経営
2016.12.29 (Thu)

2016年も残すところあと3日。弊社は昨日が最終営業日でした。他社はどこも電気が消えている静かなフロアで、まったりとこの1年間を振り返っています。毎年何か大きな変化をしていますが、創業から丸10年となった今年は特に大きな節目でしたね。

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SYNCNELの事業譲渡

2016年2月1日に富士ソフト様に事業譲渡を発表しました。詳しい経緯は同日に書いたSYNCNELを事業売却し、開発部門を解散しますのエントリを御覧頂ければと思います。ホント大決断でした。

当初の予定通り今でもSYNCNELには関わり続けています。事業は富士ソフトさんによって継続されていますので、その御支援的な立ち位置ですね。譲渡後1年を節目に…なんてことも言われますが、離れる予定もなく今後も関わり続けさせて頂く予定です。

B2Bの自社商品を作って、名だたる企業様に御利用頂くまで成長させて、それを事業売却するという機会をくれた良い思い出のサービスです。B2B分野で自社商品を作りたい思いが今も無くならないのは、SYNCNELでB2Bビジネスの面白さを感じてしまったからですね、きっと。

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(Thanks! the photo on flickr by Thomas Mathie CC BY-NC-ND 2.0)

技術顧問や事業御支援

ヴァル研究所様ハートオーガナイゼーション様をはじめ、まだこのブログでは書けていなかったりしますが幾つかの会社様からお声掛けを頂きました。日頃お世話になっている皆々様に改めて御礼申し上げます。

関わり度合いは色々なのですが、モノ作りにガッツリ関与させて頂いたり、取引先をご紹介したり、アライアンスのお手伝いをしたり、エンジニアを御紹介したり、経営者の方の雑談役・相談役のような感じで第三者的意見をお伝えしたり、営業代行や顧客サポートをさせて頂いたり、プリセールスをさせて頂いたり、技術的知見をご提供したり、ヘッドハンティングしたり、….ホント色んなことをさせて頂きました。

決して何でも屋としてタスクを細切れに作業請けするという事ではなく、その会社の中の人であるかのような思考/視点で、会社や事業を前進させるにベストなことは何かを考え、敢えてタスクは限定せず成すべきを成す、そんな立ち位置でしょうか。名刺を持たせて頂く意味はそこにありますし、平気で「それは辞めたほうが良いです」とウチに金銭的プラスになる事であっても具申するのが弊社の個性だと思います。

そんな関わり方に楽しさを感じた1年でもありました。大変有り難いことに、また別の会社様からも打診を頂いておりまして、来年は今年以上に他社様の成長を経営と技術の観点で思考する機会が増えそうな気がします。

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新事業 : MICSS

今年から、iOSの業務活用をご支援する事業を始めました。クラウドサービスを選定して販売したり、デバイスの調達から、周辺機器の調達、メーカーとの調整や必要に応じて部分的な開発など、iOSにまつわる全ての御客様課題を解決する事業です。詳しくはオフィシャルサイトを御覧頂ければと思います。コンセプトは「なるべくアプリは作らない」です。

これもとても楽しいお仕事です。

経験に基づくエンタープライズiOSの知見や情報がアプリ開発のノウハウまで含んだ範囲で多くありますので、御客様がiOSデバイスを業務活用するにあたってのベストな導入・運用・サポートを御提案できるんですよね。

企業の情シス部門がiOS活用を促進する時の相談役みたいな役回りでやらせて貰ってます。相談役として動く人(僕や@t0shiya)が開発者でもあるというのが良いんです。Webアプリなりネイティブアプリなり、作れる知見は本当に強みになるなと。何ができて何が大変かを体感で分かる訳ですし、何を御提案するにも説得力ある説明ができる上に、常に論理的なベスト解を提示できるからです。

これは営業や企画サイドから入るコンサルではなかなか難しい所なので、そういった企業様とチームを組んで御客様をご支援する…なんてこともさせて頂いてます。いわゆる協業ですね。技術的知見に基づくアシストが訴求力や説得力に繋がる訳で、お互いにWin-Winなのです。

