会社経営
2016.01.27 (Wed)

(超々長文です)

本日、日経新聞に「富士ソフト、シンクネルを買収」という記事が掲載されました。

この度、子会社のSYNCNEL株式会社が提供していたクラウド型ファイル共有サービス「SYNCNEL(シンクネル)」を、富士ソフト株式会社(東証一部:9749)さんに事業売却することとなりました。

新聞記事の内容が若干事実と異なってまして、子会社のSYNCNEL株式会社を売却したのではなく、事業のみの売却となります。富士ソフトさんのプレスリリースが詳しいですので宜しければこちらをご覧下さい。子会社側でも一応プレスリリースを出しています。ネット媒体の Impress Watch などでも取り上げて頂いているようです。

SYNCNELをご利用頂いている御客様や、販売パートナー様におかれましては、事前に御説明・御案内をさせて頂いております通り、契約や条件が変わるとかサービスの名前やデザインが変わるとか、不利益になるような大きな変化はありませんので御安心下さい。サービスもそのまま継続してご利用頂けますし、後述しますが僕は引き続き現場に出続けてSYNCNELの窓口担当であり続けます。

 

moreNOTE_SYNCNEL

事業売却の所感

振り返ってみますと、SYNCNELは2011年2月に事業開始したので丸っと5年が経ちました。事業を起こした当初は想像もしなかった事業売却という形で一つの節目を迎えることになります。立ち上げ期から紆余曲折ありましたが、本当に沢山のことを学ばせて貰いました。新しいビジネスの作り方、B2Bビジネスの展開手法、クラウドサービスの作り方、販売代理店制度のあるべき姿、日本のクラウド型B2Bが抱える大きな課題、事業を子会社化する意味…などなど。

学びの源は、次々とぶち当たっては挫けそうになる数々の困難であった訳ですが、B2Bビジネスを作って拡大する面白さを沢山味わえたという意味では、総じて貴重な経験で、「楽しかった」と胸を張って言えます。

上場企業やバックに大資本を持った中堅企業がひしめくMCM業界で、SYNCNELは市場シェア3位につけてたこともありました。そんな戦場で、約200社の御客様にご利用頂くまでに拡大できたのは、ひとえに、販売パートナーの皆様、御利用頂いているユーザ様など数えきれない沢山の方々に支えて頂いてきたからこそです。SYNCNELに関係して下さった皆様に改めて深く御礼申し上げます。本当に有難うございました。

また、細かく且つ無茶な条件を色々と付けさせて頂いたにも関わらず、事業譲渡の提案を快諾頂いた富士ソフトさんにも改めて御礼申し上げます。担当頂いている皆さんとは引き継ぎにあたり頻繁にコミュニケーションを取らせて頂き、一つのチームのように感じています。

併せて、富士ソフトさんとのご縁を頂くきっかけとなった、B2Bチャットサービス direct を提供されてさいる LisB さんにも御礼申し上げます。ビジネスはやはり人で繋がっていくのだな…と強く強く感じました。

 

発表の通り、SYNCNELという事業は2月1日以降、富士ソフトさんの事業として継続されることになります。富士ソフトさんは既に「moreNOTE」という同じカテゴリの商品をお持ちになっているので、合算するとMCM業界のNo.1企業になられます。

自分が作った事業をお譲りすることで、競合関係にある別会社様が業界No.1になるってのは何だか感慨深いものがありますね。ウチはお譲りする側ですけども、業界再編の当事者になったということですから。

実は別の競合会社である上場会社さんなど他の企業さんからも事業譲渡についてオファーを貰っていましたが、タイミングですとか、御客様や販売代理店様のメリットを僕なりに考えて富士ソフトさん一択で進めました。(わざわざ大阪まで来社いただいたH社長、すいません…)

今後は、ペーパレス会議に強い「moreNOTE」と、営業支援を強みとする「SYNCNEL」のシナジーも見込まれています。僕はというと、事業譲渡してハイさよならって訳にはさすがにいきませんし、そんな無責任なことはしたくないですので、フィードテイラーの大石としてSYNCNELに関わり続けます。moreNOTEにも関わらせて頂いて、恐らく、別エントリでご紹介したヴァル研究所様のお名刺を持たせて頂くような形で動くことになると思います。

 

