セミナー
2018.03.16 (Fri)

(所要時間 : 約3〜4分)

3月12日、東京は飯田橋で開催された daab Developers Summit 2018 で登壇させて頂きました。

20180316_daabdevsummit2018

スマホ向けのビジネスチャットサービスである direct の開発者向けイベントです。direct の開発元 LisB さんが daab 発表3周年を記念して主催されました。

daab とは direct agent assist bot の略で direct というビジネスチャットをプラットフォームとした、チャットボットを提供する為の仕組みのようなものです。slack 向けボットでも使われる Hubot がベースになってます。

 

弊社とdirect

directを提供されてるLisBさんと弊社との関係は実は結構長く、それこそdirectがローンチする前からのお付き合いです。社長の横井さんとのご縁がきっかけで、そこからはや10年近く…になるでしょうか。

20180316_businesschat
(Thanks! the photo on flickr by William Hook / CC BY-SA 2.0)

directがまだクローズド版だった時に使わせて貰いました。ビジネスチャットという着眼点は素晴らしいなぁと LisB さんを羨ましく思ったものです。

当時、弊社のファイル共有サービスSYNCNELが思うように拡販できてなかった時期だからかも知れませんが(笑)、自社ビジネスを持つ会社あるあるの隣の芝は青い心境で、スマホ向けビジネスチャットの国内黎明期を羨ましく見てました。これは絶対盛り上がるでしょと。

その後、前述の daab を2014年末に発表されます。チャットツールをサードベンダーがボットを作って拡張できるというんです。LINEの BOT API の発表が2016年4月ですから、如何に早いかが分かりますね。

20180316_daab

リリース前に構想をお聞きして、軌道に乗り始めていた自社のSYNCNELと連携させようという流れで、daab の開発パートナーにならせて貰いました。SYNCNELのロゴも載せて貰ってましたかね。

1年半後の2016年2月、弊社はSYNCNELを富士ソフトさんに事業譲渡しますが、その橋渡しをして下さったのが LisB さんです。何がどう繋がるか分かりませんよねホント。

そんなご縁で今もお付き合いさせて頂いてるという訳です。弊社は今 direct の一販売代理店とならせて貰い、導入支援/運用支援もしています。

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(参加人数は60人弱ぐらい。ほとんどがSIerさんなどの開発関係者だったかと)

一個人として、国内スマホ向けビジネスチャットの歴史を身近に見てきましたけど、間違いなく direct はその先駆けで(当時chatworkはスマホ最適ではなかった)、今でこそ流行りのビジネスチャットボットのコンセプトを最初に打ち出したのもまた direct なんですよね。

だから応援の意味もあってお付き合いを続けさせて貰ってます。プロダクトとしても良くできてますし。(どこ目線だw)

 

ビジネスチャットの役割

僕は、情報セキュリティレベルが低い国内事情も、生産性が低いと言われて久しい日本企業の実態も、諸悪の根源は「メール」であると考えてます。

メールを廃止すれば、いわゆる働き方改革(?)をやらなくても生産性は劇的に上がりますし、国内セキュリティインシデントも半分以上は無くせるし、際限なく掛かるように思える情報セキュリティ費用も極小化できると思ってます。

20180316_businesschatrole
(発表で使ったスライドの1つ。社内で両者のためにメールを使うべき理由は皆無)

実際、directを始めとするビジネスチャットツールは、社内コミュニケーションとしてのメールを激減させました。人と人との会話はメールよりよほど効率的ですし、スパム誤判定による喪失や大量のメールに埋もれる事もありません。

社内コミュニケーションに使うメールと対比すれば、ビジネスチャットにはメリットしかないのです。

でも、社内のメールを無くすという観点で唯一 direct に欠けていると思っていたのが、社内を飛び交う通知メールをどうにかする手段でした。システムからのアラート、定期的な営業レポート、グループウェアからの通知、IoT機器からのお知らせ…。これらを、簡単に、あらゆるシステムから、あらゆる言語から direct に通知として容易に流せたら良いのにと。

でも、ボットサーバを立てるアーキテクチャではこれが面倒なんですよね。

20180316_makeallbots

LINE WORKS も同じです。ボットは作れますが、特定のチャットルームに通知を送るだけの為に別サーバを立てて環境を作る必要があります(Serverlessという手段もありますが、別に用意しないといけないという意味では一緒)。

