経営
2017.06.07 (Wed)

facebookの過去のこの日という機能がありまして。今朝見てみたら丁度こんなふうに出てきました。


この時はウチの副業制度について書籍で取り上げて貰ったんですね。今でこそ珍しくないですが、2009年時点では副業推奨はだいぶ珍しかったんだと思います。実際に副業を推奨する意味があるんだということを書いたエントリ(副業について)には随分と反響がありました。その時の思いは今も全く変わってません。いぁ、むしろ強くなってるかも。

で、既に風前の灯感のあるプレミアムフライデーです。

働き方改革という文脈で語られる事も多いので、前々から感じていたことがありました。で、たまたま登壇の機会を頂けることになったので、2017年6月17日(土)に開催される関西ネットワークシステム第57回定例会 in 関西学院大学でお話させて貰います。毎回、産学官民の沢山のカテゴリの人が集まる会合なんですが、そこで8分程度。

 

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(Thanks! the photo on flickr by Julia CC BY-SA 2.0)

時間有給制度のススメ

当日の僕の題目は、

プレミアムフライデーより働き方の改革が見込める「時間有給制度」の提案

というもの。プレミアムな金曜日も悪くは無いでしょう。15:00に帰ることができれば、少しは経済効果もあるでしょうし、自分磨きにも時間を使えるでしょうし、家族との時間も増えて国民の幸福度も上がるかも知れない。働き方も変わるでしょう。

でも、なぜ月末金曜日限定なのか。これは誰もが思ってる。

時間を早く切り上げることが消費喚起や新しい働き方に繋がるなら、裁量労働制や変形労働時間制への移行とか大がかりなことをしなくても、簡単にできることが法律に実はもう書いてます。プレミアムフライデーってな形骸化しそうで且つ効果も見込め無さそうな一律早退より、もっと効果のあることができるようになってるのです。

それが、労働基準法39条の第4項 (参考 : 労働基準法)

...第一号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、前三項の規定による有給休暇の日数のうち第二号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる

官僚やメディアの変な盛り上がりに煽られるんじゃなくて、労基法ちゃんと読みましょうよと。働き方の多様性を受け入れられるように改正されてるんですよね(平成22年)。プレミアムフライデーなんてやるより、ずっと効果的なのは誰の目にも明らかです。

ウチでは前から時間有給制度を適用しています(時間単位で取得できる有給休暇制度)。絶対このほうが良いですから。従業員からは「助かる」という反応しかありません。条件はあれど時間単位で有給を取れることがどれだけ従業員やその家族に助けになるのか、生産性や経済的効果に寄与するのか。

プレミアムフライデーに関連する官僚の方々、賛同している企業の経営者の皆さんに、やるべきは労基法39条4項を適用することですよ〜 って言いたい。ホント良いことしかありませんから。まぁそもそも有給を取る文化がない会社はそれ以前の問題にはなりますけど…

 

とまぁそんな話をさせて貰おうと思ってます。関西ネットワークシステム第57回定例会 in 関西学院大学、6月17日(土)開催です。他のスピーカーのお話も面白いと思うので宜しければお越し下さい。


2017.05.01 (Mon)

世間はGWです。

今年は2日間の有給を入れたら9連休!ということで、ウチでは今年も有給取得推奨日を設定しました。昨年も同じGW時期にやって10連休にしてたようです。

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(Thanks! the photo on flickr by Takeshi KOUNO / CC BY 2.0)

有給取得推奨日はもう随分と前からやってる取り組みで、毎年僕の独断で有給消化が推奨される日というのを作ってます。GW以外だと夏の天神祭の日とかですね。日中から晩まで、事務所近くの人の往来が激しくて帰るのも大変だから休んじゃえみたいな。あとは休みに挟まれた平日とかですね。

単なる推奨日に過ぎないので別に休まなくても良いんですが、制度って利用されるように社員を後押しする仕組みや体制もないと意味がないという考えでやってます。例えば、副業推奨しているけどメッチャ残業がある…とか最悪ですからね。制度として機能してないでしょと。

