2011.10.17 (Mon)

お恥ずかしながら創業来6年目にして初めての経験です。無事に登録されたようです。

余りITベンチャーらしくないかも知れませんが、特許や商標の手続きに時間をかけているぐらいなら開発を進めた方がずっと良い…という考え方をずっと持っていました。いずれも時間やお金がかかる事が分かっていますので、そのどちらも無駄にしたくない創業期は目もくれなかったのです。

ただ、法人向けにファイル共有サービスを展開するSYNCNEL事業については別。

何度か書かせて頂いている通り複数企業の連合による事業なんですよね。弊社は開発が主で、他のサポートや保守/販売のそれぞれは他の企業様との協業体制あってこその商売。更に大手様を含めて販売代理店様は2桁を優に超える数いらっしゃいますので影響範囲が余りに広く関係者の数も相当に多くなってます。

…なので安心して名称を使って貰えるようにSYNCNELで商標登録申請を行なっていたという訳です。元々造語ではありましたし、.comが取れるぐらいにレアな名称だったので、弁理士の方にも承認される確立は極めて高いと判断頂いてました。その意味で心配する事は全然無かったんですけどね。

ちなみに有効期間は平成33年までの10年間。長過ぎるわっ!(笑)

期限が切れる半年前から更新手続きが出来るそうなので、忘れないようにiCalのカレンダーにスケジュール登録しておきました。「SYNCNELの商標更新」って。

いぁしかし、2021年ですよ。歳は40代後半に突入している筈ですが、時代はどうなってるんでしょうね、そして自分は何をやってるんでしょうか。今と変わらずエキサイティングに仕事やっているだろうなとは思いますが、具体的には全く想像もつきません。iPhone15とか出てるんですかね。いぁもう iPaper とかになってるかも知れないですね。そんな事を思いながら登録商標の証書を眺めた次第です。

…という訳で、今後は「SYNCNELは株式会社フィードテイラーの登録商標です」となります。


2011.10.15 (Sat)

日刊工業新聞さんには本当にお世話になりっぱなしです。いつも有難う御座います。今回はBook+を御紹介頂きました。

記事はこちら。写真が昔取って頂いた(らしい?)ちょっと残念な感じなのですが、そこは気にせずにという事で。「使い勝手の良さで電子書籍市場の先行きも読みたいところ」なんて言葉で巧く(?)まとめて頂いているようです :-)

市場はどうなるでしょうね。

乱立するマーケットは読者の混乱を招いて普及の足枷になっているし、相変わらずコンテンツの量はKindleの足元にも及ばずだし、epub3.0が正式にfixした事が何故か出版業界を救う的なニュアンスになっていて勘違いも甚だしく情けないという感じですし、僕は日本は取り残されていく道しか残されていないと思います。こればっかりは楽観的に考えること事態が空虚な気がしてて。

電子書籍元年は終わった。日本でもアマゾンひとり勝ちの時代が目前に迫る

Kindle Fire を始めとする新しい Kindle の登場と時を同じくして国内出版社への打診も進んでいるという話もありますが(もっと以前からあったでしょうが)、そう簡単には進む筈もなく例えば技術評論社さんのように読み手の事や時代のトレンドが変わる事を考えながら模索する一部の出版社コンテンツが登録される程度に落ち着くんじゃないかと。

結局、読みたい本をいつでもGET出来るというデジタル本屋は実現せず、時間と共にコンテンツが増えたとしても、iTunesにおけるソニー・ミュージックのような致命的歯抜け状態が幾つもある状態になると思います。多分、紙の書籍/雑誌が全く売れなくなるまで、もがき続けるんでしょうね。

例えば過去のエントリで書いたこんな世界とかが来ると、いい加減もがくのをやめるんでしょうか(世界観の作りはまだ甘いけど)

「読書好きの為の裁断済み書籍交換サイト『裁断本の森』が正式オープン」(フィクションです)

「読書好きの為の裁断済み書籍交換サイト『裁断本の森』が正式オープン」(フィクションです)(2)

沈みゆく船、しがみ付く船長(既得権益者)、諦める乗客(読者)、自ら脱出を図る乗客(自炊に流れる読者)、そんな構図のような気がします。まぁ何となく日本という国全体に蔓延ってる構図のような気もしますけどね。何か打開策は無いものか考えている今日この頃です。


2011.10.14 (Fri)

