2008.02.04 (Mon)

今年もこの季節がやってまいりました。総合ITカンファレンスの「Developers Summit 2008」。

Developers Summit 2008 - 30C730D630B530DF2008FF1E30BF30A430E030C630FC30D630EB

昨年までは実際に参加する等という事はなくて参加レポートをブログ等々で読む程度だったのですが、今年は自ら足を運んで参ります。東京での打ち合わせついでに。

越境しよう!コードで世界を変えよう

全てのデベロッパーは、ITで世界を変えていく力を自身の中に秘めている。オープンソース・プロダクト・コミュニティへの参加や、お客様のシステム、サービスを作ることの中で、コードを通じ、日々未来を創造しているのです。

こんなコンセプトで開催されるのだそう。

コードが世界を変えってのは僕も常々感じているところ。このイベントで、同じような考えを持つ、アツき先輩開発者スピーカーの皆々様から溢れ出る情熱・想いを沢山浴びて刺激を受けてきたいと思います。

 

自分的メインは14日の午後。以下の受講を予定しています。

当日はこれらへの参加と、別件の打ち合わせで終わってしまいそう。参加レポートは追ってまた書いてみたいと思います。


2008.02.02 (Sat)

大量に本を買っては読み買っては読みを繰り返している2008年。既に読了しているものからマーケティング本を一つ。

4569657176 「感性」のマーケティング 心と行動を読み解き、顧客をつかむ (PHPビジネス新書)
小阪 裕司
PHP研究所 2006-11-18

by G-Tools

    <p>
      良書です。★5つ。
    </p>

    <p>
      自ら作り出している商品やサービスがあったり、既存のモノに新たな付加価値を載っけて提供するビジネスの現場にいる方に、是非とも手に取って頂きたい本です。
    </p>

    <p>
       
    </p>

    <div style="border:1px solid gray;background-color:#eee;padding:5px;font-size:90%;">
      <ul>
        <li>
          あるお店の売上が前年比30倍になった
        </li>
        <li>
          破損して不良品となった商品が定価のまま売れた
        </li>
      </ul>
    </div>

    <p>
      こんななかなかありそうにない事も、ヒトの「感性」というモノに働きかけるだけで実現可能である事を、実例を交えながら強く強く強く!説いているのが本書。
    </p>

    <p>
      ヒトを観察し、ヒトの心の動きを想像し、ヒトの言動の源泉を思い描き、とにもかくにもヒト、ヒト、ヒト。
    </p>

    <p>
      商品が悪いから売れない?値段が高いから売れない?
    </p>

    <p>
      <strong>それは決して違う</strong>と著者は断言します。間違った考え方であると。商品やサービスのせいにしてはいけない、売れない原因は「<strong>お客様の消費行動のデザイン</strong>」を行っていない事にある。
    </p>

    <p>
       
    </p>

    <p>
      <strong>ヒトの行動がなければ売上はない<br />そしてその行動を生む源泉は感性である。</strong>
    </p>

    <p>
       
    </p>

    <p>
      自分の提供する商品やサービスを手にしてくれるお客様が、どんな人で、どんな風に商品に興味を引かれ、どんな風にお金を支払い、どんな風にそれを使い、どんな風に喜びを感じ、どんな言葉を残すのか&#8230;
    </p>

    <p>
      想定し得るお客様が、脳内で映像化出来るぐらいに想像できること&#8230;、商品とお客様の出会いを序章とする物語を描ける程でなければならないと、説いているような気がしました。
    </p>

    <p>
       
    </p>

    <p>
      <strong>お客様になりきる。</strong>
    </p>

    <p>
       
    </p>

    <p>
      ビジネスの基本に改めて目を向けられた感じでしょうかね。
    </p>

    <p>
      また本書は、抽象論だけではなく、<strong>感性でビジネスを組み立てる為に使える3原則</strong>や、<strong>今すぐに出来る3つの取り組み</strong>など、具体的なアクションについても言及されており、読了後にすぐ行動が起こせるような本になってます。
    </p>

    <p>
      読み終えた僕は、「お客様はどう思うだろう?どう感じるだろう?(購買という)行動を起こして貰う為にもっと何が出来るだろう?」&#8230;と以前にも増して考えるようになっていました。
    </p>