冒頭に記事について言及した通りですが、今回の譲渡は会社の売却ではないので、厳密にはM&Aでもバイアウト(売却側からするとセルアウトですね)でもありません。ちょっと不思議な感じですが、SYNCNEL株式会社は残ります。ただ、商標もお譲りする関係でSYNCNEL社を名乗り続けることはできないので、追って社名変更する予定。いずれ親会社のフィードテイラーが吸収合併することも考えられます。いずれにしても、フィードテイラーは存続しますし、僕が代表であることは変わりません。

…が、フィードテイラーに在籍のエンジニアはどうなるか、その話も少し書いておかなくてはならないと思います。

 

開発部門の解散

結論を先に書くと、フィードテイラーの開発部門は解散します。というか、しました。

事業譲渡って人がゴッソリ一緒に移籍することが多いと思いますが今回はそうではありません。弊社サイドから見ると、「事業」は売る、「会社」は残る、「ヒト」は別れる、そんな感じです。業界の流れや内部事情、外的要因等々を考慮して経営判断しました。

随分前に天気予報アプリのそら案内事業を、@itok_twit が独立創業したそらかぜ社に無償譲渡したことを書きましたが、今回の事業売却の文脈にある出来事の一つで、フィードテイラーの開発者は同時期に全員退職しています。

譲渡するから解散するのか、解散するから譲渡するのか。語りだすと10万文字は軽く超えてしまいそうなので割愛させて頂きますが、「人に優しい働きやすい会社」を標榜し実践してきた開発会社が、「人」にまつわる事で大胆な決断を行わざるを得なかったのは皮肉な話かも知れません。

以下は弊社で実践してきたことの全て。2年ほど前の資料ですね。

 

真剣に開発者のパラダイスを作りたいと身を粉にして頑張ってきたつもりだったのですが、実現できませんでした。というか、それが経営として妥当でないという判断を下すに至りました。僕が経営者として未熟な面があったということです。結果的には事業売却と解散という大工事にはなってしまったものの、御客様や販売パートナー様への影響は最小限にできたので良かったと思っています。

 

かつての仲間とは余り連絡を取っていませんが、各所で活躍していると伝え聞いています。

@itok_twit(株)そらかぜを設立。そら案内と関連アプリをフィードテイラーから全て無償譲渡済みです(そら用心除く)。元々そら案内は個人のアプリだったものを持ち込んで貰ったものだったので、それを返した感じですかね。何か拘束条件があるとか上納金(?)を求めるような関係性も全くありません。縛りがあると本人も事業が好きに出来ませんし。商標権も含めて一切合切譲渡しました。そら案内シリーズ以外で本人が弊社で担当してくれていたアプリ資産も全て同様に無償譲渡してます。主だった取引先も繋がせて貰いました。新版そら案内もリリースされてとても順調なようです。

@kumatch は新たな挑戦をしているそうです。とても稀有なエンジニアだと思いますので次でも頑張って欲しいですね。

@sumihiro は技術顧問として他の会社に参画しながら個人で開発も続けてるとか。弊社で担当して貰っていたアプリは全て無償譲渡しました。Nyatterとかそら用心とか。他にも昨年夏にフィードテイラーとしてリリース予定だった新事業も丸っと無償譲渡していますので、いずれ本人から発表があるかもです。ハード寄りのことを会社でして貰う機会を提供できなかったのは残念だったかもですね。将来IoT絡みで何か面白いこと仕掛けてくれるんじゃないかなぁと期待しています。

@nakiwo@ankou1060 は大阪でiOS開発会社と言えばこの会社というフェンリルさんに行きました。あ、そうそう。何とフェンリルさんの会社説明会を弊社内で開催して貰ったんですよ、去年の9月だったでしょうか。

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これはその時の写真。同業種でガチで競合している企業の会議室で「ウチに転職しません?」っていう説明会が開催されるって普通なかなかありません。当時、フェンリルの役員さんと話をさせて貰って実現しました。役員さん自らが「フィードテイラーさんで仕事されていた方ならどなたでも弊社に来て頂きたい。いつまでも待ちますよ。待遇はそのままでお約束します。」と仰っていたのが印象的でした。

ちょっと横道に逸れましたね。結局2人がフェンリルさんに行きました。尚、@nakiwo には @itok_twit や @sumihiro と同様に担当アプリの全てを無償譲渡してます。(譲渡処理は近々完了)

