経営
2018.12.29 (Sat)

(所要時間 : 約2〜3分)

師走という言葉の通り12月に入ったのが昨日のことのように思えます。気がつけば残すところあと2日となりました。今年もまた年の暮れに一人オフィスにこもって1年の振り返りと2019年の方針再確認です。

2018年は、会社経営や事業において大きく3つの気付きを得た年となりました。

 

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(Thanks! the photo on flickr by Ryan Morse / CC BY 2.0)

1. リモートワーク

経営というか体制というか、働き方を大きく変えた・変わった年でもありました。

オフィスはいらないんじゃないか?とふと思ったのをきっかけに、いっきにリモートワークにシフト。4月以降順調にリモート率を上げていき、結局年末12月は出社日率3割を切りました。すっかりリモートワーク主体の企業に様変わりですね。

引越し宣言をしたのが先日のこと。いつもお世話になっているオフィスナビさんに協力を頂いて、幾つか良さげな物件を内覧済みですので、来年早々には今の面積半分の部屋に引っ越します。

オフィスにかかる費用を従業員に還元するほうが良いのでは?という思いも強くなりました。ゆくゆくは仮想空間にオフィスを持ちたいですね。そのため Oculus Go での会議 など社内VRは来年以降も追求します。

 

2. エンタープライズiOSアプリ

2016年以降、表向きは「アプリ事業やってます」とは余り言わないできたのですが、依然として需要があることに改めて気付かされた1年でした。

それをふまえエンタープライズiOSに関する情報発信を復活させました。フェンリルさんが主催する Mobile Act OSAKA で登壇 してエンタープライズiOSネタを話させて貰ったり、完全に止まっていたエンタープライズiOSブログの記事執筆も再開しました。

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(エンタープライズiOSの情報はまだまだ少ない)

おかげさま(?)で、ADEPや旧iDEPでググると1位表示されるようになったりと、これをきっかけに新しいご相談も頂くこともままありまして、やはりアウトプット重要だなと。

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(appleのオフィシャルページより上に表示される)

ということで来年は更にエンタープライズiOSに関する発信を強化します。

 

3. WordPressサイト静的化

昨年以上に手応えを感じた1年でした。以下に幾つか実績をご紹介します。(敬称略)

LOGISTICT TODAY

https://www.logi-today.com

物流系上場会社様が運営する、月間3桁のPVを誇る高トラフィックなニュースサイト。WordPressの高速稼働で定評あるKUSANAGIで動作させても高負荷で応答不能になる事態をふまえ、静的化による高速化をさせて頂きました。

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(DB設定やPHP環境のチューニングだけではどうにみおならないサイトもある。静的化で劇的に改善)

構築、引越し、その後の監視、運用の全てを任せて頂き、従前の50倍を超える応答速度高速化を達成し、継続しています。リソースが軽めのモバイル版は「ローカルファイル?」と勘違いしそうになる程の高速化っぷりで、お客様も我々も静的化の威力を実感する事例となりました。

moreNOTE

https://www.morenote.jp

富士ソフトさんのファイル共有サービスの moreNOTE オフィシャルサイト。サイトのフルリニューアルのディレクションやマネジメントなど広範囲に渡りお手伝いさせて頂きました。

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静的化が不得意とするフォームを静的化サイトで実現したのがポイントです。

2年前に自社サイトで実験していた javascript のみでフォームを実現する仕組みを洗練。Contact Form7 や MW WP Form 等を使わずとも、Google Analytics のように埋め込みコードをコピペするだけで問い合わせフォームを実現できることを実証しました。

ハイセンス

https://www.hisense.co.jp

言わずと知れた家電メーカー様のサイトに導入頂きました。

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2018年はTOSHIBAの白物家電事業の買収や、レグザエンジン搭載新製品の発表など話題性の高い報道が続きましたが、ニュースによるトラフィック急増に全くビクともしない運用維持ができ、静的化がメディア露出によるピークに極めて強いことを実証しました。

vermicular

https://www.vermicular.jp

言わずと知れたライスポッドのオフィシャルサイトに導入頂いた事例です。

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メディア露出時の高トラフィック対策に…がお引き合いのきっかけでしたので、エンドのお客様や制作会社様の中で「静的化がメディア露出の多いサービスや製品のサイトに有効」という認識が広がりつつあることを実感できる事例となりました。