    <p>
       
    </p>

    <p>
      また良い本に巡り会えたと思います。これを読み終えた直後、開発中のソフトウェアに比較的大きな変更を加えた次第。それが営業先で良い評価を得た事を最後に付け加えて書評とさせて頂こうと思います。
    </p>

2008.02.01 (Fri)

2008年のいぁ近年まれに見る大ニュースですね。

Yahooの経営状況を見ても拒否する事は現実的ではないというアナリストもいてますし、Yahoo自身も否定はしておらず市場も好感していると、色々な事実をかき集めると Google 対 MicroYahoo!(仮) の戦いが現実のモノとなりそうです。

skitched-20080202-065239.png

…が、これは僕の見解ですが、それでもやっぱり Google には勝てないんじゃないでしょうか。というのも、どうしてもネットの世界における迷走組がくっつくようにしか感じられないんですよね。

Live!戦略が全くもって振るわず、検索市場じゃ Google1番、Yahoo2番、Microsoft3番…どころか3番手としてすら名前があがらなくなってきているMicrosoft。片やYahooはCEOの交代も即効性のあるカンフル剤にはならず業績も芳しくない

対するGoogleは「世界中の情報を体系化し、アクセス可能で有益なものにする」という明確な使命の元に次々と手を打ち出してきて、相も変わらずの業績の好調ぶりは世界がGoogleを受け入れている事を示しています。統計を見てもそれは明らか。

 

Google, Yahoo, Microsoft がそれぞれ33.3%のシェアを持ってるなら、今回の買収で圧倒的優位に立つんでしょう。「これで2:1だ!」みたいな。でも、現実はそうじゃありません。直近のデータが示す所に寄れば、以下のようなシェアが現状ですから。

skitched-20080202-064411.png

迷走する2社が一緒になってもせいぜい30%足らず。対するGoogleは7割に迫ろうかというシェアを獲得している訳で、規模感を見てもどうなんだろうか…という感が否めません。

その他、検索以外に考えを巡らしてみると、MicrosoftがYahooを買収する事で起こりそうなサービス単位の混乱は、Adobe による Macromedia の買収時に懸念されたプロダクトの衝突なんかとは比較にならないと思います。

 

■ 規模の問題じゃない

でも、そんな規模の話よりも、僕はユーザーの各社に対するアクションや意識の根底に歴然とした差がある事に大きな問題を感じています。

YahooとMicrosoftに共通していると思っているのですが、彼らのサービスやプロダクトを使っているユーザーは消極的選択をした結果それを使っている場合がほとんどだと思うのです。

「Microsoft大好き!」ってまず聞かないし、「Yahoo大好きなんです!」っていう声も余り聞いたことがない。どっちかっていうと、最初に触ったから使ってるとか、仕方なしに使ってるとかそんな感じ。(ウェブ系では全然ありませんが Windows は典型的な消極的選択の例)

対するGoogleは、積極的選択あるいは熱狂的支持と言っても良いでしょう。Google大好き…とまでは行かないとしても(いぁそういう人も多いですが)、Googleを使いたいからGoogleを使っている方が大半を占めると思うんですね。Simpleさが好きとか、精度が高いから好きとか、GEEKっぷり満載な社風が好きとか…、何かこう惹きつけるものに引き寄せられてる感じ。

「Google使ってたんだけど、Yahooに変えたわ」とか「Googleお話しにならんから、やっぱりMicrosoftだよね」って例が余り無いのに対して、その逆は多いです。

 

規模の差に加え、ユーザーの意識の差、それを考え合わせると Microsoft が Yahoo を買収しても検索界の巨人 Google には勝てないだろう…というのが僕の思うところです。今回の買収で満面の笑みを浮かべるのは、60%以上のプレミアム付きで株を買い取って貰える、かつてYahooの将来に期待してホルダーになった株主であって、ユーザーではないでしょう。

Microsoftがかつての繁栄から陰りを見せつつあるのと同様、Googleもいつかは斜陽していくのでしょうが、その繁栄ぶりを脅かすのは Yahoo を吸収した Microsoft ではないんじゃないでしょうかね。

 

ちょっと横道にそれまくりですが、積極的選択や熱狂的支持でもってユーザーに受け入れられているという意味では、Apple の存在がすぐに思い浮かびます。

消極的選択で使われている「ネット界のYahoo・OSのMicrosoft」、これに対して積極的選択で使われている「ネット界のGoogle・OSも持つApple」。こんな構図って無しですかね。