有給も同じで、制度はあっても休む為の心理的ハードルが高いとか、そもそも休める状況じゃないってのは意味がないなと。

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(Thanks! the photo on flickr by m-louis / CC BY 2.0)

ウチはそもそも有給が取り易い環境ではあるんです。新型iPhoneの発売日にやっぱり行列並ぶことにしました!って、slackで一報入れるだけでokってなこともありましたしね。しかも1時間単位に分けて取得okだし。だとしても、背中を後押しする仕掛けは必要で、だから有給取得推奨日を設定してます。

とまぁそんなこんなで今年のGWは9連休。

僕は相変わらず普通に仕事です。前にちょっとご紹介した、CMSサイトを静的化とホスティングする espar という新製品の正式リリースを5月に予定してましてその残作業。あとは、GW明けに予定されてる摂南大学さんでの講義の準備とかですね。

昨年は熊本地震の後に敢えて熊本に行ってきたのですが、今年はドタバタしてて予定はありません。いつも無茶に付き合ってくれてる奥さんに感謝です。丸っとどこか1日ぐらいは一緒に過ごそうかなと思ってます。皆様も良いGW休暇をお過ごし下さい。


2017.01.01 (Sun)

新年あけましておめでとう御座います。

正月はいつも通りの早朝起きで神社参拝。前日の大晦日はカウントダウンもせず就寝してましたので、いつも何も変わらない年越しとなりました。

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(いつもの明朝と違い、人が多い正月の大阪天満宮。年一じゃなくて参拝は毎日が良いよ〜と毎年思う)

新しい事業を育てる年

2016年の振り返り のエントリに書いた通りなのですが、昨年が新しい事を模索する年だったとすれば、今年はそれらを育てる年になります。Webサイトの静的化(WP Guard)やEnterprise iOS(MICSS)の話などですね。

その他にも、そういえば先日のエントリでは言及できてなかった、チャットボット(昨年春にLINE Botを作ってた)の話や、各種の講演や執筆活動とか。

前者についてはビジネスとしてお話を頂いてたり、後者については早速1つ講演も決まってたりと、それぞれ方向性が見えてきた気がするので併せて取り組んでいきます。

社会的課題への関心

あと事業とは直接関係ないですが、社会的課題についてもキャッチアップとアウトプットを続けていくつもりです。特に雇用問題と教育問題。

前者は特にそうですね。まぁ自分も雇用者として色々と経験してますし、LIFE SHIFTWORK SHIFT に描かれる将来の仕事像、昨年末に政府が副業容認を促すなど、諸々考え合わせるとそもそも雇用という概念に疑念を持ち始めてます。ハフィントンポストへの投稿も再開したいなと。

あと、昨年読んだ書籍子供の貧困が日本を滅ぼすは、貧困による子供の教育格差問題を自分の大きな関心事とするに十分でした。ウチは子供いませんが、何か自分にできることでアクション起こしていきたいと思うのです。

 

という訳で、総じてドタバタしそうなことは変わりなさそうですが、2017年も邁進してまいります。皆様にとっても良い1年になりますように。本年どうぞ宜しくお願い申し上げます。


2016.12.29 (Thu)

2016年も残すところあと3日。弊社は昨日が最終営業日でした。他社はどこも電気が消えている静かなフロアで、まったりとこの1年間を振り返っています。毎年何か大きな変化をしていますが、創業から丸10年となった今年は特に大きな節目でしたね。

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SYNCNELの事業譲渡

2016年2月1日に富士ソフト様に事業譲渡を発表しました。詳しい経緯は同日に書いたSYNCNELを事業売却し、開発部門を解散しますのエントリを御覧頂ければと思います。ホント大決断でした。

当初の予定通り今でもSYNCNELには関わり続けています。事業は富士ソフトさんによって継続されていますので、その御支援的な立ち位置ですね。譲渡後1年を節目に…なんてことも言われますが、離れる予定もなく今後も関わり続けさせて頂く予定です。

B2Bの自社商品を作って、名だたる企業様に御利用頂くまで成長させて、それを事業売却するという機会をくれた良い思い出のサービスです。B2B分野で自社商品を作りたい思いが今も無くならないのは、SYNCNELでB2Bビジネスの面白さを感じてしまったからですね、きっと。