@fuku518 は少し早めで2015年の3月には退職してました。他の職場で活躍しているようです。

@t0shiya はフェンリルさんからも熱いオファーがあったようですが、唯一僕の次の挑戦に付き合ってくれることになりました。前述のSYNCNELに絡む業務も継続して貰いながら(富士ソフトさんのSYNCNEL事業/moreNOTE事業を僕と二人で御支援させて頂く事になります)、あと新しい事業作りにも一緒に取り組んで貰うことになってます。

とこんな感じです。色んな意味で尖ったエンジニアのみんなと一緒に仕事できて良かったです。お疲れ様でした。

既存の御客様のアプリ開発案件については、既に先行して一部御案内差し上げてましたが御迷惑が大きくかからないように調整済みです。御客様に於かれましては御安心頂きたく、万が一ご不明な点はお気軽にお問い合わせ を頂けましたら幸いです。

 

フィードテイラーのこれから

2015年12月で第10期が終わりました。おかげさまで、増収/増益かつ過去最高の売上と利益を、親子会社両社ともに記録することになりそうです。譲渡や解散とは無関係に過去最高になるのは2015年夏頃には見えていました。利益については想定外ですけども。

フィードテイラーでは歴史上一番現金に余裕がある時期でもあったので、なんでこの時期にその判断なん?もったいないわ!…それが最終判断を報告させて貰った方のリアクションでした。

でも、色んなパラメタを見て中長期的に吟味した際に、御客様や販売パートナー、譲渡先企業や業界全体、従業員やその家族、自分の家族…あらゆる利害関係者の幸せの総合計を最大化するには今しかないと判断して行動した次第です。

悩んで眠れないってのはこういう時なのかと感じました。

自分の判断は正しかったのか。その問いに自信を持ってYES!と今言えますが、僕以外の全ての人にそう言って貰えるようにするのが今後の僕の責任かなと思ってます。ですので、僕はこれからもSYNCNELに関わり続けます。そうさせて貰えるようにお願いをしました。SYNCNELやmoreNOTEを通して、MCM業界の活性化に引き続き貢献できればと思っています。

 

一方、内部に目を向けると、開発部門は解散して2人(パートの奥さん入れて3人)になったし、アプリや事業も全部譲渡/売却した(する)ので、文字通りスッカラカンです。何にも残ってません。もはやiPhoneアプリ開発のフィードテイラーも、理想の就労環境追求のフィードテイラーも過去のモノです。iOS開発専業をうたうとか、同じことを繰り返すつもりはありません。

幸いにして多様な経験を評価頂けているのか、アドバイザー的な立ち位置を期待して頂くことが増えてきていますので、それを新たなビジネスの一つにしようとは思っています。IT全般をおさえていて、モバイル系やB2Bビジネスの経験もあり、実際に開発もできる経営者・マネージャという掛け算のところにいるのが珍しいのかも知れません。

IoTしかり、FinTechしかり、トレンドを自社内でやるのもとても面白いのですが、他社様のリソースに自分も加わって一緒にやる方が面白く合理的である場合もあります。開発/営業/企画/マネジメントの経験を活かして他社様の事業をブーストする一助となる、そんな御支援スペシャリストの集団になれたら良いなと考えています。

また、これまで僕が経験してきたことや、ウチの知見をシェアすることにも注力していきます。ブログとか執筆とか講演とか勉強会とか、OUTPUTをもっと増やしていきたいなと。(書籍は昨年7月に宣言したのにまだ出せてませんけども…) 先日エントリした静的Webサイト勉強会 はOUTPUTの一例です。他にも、創業から開発体制づくりに事業売却まで経験してきたことをOUTPUTして、これからの起業家の皆さんが少しでも僕と同じ失敗にはまらないように出来たら良いなと思ったりもしています。そんなOUTPUTの過程で生まれる事業もあったりするかも知れません。

 

インサイダーのこともあり話せないモヤモヤ感の半年間でした。新聞記事やプレスを軽く引用してサラッと御報告しようと思っていましたが、やはり事業や会社に思い入れも多くあったので、かつてない長文になってしまいました。すみません。読んで頂き有難うございます。

そんなこんなで、またスタート地点です。初心に返り謙虚に誠意を持ちながら邁進したいと思います。今後ともフィードテイラーを宜しくお願い致します。

 