まぁ後者が買収・被買収の関係になる事はあり得ないと思いますが、こんな構造になればもっと面白いなと、後者の組み合わせにドップリ使っている僕は思ってみたりしています。


2008.01.31 (Thu)

世間ではPHPがダメ言語という議論が白熱している今日この頃ですが皆様如何お過ごしでしょうか。そんな時はアツくならず、ちょっとアートに目を向けて癒されようじゃありませんか。

skitched-20080131-211008.png

ウェブを徘徊していて見付けたモノ。これ、何だと思いますか?動物の絵って事はすぐ分かるのですが、よくよく見てみると…。

 

これ、手をキャンバスに絵を描いてるんだそうです。

作者は Guido Daniele というイタリアはミラノで活動されてる Body Painting のアーティスト。手に描くことが本業だったら面白すぎるのですが、そういう訳でもなさそうです。

とにもかくにも、描かれた動物が一見すると本物に近い質感に仕上がってて、新鮮過ぎます。手に描く動物という事で Handimals というそうな。

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オフィシャルサイトで色んな作品を見る事が出来ますので、手に住まう動物達を是非お楽しみに下さいませ。Handimals のページはこちら

 

他にも、静止画のスライドショーではありますがYouTubeに動画がアップロードされています。



何だかホントに動き出しそうなぐらいにリアルな動物達ですね。ここまで細部にこだわる作者に感服であります。

このアートを眺めて、細かいところにまで手を抜かずに全体として完成度の高い仕事を目指そうと思いました。さて、仕事に戻りましょうか。


2008.01.29 (Tue)

2008年、技術的に面白そうな事は何ですか?

と聞かれたら、もちろん当社の専門であるRSSはもちろん、XML関係ですとXBRLとか、ウェブマーケティングな視点も加味すると動画ですとか、まぁ色々と上げられる訳ですが、開発者という視点から上げるとすれば文句なしに Adobe AIR なのです。個人的に、あるいは当社的にも。

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Adobe AIR は、PhotoShopやPDF等で皆さんよくご存じの Adobe Systems が開発を進めている、マルチプラットフォーム対応のアプリケーション実行環境。

という定義だけを見てると、どうしてもIT系の人間以外にはピンと来なかったりするのですが、簡単に説明すると

HTMLやCSS、JavascriptやFlash…等々のウェブ上を基本としていた技術でもってデスクトップ用のアプリケーションを開発/提供できる環境

のことです。(厳密にはもうちょっと書かないといけませんが、ここでは省略)

デスクトップ用のアプリケーションというと、例えばPhotoShopやOutlookとか、Windowsで言うところのスタートメニューから起動するものですね。

従来、この手のアプリケーションを開発しようとすると特別な言語の習得が必要でした。細かい話をあえて無視して言うと、WindowsだったらC#とか(他にもありますけど)、MacならObjective-Cとか(これもOSX以前だとちょっと違う)ですね。

ようは、世界が全く違った訳です。だから、

  1. ウェブシステム/ウェブページを制作しますよーっていう事業
  2. デスクトップ用のアプリケーションを作りますよーっていう事業

を両方やってる会社は余りありませんでした。

(1)だけとか、(2)だけとか、両方必要な場合は片方を外注するとか、そういう形態が多いんですね。身近な開発会社(特に中小)を想像して頂くと、だいたいそうだと思います。(ちなみに、弊社は(1)も(2)もやるという会社です)

 

ところが!!

 

(1)だけの技術しか持っていない企業でも、既に持ってる技術(HTMLやCSS, JavascriptやFlash)で、(2)も提供できるようになってしまうのが Adobe AIR なのです。

身近な例だと、Windowsのノートパッド。

これを (1) を専業にする企業が開発するって事は想像しにくいですよね?どっちかっていうと(2)でしょう。でも、Adobe AIR によって (1) の企業でもノートパッドが作れます。自分とこのソリューションをスタートメニューから使って頂ける。