余談ながら、ホント最近思うのは、エンジニアは将来のキャリアを考えるなら、「御客様の課題を解決する、または、御客様の課題を解決する人の課題を解決する」ってことを開発視点でできるようになるべきじゃないかなということ。もしフィードテイラーをまた大きくしていくなら、そういったエンジニアが育っていく環境にしてみたいなと思ったりしますね。エンジニアが顧客目線・パートナー目線で的確な提案をできるようになったらホント最強なんです。

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(Thanks! the photo on flickr by [Jon Gosier(https://www.flickr.com/photos/ww4f/) CC BY-NC-ND 2.0)

新事業 WP Guard & espar

全然違う分野ですね。今年から、まさかのWebで新規事業を始めました。

11月に WordPress サイトを静的化するサービスWP Guardを始めました。同時にesparというWebサイト静的化エンジンのライセンス販売も開始しています。詳しくはオフィシャルサイトや発表時のブログエントリを御覧下さい。

つい先日もPHPMailerの脆弱性が見つかりWeb関係者が震撼したところですが、こういうリスクは今後もどんどん増えていく筈です。インシデントが増えていくスピードと、いざ被害にあった時に失うモノの大規模化と、各種案件でのセキュリティ要件の要請気運が、Webサイトを抜本的に安全にする静的化に向かわせるのは間違いないと思ってます。

そんな半歩先の未来に一石を投じるべく、WP Guard と espar を基軸に、来年は Web静的化 も1つのキーワードとして活動していきたいと思ってます。

とこんな感じで、振り返ってみると色々とありましたが、御客様やパートナー様や弊社メンバーなど色んな方々の支え合っての1年でした。1年間ありがとうございました。

本ブログのエントリは本日で最後となります。年賀状は数年前に作るのを辞めてしまいましたので、年始の2017年初エントリをもって御挨拶とさせて頂く予定です。あしからずご了承ください。

来年は本ブログを含めてもっともっとアウトプットしていくつもりです。来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


2016.08.16 (Tue)

如何に働き易い環境を作るか を徹底的に追求している最中にある会社のことを知りました。

「あ、同じ考え方の経営者がいる。完成形はここなのか」

2011年頭に放送されたカンブリア宮殿で未来工業の山田昭男さんのお話を聞き、そんなふうに感じました。企業の有り様や働き方について持論をもつ経営者であれば恐らく誰でも知っている筈の企業。

ネットでは 楽園企業 とか ホワイト企業 とかって形容されていたりしますね。創業者のコメントは有名すぎて(衝撃的すぎて)Naverまとめになってたり、色々とネット媒体でも記事があって、あげれば多分キリがありません。それぐらい有名な会社さん。

2011年当時、ウチは創業5年目。iOSアプリ開発のフィードテイラーとして知られつつあった時期。エンジニアにとっての理想郷を本気で作ろうと思って早3年、有給休暇は多くて取り易く、給料も高めで残業禁止に副業推奨、と他に類をみない環境と制度を作って継続できていることを自負していた折、先人がいたんだ!!と大変感銘を受けました。

先のURLにも山田昭男さんの発言が沢山掲載されていますが、無駄がとても嫌いとか、徹底的な性善説思考だとか、評価についてとか、社長の役割とか、とっても考え方が似ていてビックリしたものです。

あー、やっぱり自分のやり方は間違ってないんだ、スタッフのことを信じて、良い環境を作ることに専念すれば会社は成功するんだな、やっぱり。そう感じて、絶対にやりきってやるぞーとエネルギーを貰ってたんですね。

だから、2011年以降はずっと頭の中に未来工業さんの存在がありました。いいところは真似をしようってんで、例えば4年前、アイディアを出すとAmazonギフト券を貰える会社 〜アイディア集約システム〜 というエントリで

この制度は、日本一幸せな会社と言われている岐阜の未来工業という企業の制度を元にしています。

なんて書いてる通り、新しく作る制度も一部真似させて貰ったりもしました。もちろん、有給を1時間単位で取得できるとか、副業推奨とか、真似ではなくウチオリジナルな制度も色々ありましたけど。

ま、結果的にウチは、楽園にもホワイトにもなりきれなかったんですが(一部のスタッフには楽園だと言われましたが)、色々と経営者として思い当たるところはありまして、この度、ずっと行きたかった未来工業さんの見学会に参加して改めて勉強してみようと思った次第です。

