本年より弊社は、iOSデバイス(iPhone/iPad)を使った業務効率向上や経費削減を促進するシステムを提供するiOSエンタープライズソリューションベンダーとしての役回りを一つの事業にしていきます。

去る2011年2月3日、その第一弾としてiOSデバイス用ドキュメント共有ソリューション「SyncBoard for Enterprise」を提携各社様と共同で発表致しました。

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昨年5月末にiPadが国内でも販売開始されて暫く経ってから、弊社にお寄せ頂くiPhone/iPadアプリ開発の御相談にある傾向が見られる事に気が付きました。企業の業種・業態に関係なく共通している要件があったのです

iPadやiPhoneで社内のドキュメント・コンテンツを持ち出したい

営業担当に外回りで使わせたいという話ですね。でも、特にiPadでは大きい画面も去ることながら標準のアプリも優れていますので、普通に出来るには出来るのです。

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写真アプリを使ってポートフォリオを見せたりカタログの写真を見せたり、動画アプリを使えばPR動画の再生にも使えますし、iBooksを使えば出先でPDF閲覧だって可能です。iWorkシリーズのアプリを揃えればOfficeで作ったファイル群も難なく閲覧できますしね。

….が。

それを個人でするならともかく、10人/100人/1000人という規模でやろうとした途端に実運用が難しくなります。営業マン500人のiPadにどうやって最新カタログを確実に入れ込みましょう?常にオフィスに戻ってくる訳ではない直帰直行のフィールドエンジニアに最新の資料をどうやって送りましょう?タブレット型の端末を業務に使えれば軽いし見易いし便利だけど…。

確かに、iPadやiPhoneでドキュメント・コンテンツを持ち出せたら便利です。でも、iPadやiPhoneにコンテンツを確実に入れるのが超面倒。USB接続で同期転送とか数百人単位にもなると有り得ない訳です。かといってSDカードのようなモノはないですし(あったとしてもセキュリティ的に使用不可)、メール添付なんて方法ではドキュメントが管理できない上に煩わしいし、じゃぁDropBoxかと言うとそもそも個人向けのクラウドサービスを企業がオフィシャルに使うなんてセキュリティや情報漏洩リスクを考えれば有り得ない訳です。

企業で iPad を使うとなるとほとんどの場合において

  1. ファイルは一元管理可能で、容易に更新が出来るように
  2. 常に最新版のファイルがiPhone/iPadに配信されるようにして欲しい
  3. iPhone/iPadがオフラインでも閲覧出来るようにして欲しい
  4. 万が一デバイスを無くした時などに備えたセキュリティ機能を用意して欲しい
  5. 誰がいつファイルを閲覧したか見れるようにして欲しい

という全ての要件が付きまといます。どれか一つが欠けていてもいけません。1〜3はDropBoxSugarSync等に類するサービスでも実現できるのですが、それだけでは全然ダメなんですね。セキュリティと監視が必ず必要になります。万が一無くした時が心配だし、ホントに資料を見ているかどうかも管理側は凄く気になる訳です。

多くの企業様のiPadに対する(というか全てのスマートデバイスに対する)要望は『セキュリティと監視機能を備えたドキュメント共有インフラの構築とその円滑な運用』という事であると我々は考えています。もっと分かり易く「DropBox + セキュリティ + 監視機能」と言ってしまっても良いかも知れません。

 

その実現を目指すのが今回発表した「SyncBoard for Enterprise」です。

近い将来、ビジネスの現場で皆が当たり前のようにスマートフォンやタブレット型端末を使っているという時代が来ます。無論、ノートPCが必要なシーンもあるでしょうが、特に営業を初めとする客先周りや社外打合せを主とする人にとってノートPCでなければならない理由は時代と共に減っていくでしょう。

メールとブラウズ、後は資料を見る・見せる、メモを幾つか取るだけ…なのに、物理的&OS的にあんなに重いモノを持つ必要がどこにあるのでしょう。技術の進歩と共に、スマートフォンやタブレット型端末はより薄くより軽くなり出来ることも増えてくるでしょうから、それらのデバイスに置き換えたい or 新たに導入したいという風潮も高まるに違いありません。

それは単に「流行りだから」とか「面白そうだから」という理由ではなく、営業効率の向上と経費削減という、企業が利益向上を図る為の実利追求の結果そうなるのです。

結果、これらのデバイスに情報(ドキュメントやコンテンツ)を容易に確実に且つ安全に転送する技術が必要になります。既存のイントラネットを流通するファイル群を新しい時代のデバイスに届ける為の情報の通り道。そのインフラ作りをしたいと弊社では考えました。

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幸いにしてAppleも対企業向けは強化してきており、そんな時代のスタンダードなデバイスになろうという明確な意志がiOSにも現れています。そんな事もあり、まずは iOS + サーバの組み合わせにターゲットを絞り弊社の全リソースを集中投下して昨年秋から開発を始め約3ヶ月で形にしました。このスピード感は弊社の @itok_twit, @kumatch, 更に11月に入社して貰ったiOSエンジニアの力を集結したからこそ。この技術力は弊社の強みでもあります。

そうやって出来上がったシステムを、興味をお持ち頂いた様々な企業様がある意味で弊社のアイディア・技術に「投資」をして頂いて、ビジネススキームを共に組み立てて今回のリリースに至りました。

インフラの構築や保守やマーケティングにはMySQLの国内サポートNo.1のスマートスタイル様、販路開拓や販売層管理には住友系の住友セメントシステム開発様、お客様のサポートにはコールセンター業務で実績のあるCTU様、インフラの提供には老舗のIIJ様、そしてもちろん対法人向けサービスという事でiPad/iPhoneの調達面でソフトバンクテレコム様にも関わって頂き、動画プロモーションには動画活用で有名なサムシングファン様に(文中の動画はサムシングファン様による制作)、iOSアプリクライアント側はいつもお世話になっているメタ・グラマー様に御協力を頂いています。そして、これを商材として売りたいという沢山の企業様の声を多く頂いている….今はまさにそんな状態です。

 

企業でタブレット型端末やスマートフォンを活用する時に必要なインフラを「SyncBoard for Enterprise」で提供していきたい。その活動が今まさにスタートしました。

昨年の秋口から自社アプリを余り出していなかったので「フィードテイラーさん最近何してんの?」と言われる事もあったのですが、こういう事をやっていました。今年一年間はこのプロダクトにかなり注力をする一年間となりそうです。また折に触れブログでも御紹介させて頂きたいと思いますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

 

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SyncBoard for Server