もう一つ例を挙げましょうか。

あるブログサービス提供事業者がいるとします。ブログを書くインターフェースはブラウザからではどうも使いにくい。じゃぁ Adobe AIR で専用のブログエディタを提供しよう!そうすりゃ、デスクトップ上の画像ファイルのドラッグ&ドロップで画像をアップロード出来るし、ブログシステムへ記事を保存すると同時にブロガーのパソコン内にもバックアップファイルも作ってしまえる

…まぁ誤解を恐れずに極端な例をあげると、こんな感じでしょうか。

今日のニュースに上がっていた、

ペパボとAsk.jp、Adobe AIRに対応した動画アップロードツール「JUGEM Desktop」を提供
JUGEM Desktopは、ウェブカメラで撮影した動画を直接アップロードできるデスクトップツール。アドビシステムズが開発した、OSやウェブブラウザに依存せず利用できるデスクトップアプリケーション実行環境であるAdobe AIRに対応

なんかは典型的な例ですね。

このように、巧く使えばサービスの質を上げられる訳です。これって凄い事だと思いませんか?ウェブ系の事業者の可能性がグンと広がるのは想像に難くないでしょう。

従来通りウェブサービスを作り、それを補完するツールをAdobe AIR のアプリケーションとして提供する。あるいはウェブに繋がっていること前提のサービスなんだけど、Adobe AIR アプリケーションのみで提供…という形態もあるでしょう

 

唯一の課題は、Adobe AIR という環境が既にインストールされているパソコンでないと、Adobe AIR 用に作ったアプリケーションは動作しないという事。

要は、Adobe AIR という環境が普及しない事には幾らAdobe AIR上で動作するアプリケーションを作っても意味が無い訳ですね。

でもPDFを世界中で当たり前の存在にしてしまったAdobeです。そして、ウェブブラウザ上でインタラクティブなコンテンツを提供するFlashを世界標準にしたMacromediaを買収した企業でもある訳です。

僕は、Adobe AIR が標準になるのも時間の問題だと思っています。Adobe Reader が多くのパソコンに最初からインストールされているように、Adobe AIR も最初からインストールされているという時代もやってくるでしょう。

skitched-20080129-220135.png

(Adobe が AIR 認知度向上の為に米国内を走らせたバス。注目すべきは、まだ正式発表されていないにも関わらずこんな事をしているという事。本気度をうかがい知れる一つの出来事です)

 

そんな訳で、2008年の注目技術の一つ、Adobe AIR のお話でした。無論、当社でも昨年の早い段階から Adobe AIR には取り組みは始めており、遅くとも今年の春までにはAdobe AIR 向けのRSS関連アプリケーションの提供を開始する予定です。

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リリース予定のAIRアプリケーションのアイコン

詳細はまた改めて書きたいと思います。


2008.01.22 (Tue)

ずいぶん前に買って放置状態だった本。

4839924767 大人が知らない携帯サイトの世界 ~PCとは全く違うもう1つのネット文化~ [マイコミ新書] (マイコミ新書)
佐野 正弘
毎日コミュニケーションズ 2007-09-08

by G-Tools

    <p>
      自分的には★4つ。ひとくちにインターネットと言っても、PCから見えるインターネットとケータイから触れるインターネットとでは全く世界観が異なる&#8230;。それを各種の統計やエンドユーザーを含めた関係者へのインタビューを交えつつ、iモード創成期からケータイサイトに関わってきた筆者が綴る新書。多分、1時間ちょいで読み切れます。
    </p>

    <p>
      普段PCをメイン、ケータイを使うとしてもサブぐらいの扱い、例えばケータイでmixiを見る程度&#8230;とかそういうスタイルの人間には新しい発見が多いです。
    </p>

    <p>
      インターネットの事がよく分からないという世代(ウチの親なんて典型ですが)の方々から見たインターネットって、こういう感覚なんでしょう。
    </p>

    <p>
      <strong>あ、全然、違うわ。この、楽しみ方、分からねぇ&#8230;</strong>
    </p>

    <p>
      と、恐らくPCを理解できない(興味がない)方々が<strong>PC=インターネット</strong>の我々に対して持つのと同じような感想を、僕は<strong>ケータイ=インターネット</strong>という捉え方をしている方々に対して持ちました。この本を通して。
    </p>

    <p>
      ケータイ小説とかプロフとか、実態は理解できるけど、その中にどっぷり浸かれるかと問われたら完全にNO。単純な時間軸的切り口で世代の格差って言い切ってしまうのもどうかとは思いますが、世界の違いを改めて強烈に感じたのは否めません。
    </p>