2016.01.03 (Sun)

あけましておめでとう御座います。

昨年もまた多くの方に御支援・応援を頂きまして、無事に第10期を終える事が出来ました。改めて御礼申し上げます。第2期が半年間だけだったので、10年と言っても厳密には9年半なんですけども何はともあれ10年の節目でございます。

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年が明けた瞬間から第11期目がスタート。次の10年もまた色んな方のお役に立てるように、特に知見や経験/アイディアの御提供を積極的にしていきたいと思ってます。

例えば、先日のエントリで御紹介したような、もう半ば仲間のようにならせて貰って課題解決や新規事業に関わるような形式ですね。過去にも実績幾つかありますが、その強化。

御相談は大小関わらず幾つも頂いてて、やっぱり「課題」がそこには存在しているのだなぁと感じます。

御客様の環境や事情それぞれに応じて、こういう方向に進んでおいた方が良いですよ〜と広い視点で提案できる水先案内人というのか、コレをこう繋いであーした方が良いですよ〜と事のハンドリングをアレンジして差し上げれる人というのか。提案型/伴走型っていうんでしょうかね。

ここ数年OUTPUTが少ないので、しっかり形にもしていきます。ブログとかセミナーとか、電子書籍とか。

御客様毎の課題はシェアする訳にはいきませんが、例えば以前のエントリで書いた脱CMSのテーマとかですね。あのエントリは反響がかなり大きかったので、ウチはこんなふうにやってます〜みたいなノウハウを詳細全部出してみようかと。

他にも会社運営の工夫というか自分流のメソッド的なものも出せるでしょうかね。ウチは随分と変な制度や個性的な取り組みをやってきたぶん蓄積がありまして。昨年8月に電子書籍出します宣言をしたことも結局達成出来ていませんし、ここに帰結させようかなと考えてます。(「はじめに」と目次ぐらいは公開したい)

 

そんな訳で、知見や経験、アイディアやノウハウをどんどん出していく年にします。今年もどうぞよろしくお願い致します。

 


2015.10.13 (Tue)

先日のカンブリア宮殿は(株)ファンデリーさんでした。管理栄養士さんが作る弁当を販売しながら健康面を御客様一人ひとりにアドバイスするというビジネスをされてます。弁当を売る事がメインではなく国家資格である管理栄養士の知識やノウハウを継続的に売るというのが肝ですね。

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カンブリア宮殿で好きなのは、多くの回でその会社のビジネスがどのように誕生したかをちゃんと紹介してくれるところ。そのエピソードに商売のエッセンスが含まれているので見るたびに気づきを得られます。共通しているのは御客様の声にちゃんと耳を傾けてる、あるいは気付けているって事なんですよね。

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ファンデリーの阿部社長は若くして独立した後、宅配の野菜販売をされていたのだそうです。そこに天の声ならぬお客様の声が耳に入ります。訪問先の御客様に「糖尿病なのでなかなか料理が難しい。気軽に食べれる弁当があれば良いのに」と言われたのだとか。そこで管理栄養士さんの知識を裏付けに健康指向な弁当とアドバイスを提供するビジネスを始められたと。それが mealtime

制限された食事を提供する必要のある病院へと商圏は拡大し、今は健康的なダイエット目的の弁当という切り口でF1層の課題解決をしようとしておられるそうです。試食会で女性から厳しいコメントを受けているシーンは印象的でした。

 

ビジネスもアジャイル

改めて思いますが、世の中の問題の所在とそれをどう解決して欲しいのか…という問の答えはやっぱり御客様が持っているんですよね。明確に◯◯が欲しいと言葉にしたり明文化してくれるかはケースバイケースですが、B2BだろうがB2Cだろうが御客様の気持ちに寄り添った者のみがお金を継続的に得られるのは間違いありません。

弊社も子会社で SYNCNEL というクラウドサービスを提供させて頂いていますが、誕生から今までの歴史を紐解けば

  • MacからiPadにPDFをUSB以外で手軽に転送したいと思った
  • FastBoardというアプリを作った
  • ある大学の先生に呼ばれて「数十台で同じことやれたら良いのに」と言われた
  • これはクラウド型で実現すべきと判断して開発体制を整えて作った
  • 2011年にSYNCNELをリリースした
  • 大企業様から「柔軟にセキュリティルールを変えれたら良いのに」と言われた
  • 実装した
  • 上場企業様に次々と使って頂けるようになった

