2016.03.02 (Wed)

去る2月19日、無事に第一回静的Webサイト勉強会を開催することができました。

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当初はこじんまりと15名で募集を開始しましたがアレよアレよと枠は埋まり、会場をお借りしたTAMさんに無理言って座席を確保して貰って35名枠に40名以上に申し込んで頂けました。参加が叶わなかった方、すみませんでした。

当日までにライトニングトークの申し込みもなく結局フィードテイラーとして静的サイトジェネレータを使って何をやっているかという事をご紹介する会となってしまった感があります。…が、アンケートを見る限りは皆様に満足して頂けた様子でホッと一安心した次第です。

静から動、動から静と、今、静的なWebサイトのメリットが見直され始めていることを説明させて貰いました。Webを支えるシステムが高度に発達できた一方で、動的なシステムであるがゆえの問題はあり、2010年代に入ってから静的化を支える技術やサービスも次々と現れているという歴史的なことにも少し触れました。

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その文脈で、ただただ更新したいという理由だけで静的サイトの持つ膨大なメリットを捨て過ぎてるよね〜ということで、弊社が静的サイトジェネレータ Hugo を使うに至った過程をお話しました。静的サイトジェネレータの仕組みについても。

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もちろん課題もあって、万人がすぐに使えるというものでもありません。静的サイトジェネレータはハードルが非常に高いということもお伝えしました。全体的に静的Webサイト「序論」という感じでしたでしょうか。

久しくiOSアプリの大石として話をすることが大半だったので、人前でWebの話をするのはとても新鮮でした :-)

第2回静的Webサイト勉強会は東京で開催します。改めて詳細をエントリしようと思います。


2016.01.27 (Wed)

(超々長文です)

本日、日経新聞に「富士ソフト、シンクネルを買収」という記事が掲載されました。

この度、子会社のSYNCNEL株式会社が提供していたクラウド型ファイル共有サービス「SYNCNEL(シンクネル)」を、富士ソフト株式会社(東証一部:9749)さんに事業売却することとなりました。

新聞記事の内容が若干事実と異なってまして、子会社のSYNCNEL株式会社を売却したのではなく、事業のみの売却となります。富士ソフトさんのプレスリリースが詳しいですので宜しければこちらをご覧下さい。子会社側でも一応プレスリリースを出しています。ネット媒体の Impress Watch などでも取り上げて頂いているようです。

SYNCNELをご利用頂いている御客様や、販売パートナー様におかれましては、事前に御説明・御案内をさせて頂いております通り、契約や条件が変わるとかサービスの名前やデザインが変わるとか、不利益になるような大きな変化はありませんので御安心下さい。サービスもそのまま継続してご利用頂けますし、後述しますが僕は引き続き現場に出続けてSYNCNELの窓口担当であり続けます。

 

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事業売却の所感

振り返ってみますと、SYNCNELは2011年2月に事業開始したので丸っと5年が経ちました。事業を起こした当初は想像もしなかった事業売却という形で一つの節目を迎えることになります。立ち上げ期から紆余曲折ありましたが、本当に沢山のことを学ばせて貰いました。新しいビジネスの作り方、B2Bビジネスの展開手法、クラウドサービスの作り方、販売代理店制度のあるべき姿、日本のクラウド型B2Bが抱える大きな課題、事業を子会社化する意味…などなど。

学びの源は、次々とぶち当たっては挫けそうになる数々の困難であった訳ですが、B2Bビジネスを作って拡大する面白さを沢山味わえたという意味では、総じて貴重な経験で、「楽しかった」と胸を張って言えます。

上場企業やバックに大資本を持った中堅企業がひしめくMCM業界で、SYNCNELは市場シェア3位につけてたこともありました。そんな戦場で、約200社の御客様にご利用頂くまでに拡大できたのは、ひとえに、販売パートナーの皆様、御利用頂いているユーザ様など数えきれない沢山の方々に支えて頂いてきたからこそです。SYNCNELに関係して下さった皆様に改めて深く御礼申し上げます。本当に有難うございました。

また、細かく且つ無茶な条件を色々と付けさせて頂いたにも関わらず、事業譲渡の提案を快諾頂いた富士ソフトさんにも改めて御礼申し上げます。担当頂いている皆さんとは引き継ぎにあたり頻繁にコミュニケーションを取らせて頂き、一つのチームのように感じています。

併せて、富士ソフトさんとのご縁を頂くきっかけとなった、B2Bチャットサービス direct を提供されてさいる LisB さんにも御礼申し上げます。ビジネスはやはり人で繋がっていくのだな…と強く強く感じました。

 

発表の通り、SYNCNELという事業は2月1日以降、富士ソフトさんの事業として継続されることになります。富士ソフトさんは既に「moreNOTE」という同じカテゴリの商品をお持ちになっているので、合算するとMCM業界のNo.1企業になられます。

自分が作った事業をお譲りすることで、競合関係にある別会社様が業界No.1になるってのは何だか感慨深いものがありますね。ウチはお譲りする側ですけども、業界再編の当事者になったということですから。

実は別の競合会社である上場会社さんなど他の企業さんからも事業譲渡についてオファーを貰っていましたが、タイミングですとか、御客様や販売代理店様のメリットを僕なりに考えて富士ソフトさん一択で進めました。(わざわざ大阪まで来社いただいたH社長、すいません…)