    <p>
       
    </p>

    <p>
      だから無関心のままでいよう&#8230;&#8230;とはいかないのが難しいところですね。
    </p>

    <p>
      <strong>ケータイ=インターネット</strong>という世代が社会進出をしてくるのは間違いない訳で、特に学生が主である今のケータイ世代が社会人となり資金力を持てば経済的な影響力は計り知れません。その意味で、ネットに少しでも関係のある立場にあれば、理解できないだの、どっぷり浸かれないだのと、言ってる場合では無いんでないかなぁと自戒の意味も含めて思った次第。
    </p>

    <p>
       
    </p>

    <p>
      ずいぶん前に読んだ
    </p>

    <table border="0" cellpadding="5">
      <tr>
        <td valign="top">
          <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844322958/feedtailor-22/" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/21DZBS3RXZL.jpg" border="0" alt="4844322958" /></a>
        </td>

        <td valign="top">
          <font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844322958/feedtailor-22/" target="_top">Mobile2.0 ポストWeb2.0時代のケータイビジネス</a><br />宮澤 弦 椎葉 宏 片岡 俊行 <br />インプレスジャパン 2006-08-31</p> 

          <p>
            </font><font size="-2">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td> </tr> </table> 

            <p>
              は、いわゆるPC世代の評論家が書いた書籍だったので、これに比べるとよりリアル感があるでしょうかね。ケータイの世界と、その世界のお客様であるケータイ世代を理解する為のちょっとしたヒントを得たような気がします。
            </p>

2008.01.21 (Mon)

この連載は、「RSSって最近きくけど一体なに?」「RSSって漠然としか分かんないんだよね」という方の為のRSS講座です。

業種や肩書きを問わず、普段インターネットに接していて、且つ情報収集スキルの向上に強い興味をお持ちの方に読んで頂ければと思っています。

 

前回 RSSが起こす情報収集術革命(1) では、

  1. RSSが全然難しくないこと
  2. RSSを使えば情報収集効率が劇的に向上するということ

について書かせて頂きました。今回はRSSが密接に関係している情報収集というものについてもう少し突っ込んで書いてみようと思います。

ちなみに今回もRSSの利用方法みたいな話は出てきません。それは少し先の話。今回と次回はRSSがどういうものか理解して頂く為の座学的な話を続けます。

 

RSSは新しいテクノロジ

新しいテクノロジには必ず存在理由があります。不可能を可能にしたり、不便を便利にしたりするからこそ新しい物には意味があり、世に受け入れられていく訳です。

無論、RSSも同様。「インターネットを使った情報収集」において、多くの不便を便利にして沢山の不可能を可能にしています。

気がついているヒトはもう既にRSSを使いこなしていて、「インターネットを使った情報収集」でこれまで不便だとか不可能だとか思われている事を難なくやってのけているのです。(前回の最後を御参照下さい)

RSSを使っているのか、はたまたRSSを知らずにいるのかが、情報収集の量と質に格差を生もうとしていると言っても過言ではありません。従来にない全く新しいモノが人に劇的な変化を与えるように、RSSは人の情報収集に大きな影響を与えます。RSSは、情報収集の為の全く新しい技術だからです。

ここで、少し情報収集というモノについて整理しておきましょう。

 

情報収集には2種類ある

一言で情報収集と言っても、2種類の情報収集がある事を皆さんは体験として気付かれていると思います。具体的な話だと分かり易いかも知れません。

「株式投資」について興味がわいて図書館に行って調べる、あるいは本屋で分厚い単行本の棚を物色したとしましょう。そうすると、株式投資の「今まで」は分かりますね。

株式市場がどんなものか、投資スタイルにはどんなものがあるか。近年だとジェイコム株誤発注事件があったとか、直近ではサブプライムローン問題でどうだこうだとか。

重要なのは、得られる情報があくまで「今まで」の事であるということです。

540D79F0672A8A2D5B9A

じゃ、それで十分かというとそうではないですね。株式投資のこれからを知り続ける必要があります。興味があって自分の資産がかかってるなら尚更でしょう。株式市場がどうなっていってるか、今のトレンドは?話題性のある事は?持ってる銘柄の関連ニュースは?金融庁の動きは?…等々を、ずっとずっとずっとWatchする。