この点、REST API を備えて手軽に通知を放り込める slack や chatwork のほうが優位です。

例えば、以下に示すのは chatwork に通知を送る GAS のコード。Google SpreadSheet の編集時にB1セルの値を通知するってなことが、

CHATWORK_WEBHOOK_API_TOKEN = '1234567890abcdef1234567890abcdef';
CHATWORK_WEBHOOK_API_ENTRY = 'https://api.chatwork.com/v2/rooms/12345/messages';
var options = {
  'method' : 'post',
  'headers' : {
    'X-ChatWorkToken' : CHATWORK_WEBHOOK_API_TOKEN,
  },
  'payload' : 'body=' + SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName("sheet").getRange("B1").getValue()
};
UrlFetchApp.fetch(CHATWORK_WEBHOOK_API_ENTRY, options);

とたった数行で書けます。これを書くのに5分もかかりません。普段使ってて慣れてますから。サーバも特別な環境も不要です。

slackならもう少し簡単ですね。

SLACK_WEBHOOK_API_ENTRY = 'https://hooks.slack.com/services/T00000000/B99999999/123456788912345678901234';
var options = {
  'method' : 'post',
  'payload' : 'payload={"username":"webhook","text": "' + SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName("sheet").getRange("B1").getValue() + '"}'
};
UrlFetchApp.fetch(SLACK_WEBHOOK_API_ENTRY, options);

って書くことができます。このシンプルさは通知用の REST API (webhook) があらかじめ用意されているからです。

シンプルさとセキュリティは相反するのでバランスが重要ですが、シンプルに提供できるならビジネスチャットツールで社内通知を根絶できます。実際、弊社は通知系を基本 slack に集約していて、社内でのメールも、社内システムからのメールも一切ありません。

20180316_slack

そこで、今回冒頭で言及した daab を使って、direct への通知を REST API (webhook) として実現するようなボットを作ってデモしました。

20180316_daabwebhook

やっぱ応援しているプロダクトが他の競合プロダクトに負けてるかもって思う事があると悔しいじゃないですか。で、実際に動くものを作って見せれるというのは開発者・開発会社の良いところなので作ってみた次第です。中のエンジニアの方にも面白がって貰えたようで良かったなと。

directが標準で REST API を搭載するまで、今回作ったボットを使って社内で運用、また espar など静的化製品での活用を考えてます。

 

以上、イベント参加報告でした。他の登壇者の方も、AIやIoTやEDIやRPAなど、ボットを使って色んなことができるってことを紹介されていて、聴講者としても面白く且つ勉強になるイベントでした。

先日の MobileAct といい開発者向けイベントに登壇することが増えてます(増やしてます)。これからも機会あればアウトプットしていきたいと思います。


2017.12.08 (Fri)

(所要時間 : 約2〜3分)

以前にエントリした通り、『デザイナーがおさえておきたい、アプリの未来とwebの関係』というお題でセミナー登壇してきました。(株)トリサンさん主催の、デザイナーさんや制作会社様向けセミナーです。

募集15人のところ定員オーバーで参加頂けたようで盛況でした。アンケートももほぼ全て満足と回答を頂けていたようなので、セミナーの準備に時間をかけたかいがあったというものです。

ご参加頂いた皆様ありがとうございました。トリサンの関係者の皆様、お疲れ様でした。

20171208_torikuriseminar

今回は、ガワアプリまたはガワネイティブと呼ばれる、nativeアプリだけど中身はwebというアプリを色々と御紹介しました。ブラウザ内蔵型アプリが案外多いですよって話です。

アプリ開発従事者にとっては結構普通なアーキテクチャなんですけどね。

昨今の厳しい要件、

  • 低コスト
  • 短納期
  • iOS/Androdiの両対応
  • メンテナンス労力の軽減

を鑑みれば、webで済ませられる部分はwebで済ませるほうが良くなってます。自分が関わらせて頂いたり身近で見てきたアプリもそうです。

特にweb技術で実装ができるエンジニアが社内や身近にいるのなら、ホントにnativeでなければならないところ以外はnativeである必要はない 場合が実は結構あります。

20171208_collabo

しかし、Webデザインや制作業務をメインにされている方には、アプリといえばSwiftやJavaでゴリゴリ全部書くフル実装なイメージが強く、アプリ開発そのものをどこか遠い存在に見ておられるようなのです。

勿体無いなぁ〜と。

そこで幾つか、webの成分が50%とか90%を占めている具体例を弊社の事例も含めてご紹介し、アプリにおいては今やweb側の役割も超重要なんですよ〜という点を説明しました。

20171208_appbank

特に、AppBank アプリを紹介した時は驚かれてましたね。

AppBankのアプリは非常にわかり易い例で、WordPressにWebViewをほぼほぼ被せたガワアプリ。記事一覧だけは、先読みの為に RSS feed をパースしてnative実装してるっぽいですが。

バックエンドとフロントの大半が WordPress 側なのですから、アプリ開発の協力者を見つけられれば、デザイナーさんや制作会社さんがこの種のアプリを御客様に提案できる筈なんですよね。