平均して月に2回は出張してます。数え切れないほど新幹線に乗ってきましたが行き先はいつも一緒で東京都内。

日帰りが多いのですが、11:00〜12:00で一つ目の打ち合わせ、午後に少なくて2件、多くて4件の打ち合わせを入れて終電新幹線で帰るのが定番パターンです。なので行きはだいたい8:00台前半の新幹線(着が10:30頃)に乗るようにしてたのですが最近、ちょっと変えてみました。

打ち合わせ時間に関係なく東京出張する時は始発電車で移動する

って事を徹底しています。早起きが習慣化してるので為せる技ですね。最寄り駅で始発乗車して6:13 のぞみ204号に乗車。もちろんN700なので2時間半ほど仕事して8:43に東京着。そして、

一つ目の打ち合わせ先の最寄り駅で喫茶ルノアールへ。ここで90分、場合によっては午後一の打ち合わせなので3時間半の仕事を経て打ち合わせへ移動…って感じです。

このメソッドのメリットは2つ。

  • 出張時に仕事時間をまとまって多く確保出来る
  • 万が一に雨等で新幹線に遅れが出ても御客様にご迷惑をかける確率が激減する

ルノアールは電源を使わせて貰えますので、場所代名目で1,2品の注文をして(安!)いつも長居させて貰っています。周りが五月蝿くても空間全体的にガヤガヤしている場合は返って集中力が高まってそれはそれで良かったり。

ルノアールでのお気に入りドリンクは柚子ティです。上の写真はアイスの柚子ティ。ちょっと値が張りますが実も入ってますので食感も楽しめるのでオススメ :-)

 

という訳で始発新幹線で出張してしまうという割り切りについて書いてみました。出張多い人は是非お試し下さい。朝一出張も結構気持ちいいですよ :-)


2011.10.11 (Tue)

タスク管理は永遠のテーマ。色々と試行錯誤して使うツールはメールとOmniFocusに落ち着いているのですが、いつも悩んでいたのが優先順位の判断基準

Blog Brainstorming © 2011 Spectacles, Flickr

AとかBとかCとかってランク付けとか、重要度を考慮するとか、いろいろ手法はあるものの実際的でなかったり抽象的だったりでイマイチだったのですが、ここ最近気が付いてやってみた判断基準が今のところ気持ち良いタスク管理に繋がっている気がするので御紹介。

どうやら、たった2つでokぽいです。それは、

  • 人を待たせているかどうか
  • 締め切りが存在するかどうか

の2つ。これを基準に今なすべきタスクを導きだすと、体感ですが「あぁ、あれもあった、これもあった」感や「あぁ、やってれば良かった」感、後になって慌ててしまうといった事が少なくなっているような気がします。

GTDはやるべき事を洗い出す事で精神的ストレスから解放する術を提供してくれますが、それでもずっと悩まされてきたのは優先順位が決まらない(決めにくい)事だったんですよね。タスク一覧を見てもパッと見で決まらないから何となく楽なタスクに流れてしまうって事が往々にしてありました。GTDで列挙したら上から順番に何も考えずにやるだけさ!って極論もありますが、そうもいかないのが実情です。

って訳で、実践してみた結果

  • 人を待たせているかどうか
  • 締め切りが存在するかどうか

の2つに判断基準を絞ったら何となく巧く行く気がしている今日この頃です。特に前者の「人を待たせているかどうか」は重要で、ボールが相手にあるのか自分にあるのか常に判断して、とにかく相手にボールを返すアクションを最優先にすると「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」感がどんどん減っていく感じ。

結局、タスクが積み上がる事による心理的ストレスは、人を待たせてしまって「まだですか?」と思われるかも知れない不安の積み上がりによって起こるんだと思います。締め切りも多くの場合「待ち人」が絡んでいる事が多いので、前者優先、後者次点で判断していくと結構良い感じです。

この二軸で管理するのにOmniFocusは向いていて、僕は以下のように使っています。

期限(つまり締め切り)の順番に並ぶようにActiveなタスクを列挙する画面を用意して、一方で人を待たせているタスクに「フラグ」を立てるようにして使っています。

基本的に上から順番に消化すべく見るのですが、フラグがあれば誰かを待たせているので最優先。そのフラグが「期限が昨日」に入っているタスクだと最悪なケースなんですが、上図は見事にそんな例ですね(苦笑) これ以上待たせたらいけないので真っ先に処理します。