今後は、ペーパレス会議に強い「moreNOTE」と、営業支援を強みとする「SYNCNEL」のシナジーも見込まれています。僕はというと、事業譲渡してハイさよならって訳にはさすがにいきませんし、そんな無責任なことはしたくないですので、フィードテイラーの大石としてSYNCNELに関わり続けます。moreNOTEにも関わらせて頂いて、恐らく、別エントリでご紹介したヴァル研究所様のお名刺を持たせて頂くような形で動くことになると思います。

 

冒頭に記事について言及した通りですが、今回の譲渡は会社の売却ではないので、厳密にはM&Aでもバイアウト(売却側からするとセルアウトですね)でもありません。ちょっと不思議な感じですが、SYNCNEL株式会社は残ります。ただ、商標もお譲りする関係でSYNCNEL社を名乗り続けることはできないので、追って社名変更する予定。いずれ親会社のフィードテイラーが吸収合併することも考えられます。いずれにしても、フィードテイラーは存続しますし、僕が代表であることは変わりません。

…が、フィードテイラーに在籍のエンジニアはどうなるか、その話も少し書いておかなくてはならないと思います。

 

開発部門の解散

結論を先に書くと、フィードテイラーの開発部門は解散します。というか、しました。

事業譲渡って人がゴッソリ一緒に移籍することが多いと思いますが今回はそうではありません。弊社サイドから見ると、「事業」は売る、「会社」は残る、「ヒト」は別れる、そんな感じです。業界の流れや内部事情、外的要因等々を考慮して経営判断しました。

随分前に天気予報アプリのそら案内事業を、@itok_twit が独立創業したそらかぜ社に無償譲渡したことを書きましたが、今回の事業売却の文脈にある出来事の一つで、フィードテイラーの開発者は同時期に全員退職しています。

譲渡するから解散するのか、解散するから譲渡するのか。語りだすと10万文字は軽く超えてしまいそうなので割愛させて頂きますが、「人に優しい働きやすい会社」を標榜し実践してきた開発会社が、「人」にまつわる事で大胆な決断を行わざるを得なかったのは皮肉な話かも知れません。

以下は弊社で実践してきたことの全て。2年ほど前の資料ですね。

 

真剣に開発者のパラダイスを作りたいと身を粉にして頑張ってきたつもりだったのですが、実現できませんでした。というか、それが経営として妥当でないという判断を下すに至りました。僕が経営者として未熟な面があったということです。結果的には事業売却と解散という大工事にはなってしまったものの、御客様や販売パートナー様への影響は最小限にできたので良かったと思っています。

 

かつての仲間とは余り連絡を取っていませんが、各所で活躍していると伝え聞いています。

@itok_twit(株)そらかぜを設立。そら案内と関連アプリをフィードテイラーから全て無償譲渡済みです(そら用心除く)。元々そら案内は個人のアプリだったものを持ち込んで貰ったものだったので、それを返した感じですかね。何か拘束条件があるとか上納金(?)を求めるような関係性も全くありません。縛りがあると本人も事業が好きに出来ませんし。商標権も含めて一切合切譲渡しました。そら案内シリーズ以外で本人が弊社で担当してくれていたアプリ資産も全て同様に無償譲渡してます。主だった取引先も繋がせて貰いました。新版そら案内もリリースされてとても順調なようです。

@kumatch は新たな挑戦をしているそうです。とても稀有なエンジニアだと思いますので次でも頑張って欲しいですね。

@sumihiro は技術顧問として他の会社に参画しながら個人で開発も続けてるとか。弊社で担当して貰っていたアプリは全て無償譲渡しました。Nyatterとかそら用心とか。他にも昨年夏にフィードテイラーとしてリリース予定だった新事業も丸っと無償譲渡していますので、いずれ本人から発表があるかもです。ハード寄りのことを会社でして貰う機会を提供できなかったのは残念だったかもですね。将来IoT絡みで何か面白いこと仕掛けてくれるんじゃないかなぁと期待しています。

@nakiwo@ankou1060 は大阪でiOS開発会社と言えばこの会社というフェンリルさんに行きました。あ、そうそう。何とフェンリルさんの会社説明会を弊社内で開催して貰ったんですよ、去年の9月だったでしょうか。

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これはその時の写真。同業種でガチで競合している企業の会議室で「ウチに転職しません?」っていう説明会が開催されるって普通なかなかありません。当時、フェンリルの役員さんと話をさせて貰って実現しました。役員さん自らが「フィードテイラーさんで仕事されていた方ならどなたでも弊社に来て頂きたい。いつまでも待ちますよ。待遇はそのままでお約束します。」と仰っていたのが印象的でした。

ちょっと横道に逸れましたね。結局2人がフェンリルさんに行きました。尚、@nakiwo には @itok_twit や @sumihiro と同様に担当アプリの全てを無償譲渡してます。(譲渡処理は近々完了)

