頂きたいという訳です。それで、

Mobile Integration with Consulting and Support for Success(Satisfaction)

という英文の単語頭を繋げて MICSS と名づけ、サービスとして展開していくことにしました。専用のページを設けていますので宜しければご覧下さい。冒頭の通りですが、実は既に始めさせて頂いていて、春前とかは某大手自動車会社様などで既に実績もあったりします。

まだまだ悩み事を抱えておられる企業様もいらっしゃると思いますので、先日はプレスリリースを出しまして、MICSS無料相談室というものを開設したことを発表しました。毎週月曜日の午前に予約制でオープンし、iOSデバイスの導入に伴う相談ごとに無償でお応えするというもので、何らかの御提案もさせて頂きます。

今後は、エンタープライズiOSや各種クラウドサービス紹介をテーマにしたセミナーや個別相談会の開催や、関連する情報発信を積極的に行えればと考えています。様々なクラウドサービスについて、メーカさん並みに詳しくなっていくつもりです。

ちなみに、MICSS は既存販売店さんの領分を犯すつもりは毛頭ありません。どちらかというと、補完しあうパートナーという形で組ませて頂くような感じで考えています。エンタープライズiOSに関する知見はやはり多く持っている自負がありますし、開発が分かる(実際にできる)からこそ既存システムとの連携を前提にした導入プロジェクトのマネジメントも可能だったりするので、補完しながら御一緒に御客様のhappyを追求できたら良いかなと。既にウチの考えに共感頂ける企業様に少しずつお声掛けさせて頂いていて、パートナーネットワークを広げていければと思ってます。

 

という訳で長くなりましたが、MICSSという御支援サービスの御紹介でした。iOSデバイスの業務活用にお悩みの方がいらっしゃいましたらお気軽に御相談下さいませ。今後ともフィードテイラーをどうぞ宜しくお願い致します。


2016.05.23 (Mon)

ウチは相変わらずMacな開発環境でやっていて、業務はMac前提です。事業として、iOSデバイスの企業導入/活用の御支援もさせて頂いてますので、基本 Apple 寄りなのです。

…が、今年は Apple のイベントではなく、 Microsoft のイベントに行ってきます。明日から東京で開催されるde:code2016。2日間に渡って行われる有償のイベントです。

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この手のエンジニア向けイベントに自分が行くのは超久しぶりで、7,8年ぶりぐらいかも知れません。しかもMicrosoft系だと多分、初ですね。2日間みっちり勉強してきます。

 

実はここ数年、Microsoft の(良い意味での)自由奔放ぶりにエンジニア的視点で感銘を受けることが多く、もはや Windows や Office パッケージの会社ではないと言っても過言ではないぐらいに事業的・戦略的広がりを見せていると感じてます。

いぁまぁ、勿論やっぱりWindowsの会社ではあって当然ながら切り離せないのですけど、CEOが変わってからというもの、時代を作っていく、先手を打っていく、という同社の強い気概に共感を覚えるようになっている次第。

Appleが見ていない、しかし確実にテクノロジーの未来があり Microsoft は見ているという分野が、Appleのことを心配してしまうぐらいに結構多くなってきている気がするのですよね。

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Azureはその典型だし、IoTも機械学習もやっぱり抑えてきてるし、衝撃的なXamarinの無償化はインパクト抜群だったし、Bot Framework の登場も(BOTの是非はともかく)時代に沿ってるし、UNIX資産をWindowsに取り込むチャレンジも素晴らしいし、Hololensでは世界を驚かせイノベーティヴな会社であることを見せてます。

 

一方 Appleはというと…。iPhoneもiPadも当たり前の存在になってしまいましたし、多くの方が恐らく感じているようにITの次の世界を牽引する感じではなくなってるということなのかも知れません。

とはいっても、国内B2Bは依然として圧倒的にiOSデバイスが主 なので、引き続きiOS界隈でビジネスをしようとは思っています :-) それと平行して、2016年の今、Appleが描けていない未来にも積極的に目を向けておきたいなと。そんな訳で、情報収集の一環として de:code2016 に参加してまいります。


2016.05.07 (Sat)

そうだ、熊本いこう。

…と思い至ったのが当日(5/5)の3日前。九州各地、42万人分の宿泊キャンセル ってな報道もありましたし、震災直後から僕も風のうわさで現地観光のキャンセルが出まくりらしいことを聞いてました。

 