次に同じ期日の別タスクを見るのですが、自分都合のモノだったり後から(人に迷惑をかけず)挽回できる可能性がある場合は先送りし、次の期日のタスクに目を移してまた「フラグ」付きを優先的に消化するという訳です。

ま、こんな感じでここ最近進めています。重要なタスクって何かしら人が絡んでいる場合が多いって事を考えると、「人」が関わるどんな仕事現場でも使える判断基準じゃないかなーと勝手に思ってます。

判断基準は、

  • 人を待たせているかどうか
  • 締め切りが存在するかどうか

のたった2つ。期日で並べ、ON/OFFで待ち人有無を表現する。最近この二軸の判断基準だけで、タスク選択に迷う事がほとんど無くなりました。僕と同じようにタスク優先度で悩まれてる方は是非一度試してみて下さい :-)


2011.10.10 (Mon)

企業内専用iOSアプリに絡んだ情報をまとめるシリーズ。第2回目はOTAと構成プロファイルについて書いてみようと思います。

With Stripes © 2011 Dmitry Shakin, Flickr

■ OTA = Over The Air

OTAはもう既に多くの方がご存知だと思いますので詳しい説明は省きますが、WiFi経由でiOSアプリをインストールできる仕組みの事です。USBケーブルも、iTunesやiPhone構成ユーティリティも、もう要りませんから!…って事なので大変幸せになれます。

昔から企業向けの仕組み、iDEP(iOS Developer Enterprise Program)じゃないと使えないと思われていたのですが、実はそうではなく Standard なライセンスの AdHoc 版配布にも使えますので皆さん使いましょうね…という話はさておき、企業向けiOSアプリでは「絶対に」OTA環境を用意しましょう。

というのも、個人とは違って法人の場合は平気で50台とか300台とか1000台ってな規模になるからです。1台1台、有線でインストールしていたらアプリのインストールだけで日が暮れます(日が暮れても無理かも)。万が一頻繁にアップデートされなくちゃいけない専用アプリだったら…想像もしたくないですね(笑)

という訳でエンタープライズiOSアプリでは空間的束縛の無いOTA配布が必須となります。このOTAにiDEPによるInHouseを組み合わせる事で初めて

  • ケーブルからの開放
  • 台数制限からの開放

という企業内iOSアプリ展開の理想形が実現します。必要なモノは、

  1. Webサーバ
  2. InHouse の provision profile を使用してビルドされた .ipa ファイル
  3. アプリの情報を記述する .plist ファイル
  4. インストールする為の呪文リンクタグを含む html ファイル

の4点(詳しい事はこちら)。上記4のhtmlを設置したURLにiOSデバイスでアクセスして、呪文リンクタップするとアプリインストールが始まります。こんな感じ。

後は「インストール」をタップすると完了です。AdHoc版のOTAの場合は .ipa に適正なUDIDが設定されていないと途中でエラーが発生してしまいますが、iDEP の InHouse 版であればデバイスのUDIDチェックは入りませんので心配無用です。どんなデバイスでもok。

でもそれだけに、InHouse版のOTA環境へのアクセスは厳重に管理されなければいけません。企業内ネットワークからのみアクセスを許可、外部からのアクセスは拒否、外出先からはVPN経由…といったアクセス制御は必要です。

39/52 – Signs © 2011 Scott Akerman, Flickr

万が一、InHouseのアプリが公開状態となってしまって、iDEP契約主体企業の中の人以外が自由にインストール出来るようになると規約違反になりますのでご注意を。Appleからかなりキツイ措置が予想されますので、InHouseのOTA環境の運用は慎重に慎重を期した方が良いと思います。

デバイス制限も無いアプリ配布環境は Apple の AppStore の世界から逃れ出る事とほぼ同義である事を考えれば、事態の大変さは想像頂けると思います。なので、エンタープライズなOTA環境に関係者以外へのアクセスを絶対に許してはいけません。

■ 構成プロファイル

無償で使えるiPhone構成ユーティリティで、OTA用のリンクをWebクリップとして含む構成プロファイルを作成すると便利です。(iPhone構成ユーティリティやWebクリップについてはGoogle先生に聞いてみて下さい)

  1. 新規デバイスを導入する
  2. 当該デバイスでSafariを開きURL開く
  3. 構成プロファイルのインストール(ここでWebクリップも一緒に入る)
  4. HOME画面に企業内アプリのインストール/アップデート専用のアイコンが出来る