@fuku518 は少し早めで2015年の3月には退職してました。他の職場で活躍しているようです。

@t0shiya はフェンリルさんからも熱いオファーがあったようですが、唯一僕の次の挑戦に付き合ってくれることになりました。前述のSYNCNELに絡む業務も継続して貰いながら(富士ソフトさんのSYNCNEL事業/moreNOTE事業を僕と二人で御支援させて頂く事になります)、あと新しい事業作りにも一緒に取り組んで貰うことになってます。

とこんな感じです。色んな意味で尖ったエンジニアのみんなと一緒に仕事できて良かったです。お疲れ様でした。

既存の御客様のアプリ開発案件については、既に先行して一部御案内差し上げてましたが御迷惑が大きくかからないように調整済みです。御客様に於かれましては御安心頂きたく、万が一ご不明な点はお気軽にお問い合わせ を頂けましたら幸いです。

 

フィードテイラーのこれから

2015年12月で第10期が終わりました。おかげさまで、増収/増益かつ過去最高の売上と利益を、親子会社両社ともに記録することになりそうです。譲渡や解散とは無関係に過去最高になるのは2015年夏頃には見えていました。利益については想定外ですけども。

フィードテイラーでは歴史上一番現金に余裕がある時期でもあったので、なんでこの時期にその判断なん?もったいないわ!…それが最終判断を報告させて貰った方のリアクションでした。

でも、色んなパラメタを見て中長期的に吟味した際に、御客様や販売パートナー、譲渡先企業や業界全体、従業員やその家族、自分の家族…あらゆる利害関係者の幸せの総合計を最大化するには今しかないと判断して行動した次第です。

悩んで眠れないってのはこういう時なのかと感じました。

自分の判断は正しかったのか。その問いに自信を持ってYES!と今言えますが、僕以外の全ての人にそう言って貰えるようにするのが今後の僕の責任かなと思ってます。ですので、僕はこれからもSYNCNELに関わり続けます。そうさせて貰えるようにお願いをしました。SYNCNELやmoreNOTEを通して、MCM業界の活性化に引き続き貢献できればと思っています。

 

一方、内部に目を向けると、開発部門は解散して2人(パートの奥さん入れて3人)になったし、アプリや事業も全部譲渡/売却した(する)ので、文字通りスッカラカンです。何にも残ってません。もはやiPhoneアプリ開発のフィードテイラーも、理想の就労環境追求のフィードテイラーも過去のモノです。iOS開発専業をうたうとか、同じことを繰り返すつもりはありません。

幸いにして多様な経験を評価頂けているのか、アドバイザー的な立ち位置を期待して頂くことが増えてきていますので、それを新たなビジネスの一つにしようとは思っています。IT全般をおさえていて、モバイル系やB2Bビジネスの経験もあり、実際に開発もできる経営者・マネージャという掛け算のところにいるのが珍しいのかも知れません。

IoTしかり、FinTechしかり、トレンドを自社内でやるのもとても面白いのですが、他社様のリソースに自分も加わって一緒にやる方が面白く合理的である場合もあります。開発/営業/企画/マネジメントの経験を活かして他社様の事業をブーストする一助となる、そんな御支援スペシャリストの集団になれたら良いなと考えています。

また、これまで僕が経験してきたことや、ウチの知見をシェアすることにも注力していきます。ブログとか執筆とか講演とか勉強会とか、OUTPUTをもっと増やしていきたいなと。(書籍は昨年7月に宣言したのにまだ出せてませんけども…) 先日エントリした静的Webサイト勉強会 はOUTPUTの一例です。他にも、創業から開発体制づくりに事業売却まで経験してきたことをOUTPUTして、これからの起業家の皆さんが少しでも僕と同じ失敗にはまらないように出来たら良いなと思ったりもしています。そんなOUTPUTの過程で生まれる事業もあったりするかも知れません。

 

インサイダーのこともあり話せないモヤモヤ感の半年間でした。新聞記事やプレスを軽く引用してサラッと御報告しようと思っていましたが、やはり事業や会社に思い入れも多くあったので、かつてない長文になってしまいました。すみません。読んで頂き有難うございます。

そんなこんなで、またスタート地点です。初心に返り謙虚に誠意を持ちながら邁進したいと思います。今後ともフィードテイラーを宜しくお願い致します。

 


2016.01.18 (Mon)

タイトルの通りなのですが、移転いたしました。今回が2回目の引っ越し。3箇所目のオフィスです。

1回目は弊社の原点でもあるインキュベーションオフィスのメビック扇町を卒業した時。メビック扇町から自転車で5分ぐらいの距離にある築年数が随分長いビルに引越しました。そこで約7年。iPhoneアプリ開発事業を初めて、自社ブランドのアプリ・サービスも沢山作って、気がつけば10期が終わってました。

2回目が今回。10期の区切り目という良いタイミングなので引っ越しました…って訳ではなく、色々と理由がありまして決めました。一つ大きいのは、管理会社の理不尽な対応に僕が珍しくブチ切れるぐらいに全く信用が出来なくなったということ。その他にも…と書き出すとまた長いエントリになりそうなのでこのへんにしておきましょう。

何はともあれ移転で御座います。新オフィス!やっぱ良いですね〜。前よりも駅近になって、ビルも綺麗になって、設備もいいし、万々歳です。

で、今回、紙モノを基本的に作らない弊社にしては珍しく、ちゃんとPOST CARDを作りました(前回の引越しでは作らなかった)。いわゆる転居のご案内状というやつですね。