つまり「これから」の情報を継続的に得続けようとする訳ですね。

540D79F0672A8A2D5B9A

 

この2つ、情報に対する構え方が異なります。前者は「今まで」を得る情報収集、後者は「これから」を得る情報収集。

構え方が違う訳ですから、重要とされる事も異なっています。前者は収集する対象となる「情報の量や質」が何より重要なのに対して、後者はそれらに加えて得続けること、つまり「継続性」も重要とします。いぁ「継続性」は、量や質より重要であると言っても過言ではないでしょう。

継続しなきゃ意味ないですから。

2008年元旦の情報で立ち止まってはいけない訳です。ずっとずっと情報収集し続ける必要がある。自分にとって重要なテーマであればある程、情報収集に継続性を持たせなければなりません。これは直感として分かって頂けると思います。

「今まで」を知り、「これから」を知り続ける。情報収集とひとくちに言っても、情報に対する構え方は2種類あるという事です。

 

RSSは継続的な情報収集専用の技術

何故、先のような話をしたか。それは、RSSが何のための技術かを理解して頂きたい為です。

もうおわかりと思いますが、先の項で書いた2種類ある情報収集のうち、後者の方、つまり「これから」を知り続ける継続的な情報収集に特化した技術がRSSなんですね。

RSSとは?…って調べるとよく分からない解説が沢山出てきますが、実はもっと簡単に表現する事が出来ます。僕がお話しさせて頂くRSSセミナーで使っているRSSの定義は以下の通り。

インターネットを使って継続的に情報収集する為の全く新しい仕掛け

小難しい横文字やアルファベットなんてこれっぽっちもいりません。RSSは継続的な情報収集を行う為の技術です。ただ、それだけ。

540D79F0672A8A2D5B9A

「これから」の情報を継続的に得続ける為の技術です。図の青色の部分がその対象。

ですから、インターネットを介して何かしら継続的に情報を得続けたいという人には使えるツールである一方で、別に継続的に何かを知りたい事は無いという方には全く持って役に立たない技術である….という事ですね。全ての人に幸せをもたらす訳じゃぁない。

使う人を選ぶんですね。ただまぁ、前者である方が多いと思います。

もう一度、復習です。RSSとは何か?と誰かに聞かれたらこう答えましょう。

RSSとは

インターネットを使って継続的に情報収集する為の全く新しい仕掛け

です。

 

 

[次回予告] RSSが必要な理由

継続的に情報収集する為に使える技術である事は分かった。でも、ウェブサイトをマメにチェックすれば良いし、メルマガというメールを使った仕組みもある。それで良いじゃん。

…そう思われた方に、何故RSSが必要なのかを次回は解説してみたいと思います。

ウェブページもメールも重要な情報収集ツールですが、「継続的な」情報収集を行うツールとして使おうとした途端に破綻して、使えないツールになってしまうという事をお話しする予定です。


2008.01.13 (Sun)

JavaScript第5版読書会#2に行ってきます

先日より始まった

4873113296 JavaScript 第5版
David Flanagan 村上 列
オライリー・ジャパン 2007-08-14

by G-Tools

    <p>
      この本を順番に読んでいく読書会(<a href="/wp/?p=33">#1に参加しての感想エントリ</a>)。その第2回が遂に開催される事になりました!!
    </p>

    <p>
      場所は我らが(?)大阪産業創造館です。時間は朝の9:30から17:00、そして今回は懇親会付きで20:00までと、非常に濃くなりそうな、開発者の為の開発者による開発者の一日となりそうです。
    </p>

    <p>
       
    </p>

    <p>
      当社創業時に大変お世話になった大阪産業創造館(通称:産創館)で JavaScript の勉強会が出来る貴重な機会。前回の読書会では、普段順番に読んでいく事の余りない分厚い書籍(JavaScript第5版は暑さ3.5cm)を読む楽しさも体感したとあって、今回も案内メールがくるなり参加表明、1Click!!
    </p>

    <p>
      尚、今回は LT(Lightning Talk) という1人5分から15分程度のプレゼンを立て続けに行う発表会も一緒に行われます(LTは開発系以外のイベントでもやっても良いんじゃないかなぁ。ちなみに1分間スピーチとは全然違います)。
    </p>