ってな事が出来てしまいます。アイコンを押せば社内アプリのインストールもアップデートも自由に出来ますよ〜的な。

上図は弊社のiPadの画面ですが、このアイコンがOTA環境へのWebClipになってます。タップすると、

こんな風になってます。ってさすがに詳細はお見せ出来ないので何が写ってるかよく分からないですが、アプリ名とインストールボタンがダーっと並んでて、いつでもどんなデバイスでも、自由にインストール出来るから選んでねってサイトになってます。言うなれば弊社専用のAppStoreみたいなもの。無論、このサイトへのアクセスは厳重に守られています。(仮に弊社端末が盗まれても当該リンクは操作できない)

こんな感じで、OTA環境へのURLをWebクリップとして用意してあげると大変便利です。各自にSafariでアクセスして貰ってHOME画面にブックマーク登録…をさせても良いのですが、構成プロファイルでいっきに配布した方が情シス担当者への問い合わせ数も少なくなるので合理的。

 

ちなみに、もし社内アプリが1つに限定されるのであれば、インストール用の、itms-services://?action=download-manifest&url=http%3A%2F%2Fexample.com%2sample.plist ってな感じのリンクを直接指定してあげるのもアリです。

そうすると、iPad側ではWebクリップを1タップするだけで最新版をインストールする事が出来るようになります。しかも「取り除きを許可」のチェックを外しておけば、誤って削除される事も無いので完璧です。

 

という訳で、OTAと構成プロファイルを使った配布環境の構築についてご説明しました。OTA環境はホント便利ですので、SIerさんは面倒臭がらずにお客様に作って差し上げて下さい。また、iOSデバイス導入企業の担当者様は、後々の楽をする為にSIerさんに「OTA環境を用意してねぇ〜」とお願いするようにして下さい :-)

 

■ 本連載の過去エントリ


2011.10.10 (Mon)

たまにはプライベートな事も書きましょうか。…って最近ブログ更新頻度が上がっているので「たまには」になってない気もしますが :-)

原則、僕のオフタイムは土曜日の 13:00〜就寝 の間のみという事になっています。先週末は少し秋らしくなってきたという事もあり、たまには屋外でどこかいってみようと万博記念公園に行ってきました。哀しいかな封鎖されたエキスポランドを通り過ぎてやってきたのは、

でーん。と太陽の塔。お約束ですね。でもよくよく考えると大阪生まれの大阪育ちながら、眼前にこれを見据えたのは初めてかも知れません。まぁ元来、太陽が誰よりも似合わない(笑)と言われて36年ですのでそんなもんかもですが。

川のせせらぎ、

森の中(のベンチ)、

ちょっと理解が難しい現代美術を眺めながら

どこまでも続く道を歩いて辿り着いた先

強制的に作られた水流で永遠と回され続ける水車に寂寥感を感じて、

進軍する太陽の塔!!!…的なアングルを経て

抹茶アイスを締めに散策終了。

そのまま家路に付き2人電車でうたた寝しながら帰り着き、録画してた番組の消化、晩ご飯、風呂ときて明日に備えて早めの就寝 22:00 頃と。実に平和だー。

と言いつつ結局オフの時も何かしら考えてるんですよね。オンの時は目下のタスクやプロジェクトに意識を集中していますが、オフの時はこう何ていうか漠然と違う視点で考えてしまう感じでしょうか。

太陽の塔を見て当時の経済成長が今後は決して見込めない中どう立ち振る舞うかとか、一部閑散としていた森の一角を見てここにお客さんを呼び寄せるには何をすれば良いのかとか、抹茶アイスを見ながら原価は幾らで一日何個売れてるのかとか、店員の対応はもっとこうしたら売上が上がると思うけどなとか、録画してたカンブリア宮殿を倍速視聴しながら高付加価値商売の秘訣は何かとか、そんな事を考えてます。

まぁ、全然オフちゃうやんという事なんですが。

オフであっても絶対に仕事の事やら色々と考えてしまうので厳密なオフ状態って有り得ないのですが、こんなふうな机にかじりつく事を前提としないまったり(?)時間は、思考を深めたり、将来について思い巡らしたりするのに持って来いなんですよね、自分的に。