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いつもお世話になってるメタ・グラマーさんに非常にシンプルな可愛らしいデザインをして頂き、更に葉書の肌触りにもこだわって頂いて、素敵な案内状に仕上がりました。

この10年間でお名刺交換したかたの大半にと思ったのですが、そうすると3000枚とかエラいことになってしまいそうだったので、300枚に絞り込みをさせて頂きました。お取引をさせて頂いた方、お世話になっている方、また久しぶりにお会いしたい方等にお送りしております。昨日、投函しましたので、本日か明日ぐらいには届くのではないかと思います。

…って、まぁ普通にありがちなご案内状で、別に特別な秘密がある訳ではないのですけどね^^;; POST CARDそのものが弊社的にはとても珍しい事だったので、せっかくなのでブログとして書いてみた次第です。あ、肝心の移転先ですが、会社概要ページに既に記載の通り

〒530-0054
大阪市北区南森町2-2-9南森町八千代ビル7階F号室

となっております。南森町駅から徒歩2分とだいぶ駅に近くなりました。お近くに来られる用事などありましたら宜しければお越し下さいませ〜。最後にワンショットだけ御紹介させて下さい。新しい会議スペースです。

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以前とは違って、本棚を晒す感じにしてみました。椅子は全部 OKAMURA の Baron で座り心地も良い感じ。会議スペースがお気に入りの空間になりました。ランチタイムにも大活躍です :-)

 


2016.01.18 (Mon)

勉強会やセミナーを企画するのは何年ぶりでしょうか。

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会社も11期目に入ったし、新しい動きもしていこうってことで、今回「第1回 静的Webサイト勉強会」を開催させて頂くことにしました。Webサイトの静的化技術について勉強する会です。…ってそのままですね(笑)

会場はWebの世界では有名な株式会社TAMさんにお借りすることができました(ありがとうございます!!) 場所は大阪市の扇町。2016年2月19日(金)の19:00開始予定です。詳しくはイベントサイトの connpass に専用ページを設けておりますのでご覧下さい!

 

Webの「動」から「静」へのトレンド

ここ最近、「もう極力、静的サイトで良いんじゃない?動的な要素は必要最低限、または外出ししようぜ!」という気運が何となく高まりつつある気がしませんか?

S3がWebホスティング機能を提供開始したのは2011年、静的サイトジェネレータをよく見聞きするようになったのが2013年頃、2015年にはサーバーレスアーキテクチャというコンセプトを耳にすることが増えました。

できる限り静的なHTMLファイルだけで完結しよう、そうできるならそうしたい、という思いがWebの世界に広がりつつあると思うのです。開発者界隈だけではなく、デザイナーさんやWebサイト制作界隈の皆さんの間でも同様だと思います。例えば、2013年に発表されたStaticPressというWordPressのプラグインが少し話題になったのは分かり易い例ですね。

Webが「静」的であったらどんなに楽か…という思い。Webサイトの動的要素に悩まされてきた人が皆、思っていることではないでしょうか。そんな悩みや課題を共有し、それを解決しうる仕掛けやツールについて語り合おうという主旨で今回勉強会を開催する事にした次第です。

 

第1回目は、弊社で導入している静的サイトジェネレータ(JekyllHugo)について主にお話しようと思っています。まだ全部ではありませんが、導入したWebサイトでは、更新がとても楽になって、セキュリティリスクの心配やメンテナンスコストは限りなくゼロになってます。勿論、メリットばかりではなくデメリットもあるので、そのへんもちゃんと共有したいなと。

イベントの詳細はconnpassのページにも書いていますので、ご覧頂きまして是非ご参加頂けたら幸いです。参加費は無料です。(懇親会で飲食代 ¥1,000 を頂戴します)

さすがに、まだマイナーなテーマかもなぁという想像もあったので15人程度の小規模開催を検討していたのですが、connpassのページをオープンした直後にほぼ埋まってしまいました…。告知ブログが追いつかなかった感じですが、参加枠を25名まで広げましたので、是非御検討下さい。

あと、静的サイト、うちもやってるよーという方には是非その知見を共有頂きたくライトニングトーク枠も設けております。是非、静的サイトについての知恵を共有して下さい。info+ssg [at] feedtailor.jp にメール頂くか、@oishi に mention 頂ければと思います。

ということで、久しぶりのイベント開催の御案内でした!