    <p>
      内容はもちろんJavaScript関連で
    </p>

    <ul>
      <li>
        Web上でのゲーム製作
      </li>
      <li>
        Mozilla Developer Center 翻訳事始
      </li>
      <li>
        Inside JSmarty.Plugin
      </li>
      <li>
        今さらながら Twitter API + JavaScript で自作アプリ
      </li>
      <li>
        単に自分の開発経験を(話せる範囲で)話そう
      </li>
      <li>
        Script.aculo.us の UnitTest の使い方
      </li>
      <li>
        Javascriptで無限ループを実現するn個の方法
      </li>
      <li>
        JavaScriptから見たHaskell
      </li>
      <li>
        Flex &#038; de.popforge.audioライブラリを使ってリアルタイムで音生成と再生
      </li>
    </ul>

    <p>
      等々と盛りだくさん。JavaScripterならずとも興味が沸くってもんでしょう。
    </p>

    <p>
      という訳で、<a href="http://groups.google.co.jp/group/kanasanjs/web/kanasan-js-javascript52">詳しい案内は Google Group の該当ページ</a>をご覧頂くと致しまして、もう明日に迫ってるのですが興味おありの方は参加してみては如何でしょう?
    </p>

2008.01.06 (Sun)

どちらかというと開発者向けのネタっぽいのですが、面白いのでこちらのブログでご紹介。

開発者がよく使うURLに localhost ってのがあります。ブラウザに http://localhost/ って入力するのですが、そのコンピューター内にウェブサーバーを起動させて、同じPC内のブラウザから同じPC内のサーバーにアクセスする為に使うんですね。主に開発用途のもんです。

 

開発者の方であれば、google.com とか apple.com とかって入力するよりも、localhost って入力する方が多いんじゃないかって思ったりしていまして(笑)、僕もそんな一人なのですが、ある時、見慣れないこんなページに遭遇しました。

screenshot_01

よくみてみると www.locahost.com って書いてある。どうやらスペルミスをしてしまった模様。

  1. locahostとミスった入力してエンター
  2. safariが親切に .com を補完
  3. www.locahost.com に接続

その結果、辿り着いたページだったという訳です。

Confused? This means either you mistyped, or whoever wrote/configured the page/site/service you just came from screwed up.

親切に「タイプミスしてますよー」なんて事まで書いてあって、次回以降同じスペルミスをしてしまった時の為に、自動でlocalhostに転送してくれる親切オプション付き。更に、オリジナルTシャツの販売まで!

 

whoisによると locahost が取得されたのは2000年11月。

ウェブ系の開発をやってきて長らく localhost を入力し続けてきましたけど、locahost に遭遇したのは今回が初めてでした。ウェブの大海で小さな小さな孤島を見付けたような気分になって、開発の真っ最中に思わず微笑んでしまった次第です。

localhostを手入力する事の多い開発者の皆さん、このページに遭遇した事がありますか?何かネタバレ感も若干否めず罪悪感があったりもするのですが、面白かったのでご紹介しました。

まだ見たことがないぞという方は是非タイプミスしてみて下さいませ :-)


2008.01.05 (Sat)

Google検索を使って色んなファイルを取得できるのは、よく知られた事ですね。

定款 filetype:pdf

こんな感じに検索すると定款のキーワードにマッチするPDFファイルが出てきます。そいぇば、退職願 filetype:docなんてクエリでテンプレートをあさってた時期もあったっけ。

…という話はさておき、そんなGoogleの検索オプションを駆使すれば、本当に色んなファイルに行き着く事が出来る訳でして、音楽というカテゴリでそれをアシストしてくれるサイトが現れました。

MusicとGoogleを足して2で割った造語でMusgleと言います。

Musgle - Free Music Search powered by Google

日本語も通るようですね。楽曲の名称や、アーティストの名称を入力すると……後は想像にお任せ致します。

 

イントラネットのサーバーに個人用途の楽曲ファイルを保管していて、共有ディレクトリのファイル一覧が表示されるような設定になっていて、それをGoogleがインデックスしてしまったが故に発生している事態となのでしょう。

外部に公開している社内/自宅内サーバーに適切な設定を施さぬままこの手のファイルを保存してしまっていないか注意しておきたいですね。