先のエントリにも御紹介した通りですが、行って参りました。上京する時は原則始発新幹線にのる事にしているのでルールは変えず、6:00発の8:30着。お馴染みルノアールでお気に入りのゆずティーを飲みながら仕事を4,5時間。あいにくの雨模様でしたが、会場のホテルメトロポリタンエドモントへ、いざ。

開始前の会場内写真。最初の5つ、89年の五大シャトーが並ぶテーブルを背後に、

手元にはメモとかシートとか。

そもそも僕は高級なワインを口にした事が無かった訳ですので(ワインを日常的に飲み始めたのが半年前だし)、この時にはまだウルトラなワインの凄さを想像できる筈もなく、ただただどんな味がするのだろう?というだけの期待で一杯だった感じ。

これが甘かった。そんな生易しいものではなく、ワインが味以上の愉しみを持っている事を半端無く思い知らされる事になります。

 

一つ目に戴いた1989 シャトー・マルゴー。

もうね、この時点でですね、すいません僕が悪かったですと言わざるを得ない衝撃が走ります。決して大げさな表現ではなく、透き通るようで爽やかな高貴な香りに、口から出た言葉は「神の雫」に出てくる遠峰一青ばりの「おおお…」ですよ。ビックリした、ホント驚いた。

グラスを回して再び香って「おおおお…」、もちろん口にして「おおおおお….」、余韻で「おおおおおお….」。いぁホント語彙力なくてスイマセンなんですが、違う世界を垣間見た感じで言葉が出なかったというのが正直なところ。

きっとソムリエさんやワインを長年嗜んでいる方からすると、タンニンがちょっと…とか、翳した時のグラスの縁のガーネット色が…とか、難しい話になるのでしょうけど、初心者の僕は良くも悪くも表現する知識も経験も持ちあわせていないので、構える事無く理屈っぽくなる事もなく受け止める事ができました。

その後、ラフィット → ラトゥール → ムートン → オーブリオンと続き、こんな感じに。

全部が全部個性的で、(当たり前なのでしょうけど)香りも違えば味も違うし、時間と共に変化する様子も全然異なってるし、これほどまでにワインって興味深いものなのかと衝撃を受けた次第です。僕が5大シャトーの中で一番気に入ったのはムートン。まろやかで深みのある香りに強烈に惹かれ、特に時と共に変わる様子が他に比べて顕著だった事に魅了されました。(不思議なのや変わったのが好き)

そして

1955年のドン・ペリニヨン、

1956年ロマネ・コンティ・グラン・エシュゾー、1983年シャトー・ペトリュスと続き、

1986年シャトー・ル・パン、1911年シャトー・ラ・サラグル、1923年シャトー・マルゴー…と、もうこのへんになると写真撮るのも忘れてますよ、もはや。手元のメモにも「圧巻」としか書いてないし(笑)

後半戦は5大シャトーよりも衝撃の走るワインが続いて、ただただ唸って溜息を出すしかありませんでした。圧巻、そして圧倒された感じで、繰り返しになりますが言葉にならず語彙力の無さを残念に感じた次第です。

さて、今回、始めてワイン会なるものに出席して、しかも初回にして凄いワインたちと出会えた訳ですが、ワインを中心に自分の中で色んな物が変わりました。

ワインは自分が思っていたより遥かにずっと愉しくて感動的ですらある。これは間違いなく強く強く感じた事です。特に香りの重要さ。ぶどうですよね?ぶどうなんですよね?と何度も何度も問いかけ反芻してしまう程の不思議感が味よりも香りに際立っているなと思いました。(テイスティングのプロセスで2回香りをかぐのはこの為か)

あと、重要だと感じたのが「人」の存在。

同じテーブルでワインを愉しみながら言葉を交わし共に溜息を付くことの面白いこと、面白いこと。ワインに「人」が出ると聞いた事がありますが、作り手の「人」が出るのは当たり前で(残念ながら作り手についての知見は持ってないので僕には分からない)、香り手・飲み手の「人」も出るのかなと。今回、同じ想いで臨むメンバーと共にワインと対峙する事が愉しく感じたのですよね。自分も含め次々とワインに良い意味で打ちのめされるシーンは微笑ましくもあり :-)ワインがビジネスツールたる所以はここにあるんだろうという気付きを得た次第。

そして、ワインやその関係者に対する畏敬の念。1911年シャトー・ラ・サラグル、そして何故か1986年シャトー・ル・パンを口にした時にも感じました。「素晴らしい。時と共に流れた汗や血すらも感じる」とル・パンの感想欄に僕は書いていました。時を飲むという感じなんでしょうかね。いやはや、ほんと凄い。

味と香りと時と人。ワインの魅力が広く深い事を一度に思い知らされました。行って良かった、本当にそう思った次第です。分かり易い解説を各ワインに添えて下さったソムリエ佐藤さんのブログに詳細が記載されてますので宜しければどうぞ。

ドレスコードがあったので自分の服装がいつもの雰囲気と違う :-)

主催の元HUGO社長で今は冒険家の加藤さんとの写真。素晴らしい会を有難う御座いました m(__)m ちなみに僕が手に持つボトルは1989年ムートンです。個性的な香りに魅了されて、ボトルを頂いて帰りました。以下は並ぶ11本のワイン達。

本当に素晴らしい体験が出来ました。第2回は11月に開催とのこと。是非また参加したいと思います。