RSS(フィード)に関心のある人なら読んでない人はいないであろう The RSS Blog から知った情報です。面白いネタなのでご紹介。
RSSを導入するオンラインショップを最近よく見かけるようになりました。継続的に新製品が入荷したり、お買い得企画が定期的に発生するようなショップは特にそうでしょう。用途は色々ですが、メールやウェブページというネット媒体以外に、RSSにも商品情報が載っかるようになってきているのは多くの人が知る所です。
そこでエラい人は考えました。Product RSS ってのはどう?と。
Romani Arunachaiam という人が考案したもので Creative Commons ライセンスで公開しています。ざっと読んでみたところ非常に興味深いモノでした。
ザクっと言っちゃうと、商品の詳細な情報をRSSのアイテム内に入れましょうよという話。ひょっとしたらひょっとすると RSS の新たな動きになるかも知れません。そんな訳で日本語に訳してみました(ってか滅茶苦茶意訳していますけど)
[Motivation]
標準的なシンジゲーションフォーマットの仕様を定める事でRSSはウェブの閲覧方法に革命を引き起こした。そのおかげで僕らは一つのRSSリーダーで幾つものウェブサイトやブログを読む事が出来るようになってる。
今、ホントに沢山のショッピングサイトがあってRSS(フィード)を配信しているのは皆が知ってる通りなんだけど、RSSの基本的な要素(title, link, description等)はサイトで販売する商品の情報を全て表現するのに十分じゃない。
Buy.comは既に “product module for RSS2.0” なるRSSの拡張を試験的に導入してるんだけど、もっと一般的にそして完全な仕様にしていく必要があるよね(The RSS Blogは、Buy.comの拡張をproprietaryでlicenseの問題もあると指摘)、沢山のオンラインショップサイトで導入できるようにさ。
ひとたび巨大な物販サイト(amazonのような)がこの考え方を取り込んだら、RSSリーダー内で価格の上限下限を設定して商品検索とか、ブランド名で検索とか、その他の商品属性の組み合わせで絞り込みってな事が出来るようになる。
これって、次世代のショッピング体験へと繋がる第一歩。セマンティックなウェブが想定する “web of data” を体現するものでもあるんじゃないかな。
[Draft Specification]
RSS2.0の title, link, description, pubDate といった要素は今までと同じように使うことにしよう。僕が Product RSS として提案したい追加要素をあげてみる。
これは item のサブ要素で、商品のブランドや製造業者について書く。略語で書くんじゃなくて正式表記で書くのが良い。
これはプロダクトファミリーを表現する。例えば HP のラップトップの Pavilion とかね。
これはモデル名や品番を表現する要素だ。
これは商品が属するカテゴリやサブカテゴリ。ほとんどのショップが勝手なカテゴライズをしているけれど、この要素を使う事にすればショップサイト横断的なカテゴリ分けが出来るようになる。
商品の最終的な提示価格を書く。この要素内容には$等のような通貨記号を入れるべきじゃない。数値はセントじゃなくドル単位にすること。
商品のカタログ記載価格を書く。提示価格と異なる時は必ず書くこと。
商品の状態を書く。”New” か “Used” か “Refurbinished” でなければならない。
UPCコードを書く(米国やカナダで使用されている商品コード)
商品の重さ。属性で単位を指定すること。
商品の長さ、幅、高さ。属性で単位を指定すること。
商品が本の場合に ISBM を書く為の要素
商品の色
[What next?]
AmazonやBuy.comやShop.comのようなショッピングサイトにコンタクトを取ってみようと思う。あと、 Dave Winer, Danny Ayers のようなRSSのスペシャリストにもフィードバックを貰うつもりだよ。
…とまぁこんな感じです。冒頭にも書いたとおり相当に意訳している僕的日本語なので気になる方は原文を見て下さい。(訳がおかしい所があれば指摘して頂けると嬉しいです)
Draftという事もあって足りないモノが沢山あります。これだけの要素で十分かという話もありますし、そもそも product という接頭辞が割り当てられている名前空間のURIについて記述がありませんし、Product RSSの具体的な例もありません。理想を言えば XML Schema もきちんと定義して欲しい気もします。
Dave Winer, Danny Ayersらがどんなフィードバックを返すのが気になる所ではありますが、アイディアとしては良いんじゃないでしょうか。The RSS Blogも、Romani Arunachaiam 氏を褒めています。
もしこれが一般的になれば、オンラインショッピングの世界は更に更に面白くなりそうな気がします。Product RSS ばかりを集約したポータルサイトを作るだけでも楽しそうですよね(価格.comとかヤバイ?)。RSSの世界の新たな動きとして注目かも知れません。
僕なりの感想をRomani Arunachaiam氏に後でメールしてみようと思います。