 

以上、2018年実績の一部をご紹介しました。

Web界隈を見渡しても、2018年は Netlify の広がり、VuePress の登場、Github Pages が独自SSLに対応など、静的なWebサイトの話題に事欠かない1年でしたね。また Netlify は2018年10月に再度大型の調達をする って発表もあったりで、来年以降もWebサイトの静的化や静的サイトの話題は盛り上がりそうです。

僕らのコンセプトは WordPressサイトを静的化する が基軸にありますが、来年もWebサイトの静的化促進を強化していきたいと思います。

 

という訳で2018年の振り返りでした。

リモートワーク、エンタープライズiOS、Webサイト静的化…気がつけばどれも弊社ならではの取組みができてきているように思いますので、来年この3分野で更にプレゼンスを高めていきます。

本年、弊社や大石個人に関わって頂いたお客様、パートナー様、フィードテイラーメンバー、皆々様に改めて御礼申し上げます。2018年も大変お世話になりました。2019年もどうぞ宜しくお願い致します。


2018.11.05 (Mon)

突然ですが、来春にオフィスを引っ越します。

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(Thanks! the photo on flickr by Ryan Morse / CC BY 2.0)

リモートメインではオフィスほぼ不要かなと

リモートワークをメイン(週1,2回オフィスに集まる程度)になって半年強が経ちましたが、生産性・コミュニケーションいずれも特に問題なく仕事は今まで通り回っています。

そうすると自然と強まるのは「オフィスもったいないよな」という考えです。リモートメインにして暫くたった頃に、

もはやリモートワーク主体となり、オフィスを実質半分しか使ってなくても生み出す価値に影響がないとなれば、 そのキャッシュアウトの価値を問うても良いでしょう。

なんて書いたこともありました。(完全専有型オフィスではなく、曜日専有型オフィスが欲しい)

基本的に弊社メンバーは今全員で3人だからってのもありますが、リモート日に僕の出張や外出が重なればオフィスは留守な時間帯が多くなるし、リモート日は半分は電気を落としてますし、ビデオ会議が増えて来客が減ったりしてますし、ようは面積あたりの使用率が劇的に落ちてるんですよね。

現オフィスで常時空いてる会議スペースをセミナー会場として使う案もあったのですが、諸々の案件が平行稼働しているのを理由にその優先度をあげられていない状況で、もったいない精神が勝ってオフィスほぼ不要じゃん!ってことになりました。

 

将来はオフィスなくしてバーチャル?

現状そもそもそんなに広くないですが、次の引っ越しで今から半分ぐらいにする予定。2016年の出来事で半分にしてての今の広さですから、一番広かった時から4分の1か3分の1ぐらいになりますか。

で、思い至ればすぐ行動ということで、今入居しているビルには退去の告知をして物件探しを進めています。申し出るタイミングの関係で実際の引っ越しは恐らく来年3月頃。

だんだんと有名なこの本っぽいスタイルに近づきつつ、

更に未来の働き方を追求する足がかりになると良いですね。

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(アバター出社をするeXp Realtyという米国不動産企業)

仕事場としてのオフィスは特に持たず遠隔地でも旅先でも関係なく業務を回してて。バーチャルな世界にオフィスを持って、皆そこに集まってる。そんな未来があったりするのかも。(Oculus Go + Oculus Rooms を使ってガチの仕事会議をしてみた感想)

という訳で引っ越します〜というお話でした。引っ越し終わったらまたエントリします。よかったら遊びに来てくださいね。


2018.07.07 (Sat)

本日で会社設立から丸12年です。

早いもので干支が一周まわってしまいました。自分で言うのもなんですが、金なしコネなし実績なしの無い無い尽くしで始めたのによく続いてるなと思います。これまで弊社に関わってきて下さった皆様、今まさに関わって下さっている皆様あってこそです。改めてお礼申し上げます。ありがとうございます。

 

12年目の成果

12年目に掲げてたやりたいことはできました。以下は、昨年11周年の時に書いてたことですが

  1. B2B iOS 事業 MICSS の強化
  2. Webの静的化サービス espar の強化
  3. 新しい労使のあり方の模索や発信

1.の件はありがたいことに、新規を含めてB2BなiOSアプリ関連で色々とお手伝いさせて頂いております。注目のアプリ事例ということでMacFanにも載せて頂きました。エンタープライズ系のiOS導入/運用に関する知見は国内一の自信がありますので宜しければ御相談下さい。