もちろんガワ被せただけでは審査に落ちる可能性があるので、そのへんも御説明しました。Appleのガイドラインも。

その他、instagram などメジャーアプリの一部は「もうwebブラウザで良いやん」といえるほどにwebで出来ることが増えていることを御紹介。

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(https://instagram.com/ をSafariで開くと、写真の撮影から登録、カメラロールの参照から位置情報の参照までできる)

Instagramって別にネイティブアプリじゃなくても十分使えます。(パフォーマンスの差もほとんどない) 右側の Safari 上の Instagram で大概のことができちゃいます。webでできることはどんどん増えてます。

ガワアプリの存在を知れば、提案の幅は広がるし、自然とアプリ開発の仕事も増える筈。なので、提案してみるとか是非アプリに関わってみて下さいと最後を締めくくりました。

 

とはいえ無理矢理アプリを作る必要はありません。そこは一貫して変わらないのが僕の主張。有用性や要望を汲み取ってホントに作るべきかを判断。で、もし作ることになるなら極力webで実装する範囲を広く取るのが良いです。

言い換えると、フルネイティブアプリは最終手段ですよってこと。

webでできることが増えてきて、nativeで書く範囲がどんどん減っていく(しかしゼロには絶対にならない)のが、今後のアプリ開発なのだろうと思う昨今です。


2017.12.06 (Wed)

(所要時間 : 約2〜3分)

この度、弊社フィードテイラーは Let’s Encrypt のシルバースポンサーとなりました。(プレスリリースはこちら)

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誰もが無料で使えるサーバ証明書 Let’s Encrypt

Let’s Encrypt は、サーバ証明書を「無料で」発行することによりWebサイトの常時SSL化を普及させる ことを目的としたプロジェクトで、2015年にβ版開始、2016年に正式サービス化しました。これまで世界で1億枚以上のサーバ証明書が発行されています。

「証明書は有料なのが当たり前では?」「無償では続かないのでは?」「信用できるの?」

そんな心配は無用です。Let’s Encrypt は、米国非営利団体のISRG(Internet Security Research Group)が運営しており、その活動費は賛同する多くのネット企業の継続的な金銭的支援(寄付)でまかなわれています。

支援者には、mozilla財団, facebook, google, CISCO, Akamai, fastly など著名なネット企業が名を連ねていて、認証局も正規の手続きでお墨付きが得られているものです。

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この中にシルバースポンサーとして加わらせて頂くことになりました。

既にスポンサーになられている時雨堂さんやさくらインターネットさんなどに続き日本企業としては4社目になるそうです。(ISRGの担当者によると既存日本法人は3社とのこと。あと1社はどこだろう?) 世界では49社目になります。

 

なぜ Let’s Encrypt のスポンサーになったのか

スポンサーになった理由は幾つかあります。

Let’s Encrypt が掲げる 全てのwebサイトをhttps化する という壮大なミッションに共感しているのは勿論なのですが、弊社事業との関係性も理由の一つです。

弊社では6月から、静的ホスティングサービス espar を始めました。

いわゆるサイトのミラーリングを行うもので、WordPressの全ページを静的化(html化)してホスティングし、全トラフィックの受け口になるという仕組みを提供しています。(WordPressは例。任意のCMSで可)

20171206_espar

どんなサイトでも高速化でき、かつhttp/https層の攻撃をほぼ無効化することができます。応答速度が60倍になったという実績もあります。必要なのは原則DNSの切り替えだけ。(CDNとの違いなど、詳しくはこちらをご覧下さい)

元サイトの代わりに応答しますので、その際に httpsサイトとして 応答すれば、当該のWordPressサイトは常時SSL化したことになります。たとえWordPress側が常時SSL化していなくても

20171206_https

これを実現する為に、Let’s Encrypt の証明書を標準で使用することにしました。esparを導入頂いたサイトには、証明書の取得・更新を含め常時SSL化の対応を同時にさせて頂きます。(既存サーバは設定変更不要)

サイトの高速化も攻撃対策もそうですが、常時SSL化もまた非常に面倒臭いんですよね。面倒臭さは常時SSL化が進まない最大の理由。ですから、煩わしいことは弊社が全部やりますよ〜と訴求させて頂き、世の中のWebの常時SSL化に貢献したいなと考えている次第です。

弊社の事業が、Webの未来を作る Let’s Encrypt を支える一助に繋がるのなら、弊社の存在価値もあるというものです。貢献し続ける為にも事業を頑張っていこう!という自分のモチベーションにもなります。

 

そんな訳で12月から Let’s Encrypt をご支援させて頂くことになりました。

自社の事業に関連があるという理由だけでなく、Let’s Encrypt そのものを世に広げ常時SSL化を促進する活動にも積極的に取り組んでいければと思っています。