Circuit Board © 2011 Interop Events, Flickr

平日のオンな状態では絶対に働かない思考回路が動き出す感覚…でしょうか。

なのでオフも重要なんですよね、当たり前だけど。最近、椅子に座り過ぎ過ぎちゃうかとか休み少な過ぎちゃうかと言われる事が多いので、誕生日の日帰り旅行だけじゃなく一度思い切って奥さんと丸一日まったりオフタイム過ごしてみましょうかね。そんな事を改めて思った公園散策でした。


2011.10.08 (Sat)

弊社の取り組みを御紹介するシリーズ。今回はTwitterの話。

Twitter Bird Logo © 2009 Scott Beale, Flickr

ウチは社内でTwitterの利用を推奨してまして、エンジニア全員が何かしらのTwitterクライアントを入れてます。もちろん経営者である僕も。新しいツールを取り敢えず禁止するのは日本企業の悪い所ですが、何でこう巧く「活用」する事を考えないかなーと不思議に思います。

新しいモノは新しい価値があるから広まる訳で、それはつまり企業にも価値をもたらす可能性がある訳で。どんどん使ってみりゃ良いんです。問題が出てきたら調整したら良い。

やらない機会損失の方が勿体無いって発想に何故ならないのか…なんて思いながら弊社がTwitterの活用を通して得ている価値は例えば以下。

  1. 情報収集能力の劇的な向上

    個人としても上がりますが、情報を共有する下地があればチームとしても上がります。そりゃそうです。のべ4桁を越える情報源から日々何かしらの情報が入ってくる訳ですから。もちろん共有しなければ意味は無い訳で、それを可能にする仕組みは以前御紹介した夕方ミーティングです。各々が情報収集源を持ち、各自の判断で厳選したものが社内共有されるという形を取ってます。

  2. 機会損失を回避

    情報収集能力にも関係ありますが、以前にこんな事がありました。数時間でチケットが売り切れるというWWDC2011。いつ発表されるんだろうとヤキモキしてましたが、とある日の夜21:00頃に弊社@nakiwoから「出てますよ」とDM。まだ仕事中だった僕は即効で2枚(弊社@itok_twit@nakiwoの分)を購入した訳です。翌朝にはもう売り切れと。Twitterという個人が使うツールを会社での情報伝達インフラとしても利用しているからこそ出来た事です。

  3. 強力な口コミネットワーク

    弊社スタッフののべfollowersは普通に数千ですから、何か告知したり宣伝したりする時の媒体にもなります。しかも follow するという行為はその人の情報に興味があるという事ですから、リーチ先からコンバージョンする率は非常に高い。2009年にメビック扇町で開催したiOS関連イベントでは顕著に表れました。僕がtweetしてエンジニアがRTする事で拡散し、1週間でキャパ100人を優に越える申込がありました。

  4. 発信した情報のフィードバック

    これは最近気づいた事ですが、会社として発信した情報がRTされてエンジニアのタイムラインに現れる…そんな現象の数が多ければ多い程、それは反響があったという事を意味しています。直近の例では、エンタープライズiOSアプリことはじめ(1) 〜iDEPとDUNSナンバー〜というブログエントリ。RTされる事で反響の大きさを把握し、シリーズとして続けようという意思決定をする事が出来ました。

とまぁ幾つか列挙して見ましたが、他にもまだまだありますよ。情報の入りと出が重要な業界こそTwitterを全社導入すべきと僕は考えます。

この話をするとですね、「社員がずっとTwitterをやって仕事しなかったらどうするの?」って、お約束的なコメントを頂く事が多いんですがそれがそもそも疑問なんですよね。

冷静に考えればその手の「常識」を理解出来ていない人が生み出すリスクをヘッジする為に、新しいツールを全面禁止にして便益を享受できない状態を作る事ほど非合理的な事はありません。それをやってたらウチは上記のような利は得られなかったでしょう。-1 を気にする余りに +10 を失うのは損。

そんな心配するよりも、まずそんな心配をしないといけない状態にあること、つまりそんな人材を雇い入れてしまった経営者/マネージャの責任を追求すべきちゃうんかと。面白いのは僕の経験から言える事だけど「人事部」相当の人事担当部署がある会社は禁止する傾向にあるように思います。(採用を完全な現場権限にしていないと結局人的リスクが高くなるという僕的組織論の仮説根拠)