寄付や買い物だけではお金が届かない人達がいる

個人では寄付をして、代表を勤める2社からも寄付をすべく顧問税理士との打合せも済んで実施直前、買い物したり食事をしたりする時は極力熊本産・大分産のものにと意識してきました。

…が、キャンセルの件を見聞きしてふと思った訳です。

寄付と買い物だけでは全くお金の届かない、困ってる人達が結構な数いらっしゃるなと。直接的な被災はほぼ皆無なのに、悪いイメージだけが広がってしまってキャンセルの嵐に見舞われたサービス業の方々。

義援金としての寄付金は直接被災された方向けに分配されるのでそういった方々には届きません。支援金名目の寄付金も被災地支援をされるNPO/NGOの活動資金に充てられるので同じく届きません。そして、僕らが幾ら現地産のものを買ったところで物販してない方々にはお金を届けようがないのです。

支援的金銭移動の影で現地サービス業の方々が、いきなり売上9割減みたいなことになってると。これはなかなかシビアです。

なんかこう、自粛の美学というんでしょうか、極端なリスク過敏というんでしょうか。そういう反応が今は普通なんだそうですね。残念なことです。ですが、上述の状況を考えると他にまだできることがあるよね〜と感ずるに至り、現地でお金を使いに行くべく突然の熊本旅行を決めた次第です。

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昨年秋に泊まってとっても良かったお宿、熊本は黒川温泉の和らくさんが、そのfacebookページでキャンセル多発な状況を発信されてたのも結構大きかったのですけどね。

実際の現地の方の感触を知りたかったので早速TEL。お話を聞いて、道路も問題無さそうだってこと、行くことが逆に御迷惑になる雰囲気って訳でもなさそうってことも分かったので即決しました。

突然の旅行計画に奥さんは最初ポカーンとしてましたが、2日間付き合ってくれたことに感謝です。

 

北からのアプローチは何一つ問題ない

新幹線で新大阪から博多へ。お得意の始発出発なのでAM8:30には博多に着いてました。その後、レンタカーで、

高速使って九州道・大分道と乗り継いで玖珠で降りて、そのまま国道387号→442号で現地着というルート。ってGoogle先生のナビの通りに運転しただけなんですけどね。全くもって何の問題もありませんでした。

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高速道路もほぼ全て復旧。九州道の熊本市周辺で一部速度制限があるのと、大分道で由布院〜日出間だけが通行止めになっていたのみ。それ以外は何の問題もなくて、むしろガラガラ。とても走りやすかったです。土砂崩れだとか、そういう景色も予想してましたが皆無でした。サービスエリアも通常営業で至って普通。

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玖珠で高速を降りて暫く走りましたが、震災の傷跡のような様子は全くありませんでした。トンネルがどうこうなってるってなことも勿論無かったです。道はやはり空いていました。

国道212号の一部とか通行止めの場所もあったようですが、ルート上ではなかったので問題なし。仮に通行止めにぶち当たってもGoogle先生なりYahooナビアプリで宜しく誘導してくれるだろうと思っていたので不安は全くありませんでした。

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阿蘇のカルデラを一望できる大観峰は普通に営業してましたね。人は少なめながら、展望台までいけないとか観光できないとかそういうのは全くありませんでした。普通に景色を満喫できました。

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景色が綺麗なミルクロードも走れましたし景観も楽しめました。牧場では体験乗馬ができるところも営業中の看板を掲げていたので普通に遊べそうでした。僕らは時間がなくてできませんでしたけども。

ただ、南阿蘇方面まで足を伸ばすと震源に近い為か地震の傷跡が散見されるそうです。とはいえ普通に観光はできるようなので、ご興味あればこちらのレビューをご覧頂くと良いかと。

僕らは阿蘇北側がメインでしたが、北側から黒川温泉に行くまでとその周辺で観光する分には心配なし と言えると思います。(余震気にしだすとキリないですが、その点は後述)

強いて残念だった事をあげるとすれば、有名なラピュタの道が崩れて入れなくなっていたことでしょうか。

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(元々整備されていた訳でもない隠れスポットだったので致し方無い感はある)

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(昨年行ったときはこんな景色が見れた)

ラピュタの道以外については特段、目に見てわかる震災の影響というのはありませんでした。それよりかはやはり、通常のGWであれば有り得ないんだろうなぁ…と思えるぐらいの人や車の少なさが目についたことが心配でしたね。