やっぱり働き方とか就労環境とか、そういうテーマは自分の頭から離れないようで、何かしら思い巡らしちゃうんですよね。自分が会社作ったのもそういう文脈でのことですし。

今、また新しいことを色々やり始めていますが、今後万が一なんてことになった時の為にも、一見根本思想的には同じに見えていた自社と未来工業さんの違いは何であったのか学んでこようと思います。だいたい答えは出ているのですけどね、百聞は一見にしかずといいますし、その確認という意味もあるでしょうか。

ということで、来週の8月24日に未来工業さんに見学に行ってきますという話でした。宜しければどなたか御一緒しませんか〜?お申込みはこちらから。まだ申込は間に合うそうです。


2016.07.28 (Thu)

ウチは創業期に、大阪産業創造館(産創館)メビック扇町をはじめとする大阪のベンチャー育成/支援機関にかなり支えて頂きました。

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(メビック扇町のfacebookページ)

何度かこのブログでも言及したことがありますが、両機関はもちろん、関係者の皆様、またそこでご縁頂いた企業様や個人の方々の存在なく、ウチの創業から10年の歴史を語ることはできません。本当に感謝しています。

この度ですね、なんと、そのメビック扇町の名刺を持たせて頂くことになりました。ででん!

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自分が創業期にお世話になったところの名前を冠としてかぶらせて頂くことになるのは、何とも感慨深いものがありますね。光栄なことです。メンターという肩書がついている通り、恐れ多くもアドバイスをさせて頂くような立場になりまして、詳細については既にこちらでプレスリリースも出ています。

今年度は新た に、若手クリエイター支援強化に向け、 経験豊富な法務、知財、会計、労務等の専門家や経営、営業、産学連携、クリ エイティブなど様々な分野で専門性を有する、 府内の外部人材26人が「クリエイティブメンター」に就任。専門的 知見に基づき、大阪のクリエイターにアドバイスを行います。

ということで、メビック扇町やその取組についてのPR活動はもちろんですが、主には大阪府内の若手クリエイター(これには起業家の皆さんも含まれる筈ですが)を御支援させて頂くような格好になりそうです。

社長経験を何年も積むと「次代の起業家にアドバイスとか色々してあげたくなる」って先輩経営者が仰っていたのを思い出しますが、これは最近とても同感なのですよね。僕も色んな失敗をして、時間もお金も散々ドブに捨ててきたし、悩まなくてもいいことを沢山悩んできたので、そんな苦労は新しい起業家にはしてほしくないよなぁなんて思っちゃう訳です。

自分もまだまだなので、先輩風吹かせるようなつもりは毛頭ないんですけども。ってか逆に教わることも多いし。ともかく、IT系については知見はあるつもりなのと、事業づくりや事業譲渡や売却、組織作りとか経営側面でも色々経験をしているので伝えられることは、そこそこあるかなと思います。規模は小さいですけど。

そんな自分が少しでもお役に立てるのであれば…とこの度、御世話になったメビック扇町への感謝の気持ちもあって頂いた御指名を拝受した次第です。

そう言えば半年ほど前にこんなことを書いてました

創業から開発体制づくりに事業売却まで経験してきたことをOUTPUTして、 これからの起業家の皆さんが少しでも僕と同じ失敗にはまらないように出来たら良いなと思ったりもしています。 そんなOUTPUTの過程で生まれる事業もあったりするかも知れません。

アウトプットしてると思いもよらぬところからお声がかかる、世の中そんなふうにできているのかも知れませんね。

で、今晩、上述のプレスに記載の通りキックオフパーティが開催されるとのことで行ってまいります。尖った人が勢揃いする筈。懐かしい人達や、まだお会いしたことない方とのご縁ができるのが楽しみです。


2016.07.19 (Tue)

当たり前なんですけどね、ちょっと実験してる今日この頃であります。

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(Thanks! the photo on flickr by yosshi CC BY-SA 2.0)