Doubt? © 2009 Sergio Patiño, Flickr

ウチはそのへん、人を見極めてるつもり。経営者の仕事だと思っているので。だからそんな心配は全然ありません。万が一 Twitter をずっと眺めて仕事が進まないようなら、それに大きな罪悪感と開発時間が確保出来なかったという後悔を感じるような常識的感性を持っているエンジニアにjoinして貰っていますし、何より信じている訳で。だから -1 なんて気にせず、というかそもそも -1 なんて存在しないので気にする必要もなく、Twitter からは +10 の恩恵を受けています。

Twitterを禁止してる会社を見ると、「勿体無い事やってるなぁ」「信じられてなくて可哀想だなぁ」と思っちゃいます、やっぱり。

この世の中全体は性善説では成り立ちませんが、入ってくる人をしっかり見極めれば組織内は性善説でokな筈なんです。性善説が合理的で最も生産性が高い事は誰しもが共感出来る事でしょう。それを国家レベルでやってるのがモナコだったりアジアのモナコを目指すシンガポールですよね。やっぱり性善説稼働出来る組織・社会はパフォーマンス高いんですよ。

Reflections © 2011 Dmitry Shakin, Flickr

と、またしても横道にそれそうになったので軌道修正。何が書きたかったかというと、Twitter を使いこなせる人だけを集めてTwitterを社内活用するのはお勧めですよという事でした。次回はTwitter使用を前提に独自開発した社内情報共有ツールについて紹介したいと思います。

 

■ 過去に紹介した弊社の取組み


2011.10.08 (Sat)

ご好評を頂いております天気予報アプリそら案内 for iOSが、2月半ばの公開以来80万ダウンロードを越えました。いつも御利用頂いておりますユーザ様に改めて御礼申し上げます。

レビューでコメントを頂いたりブログで御紹介を頂いたりする事も多く本当に有難う御座います。最近は僕らも把握しきれなくなってきており、知人から教えて貰って初めて知る事も増えてきました。最近でしたら例えば、

お天気アプリ迷ったら・・・現地予報すぐゲット「そら案内」がオススメ! 無料

こんな感じの女性向け(?)のサイトで御紹介を頂いていたそうで。iPhone/iPadが広く女性にも浸透している事を改めて感ずると共に、女性視線でも御紹介頂けるアプリであるという事にデザイン担当頂いたメタ・グラマーさんにも改めて感謝感謝です。

また、色々と口うるさい(苦笑)開発ベンダーである弊社とお付き合いを頂いて貴重な気象情報を常に提供して下さっている日本気象協会様にも御礼申し上げます。今後も共同事業としてどうぞ宜しくお願い致します。

国内の無料天気予報アプリは、そら案内 for iOS、ウェザーニュースタッチ、tenki.jpあたりが三大アプリと言って良いでしょう。美人天気もありますが、ちょっとジャンルが違うと思うので置いといて…。

そら案内 for iOS 1.2(無料)App
カテゴリ: 天気, ユーティリティ
販売元: feedtailor Inc. – feedtailor Inc.(サイズ: 9.3 MB)

ウェザーニュース タッチ 1.12.0(無料)App
カテゴリ: 天気
販売元: Weathernews Inc. – Weathernews Inc.(サイズ: 35.9 MB)

tenki.jp 1.2.2(無料)App
カテゴリ: 天気
販売元: 一般財団法人 日本気象協会 – Japan Weather Association(サイズ: 2.5 MB)

予め決まった地域の天気をパッと見たい方iPhoneアプリ初心者の方には、手前味噌ですがやっぱりシンプルなそら案内 for iOSがお勧めです。最新の v1.2 で高速化も図られたのでサクサク動きます。

42-15970867 © 2011 ccsdteacher, Flickr

ちなみに、レビューでよく頂く「天気予報が当たらない」というコメントは開発ベンダーとしては非常に辛い所でして(苦笑)、これはもう弊社としては日本気象協会様のデータを信じるしか無いんですよね :-)あくまで予報だという事をご理解頂ければと思うんですが、予報精度についてはこの手のアプリで等しく言える事なので時々考えてしまいます。どうにかならんかなーと。

まぁどうしようもないってのが今の所なのですけどね。あ、でも例えば予報が当たった外れたって情報はフィードバックできれば何か参考になるもんなんでしょうかね。今後の予報精度UPに繋がるとか。んー、信頼性が担保できないので難しいか…。

…と、ちょっと横道にそれそうなのでこのへんで止めときましょう。

一区切りの100万ダウンロードはまだ先ですが引き続き他アプリ同様にバージョンアップも検討していますので、今後ともそら案内 for iOSを宜しくお願い致します。発売間近の iPhone4S で初めてiPhoneワールドに触れられる方には是非使って頂きたいアプリです。