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(MacFan 2018年7月号に掲載。iPod touch がチェックイン時に渡されるホテルでアプリ開発/運用の御支援)

2.のWeb静的化をするespar事業も、実績が少しずつ積み上がっていってます。

サイトのスピードが60倍になってPV増、売上増、DDoS攻撃にも耐えた、なんて具体的な成果もあったりで静的化というアプローチが間違っていないことの手応えを感じています。今、幾つかの事例インタビューをさせて頂いてまして、具体的な実績は徐々にOPENにしていく予定です。

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(KUSANAGIの移行、静的化、冗長化、監視、バックアップ、開発環境用意などをフルセットで御提供できるようになった)

3.の働き方発信については、やはりリモートワークメインへの切り替えでしょう。素晴らしく機能しています。リモート率は60-70%ぐらい。リモートワークに関連して、Oculus Go で社内mtgするって新しい取り組みもはじめました。今は会社から会議用デバイスとして支給しています。

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(リモート時の会議用に買った Oculus Go の動作検証中の図)

 

13年目に取り組みたいこと

アウトプットは今後も続けますが、新しいこともやりたいと思ってます。特にセミナーですね。

先日、自社の会議室のレイアウトを変えてみたら、ちょっとした小規模なセミナールームになることに気がついたんです。机ありなら4,5人。机なくせば10人強は余裕でいけます。

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(案外スペースを無駄に使っていたのだなと反省)

壁にプロジェクターで120インチ相当ぐらいの投影ができそうですし、ネットワークもあるし、環境は問題なし。ちょっとしたハンズオンセミナー、座学ベースのセミナー、動画の鑑賞会とか、座談会、ゲーム大会とか、まぁ色々できそうだなと。

何より自社スペースなので、相談や打診の必要なく完全に自分たちのペースで開催できます。実験的な試みもや、少人数と割り切るからこそできることなど可能性が広がるってもんです。

で、早速手始めに、弊社のespar事業に絡んで、Web制作関係者様向けの少人数ハンズオンセミナーを無償でやってみようと思ってます。Webサイトを支える技術で普段曖昧にしてしまっている事が正しく理解できます!みたいな。

怖くないDNS、証明書の正しい選び方、公開鍵認証、FTPはなぜだめか、悪いPHPテーマとは、落ちないサイトの作り方、負荷分散、監視、CDN、静的化、リバースプロキシ…。

なぜこれをやろうと思ったかは、書くと長くなるのでまた別エントリで改めて書こうと思います。

これも、自社でセミナーができると分かったから出てきたアイディアです。物理的な空間があるってのは案外良いかも知れない。できることの幅がグンッと広がりました。13年度は遊んでいるmtgスペースを有効活用していきたいと思います。

 

そんな訳で、13年目突入です。今後ともフィードテイラーをどうぞ宜しくお願い致します。


2018.06.04 (Mon)

(所要時間 : 約2〜3分)

3月から初めているリモートワーク主体へのスイッチ。比率を少しずつ上げて試しています。5月は稼働日に対する リモート比率が57% まで上がりました。ついに半分超えです。ビジネスのスピードも全く落ちておらず、業務上何も問題は起こっていません。

リモート主体にするぞと宣言してから3ヶ月程度でリモート成分を急速に上げましたが、ここからは少し速度を落として調整フェーズに入ります。この水準(5-6割程度のリモート率)なら確実に業務は回せる自信はあるので、リモート5割前後を前提に会社のあり方も再考していきたいなと。

そこで、オフィスです。

 

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(Thanks! the photo on flickr by Joe Flood / CC BY-NC-ND 2.0)

完全専有型オフィスにお金をかける価値

弊社はそんなに広くないですが、最寄り駅が大阪の中心地「梅田」から1駅の南森町で、駅から徒歩1,2分の好立地、設備も良い。光熱費込みでだいたい月に15万円前後を支払ってます。(冬は暖房費で20万弱)

ついつい忘れがちになりますが、会社経営、特にソフトウェア開発の会社経営においては、オフィス維持費が人件費に次ぐ高額なキャッシュアウトなんですよね。オフィスを動かすのは大層過ぎるぐらい大層だし、オフィスは事業拡大と共に大きくするモノなので目が向きにくい。