 


2016.01.10 (Sun)

少し前に無理してCMSを使わなくて良いんじゃないかというエントリを書きました。要旨は、

  1. 多くのWebサイトはCMS使わずに html+css+js で良いんじゃないでしょうか
  2. ウチでは「更新可能で且つ html 」を jekyll で実現してます
  3. 問い合わせフォームはまだ php の力を借りてます

こんな感じだったんですが、エントリに予想以上にはてブされて反響がありました。特に 1. に共感して貰える声を頂いたのに加えて、git とか jekyll とか普通は使えないよ…というツッコミも結構ありました。

確かにそうなんですよね。全部 html で良いじゃんって極論を支えるツールって、どっちかというと開発者向けで誰もが使えるものじゃありません。まぁでも、技術の世界の常で、難しいことは時を経れば簡単に使えるようになっていくものです。

 

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(photo by Quinn Dombrowski on flickr)

共感の声が多かったからというのもありますが、個人的に改めて、ここ数年の間にWebの世界は「動的」なCMSから「静的」な世界へ原点回帰していくだろうなぁと感じています。ツールの使いにくさは依然としてありますけどね。動的要素はホントに必要な所だけで良いじゃないかと。

同じ課題と理想の共通認識が広がり始めると次第に大きな動きとなるものです。何となく、「Webは複雑になり過ぎた」という認識が2013年あたりからザワザワ〜とだいぶ広がってきている気がするのです。昨年は国内に限らず海外含めて特に顕著だったかも。

そんな雰囲気とツール類の盛り上がりが面白いのと、自分もCMSに苦しめられた当事者でもあることから、今年はこのテーマ(静的サイトジェネレータ:SSG)も追求していこうと思ってます。

 

問い合わせフォームからphpをなくす

ということで、上記 3. の解決にむけてこの連休で実験を行いました。php 等を使わず、ウェブサーバには html / css / js しか置かないけど問い合わせフォームを実現するという実験。

既成品のASP型問い合わせフォームで逃げるという手もありましたが、自由に作れることを優先。AWS の各種サービスを繋ぎあわせて実現してみた次第です。

既にこちらの問い合わせフォームは php を使わないようにしました。html / css / js のみで、フォームの入力から保存、社用メールに届く…という挙動になってます。こんな感じ。

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以下のエントリなどを参考にしました。先人に感謝。

ザックリとした流れは、

  1. AWS Cognito Identity の Unauth な Role を使って AWS S3 に入力内容を保存
  2. AWS Lambda で S3 保存で発火する function を登録
  3. AWS SES で自社の問い合わせ窓口メールアドレスにメール

という感じで全部AWSにお任せしてます。こうすることで問い合わせフォームから php がいらなくなりました。今後、phpのバージョンやセキュリティ等々を気にする必要は全くありませんし、万が一別のサーバに引っ越す必要が出てきても html / css / js を移動するだけでよくなったと。

問い合わせフォームに限らず、他の html ページ部分もAWSに全部置くと恐らく月額1000円とか月額500円とかのレンタルサーバすらいらない勢いですね。最近はサーバレスとか言われてますが。多分、ウチのサイトの規模なら月額30円ぐらいにまでコストダウンできます。

…というところまでは良いのですが、結局これも冒頭の jekyll や git の話と同じなんですよね。やっぱり技術者じゃないとできない…。シンプルに繋げられるとは言えやっぱり開発経験者じゃないと厳しい感じ。ここが問題だなぁ。

Webページの世界の「動」から「静」への原点回帰には、難しいことを簡単にする、というブレークスルーがまだ必要な気がしますね。


2016.01.03 (Sun)

あけましておめでとう御座います。

昨年もまた多くの方に御支援・応援を頂きまして、無事に第10期を終える事が出来ました。改めて御礼申し上げます。第2期が半年間だけだったので、10年と言っても厳密には9年半なんですけども何はともあれ10年の節目でございます。

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年が明けた瞬間から第11期目がスタート。次の10年もまた色んな方のお役に立てるように、特に知見や経験/アイディアの御提供を積極的にしていきたいと思ってます。

例えば、先日のエントリで御紹介したような、もう半ば仲間のようにならせて貰って課題解決や新規事業に関わるような形式ですね。過去にも実績幾つかありますが、その強化。

御相談は大小関わらず幾つも頂いてて、やっぱり「課題」がそこには存在しているのだなぁと感じます。

御客様の環境や事情それぞれに応じて、こういう方向に進んでおいた方が良いですよ〜と広い視点で提案できる水先案内人というのか、コレをこう繋いであーした方が良いですよ〜と事のハンドリングをアレンジして差し上げれる人というのか。提案型/伴走型っていうんでしょうかね。

ここ数年OUTPUTが少ないので、しっかり形にもしていきます。ブログとかセミナーとか、電子書籍とか。

御客様毎の課題はシェアする訳にはいきませんが、例えば以前のエントリで書いた脱CMSのテーマとかですね。あのエントリは反響がかなり大きかったので、ウチはこんなふうにやってます〜みたいなノウハウを詳細全部出してみようかと。

他にも会社運営の工夫というか自分流のメソッド的なものも出せるでしょうかね。ウチは随分と変な制度や個性的な取り組みをやってきたぶん蓄積がありまして。昨年8月に電子書籍出します宣言をしたことも結局達成出来ていませんし、ここに帰結させようかなと考えてます。(「はじめに」と目次ぐらいは公開したい)

 

そんな訳で、知見や経験、アイディアやノウハウをどんどん出していく年にします。今年もどうぞよろしくお願い致します。

 


2015.12.21 (Mon)

ヴァル研究所様は、皆さんご存知の乗換案内ソフト「駅すぱあと」でとっても有名な会社様です。

路線検索のパイオニアでいらっしゃって、古くはMS-DOS版に始まり、Windows版、Mac版、今では iOS版 や Android版など、あらゆるプラットフォームで国内の乗換案内需要に応えて来られました。近年は Ruby 界隈や AWS 界隈、マッシュアップ界隈でも存在感を増しておられるので、比較的若めのエンジニアの方でもご存知の方は多いでしょう。