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(Thanks! the photo on flickr by Thomas Mathie CC BY-NC-ND 2.0)

技術顧問や事業御支援

ヴァル研究所様ハートオーガナイゼーション様をはじめ、まだこのブログでは書けていなかったりしますが幾つかの会社様からお声掛けを頂きました。日頃お世話になっている皆々様に改めて御礼申し上げます。

関わり度合いは色々なのですが、モノ作りにガッツリ関与させて頂いたり、取引先をご紹介したり、アライアンスのお手伝いをしたり、エンジニアを御紹介したり、経営者の方の雑談役・相談役のような感じで第三者的意見をお伝えしたり、営業代行や顧客サポートをさせて頂いたり、プリセールスをさせて頂いたり、技術的知見をご提供したり、ヘッドハンティングしたり、….ホント色んなことをさせて頂きました。

決して何でも屋としてタスクを細切れに作業請けするという事ではなく、その会社の中の人であるかのような思考/視点で、会社や事業を前進させるにベストなことは何かを考え、敢えてタスクは限定せず成すべきを成す、そんな立ち位置でしょうか。名刺を持たせて頂く意味はそこにありますし、平気で「それは辞めたほうが良いです」とウチに金銭的プラスになる事であっても具申するのが弊社の個性だと思います。

そんな関わり方に楽しさを感じた1年でもありました。大変有り難いことに、また別の会社様からも打診を頂いておりまして、来年は今年以上に他社様の成長を経営と技術の観点で思考する機会が増えそうな気がします。

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新事業 : MICSS

今年から、iOSの業務活用をご支援する事業を始めました。クラウドサービスを選定して販売したり、デバイスの調達から、周辺機器の調達、メーカーとの調整や必要に応じて部分的な開発など、iOSにまつわる全ての御客様課題を解決する事業です。詳しくはオフィシャルサイトを御覧頂ければと思います。コンセプトは「なるべくアプリは作らない」です。

これもとても楽しいお仕事です。

経験に基づくエンタープライズiOSの知見や情報がアプリ開発のノウハウまで含んだ範囲で多くありますので、御客様がiOSデバイスを業務活用するにあたってのベストな導入・運用・サポートを御提案できるんですよね。

企業の情シス部門がiOS活用を促進する時の相談役みたいな役回りでやらせて貰ってます。相談役として動く人(僕や@t0shiya)が開発者でもあるというのが良いんです。Webアプリなりネイティブアプリなり、作れる知見は本当に強みになるなと。何ができて何が大変かを体感で分かる訳ですし、何を御提案するにも説得力ある説明ができる上に、常に論理的なベスト解を提示できるからです。

これは営業や企画サイドから入るコンサルではなかなか難しい所なので、そういった企業様とチームを組んで御客様をご支援する…なんてこともさせて頂いてます。いわゆる協業ですね。技術的知見に基づくアシストが訴求力や説得力に繋がる訳で、お互いにWin-Winなのです。

余談ながら、ホント最近思うのは、エンジニアは将来のキャリアを考えるなら、「御客様の課題を解決する、または、御客様の課題を解決する人の課題を解決する」ってことを開発視点でできるようになるべきじゃないかなということ。もしフィードテイラーをまた大きくしていくなら、そういったエンジニアが育っていく環境にしてみたいなと思ったりしますね。エンジニアが顧客目線・パートナー目線で的確な提案をできるようになったらホント最強なんです。

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(Thanks! the photo on flickr by [Jon Gosier(https://www.flickr.com/photos/ww4f/) CC BY-NC-ND 2.0)

新事業 WP Guard & espar

全然違う分野ですね。今年から、まさかのWebで新規事業を始めました。

11月に WordPress サイトを静的化するサービスWP Guardを始めました。同時にesparというWebサイト静的化エンジンのライセンス販売も開始しています。詳しくはオフィシャルサイトや発表時のブログエントリを御覧下さい。