が、もはやリモートワーク主体となり、オフィスを実質半分しか使ってなくても生み出す価値に影響がないとなれば、そのキャッシュアウトの価値を問うても良いでしょう。

ちなみに最も大きな固定費である人件費は、創業以来ずっと「いかに上げていくか」しか考えておらず、実際ほぼ例外なくそうしてきてます。そこは上げる方向にしか思考が働きません。

で、問題のオフィス維持費です。平均して月15万円も支払う価値が果たしてあるのか?…使用率が50%程度でも問題ないのなら適正とは言えません。再考の余地があるなと思う訳です。そもそも、どんなオフィスが望ましいのか。

 

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(Thanks! the photo on flickr by Daniel Andrade / CC BY-NC-ND 2.0)

シェアオフィス型 + テナント型 + α ?

通常、オフィスとは24時間365日自由に使える完全専有型です。通常閉じた空間で、内装は自由。各種オフィス設備は各社が買うかリースしてハコの中で用意する。

一方シェアオフィス型は、企業間の交流を促進するようなフリースペーススタイル、プリンタ等の共用設備はシェアという組み合わせ。

この中間が欲しいと思いました。

シェアオフィスにプレミアムなプランがある場合もあります。共用設備は自由に使えてフリースペースも使用可、それに加えて専有のハコを借してくれるタイプ。でもそれも結局、ハコは24時365日専有なのですよね。この専有部分を例えば、月・木だけはフィードテイラーさん専有で、ということができて欲しい。

部屋に常設されてるのは、幾つかの机と椅子、あと27inchディスプレイが1卓あたり2台ずつ、壁は全面ホワイトボード。MacBookを持ち込む前提で毎日持ち帰り。部屋内設備は以上。それ以外の設備は共用。企業専用の鍵付きラックはオプションで契約可能。

こんな感じ。

弊社は月・木だけオフィスとして使わせて貰うと。出社日に部屋に集まり終日仕事をする。それ以外の曜日は別の会社が使うのでリモートワーク。自宅でもカフェでも、共有のフリースペースでもいい。部屋に機密情報を残さないのは入居企業の責任、物理的にオフィスに保管が必要なものは別途契約する鍵付きラックの中に入れておく。

こういうオフィスって無いものでしょうかね。部屋を準占有させて貰うような契約が可能な物件。で、専有率で費用が変わってくるようなイメージです。週2の準占有で今より費用安いなら凄く良い。

 


(Thanks! the photo on flickr by David Martyn Hunt / CC BY 2.0)

僕が知らないだけかもですが、こういうオフィス向け物件は見たことがありません。責任の所在がややこしい、法律的に難しいという理由があるのかもですが、恐らく不動産オーナーが儲からない・面倒臭いってのが一番大きいのかも知れませんね。借り手に都合良すぎますから(笑)

冒頭の通りリモート率が恒常的に5割でも受託系・自社開発系ともに回せることが実証できたので、5割使用率にしかならないモノに満額のお金をかけるぐらいなら、その分で福利厚生を充実させたり、仕事で使うクラウドサービスを増やして更にリモート率を高めるとか、のほうが費用対効果が高いと思うのです。

とはいえ、完全にオフィスが不要って訳ではない。そこがまぁ難しいところなんですけどね…。

リモート主体での会社のあり方の再考、まだまだ続きます。


2018.06.03 (Sun)

(所要時間 : 約4〜5分)

ケーブルもいらない、パソコンもスマフォもいらない、ただかぶるだけでVRの世界にダイヴできる というスタンドアロンVR、今年はその元年だそうです。元々、スタンドアロン型が出てこないとVRは浸透しないと思っていたので、これまで手を出さずにいました。

ご承知の通り今年の5月、満を持してOculus GoMirage Soloが登場。まずは研究してみようと両方を即発注。5月中頃には両方とも手にしてました。

OculusGo
(この2つだけでVRの世界に入れる。他は何もいらない)

数日使ってみた感想は、OculusGoのコストパフォーマンスは半端ない。没入感は十分。かぶるだけでokという手軽さで確実にVRのハードルは下がる。エンタメ・ゲーム以外の活用例が増える筈…といったところ。

活用例、気になりますね。特にビジネス。

ちょうど弊社は3月から、原則出社ではなくリモート主体にしようと切り替えていってる最中でしたので、自ずから「VRをリモートワークで使う未来」に想像が膨らみました。そんな未来の片鱗に触れられるチャンスがあれば良いな〜と思ってたのですが…

スミヒロさんslack

そんな機会が訪れました!やりましょう、VRミーティング!