2011.10.06 (Thu)

iPhone4S発表の後に訪れた突然の訃報

ただただ驚いた。

jobsが変えた世界あってこそ弊社の今があります(iOSアプリ開発専門ベンダーですから)。jobsがいてAppleがあり、jobsがいてiPhone/iPadがあったのです。未来を引き寄せて見せ続けてくれたjobsに心からの感謝を。

jobsが創りだしたモノに人生を変えられた人は世界中にもの凄く沢山いて、僕もまたその一人です。

Macが無けりゃ決して無かった縁があり、iPodとiTunesが産み出したPodcastが無ければ出会わなかった人は数知れず、そこでの縁が無謀とも言えた創業期の支えとなり、今はApple製品に埋め尽くされる会社を iOS アプリ開発専門ベンダーとして経営し、同じ jobs WORLD に身を置く仲間と未来を創らんと共に仕事をしています。

jobsが有名なスタンフォード大学でのスピーチで言っていました。

「仕事は人生の重要な位置を占めます。それに満足したければ、自分の仕事が最高だと思うことです」

僕は今、自分が最高だと思える仕事をjobsが創りだした世界の中で生業として出来ている事に心から感謝しています。とても感慨深く、とても嬉しく、誇りですらあります。

jobsは未来を見せてくれただけでなく、未来を創り出すツールをも僕らに残してくれました。jobs が描いていたであろう未来の片鱗を、彼が残したツールを使って形にしてみたいと思います。あぁ、そんな事はiOSを使って誰かが実現するだろうと思っていたよ…とjobsが言ったかも知れないその「誰か」に僕らはなりたい。

jobs, 有難う。そして、お疲れ様でした。


2011.10.05 (Wed)

iOSデバイスはもはやビジネスデバイスとして認識されていますが、その導入方法/プロセスについては実はまだまだ知られていない模様でして色んな導入検討企業様やSIer企業様から質問される事が多いです。…のでボチボチ書いてみたいと思います。

Urban visions © 2011 Luis Molina, Flickr

■ iOS Developer Enterprise Program (iDEP)

まず基本中の基本から。iOSアプリのインストールというとAppStoreがすぐ連想されてしまいますが、業務用アプリの場合は不特定多数に公開されてしまうと困りますね。なので従来は

  • 開発途中のモノをUSBケーブルを介して限定的(100台まで)にインストール出来るAdHoc版という仕組みを使って配布
  • AppStoreに公開はするが認証の仕組みを入れる事で不特定多数からの使用を回避

といった方法を採る事が多かったのです。

…が、前者だと、デバイス追加の度にアプリを作り直し(ビルドし直し)しなくちゃいけない煩わしさや100台までという制限が問題になったり、後者だと更新がすぐに出来なくて運用開始後が大変という問題を抱えていました。アプリの配布(distribution)のやり易さは、企業インフラを成すシステムの成否を決めるので、その意味で上記の従来型なスタイルは会社規模が大きければ大きいほど全然ダメです。

この問題を解決するのが、iOS Developer Enterprise Program というライセンスの形態で、Appleと締結するライセンスの一種です。Enterprise以外にはお馴染みStandardとか、大学向きのUniversityとかがありますね。

(企業向けiOSアプリについて解説したセミナーのスライドから。)

iOS Developer Enterprise Program は業界では通称 iDEP (アイデップ)と呼ばれており、

AppStoreを介さずにデバイス無制限に配布出来るアプリが作れる

という超強力な特徴を特徴を持っています。その名の通り企業向けの為のライセンスでして、

  • 運用開始後にデバイスが増えたから…といって何か特別な事をする必要は全くない

    (冒頭のAdHoc版による運用だとデバイス追加の度にリビルドが必要)

  • AppStoreを介さないので任意のタイミングで最新版を配布出来る

というメリットを享受できます。そんな良い事づくしなアプリケーションをInHouse版アプリとかInHouse版バイナリとかって呼んだりしますが、何故、それを使わずに冒頭のようなAdHoc版を使ったり認証付きアプリとしてAppStoreに公開するなどの周りくどい事をやっていたかというと、理由はただひとつ。iDEPは500人の従業員を抱える企業しか取得できないライセンスだったからです。それが2010年夏に解禁になりました。極端な話、1人でやっている会社でも取れるようになったのです。これを使わない手はありません。

iDEPによるInHouse版バイナリは使い出すとホント手放せなくて、(また改めて御紹介しますが)OTAという技術と組み合わせて使うと社内にオレオレAppStoreが作れてしまうという、これまた超強力な特徴を持ってます。例えば、

  1. iOSデバイスを追加購入
  2. 当該デバイスでSafari起動
  3. あるURLを入力
  4. はい!社内専用アプリのインストール完了!