つい先日もPHPMailerの脆弱性が見つかりWeb関係者が震撼したところですが、こういうリスクは今後もどんどん増えていく筈です。インシデントが増えていくスピードと、いざ被害にあった時に失うモノの大規模化と、各種案件でのセキュリティ要件の要請気運が、Webサイトを抜本的に安全にする静的化に向かわせるのは間違いないと思ってます。

そんな半歩先の未来に一石を投じるべく、WP Guard と espar を基軸に、来年は Web静的化 も1つのキーワードとして活動していきたいと思ってます。

とこんな感じで、振り返ってみると色々とありましたが、御客様やパートナー様や弊社メンバーなど色んな方々の支え合っての1年でした。1年間ありがとうございました。

本ブログのエントリは本日で最後となります。年賀状は数年前に作るのを辞めてしまいましたので、年始の2017年初エントリをもって御挨拶とさせて頂く予定です。あしからずご了承ください。

来年は本ブログを含めてもっともっとアウトプットしていくつもりです。来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


2016.08.16 (Tue)

如何に働き易い環境を作るか を徹底的に追求している最中にある会社のことを知りました。

「あ、同じ考え方の経営者がいる。完成形はここなのか」

2011年頭に放送されたカンブリア宮殿で未来工業の山田昭男さんのお話を聞き、そんなふうに感じました。企業の有り様や働き方について持論をもつ経営者であれば恐らく誰でも知っている筈の企業。

ネットでは 楽園企業 とか ホワイト企業 とかって形容されていたりしますね。創業者のコメントは有名すぎて(衝撃的すぎて)Naverまとめになってたり、色々とネット媒体でも記事があって、あげれば多分キリがありません。それぐらい有名な会社さん。

2011年当時、ウチは創業5年目。iOSアプリ開発のフィードテイラーとして知られつつあった時期。エンジニアにとっての理想郷を本気で作ろうと思って早3年、有給休暇は多くて取り易く、給料も高めで残業禁止に副業推奨、と他に類をみない環境と制度を作って継続できていることを自負していた折、先人がいたんだ!!と大変感銘を受けました。

先のURLにも山田昭男さんの発言が沢山掲載されていますが、無駄がとても嫌いとか、徹底的な性善説思考だとか、評価についてとか、社長の役割とか、とっても考え方が似ていてビックリしたものです。

あー、やっぱり自分のやり方は間違ってないんだ、スタッフのことを信じて、良い環境を作ることに専念すれば会社は成功するんだな、やっぱり。そう感じて、絶対にやりきってやるぞーとエネルギーを貰ってたんですね。

だから、2011年以降はずっと頭の中に未来工業さんの存在がありました。いいところは真似をしようってんで、例えば4年前、アイディアを出すとAmazonギフト券を貰える会社 〜アイディア集約システム〜 というエントリで

この制度は、日本一幸せな会社と言われている岐阜の未来工業という企業の制度を元にしています。

なんて書いてる通り、新しく作る制度も一部真似させて貰ったりもしました。もちろん、有給を1時間単位で取得できるとか、副業推奨とか、真似ではなくウチオリジナルな制度も色々ありましたけど。

ま、結果的にウチは、楽園にもホワイトにもなりきれなかったんですが(一部のスタッフには楽園だと言われましたが)、色々と経営者として思い当たるところはありまして、この度、ずっと行きたかった未来工業さんの見学会に参加して改めて勉強してみようと思った次第です。

やっぱり働き方とか就労環境とか、そういうテーマは自分の頭から離れないようで、何かしら思い巡らしちゃうんですよね。自分が会社作ったのもそういう文脈でのことですし。

今、また新しいことを色々やり始めていますが、今後万が一なんてことになった時の為にも、一見根本思想的には同じに見えていた自社と未来工業さんの違いは何であったのか学んでこようと思います。だいたい答えは出ているのですけどね、百聞は一見にしかずといいますし、その確認という意味もあるでしょうか。

ということで、来週の8月24日に未来工業さんに見学に行ってきますという話でした。宜しければどなたか御一緒しませんか〜?お申込みはこちらから。まだ申込は間に合うそうです。