そんなヴァル研究所様と弊社とのお付き合いは、もう5年前になります。iOSアプリが盛り上がり始めた頃に、ある方の御紹介で当時役員の方とお会いしたのがきっかけ。それから5年の間にアプリ開発を4件、バージョンアップは数知れず、他にもオンサイトのUXセミナーなど、気がつけば通年で何かしらお仕事を頂いている関係になりました。

単発のアプリ開発でお付き合いが終わってしまう事はよくあるので、5年続いているのは弊社的にはとても稀有なケースです。で、この度タイトル通りなのですが、そのヴァル研究所様で顧問という肩書を頂いて密に関わらせて頂く事になりました。

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ででん!

名刺まで作って頂いてます。メールアドレスに加え、ヴァルさんの自社ビル内には僕専用の机…まで。あ、でも、よくある常駐とか派遣とか契約社員とかそういう訳ではありませんのであしからず。僕も自分の会社ありますしね。

多岐に渡ってヴァルさんの事業をお手伝いさせて頂くという関係性で、具体的には新規事業の推進、営業、開発、プロジェクトマネジメント、とかとか結構現場レベルで関与させて頂く感じになってます。

元々、ウチでは他社様の事業御支援をさせて頂く事が結構ありました。余り公にはしていませんが、有り難くもご指名頂ければさせて頂くという感じで。現場の開発チームの方に技術知見を提供したり、プリセールス的な事で同行したり、新規事業のお手伝いしたり、開発部門で面接官をしたりと、いわゆるコンサルとは違って経営/開発/営業/マネジメントが分かる人間として現場レベルに深く関わらせて貰うってのが特徴です。

年始には @t0shiya も入ってくれたし、来年以降はコレをもうちょっと強化してみようかなぁと思っていました。そこに、9月にヴァルさんの社長さん部長さんから打診を頂きまして。これはエキサイティングな事だ!と即決させて頂いた次第です。早速、10月から月2回に伺うようにしてまして、今後の事業計画や現状課題をお聞きしたり、現場の開発の方とお話したり、具体的に新規事業に関わらせて頂いたりと色々と始まってます。

 

その中の関連する一つがコチラですね。

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SORACOM Air が発表された時、3GPI という3G通信+GPSモジュール搭載基盤を組み合わせたら簡易バスロケができるし、アプリも作るとバス会社様も利用者もhappyになる事は丸の内シャトルバスの件で既に実証済みだし、経路検索にも活かすとヴァルさんの付加価値が更に上るんじゃないかなと、サクッとクライントとサーバを試作して持ち込んだりしてました。Python綺麗だなぁとか言いながら。

本日のSORACOMさんのプレスにもヴァルさんのお名前が出ていますが、これが今お手伝いさせて頂いていることの一つです。

 

フィードテイラーとしてIoTをやるつもりはありません。いわゆるITの新技術ってアプリと一緒で、既存事業の価値を増幅させる為、価値提供効率を上げる為、に使うべきだと思うんですよね。ITを使う事が目的になっちゃいかんなと。何の課題解決をするのかが分からず取り敢えずネットに繋げりゃ良いって感じの、今の猫も杓子もIoTって気運は若干残念なんですが、ヴァルさんの場合はちょっと違う。

乗換案内における課題があってその解決で更なる価値向上が見込まれる、その解決手段としてタマタマIoTと呼ばれてる分野があったという構図。公共交通機関との接し方を変える可能性すらあると思ってまして、そこがまた面白いんですよね。技術的な意味でもビジネス的な意味でも、これからメチャクチャ楽しくなっていく分野じゃないかなぁ。

あと、乗換案内アプリ以外にも、社内の精算業務支援サービスとか、経路検索ASPやAPIなど、バスや列車が関わる部分では多数ソリューションお持ちですので、この分野で課題をお持ちの方は是非お声がけ下さい。ご説明させて頂いたり、各種調整させて頂きます。どんな会社でもほぼ確実に社員通勤費を削減できる素晴らしいツールもお持ちなのですべての会社様に興味お持ち頂けるかと思います。

 

ということで、顧問になりましたというお話でした。他にも似たようなお話がありまして、来年は肩書を複数持ってるような気がします :-)

 


2015.12.12 (Sat)

過去のブログエントリを掘り起こすと、身体づくりのトレーニングを始めたのは2012年ですから3年強になりますね。そこからずっと定期的なトレーニングをしています。

ジム通いよりもっと合理的にからだ作りをしたいという事で、いわゆる専属トレーナー2人に見て頂いてて月6回程度トレーニング。更に整骨院の先生に毎週身体のメンテもして貰っていて、もはや半分アスリート状態ですね(笑

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(on flickr by Micheal Foley / CC BY-SA 2.0)

