先日のカンブリア宮殿は(株)ファンデリーさんでした。管理栄養士さんが作る弁当を販売しながら健康面を御客様一人ひとりにアドバイスするというビジネスをされてます。弁当を売る事がメインではなく国家資格である管理栄養士の知識やノウハウを継続的に売るというのが肝ですね。

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カンブリア宮殿で好きなのは、多くの回でその会社のビジネスがどのように誕生したかをちゃんと紹介してくれるところ。そのエピソードに商売のエッセンスが含まれているので見るたびに気づきを得られます。共通しているのは御客様の声にちゃんと耳を傾けてる、あるいは気付けているって事なんですよね。

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ファンデリーの阿部社長は若くして独立した後、宅配の野菜販売をされていたのだそうです。そこに天の声ならぬお客様の声が耳に入ります。訪問先の御客様に「糖尿病なのでなかなか料理が難しい。気軽に食べれる弁当があれば良いのに」と言われたのだとか。そこで管理栄養士さんの知識を裏付けに健康指向な弁当とアドバイスを提供するビジネスを始められたと。それが mealtime

制限された食事を提供する必要のある病院へと商圏は拡大し、今は健康的なダイエット目的の弁当という切り口でF1層の課題解決をしようとしておられるそうです。試食会で女性から厳しいコメントを受けているシーンは印象的でした。

 

ビジネスもアジャイル

改めて思いますが、世の中の問題の所在とそれをどう解決して欲しいのか…という問の答えはやっぱり御客様が持っているんですよね。明確に◯◯が欲しいと言葉にしたり明文化してくれるかはケースバイケースですが、B2BだろうがB2Cだろうが御客様の気持ちに寄り添った者のみがお金を継続的に得られるのは間違いありません。

弊社も子会社で SYNCNEL というクラウドサービスを提供させて頂いていますが、誕生から今までの歴史を紐解けば

  • MacからiPadにPDFをUSB以外で手軽に転送したいと思った
  • FastBoardというアプリを作った
  • ある大学の先生に呼ばれて「数十台で同じことやれたら良いのに」と言われた
  • これはクラウド型で実現すべきと判断して開発体制を整えて作った
  • 2011年にSYNCNELをリリースした
  • 大企業様から「柔軟にセキュリティルールを変えれたら良いのに」と言われた
  • 実装した
  • 上場企業様に次々と使って頂けるようになった

という経緯でして、当たり前ですが常にお客様に育てて頂いてきた歴史があります。ファンデリーさんのような例を見ると、間違ってなかったよなぁと思ったりします。

今どきのアプリ開発に似ていると思いますが、ビジネスを始める前から完成形を見通しきるなんてそもそも不可能です。VCがよくいう事業計画書が個人的に余り好きでないのはそういう理由からですが。掲げるものの方向性が大きく違わない程度にザックリ決めて始めてみる。そしてフィードバックを取り込むことを短い周期で繰り返していく、まさにアジャイル的なビジネスビルディングが必要なんだと思います。

 

ビジネスの先に潜む罠

とはいえお客様に言われるがままって訳じゃなくて、問題や課題の根源を探り出し如何に解決するかは経営者や会社のセンスまた技術の見せ所なんでしょうけどね。そこがオリジナリティなんでしょう。えてしてビジネスって経営者や企業が生み出してると思いがちですが、実のところ生み出してるのはやっぱり御客様ですね。やっぱり傲慢になっちゃいけない。

だから、自分は欲しくないからやらないとか、最もらしい理屈をこねて御客様の声に「できない」「やらない」「めんどくさい」で反応するとか、そんな姿勢が組織内で跋扈するようになるとビジネスの将来はおろか会社の将来さえも危うくなっちゃうのでしょう。当然ですね、ビジネスは御客様の声が作り出して維持させてくれる訳なので。

で、またまたカンブリア宮殿ですが、1年前に森下仁丹の社長さんがゲストたった回は、まさにそんな時の対応の仕方を紹介してました。

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価値の源泉を他業界に応用する事で活路を得たという positive な例でしたけども。とても参考になるのでビジネスオンデマンドでの視聴お勧めです。僕はそういう状況ありませんけども、そんな状況におかれたなら一度会社をリセットする道を躊躇なく選ぶだろうなぁ。

 

何かまた長文になりました。経営者出演系のTV番組はホント勉強になりますね。

モノで世に問う→微調整する、その繰り返しをどれだけ早く回して継続できるか、ですね。御客様の声には耳を傾け続け寄り添い続けたいものだなぁと改めて思う昨今です。次に新しく起こすビジネスがあれば、そこんとこを強く意識し、決して忘れないようにしていきたいですね。