見始めるとなかなか止まらないfacebook。スキマ時間に思わず見てしまうfacebook。ふと、facebookにどれだけ時間を取られてるか定量化してみよう…ということで最近、「ここはfacebookを見てるところだな」という時間を「読書」という行動にスイッチする実験をしております。

移動中の隙間時間とか、家に帰ってから寝る前にとか、移動の伴う先々で5分/10分と隙間に見ることが結構多い。ので、なるべく文庫本や新書を持ち歩くことにしました。思わずスマフォ見ようとしちゃう手を心のなかで叩(はた)いてなるべく本を手に取ると。

そんな1ヶ月を送ってみた6月の読書量は…。

ってな感じに、もう何年も1ヶ月に1,2冊読めれば御の字だったところから当社比約3倍。まぁ読む人はもっと読んではると思いますけども、兎に角いつも以上に読んだ本の冊数が増えました。自分にとっちゃ結構すごいこと。7月も似たようなペースで進んでます。

自分がどれぐらいfacebookを見ているか時間計測して月◯◯時間っていう定量化もあるんですが、読書好きな自分にとっては、おぉこれだけの冊数を(ページを)読めていたのか…という定量化が思いのほか心に刺さりましたという話。

もちろん facebook は貴重な情報源なので今の僕には絶対必要なものなんですが、やっぱりバランスは何事も重要だなぁとか、facebookをはじめSNSをする時間をルール化して決めなくちゃなぁ、なんてことを改めて思った次第です。


2016.07.07 (Thu)

おかげさまで7月7日をもって、フィードテイラーは設立10周年を迎えました。日頃お付き合い頂いている皆様、本当に有難うございます。

創業当時、10年後の自分なんて想像もできませんでしたが、何とかなるものですね。資金調達して上場!みたいな派手な成功劇を残せた訳ではありませんが、会社作り・組織作り・事業作りと一通りの多様な経験をさせて頂いた10年間となりました。

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身内でシミジミと10周年の祝賀会…の様子。激ウマで超お気に入りの、とうもろこしの掻き揚げ。

良いことも悪いことも全部ひっくるめて良かったなと。あらゆる経験は自分の骨肉となり、サラリーマン続けてたらできなかった経験をビックリするほどさせて貰ってきました。有り難くも今でも色々とお声掛け頂けるのは、自分ならではの、また自社ならではの価値を提供してこれたからなんじゃないかなと思います。

 

次はどんな10年になるんだろうと思い巡らした時、やはり自分/自社ならでは…というのは重要なポイントで。ふと7周年の時のエントリを読み返してみたら、こんなことが書いてありました。

あての無いガムシャラなだけの努力はダメらしく、 (1)アレもコレもという何でも屋になる誘惑と闘って敢えて特定分野に尖り続ける事だけに努力すること、 (2)時にはドラスティックに変わる事を恐れず拘りを捨てる勇気、の両方が必要なのだろうなと振り返ってみて思います。

字ヅラ通りに今も一緒かというと少し違いますが、基本的には同じことを思ってまして、これからは10年の経験あってこその自分らしさで尖っていきたいなと思ってます。既に動き始めてはおりますが。

例えば、先日紹介した MICSS のような、iOSの世界をずっと見てきたからこそできるモバイルインテグレーション事業とかですね。あとは、最近講演の機会が多かったりもしますが、こんな失敗しない方が良いですよ〜的な話も10年の気づきを体系的にまとめたものなので、自分ならではのコンテンツになるでしょうか。

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理想の就労環境作りに執着した結果得たものは多い

他にも、昨年の今頃に宣言してから(お恥ずかしながら)書いては消し書いては消しを繰り返してばかりの執筆の件も、いい加減そろそろ形にせねばと今頑張ってます。自分にしか書けないものはなにかと考えた時、「就労環境を限りなくホワイトにしたら何が起こるか」という社会実験レポートのようなものは自分にしか書けない提案や警鐘になるよな…なんて結論に至って今進めていたりします。

 

サービスなのか、ブログなのか、講演なのか、執筆なのか、姿・形は異なれど兎にも角にもアウトプットですね。そこから自分や自社がどこに最も尖っていくべきかが導き出されるのだと思います。これまでと同じように。

10年間、弊社とお付き合いを頂いてきた皆々様に改めて御礼申し上げます。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。