実は、丁度一年前にニース・カンヌのフルマラソンを完走してから、フルの次はトライアスロンだろうとありがち且つ安直な(?)発想で、新たな挑戦をはじめています。

トライアスロンにも色々あって、よくあるのはオリンピックディスタンスというやつで、スイム1.5km/バイク40km/ラン10kmという規格なんですが、まずは大きな目標としてここを目指そうかなと。もっと先を見ると、一番上には有名なアイアンマンレースという、スイム3.8km/バイク180km/ラン42.195kmってもはや何を考えてるのか分からない世界があったりするんですが、やるからにはそこまで是非と思うものの短期目標としては掲げにくい。

そんな訳で今はオリンピックディスタンスに挑戦すべく頑張ってます。その為の基礎体力づくりと、一番難易度高いスイムの練習の為に2人のトレーナーさんに見て貰ってるという次第。

ラン10kmはともかく、大きなハードルはスイム。25mをゼーハー言いながら何とか泳ぐのが精一杯だった年始からレッスン開始。トレーナーさんに隔週で教わりながら、つい先日1.5kmを立ち止まらず泳ぎ切るところまで辿りつきました。25mプールで30往復だけど。海はそんなに甘く無い筈ですが数字上は一応目標到達。あとはバイク。

とまぁ今はそんな状態です。

身体は正直だなぁと練習とともに自己成長を実感するのが楽しいのと、いつまでも健康体でいて死ぬまで仕事をしていたいという思いで続けているトレーニングですが、常に目標を置いて先に進むって事を繰り返していたらこんな所まで来ちゃいました。1,2km走るのも足が痛くて精一杯だった人間が30代半ばで始めても3年でこうなりますから、人間の体は侮れませんね。

来年はビジネス面でも新しい事を始めようと思ってまして、プライベートと併せて両面で引き続き挑戦し続けていきたいと思います。


2015.11.05 (Thu)

30代とはお別れ、ついに40代に突入致しました!毎朝AM3:30に起きてAM4:00に朝ごはんなのですが、今朝は奥さんからサプライズがありました。

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奥さんの特製パンが食卓に!

まさかのパン文字にビックリした次第でして、時間も早いというのに「すげー」「すげー」を連呼してしまいました。40代突入の誕生日を奥さん手作りのパンで形どられた文字で祝って貰うのは、日本広しと言えども相当レアケースではないでしょうか。

よくよく聞いてみると、1ヶ月以上前から僕が出張でいない時とか、仕事に出てる土日とか(ほとんどだけどw)に練習を重ねてくれていたようです。いぁー、マジで凄すぎる。普段から僕のワガママに相当付き合って貰っているにも関わらず…なので、そういうことを色々考えると本当に嬉しい事です。いつもありがとう。

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他にもプレゼントや手紙を貰っちゃいました :-)

 

という訳で40歳ですね。

昔から老けて見られるほうだったので、ようやく見た目相応の年に近づいて来たような感じです。38から39になるのも、39から40になるのも生物学的には大差ないのですが、実は会社が第10期を終える年でもあってですね、区切り感というかそういうのが結構あるんです。31歳になる年(2006年)に創業した直後に決算期を少しいじったせいなのですが、公私で10年の切れ目が揃ってると。

新たな10年、色んな意味で気持ちをリセットして新しい事も始めたいなと思っています。…と言いながら既に仕事でもプライベートでも新しい事は始めていまして、また機会見つけて書いてみようかなと思ってます。

 

夫婦でお互いの誕生日には、ちょっと素敵なところでお食事、プチ旅行の2つをするようにしてまして、今回は市内で食事する予定。

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昨年はこんな感じだった

仕事の都合上ズレこんじゃいますが、12月にはプチ旅行でお伊勢さんに行ってこようと思ってます。

公私共に色々とまだまだ頑張ります。今後とも宜しくお願い致します。


2015.10.18 (Sun)

僕はいわゆるCMSが余り好きではありません。随分前に子会社のSYNCNEL事業のオフィシャルサイト(あるWeb屋がWordpressで制作)で苦い経験をしてからは特に。このブログもWordpressなので余り大きな声で言えたもんじゃないですけど(笑) でも、ホントはもうWordpressやめたい。ってかCMSにそもそも疑問を持ってます。

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CMSの「おおげさ」感

サーバにシステム入れちゃうと、plug-inのupdateとか、CMS本体のupdateとか気になるし、ってか相性とかもあって出来なかったりもするし、そもそもシステムの為に必要なphp等の言語やDBやミドルウェアのupdateも気になって、脆弱性気になるけど…と余計な心配をしなくちゃいけません。

運用面でも、サイト全体の世代管理もしにくいし、ビジネス理由で別サーバに移転しようと思っても大変、htmlの構成を読み解こうとしてもテーマやらウィジットやらに分断化されてて見通し悪いし、結局、デザイン要素を変えようと思うと制作会社に有償依頼、メンテの他事業者への引き継ぎもやりにくい。

とかとか、まぁデメリットがビックリする程多いんです。メリットを上回ってしまってない?ぐらいに。一部Wordpressに限定されるデメリットですが、ザックリCMS全般的に言えることかなぁ。商用・ビジネス用途で考えると色々と辛いのです。

What’s New とかプレスリリースとか、たかだかそれだけの事を実現する為におおごと過ぎるんですよね。

御客様の手で更新がしたい=CMS導入

っていう発想からそろそろ脱却した作り方が出来ないものかなぁともう随分と考え続けてます。(考えた結果やっているウチの取り組みは後述)