アプリ界隈では知らない人いないと思いますが、お相手は最速の人 @sumihiro さん。とある新規案件の相談で slack で会話している時に、Oculus Rooms を使ってみることになったのです。

Oculus Rooms とは、仮想空間の中で一緒に遊ぼう!がコンセプトの無料アプリ。仮想空間内の自分の部屋に友達を招待して、一緒にチェスしたり動画を観たりってことができます。これを使って、ガチに仕事の会議をしようじゃないかというわけ。

Oculus Room で仕事会議を体験した感想は…同じ場所にいる感が凄いということでした。

 

Oculus Rooms での会議の様子

Oculus Rooms アプリを立ち上げると、そこはタワーマンション高層階の一室。自分の部屋です。


(窓から見える外の景色や部屋の床の色などを設定で変えられる)

この部屋に @sumihiro さんを招待。facebookで友達になってる人を招待することができます。早速呼んでみましょう。ポチッと!

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(自分のアバターは、髪型から肌の色から身につけるものまで相当な組み合わせから自由に作れる)

声が先に繋がって、そのすぐあとに @sumihiro さん登場!

「こんちは〜って、髪の毛、赤っ!(笑」
「ご無沙汰してま〜す。わははは、そなんです(笑」

と、和やかに始まった会議。リビングルーム内のアーチ状のソファーに2人で腰掛けて、見晴らしの良い景色を見ながらという構図になります。あぁ、何と優雅なミーティングでしょう。

音声の品質は全く問題なく、タイムラグも感じず、音については普通のビデオ会議と何ら変わりありません。申し分ない。ですが、決定的に異なるのが、異様なまでの同じ場所にいる感。声も相手のいる方向から聞こえますしね。

ありえない景色とありえない相手の出で立ちなんですが、違和感を感じません。これが不思議と会話を弾ませます。これほどまでに話がし易いとは。


(僕が相槌をうったり頬杖をついたりする動きに連動しているので、録画動画として見ると少し見にくい)

既存のビデオ会議は、「雑談がやりにくい」「ディスカッションしにくい」という欠点があります。きっとそれは空間を共有してないからです。異なる空間(例えば会社と社員の自宅)を繋げただけですから。

Oculus Rooms は違います。「繋ぐ」のではなく「集う」のですよね。お互いそれぞれの現実世界から離れて、仮想空間に集まって話をします。仮想空間でって論する。そう、文字通り会議なんですよね。会って議論することが会議なら、Oculus Rooms のユーザ体験(UX)はより会議に近いと僕は感じました。

従来のビデオ会議より話がし易いと思ったのは僕だけじゃなかったようで、@sumihiro さんもほぼ同じ感想だったのか、直後にこんなtweetをしてました。

おそらくこれは体験しないと分からない感覚かも知れません。仕事会議をガチでやってみた感想を端的に書くと、

  • 仕事会議でも普通に使える
  • 驚くほど会話がし易い

ということです。会議の議題と目的が明確で、言葉を交わすことが重要な会議なら Oculus Rooms は取りうる選択肢だと思います。共にそこにいる感が会話を弾ませますから。同じ会話をするのなら、弾む環境のほうが良いですよね。

 

Oculus Rooms での会議の様子(現実世界)

仮想世界に入って仕事会議している様子を事務所にいた @ikunee に撮って貰いました。

没入感が高いシステムですから、一度入ってしまえば、そこはもう、来社して貰った自社の会議室か、訪問させて貰った相手方の会議室なんですよね。入ってる当事者的には。ただ現実はこう。

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(MacBookは Oculus Rooms に入る前にメモを見ていたため。仮想世界からMacBookの画面が見えている訳ではない)

リアル世界で非常に滑稽な姿になっていることに気づくこともなく、仕事の会話に没頭することができます。というかここは自社の会議スペースであったということすら忘れてたぐらい没入してました。


(右手側に実際に相手がいるかのように真剣に仕事の話。が、現実世界には誰もいない)