という経緯でして、当たり前ですが常にお客様に育てて頂いてきた歴史があります。ファンデリーさんのような例を見ると、間違ってなかったよなぁと思ったりします。

今どきのアプリ開発に似ていると思いますが、ビジネスを始める前から完成形を見通しきるなんてそもそも不可能です。VCがよくいう事業計画書が個人的に余り好きでないのはそういう理由からですが。掲げるものの方向性が大きく違わない程度にザックリ決めて始めてみる。そしてフィードバックを取り込むことを短い周期で繰り返していく、まさにアジャイル的なビジネスビルディングが必要なんだと思います。

 

ビジネスの先に潜む罠

とはいえお客様に言われるがままって訳じゃなくて、問題や課題の根源を探り出し如何に解決するかは経営者や会社のセンスまた技術の見せ所なんでしょうけどね。そこがオリジナリティなんでしょう。えてしてビジネスって経営者や企業が生み出してると思いがちですが、実のところ生み出してるのはやっぱり御客様ですね。やっぱり傲慢になっちゃいけない。

だから、自分は欲しくないからやらないとか、最もらしい理屈をこねて御客様の声に「できない」「やらない」「めんどくさい」で反応するとか、そんな姿勢が組織内で跋扈するようになるとビジネスの将来はおろか会社の将来さえも危うくなっちゃうのでしょう。当然ですね、ビジネスは御客様の声が作り出して維持させてくれる訳なので。

で、またまたカンブリア宮殿ですが、1年前に森下仁丹の社長さんがゲストたった回は、まさにそんな時の対応の仕方を紹介してました。

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価値の源泉を他業界に応用する事で活路を得たという positive な例でしたけども。とても参考になるのでビジネスオンデマンドでの視聴お勧めです。僕はそういう状況ありませんけども、そんな状況におかれたなら一度会社をリセットする道を躊躇なく選ぶだろうなぁ。

 

何かまた長文になりました。経営者出演系のTV番組はホント勉強になりますね。

モノで世に問う→微調整する、その繰り返しをどれだけ早く回して継続できるか、ですね。御客様の声には耳を傾け続け寄り添い続けたいものだなぁと改めて思う昨今です。次に新しく起こすビジネスがあれば、そこんとこを強く意識し、決して忘れないようにしていきたいですね。


2015.09.15 (Tue)

本日は残念なお知らせです。このたび2つのサービスを終了させて頂くこととなりました。

 

Slidrs

Slidrs

2012年にリリースしたプレゼン資料の同期サービスです。当時、弊社事業SYNCNELで搭載した会議機能が一部で高く評価されたことを受けて新たに開発したものでした。

会議室を作成し資料を登録。専用アプリで当該会議室に入室すると、入室者のiPhone/iPad/ブラウザで資料が勝手にめくられて勝手に切り替わるというユーザ体験を提供するサービスで、セミナー等での使用を想定していました。

会議やセミナーにおける資料同期とはどうあるべきかを模索する為に開発し、その成果を企業用のファイル共有サービス SYNCNEL にフィードバックしようという意図がありました。単体での有償化などは全くプランに入っていませんでしたが、上場会社様から企業版は無いのかとお問い合わせを受けるなど、一定の需要はあったのだと思います。とてもシンプルで分かり易かったのが評価されてたようです。

単体での訴求も余りしていなかった為、現在はほとんどユーザ様はおられません。役割は終えたかなという判断で2015年10月31日をもって終了することにしました。

 

Dailyshot

昨年の秋にはじめたばかりのサービスでしたが、残念ながら終了することとなりました。

テーマを決めて毎日1つずつ手軽にコツコツ投稿していく系のサービス。自分の体重とか、その日の空の写真とか、今日の一言とかですね。

この手の投稿系サービスにしては珍しく、過去や未来の日付を明示的に指定して投稿できるとか、誰かの投稿に対して何度も良いね!が出来るという、良いね!インフレを楽しめる仕組みを搭載しているのも特徴でした。