やっぱり誰がどう考えても、「サーバにあるのは html ファイル」ってのが最強に心配事や面倒が少ない訳ですよ、これに勝るものはない。MovableTypeなら良いじゃないかって話ではなく、そもそもシステムがサーバにあるから心配が増える。

なのに「御客様の更新」というキーワードだけで、根こそぎサーバサイドに大掛かりなシステムを構築して、そのシステムの制約の中にハマるように html を分解して心配事のるつぼに放り込んでいく…ってのがCMSの実態です。

これ、今の時代においても、ホントに正しいアプローチなんでしょうか。

ちょいと身近な人達の間で少し話題になってるんですが、@ku-sukeさんのWeb屋がWordpressで消耗しないCMSを考えてみたというエントリにもっとシンプルなCMSをっていう話も書かれてました。

無茶言うなとか何考えてるとかってnegativeなはてブやtweetが多い事にビックしましたが、実際御客様の要件としてある訳です。自治体とか特にそうですね。ちょっとしたサイトに何でWordpressやねんって民間企業や個人事業主の方も多い。そしてそういうサイトを請け負ってるデザイナーさんも同じことを言ってるんですよね。現場に耳を傾ければ明らかにCMSに対する問題提起の声が色んな所で上がってる、それが昨今の動向じゃないでしょうかね。

僕はどっちかっていうとi文庫の人が書いてるアプローチのall静的生成派。そもそもCMSいらんのでは?と思ってます。

 

pandoc と Jekyll

で、ウチでやってることの御紹介ですが、子会社のSYNCNELのオフィシャルページです。

そもそもはWordpressで作られた(政治的理由で初期バージョンは口出しできなかった)ページを引き取った時に上述のWordpressのデメリットに遭遇したので、絶対にCMSは使うまいと決めてリニューアルをしたんですね。今年の4月ですけど。

ブログ機能付きですが静的生成したhtmlで構成されてます。サーバに置くのは基本的にhtmlファイルのみ。(お問い合わせページ除く)

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よくあるコーポレートサイトなんですが、DBも基本無しの生 html+css 。問合せページを除いてphp使ってません。DBはそもそも入れてません。ブログ部分は文章をテキストファイルにして変換、html出力。jekyll というツールを使ってます。

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んで、こちらはマニュアルサイト。これもサーバに設置しているのは html+css だけ。pandoc というプログラムを使ってテキストファイルをhtml+css生成してます。

全て html でローカル環境に生成されるので、手元でサクサクとプレビューできるので楽です。CMSで「プレビュー」をクリックして別タブで当該ページのプレビュー表示を待って確認、編集とプレビューをブラウザ上で行ったり来たりするという煩わしさもありません。

html化して、手元のブラウザで確認してokなら、gitにpush、自動的に公開用サーバにコピー(scp)していてアップロード作業も省略してます。gitなのでサイトの世代管理も同時に実施。

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(クリックすると拡大)

deployを別途専用コマンドとか作れば、「更新したらこうなる状態を上司が確認してから反映」というワークフロー的なことも実現できます。ウチは規模が小さいのでやってませんが。

別サーバへの引越もとっても楽ですね。システムを構築する必要ありませんから。実際サーバの引越を一度やってますが、htmlだけですから html をコピーするサーバアドレスを変えるだけ。同じ理由で負荷増の時の負荷分散も楽です。サーバを複数にしてコピー先を増やし、ロードバランス設定するだけです。

ただ問い合わせフォームだけはphp。これも廃止出来ると完全に静的ファイルで構成されるサイトとなるので理想形ですね。諸般の理由で今回は php を問合せページだけで使っちゃってますが。ぶっちゃけ、これもフォーム作成サービスとかなんぼでもあるのでそれに置き換えれば排除は容易。

アンケートも他のシステムがあるし、解析はGoogle Analyticsで良い。SEOだって別にCMSの専売特許じゃないので、ローカル生成時にやってます。結構ザックリなので作りこみの余地はありますが。

こんな感じです。月に数度の更新程度のサイトなら、実際phpもrubyもpythonもいらないし、DBもいらず実現可能です。テキストエディタ開いて更新したい文章書いてポチってするだけで更新完了。システムに関する心配は何もありません。

実際のところ、この程度の運用で済ませたいサイトって結構多いんじゃないかなーと思うんです。

 

ユーザの立場でいわゆるWordpressサイトと向き合う立場に置かれたのでよく分かりますが、御客様が欲しいのはCMSじゃないです。更新が出来るサイト、そしてそれに付随する機能が欲しいってのがそもそもの要件の筈です。

果たして本当に更新できるシステム=CMSの導入という一択なのか。この2015年でも?

まぁ kekyll だの pandocだのMarkdownだのは開発の知識あってこそ出来る事なので、ご紹介したウチの方法が万人受けしないのは明白だし、実際に操作される御客様のことを考えるとなかなか難しい問題ではあるねすが、ウチは静的サイト化した結果、超絶楽に運用ができて誰も不幸にならず皆happyで清々しいのは確かです、正直。

CMSが生まれてからもう10年以上。そろそろ転換期だと思うんですよね。実体験をもってそう感じる昨今です。