普通に会議室で相手と仕事の会議をしているのと全く変わらない感覚なんですよね。周りが殺伐とした白い壁なのか、高層マンションの一室なのかの違いがあるだけ。

ただ、一つ忘れてならない点があります。それは @sumihiro さんとは現実世界で既に7,8年の付き合いがあるってこと。そもそも元弊社のエンジニアでもありますから、お互いの仕事のやり方も分かってるんですよね。既にある信頼関係が重要な要素だったのは間違いありません。

Oculus Go + Oculus Rooms が優れたユーザ体験を提供してくれていることは間違いないですが、それだけでは多分お互いこういう感想にならなかっただろうなと。

全く会ったこともない人と Oculus Rooms で仕事の話ができるか…というと、それはちょっとまだ疑問符がつきます。リアル世界でまず会ってからにしたい。現実世界で実際に会っている経験はやはり大きいと今はまだ感じます。

ただ、Oculus が出てたった5年程度でここまできてるので、5年後は分かりません。従業員やパートナーの顔も見たことないまま仕事が進んでる…そんな世界は100%来ないとは誰も言えないでしょう。

 

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Oculus Rooms で仕事会議をするメリット・デメリット

せっかくなので箇条書きでまとめます。勢いで書いているので漏れがあるかもですが、Oculus Go + Oculus Rooms を使ったリモート会議をやってみて思ったことです。

メリット
  1. 空間を共有している感覚があって話がし易い
  2. リアル世界の場所や自分の服装を気にしなくて良い
  3. 思いたったらすぐに会議ができる(これはビデオ会議も一緒)
デメリット
  1. 印刷物や造形物などリアルな手触り感が必要な議論は難しい
  2. ホワイトボードやプロジェクターなどの会議アイテムが使えない
  3. テキスト活用ができない(メモを書く、チャットでメッセージを送信)

メリットばかりなわけもなく、表の通りデメリットも沢山あります。が、これらは時間がある程度解決してくれそうな気がしますよね。

2の会議定番アイテムはアプリがあれば良いだけですし、業務の種類によってはブラウザアプリだけで解決することも多いでしょう。スクリーン共有もできるとベターですが、その実現に技術的な問題は余り感じません。

3はコントローラーが何らかの進化をしたり既存のペン型デバイスか何かが連動する仕組みがあっても良いかもですね。(参考 : 完成度の高いVR用スタイラス「Drawboard Pen」発表 | VR Inside, 「VR空間でデザイン」をワコムが提案 試作機でデモを披露)

今のところ、Oculus Rooms を仕事会議で使えるシーンは、議題と目的が明確で議論することが主旨である会議でしょうね…。でもよくよく考えると、課題と目的が明確でなく、且つ議論が主ではない会議ってそもそも現実世界でもやる意味あるのか?って話ですが(笑)

 

リモートワークVR、体験してみませんか?

なんと滑稽な…そんな会議があってたまるか…という意見もあるでしょう。パッと見のアバターの様相は「いかにも」でビジネスビジネスはしていませんし。

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(会議中に家のインターフォンが鳴って、一時的に現実世界に戻っている @sumihiro さん。アバターがグレーアウトしている)

でも、ここはひとつ疑いの目で見るのではなく、まずは多くの人に Oculus Go + Oculus Rooms を体験して貰いたいなと思いました。そこにいる感が圧倒的に違いますから。できれば仕事の会議で体験して欲しい。

各社の色んな体験とその共有が、未来の働き方を醸成していくのだと思います。新しいアプリが生まれ上述のデメリットが次々と解消されていったりもするかも知れませんね。リモートワークでVRを活用するのが珍しい事ではない未来も考えられます。

そんな訳で弊社はこれを機会に、リモートワークVRに積極的に取り組んでいきたいと思います。そこで得た課題や気づきを共有できればなと。

あ、ちなみに。VRを事業にするつもりはありません。既に専門家が沢山いらっしゃいますので。弊社にとってスタンドアロンVRは、あくまでリモートを主体とした新しい働き方を実現する為のツールです。

 

以上、Oculus Go + Oculus Rooms を仕事で使った体験記でした。弊社とお仕事ご一緒させて頂いてる方で、Oculus Go をお持ちの方、一度ガチで仕事VR会議いかがですか? :-)