僕はこんなふうに空模様の定点観測をするのに使っていました。

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将来的にカレンダー表示とか、数値入力についてはグラフ表示とか、色々と構想もあったのですけどね。思いのほかユーザ様が伸びなかったということもありまして、ご利用頂いているユーザ様には申し訳ないのですが、2015年10月25日をもって終了することにしました。

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尚、これまで投稿して頂いたユーザ様向けに、画像やテキストなどをテーマごとにダウンロードできる機能も御用意しましたので、PCからアクセスの上で取得をお願い致します。

 

ということで、2つのサービスの終了のお知らせでした。これまでご利用頂きました皆様に重ねて御礼申し上げます。有難うございました。

 


2015.09.03 (Thu)

最近人とお会いしてて習慣の話になることが続いたので、何となく書いてみようと思いました。

早朝の神社参拝は2008年から7年、マラソンは2012年からで3年ぐらい。色々続いてますね(^^) 今回は経営者としてずっとやり続けてること9つを御紹介してみようかなと。あ、特段何か凄いことをやってるとかではないです。

 

1. お参り

近所の大阪天満宮に毎朝参拝してます。2008年から始めてほぼ毎日欠かさずなので通算2000回は越えてるかと。

1日の始まりに仕事のスイッチを入れる儀式的な事ってあると思うんですが(缶コーヒー飲んだりとか、タバコ吸ったりとか、日経新聞開いたりとか)、僕の場合は神社参拝がそれに相当します。自分のことの祈願は一切しません。感謝の表現が主ですね、仕事のことを含めて。

頭をスッキリできるという意味で、朝の切り替えスイッチの中でも僕はこれが一番だと思ってます。近くに神社がある方はオススメ。神棚とかが会社にあっても良いかもですね。

2. 掃除

出社して真っ先にやること。所要時間1分ぐらい。机の上、仕事道具であるMacなど、自分が作業する身の回りを必ず掃除します。使ってるのはコレ。ささっとホコリが取れてスッキリ。

実は掃除には物理的な汚れを除去する効果は余り求めてません。デスクワーカーにとっての机の掃除という行為は、雑然としてしまった机の上からやるべきことを洗い出して気付きを得る為の行為だと考えてます。

「あ、これもやらなくちゃ」「あー、こっちもか」と机の上を毎日掃除するだけで気付きが得られるんですよね。汚れの除去は本質ではないなと。1分程度とはいえ考える時間にもなってとても良いです。ウェーブ、お勧めですよ :-)

3. 当日の打ち合わせ準備

普通すぎますが。

カレンダーを見てその日の打ち合わせ予定を確認します。その上で、用意すべき資料とか事前にやっておくべきこととかをチェックします。最近はEvernoteでメモを取る事が多いので、あらかじめ議題を列挙したりなどなどですね。

4. ルールブックのチェック

これだけはちょっと珍しいかも。

僕は自分のことを意志の弱い人間だと思っているので、あえて自分の行動を矯正するルールのようなものを自分に課しています。守らなければ罰ゲームという訳ではないのですけど、今では50個ぐらいになった行動指針群をルールブックと呼んでいて毎日チェックしています。

例えば、

午前の打合せがある東京出張で新幹線を使う場合は、必ず新大阪6:03発の始発新幹線に乗って東京で仕事をする。座席はA列。

とか、

迷ったら迷う時間を削減する為に、より変わった選択肢又は金額の高い方(但し現実的であること)を選ぶ

とかってなルールがあります。子供じゃないんだから…という話なんですが(笑)

ルール化して考える時間を極力無くすって感じでしょうか。守れてないものも沢山あるけど、そこは時々チューニング。毎日◯☓つけるってことはやってなくて単に眺めるだけ。自分を変えていく習慣作りに繋がる仕組みにはなってる気がしないでもないです。

5. 読書

毎朝10分。タイマーをセットしてやってます。10分経過してタイマーが鳴ったら読んでる途中の段落の最後まで読んで終了(というのもルールブックに書いてある)。

まとまった読書時間がなかなか取れず積ん読対策として始めたことで昔は30分にしてたんですが、今は時間配分を変えて10分にしてます。時々衝動的に本を買いまくる時期が訪れて、そんな時は本棚がカオスなことになります。