2017.12.04 (Mon)

(所要時間 : 約1〜2分)

久しぶりにセミナーに登壇することになりました。2017年12月7日(木)の晩です。タイトルは「デザイナーがおさえておきたい、アプリの未来とwebの関係」。詳しくはこちらからご覧下さい。

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2016年にアプリの内製を会社としてやめたのですが、どういうご縁か今もアプリ開発のお手伝いをさせて貰ってます。

業務用アプリの開発や、開発済みアプリの導入・運用支援など、エンタープライズアプリの案件限定ですけども。

 

アプリ開発手法の多様化

最近色々話を聞いてますと、スマホアプリ開発マーケットはいよいよ厳しくなっているなぁと感じます。

低コスト・短納期・両OS同時リリース・サーバサイド…などなど求められてる事が非常に多い。もう3,4年前ぐらいからその傾向はあった気がしますが。

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(Thanks! the photo on flickr by slavik_V / CC BY 2.0)

要件が厳しいと、いかに作るものを少なくして実現するかを考えざるを得ませんが、ガワアプリに辿り着くことがあります。いわゆるブラウザ内蔵アプリですね。

ブラウザだけでできることも随分増えてますし、facebookがwebアプリ移行を進めて失敗した頃とは違って、web側にウェイトを寄せて「ネイティブアプリがスマホ最適化されたWebページを見てるだけ」って作りが無茶な選択肢じゃなくなってます。むしろ合理的と言える場合すらある。

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Monacaのようなハイブリット手法に辿り着くこともありますね。MonacaのBaaS的な役割の利便性もあって随分浸透してきている気がします。そして採用実績も多い。

ガワアプリもハイブリットも根っこにあるのは「webの技術でネイティブ作るで良いじゃん」という発想です。フルネイティブな開発手法は、ネイティブでしかできないことに限られる消極的な選択肢になっていくのではないか。

 

今回のセミナーではそのへんの話をする予定です。

Webデザイナーさん向けということもあり全部のTOPICSは扱えませんが、主にWebの進化と、WordPressを使ったガワアプリについて取り上げます。

ウチで手掛けた最近のガワネイティブな業務アプリの事例も詳しくご紹介するつもりです。(MacFanでちょっと紹介されてます)

という訳で、今週の木曜日の晩(12/7)ってちょっと直前ですが、お時間おありの方はぜひお越し下さい。


2016.06.30 (Thu)

自分とこで開発・運営していたSYNCNELという事業を、上場会社の富士ソフト様に事業売却させて頂いたのが本年の2月1日。有り難いことに、それ以降もずっとお付き合いさせて頂いております。

その富士ソフト様で明日7月1日に開催されるという社内イベントにて、少しばかり講演させて頂くことになりました。特定企業様に向けての講演は年始のヴァル研究所様でお話させて貰って以来でしょうか。

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(Thanks! the photo on flickr by Stephen Dann CC BY-SA 2.0)

タイトルは『無い無いづくしのベンチャーが10年間生き残ってこれた理由』というもの。4月にWSx2勉強会でお話したことを4分の1ぐらいの量にまとめ直したもので、自分が事業作りでこだわってきたことをお話する予定です。

従業員数が4桁規模の会社様にもなられますと、社内のイベントということでも平気で100名を超える方が集まるのだそうで、凄いことですね。100名規模は先日(6月9日)の摂南大学様の講演に続いて連チャン。毎回結構がっつり準備するほうなので、沢山の方に聞いて頂けるのは嬉しいです。

僕を含め何人か先方社内以外の方も登壇されるそうで、大手企業の役員さんとか大学教授さんとか、ホント凄い肩書の方ばかりで、しかも自分が順番的に最後というなかなかのプレッシャーです :-) 20分の所要時間でスライド30枚という自分らしさ(?)でいつものようにお話をしたいなと思います。

ところで、この種のイベントでお呼ばれする講演って他の凄い方々の講演を自分も聞かせて頂ける機会でもあったりするんですよね。招待講演者の特権といいますか、実は今回それも楽しみだったりします。

2016年は過去最大の講演数

最近は登壇することが続いています。7月下旬にもう一つお呼ばれをしてまして、気がつけば2016年上半期は平均して1ヶ月に1回以上は講演させて貰ってることになります。8月以降は今のところ予定ありませんが、年内あと数回はお話させて貰うかも知れません。

講演活動も今後の弊社事業の1つとして位置づけていきたいですね。講演そのものというか講演を含む周辺全部ひっくるめて。時間なんぼあっても足りませんが頑張ってまいります。こちらのページに少し紹介がありますので興味おありの方はご覧頂ければ幸いです。