みたいな事ができてしまします。AppleIDの登録/設定も不要だし、UDIDを調べる必要もない。リビルド不要のデバイス制限皆無って訳ですから、まさにフリーダム。

自由にハンドリングしたい企業内の情シス担当者にとっては理想形、iDEPはそんな企業の為のライセンスです。が、ただ自由には義務や責任が伴うもので、iDEP締結に至るにも、iDEPの契約を維持するにも、必要な事や守らなくちゃいけない事が沢山あります。

  • もしiOS Developer Standard Program を既に契約していれば、それとは別のAppleIDが必要
  • 申込時は企業の実在を証明するDUNSナンバーと登記簿謄本が必要
  • InHouse版アプリが不用意に関係者以外にインストールされないように厳重に管理する事
  • InHouse版アプリを使用出来るのは、契約主体法人の従業員やスタッフなど「中の人」に限る事

取得手続きはそんなに難しくありません。所要時間だけが気がかりで今なら2,3週間~2ヶ月程度でしょうか。弊社が自社分を契約した時は5日程度でいけたのですけどね。あの頃は良かった…(遠い目) まま、いずれにしても、業務用の専用iOSアプリを考える企業様は早め早めにiDEP申請を進めた方が良いかも知れません。

ちなみに、年額ランニングコストがかかります。上に表を載せた通りですが、円高の影響を受けてか元々年間¥33,800だったのが何と¥24,800という驚きの価格になっていますので、今が買い時!?かも知れません。まぁ当面高くなる事は無いと思いますけど。

■ DUNSナンバー

iDEPの申込に必ず必要になります。DUNSナンバーは東京商工リサーチさんが(国内では)管轄している、企業の実在を証明するコードの事です。これも必須となりますのでご注意を。

このページの「DUNSナンバー検索」から自社名を入力してみましょう。240万の企業が登録されているらしいので、ほとんどの企業は検索ヒットする筈です。じゃぁお金はいらないのか?というとそこは巧く出来ていて、DUNSナンバーだけ確認する事が出来ないようになっています。んで、それを教えてぇ〜とお金を払うという仕組み。

単に番号だけで良いのか、証明書的なモノをセットにして欲しいのか、スピード発行して欲しいのか…によって料金は違いますが全然高くありません。手続きも登記簿謄本のFAX送付が必要になったりするものの超簡単。無事に発行されると、こんなものが送られてきます。

ご丁寧に日英2通です。しかも当該のデータが入ったCDもセットにしてくれてるという。至れり尽くせりな感じです。途中問い合わせでTELしたりしましたが担当の方も親切で余り心配する事はありません。

ちなみに上場企業さんだったりすると既に取得されている可能性がありますので、まずは総務部とか、該当しそうな部署に確認される事をお勧めします。

という事で、iDEPDUNSナンバーについて御紹介をしました。エンタープライズ系は書けそうな事が沢山あって、InHouseバイナリでやってはいけない事、規約上実現不可能なビジネスモデル、InHouseバイナリとiPhone構成ユーティリティを組み合わせたアプリ絡みの安心運用スタイル、InHouseバイナリとOTAで実現するオレオレAppStore、MDM、InHouseバイナリで業務アプリを作るにあたっての注意点…などなど。

こんなコンテンツ需要ありますかね。どうだろ。

まぁノウハウはシェアしようが僕の基本スタンスなので需要なくても順次勝手に書いていきます(笑) もちろん、AppleとのNDAに抵触しない程度にですが。

あ、ちなみにエンタープライズiOSアプリの導入コンサル的な事もスポットでやっています(継続料金が発生しないコンサルティング)。実績もありますので御安心を。

iDEPにまつわるノウハウって余り出回っていないのですが、きちんと体系立てた説明があると社内展開も戦略的に進めますので時間の節約にはなると思います。導入検討企業様やSIerさんで御入用の方がいらっしゃいましたらお声がけ下さい。宜しければこちらからどうぞ。