 

貸切状態のお宿で奥黒川を満喫

お尋ねした和らくさん、もともと山間で静かに憩う大人限定宿というコンセプトのお宿で客室11室のみという所なのですが、平時の予約の取りにくさとは真逆で当日の宿泊客は僕ら1組だけ。

山間に佇む静かな宿ってこともありリピートされる方がとっても多いそうなんですが、そんな人気のお宿がGW中にも関わらず文字通り貸し切り状態という貴重な機会となりました。

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客室ゾーンは自分ら2人だけなので静けさが際立ちます。鳥のさえずりが何とも言えない和やかさを演出してました。

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通常は男女分かれている露天風呂は完全に家族風呂状態に。

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併設されているバーで頂いたフルーツカクテル。あまおうをそのまま食べているかのような甘い飲み心地。

こちらのマスターが作るフルーツカクテルを目当てにお越しになるリピート客さんが多いと昨年お邪魔した時にはお聞きしました。納得の美味しさで僕らも今回おかわりを頂いたぐらい。

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これはウッドデッキで仕事をする…の図。ゆったりまったりな環境で良い感じに仕事を進めることができました。

全体として、お宿の設備が何か困ったことになってるとか、お料理の質が下がってしまってるとか、そういったことは全くなく、昨年同様に滞在を楽しむことができました。お話を聞く限り同じ温泉の他のお宿も同様に皆さん普通に営業されてるとのこと。被害なんにも無いんですよね。でも客足が遠のいちゃったと。これは辛い。

黒川温泉、泉質とても良いですし、まわりは自然が豊かだしってか自然の中にあるし、天気が良いと阿蘇のカルデラをドライブして景観も楽しめるし、料理も変わらず美味しかったし、震災後の今であっても個人的にお勧めしたい温泉です。

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(赤牛も美味しい!これは大観峰で食した串)

僕はお宿は上述の和らくさんにしか泊まったことがないのですが、写真の通り静寂感が素晴らしいし、バーのフルーツカクテルはここにしかない価値で楽しめるので、経営者仲間の皆さんには特に是非行って貰いたいなぁと思ったりしてます。

 

雰囲気やイメージだけでのキャンセルは勿体無い

今回、急な訪問でしたが、途中の博多界隈での観光も含めて普通に楽しめました。こんな時期だからこそ多くの人にキャンセルせずに九州に是非行って貰いたいと思いますね。もうGW終わっちゃいますけども。

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(毎日大阪天満宮でお参りしてまして、天満宮繋がりってことで太宰府天満宮にも行きました。)

万が一、GW明け以降の予約をキャンセルされてる方がいれば訪問予定だった先に電話で確認して問題無さそうなら是非再予約を。また、予定が無くてもちょっとのどかに温泉でもつかりながらまったりしたいなぁという方は是非、九州方面で予約の御検討を。

誤解を恐れずに言うと、都会の喧騒から離れた憩いや安らぎを観光に求めるのなら、今こそ直接被害が無いのに客足が遠のいている周辺地域に行くべき です。

余震もあるし安全の為に無難にキャンセルというのも分からないではないですが、地震に関してはこの日本のどこに住んでいようがもはや一緒ですからね。今の熊本・大分より自分が住んでいる場所の方が、明日、激甚災害レベルの地震が発生する確率が低いなんて誰も言えません。それぐらい地震予測は難しい。

むしろ、観光業を生業とする地域から客足が遠のき、不運にも立ちいかなくなり、地域の法人や個人の所得が落ちて、その地域以外から物品やサービスを何かしら購入する行為まで抑制される(自分の街にマイナスになる可能性も)という経済的機会損失の連鎖が起こるリスクを問題視すべきでしょう。

経済活動はお金の流れであり、地域に関わらずどこかしら何かしら繋がっているもの。お金の流れを絶たないように、余震のリスクに過度に怯えず恐れを払いのけ、むしろこういう状況を、前述したようなインセンティブを得られるかも知れない機会と捉え直し、お金を積極的に使いに行ったほうが良いと思うのです。

直接的被害を受けていない地域のお元気な様子をこの目で見て体感し、その思いを強くしました。また機会を見つけてお邪魔したいなと思ってます。


2016.04.27 (Wed)