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やっぱり本が好きなんですよね。

6. プロジェクト俯瞰

会社で進行中のプロジェクトを俯瞰できる1週間単位のガントチャートのようなものを作っていて、それを眺めるようにしてます。誰がいつまで何を手がけるのか、組織全体の動きを見ます。将来の案件を入れるタイミングを見計らったり、後述する財務表を確認する前の、お金の何となくの動きをイメージするのに使ってます。

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こんな感じのモノで、昔は OmniPlan というツールを使ってましたが、今は Google Spread Sheet に切り替えてます。よくよく考えたらセルを塗っていけばガントチャートになりますもんね。

最低当年度の終わりまで、最長で1年先まで線を引くように。1つのプロジェクトが数ヶ月単位のものなので場当たり的に動くのは効率的ではないというのと、会社全体が1年を通してどう動くかを視覚化することで先を見据えたオペレーションができる、というのとで毎日欠かさず見ています。大きな会社さんだと部署とかチームごととかなんでしょうかね。

7. 業績とキャッシュフローのチェック

業績やお金の実績とフォーキャスト(予測)を毎日チェックしてます。弊社は月末締めとか翌月末払いとか月次単位のビジネスなんですが、それでも毎日見ています。膨大な数字から気づきって毎日何かしらあるものなので。

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試算表と資金繰り表ってよくお金関係のアドバイスを受ける際に出てくるんですが、個人的にイマイチなんですよね。よく知られている通り、売上や原価や利益という帳簿関連の数字と、お金の入りと出のリアルな動きって全くリンクしませんから。常に2つを時間軸で並べてみたいということで、自分なりに見易いと思える表を作っています。多分色んな経営者が独自の見方を持ってると思います。

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プロジェクトや案件ごとに、業績に関する数字と、実際のお金の動きとを同じ列で並べて見ます。スイッチボタンで同時表示・損益only・金の動きonlyを切り替えれるようにして1年先ぐらいまで眺めています。ぶっちゃけ、今仮にキャッシュインが無くなったらいつ墜落しそうかとか、この時期にはちょっと余裕ができそうだとか、それを毎日見るように。

一緒に月末時点の現金残高を必ず記録して、フォーキャストに基づく現金推移予想とどれぐらい乖離したか、乖離幅が多ければ何が原因かってことを考察するようにしてます。消費税の予定納税とか労働保険の納付とかの奇襲(笑)的キャッシュアウトの情報も忘れずに記入。毎日必ず数字とにらめっこして、6.のプロジェクト俯瞰のイメージを併せて常に早めの経営判断を心がけてます。

8. TODOチェック

GTDポモドーロテクニック、そして自分のオリジナルの工夫を組み合わせてタスク管理をしています。先日のWSWS100周年イベントで御紹介しました。嫌だなぁ・やりたくないなぁという気分が乗らないタスクを、如何に先行して終わらせるかという事にフォーカスした独自の管理手法です。

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こんな感じで。これは8月の1ヶ月分。毎日肥大していきますが、ここから何をやるかpickupして一日が始まります。タスク管理は永遠のテーマなんですけど、あることに気がついて工夫を始めてから先送りしてしまうことが随分と減りました。

9. 経営日誌

今で7冊目。毎日、自分が経営をしていて感じたこと、思ったことを記録しています。心理療法や瞑想の世界で「ジャーナリング」と呼ばれる手法に近いのかなぁ〜と最近になって気がついたのですが、思考を定着させることが目的でやってます。

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色々書いてますね。

嬉しい感情、悩みの感情、怒りの感情を全部記録して、あとビジネスアイディアとかも書いたりします。Evernote とかデジタルなノートではなく、紙にペンで書くという行為にあえてしてるのが特徴です。論拠は特に無いですが、考えるということを最も深くできる行為のような気がしていて紙とペンを使ってます。

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振り返ってみると自分が何を感じ何を考えてたかが分かるのでとても面白いです。有名な四行日記でも良いのですべての人に手書き日誌をお勧めしたい。

 

短くまとめようと思ったんですが、かなり長くなってしまいました。こんな感じで毎日やってます。他にも細かく言い出すとあるにはあるのですが、主だったものを御紹介しました。

どんなことであっても毎日の積み上げってホント大きいよなぁと感ずる昨今です。進むことは着実に進むし、大事な判断はタイミングを間違えずに出来ると思います。TODOや経営日誌とかは、結構こだわってやってる部分なので気が向けば個別に詳細書いてみようと思います :-)