インプットばかりでもいけないので本についても積極的にアウトプット。月1ぐらいで書評書けると良いなぁと思ってます。

今回読んだのは…タイトル長いですね。ようはビジネスで成功して大金持ちになった人の思考や行動の秘密を解き明かす本です。

この手のタイトルって、本田健とか神田昌典テイストなゆるふわ自己啓発色が強そうなので10年前ならまだしも最近は余り読むことがないのですが、たまたま立ち寄った本屋で目に入ったという縁と、表紙に書いてるPwC公式調査という言葉にデータ的裏付けがあるんやねと興味を持ったことが理由で買いました。

良い本だと思います。

お金持ちに持つイメージの誤解

本書は、ビリオネアになれる人は普通の人と何が違うのか?という問題提起が出発点。大きなリスクを取る人とか、新しいマーケットを狙える人とか、もっともらしい理屈は世間に溢れてるものの客観的なデータが無いという壁にぶち当たって、PwC内でチームを組み、データを集め分析を行ったと。

PwCというとプライスウォーターハウスクーパース。国際的に有名なコンサルティング会社ですね。なので、本書はガチの研究レポートです。PwCは、iPhoneの世界でいうと、まだiPhone3Gが出たばかりの2008年に全社員導入を決めた事例で有名です。

PwCのチームは、ビリオネアのリストから自ら真っ当なビジネスで資産を築いた人物600人を抽出、地域や業種に偏りが出ないように120人をランダムに選んで出身地・家族構成・結婚歴等を比較。インタビューもちゃんと行ってキャリア変遷など定量化できない情報も加味して分析したんだそうです。

結果、普通にありそうな億万長者のイメージ、

  1. 若くして成功している人が多い
  2. IT分野で成功している人が多い
  3. 全く新しい市場で大成功した人が多い
  4. 運良く一発を当てれた人が多い
  5. モラルが低そうな人が多い
  6. 一夜にして成功を収めたような人が多い
  7. 元々才能があった人が多い

が全部嘘だと分かったよ〜〜って言うんですから面白いですよ。そうかいな!と。

非ITを含む約50名のビリオネアの事例

上に列挙したお金持ちイメージがなぜ嘘と言えるのか、データと実例に基づいて解説しているのが本書の特徴でしょう。出てくるビリオネアは総勢49名。IT系の著名人も含まれていますが、クルーズ会社、石油採掘会社、ピザ屋チェーン、アパレル会社、不動産会社、などなど業種は様々。最後には全員のプロフィール紹介に20ページも割いてます。

具体的事例の多さは上記3.が誤解であることを頷かせるに十分な情報であり、

われわれが調査したビリオネアの8割は、競争の激しい市場、いわゆるレッド・オーシャンで成功を手にしているのだ。

という一文は本書を読みきれば確かにそうだと納得できるものがあります。新しいものを追いかけるだけが良い思考じゃないと。

ウチは既にアプリ開発事業をやめたところですし、昨今の FinTech だ IoT だ VR だとキーワードドリヴンなビジネス作りに若干疑問も感じている所だったので自分的に一番響いた部分です。(FinTechやIoTを否定する訳ではないですが、どんな課題を解決するのかが見えず、とりあえず盛り上がってる感を感じることがままあります)

メディアはよくお金持ちになった結果のイメージを切り取って報じますよね。我々はそこに往々にして騙されがちです。ですが、その結果に至る過程や「絵」にならない地味な(見えてこない)部分がむしろ重要だと。その見えてこない部分の姿勢が、その人とお金の関係性を決定づけると本書は言ってます。心の持ちよう、思考、マインドセットの持ち方がビリオネアをビリオネアたらしめる根拠なのだと。

マインドセット

紹介されてる5つのマインドセットの一つに「共感力と想像力」が含まれてます。自分も最近思っていることなので強く共感しました。お金が集まるかどうかって結局思考の良し悪し。10億の資産を持つかどうかはともかく、考え方ひとつでお金を稼げるかどうかが決まるってことがよく分かります。

これからますます国や会社に依存して生きることができなくなっていくので、自立しなきゃと思う人には思考を変えるきっかけの本になるかも知れません。国が福祉をぶった切らざるをえない時期は迫ってるし、企業も従業員を養うことを徐々にやめていくでしょうしね。だから正しい思考で正しく稼いでいける人になりましょうと言ってくれる本でもあるなと感じました。

 

僕は今年が頑張りどころなんですけども、今の思考ベースはあらかた間違ってないことを再確認できたのと、上記の通り3.が誤解だと理解できたのが本書からの収穫でした。