2018.04.19 (Thu)

(所要時間 : 約1〜2分)

恒例となりました上場企業の常時SSL化対応状況調査レポート、5回目の調査となる2018年4月版をお届けします。調査は至ってシンプル。

  • 東京証券取引所が公開する2018年3月末時点の上場銘柄一覧から全上場企業3609社を抽出
  • 2018年4月11時点での全企業Webサイトで常時SSL化してるかどうかを判断

というルールで統計を取ったものです。11日というのは単に弊社都合です。ホントは毎月決まった日が良いのですけどね。

さて、今回はなんと言っても!!!ででんっ。

20180419_sslratio201804.png
(遂に半分を超えた!)

上場会社の常時SSL化対応サイトが半数を超えたということでしょう。いぁ実にめでたい!

調査開始した2017年12月時点で4割台だった頃から考えると、上場企業様や制作会社様の意識も向上してきてるのだと思います。常時SSL化推進派としては純粋に嬉しい結果です。願わくば数年のうちに対応サイトが100%になりますように。上場企業なのですから、情報発信側として身元ぐらい明らかにして貰いたいものです。

レポートでは例によって、業種ごと(17分類/33分類)や、証明書の種類ごとに統計を細かく取っていますので、詳しいことはレポートページをご覧下さい。過去分も見れます。

 

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(Thanks! the photo on flickr by Dennis Skley / CC BY-ND 2.0)

さて、あと3ヶ月もすればChrome68の配布が始まって、ChromeでHTTPサイトを表示すると即座に注意喚起がされるようになります。こんな感じ。

20180419_warning.png
(HTTPサイトは表示するだけで、このような表示になる)

そのことを知ってか知らずか、はたまた知ってるが無視しているのか、諸事情で対応できないのか…。7月にどれぐらいの上場企業が重い腰を上げるかが気になりますね。

どうせ対応しなくちゃならないので早いほうが良いです。既存サイトの常時SSL化はホント大変ですし。

 

もし常時SSL化でお悩みのようでしたら、DNSを切り替えるだけで常時SSL化が済んでしまう弊社 espar がおすすめです。手前味噌ですが(笑) どんな選択肢よりも作業負荷が少なく且つスピーディに常時SSL化できることをお約束します。

どさくさ紛れて最後に宣伝でしたね。来月もまたレポート致します。


2018.04.05 (Thu)

最近、仕事の進め方が変わってきていて、ふと気が付きました。

案外リモートでもokじゃね?と。事務所に常にいる必要ある?と。

20180406_remotework

創業からリモートという選択肢は用意してましたが、あくまでオプションだったんです。エンジニア自身や家族の体調がすぐれない時とか、外出控えた方が良さげなインフルエンザ流行時とか自然災害とかの時ですね。

あくまでもメインは出勤、リモートはオプション

ずっとこの考えでした。でも今後、これを段階的に逆転させていこうと思います。メインはリモート、出社はオプションという就労体制に切替えていきたいなと。

リモートの適不適は人にもよるし仕事の内容やプロジェクトのフェーズにもよるので、集まることを完全に否定する訳ではありません。ただ改めてこの1,2年の自社を見てみると、集まることを前提にする意味が無いと思ったのです。小さい会社だからってのが大きいですけど。

 

図らずもリモートが増えたが困ってない

最近、取引先やパートナーさんとリアルに会わず仕事を進めることが増えました。出張も増えてるんですが、出先での社内とのやりとりは実質オフィスなしでリモートワークしているのと変わりません。

20180406_remotework_notebook

SlackやChatworkでチャット&ビデオ会話、RedmineやBacklogのチケット管理、gitでソース管理、VPNでセキュアな接続環境…。

仕事の進め方や就労環境の考え方が、元々リモート最適化されていたんだと思います。生産性を高めるにはどうしたら良いかという追求の結果たまたま…なんですけどね。例えばこの本、

フルリモート体制の37signalsのCEOの著書ですが、これを読んだ時も共感できたし自社でやってたことも幾つかありましたから、考え方もリモート主体を元々是とするところがあったのかも知れません。

ならば37signalsのように、あるいは国内先駆けのソニックガーデンさんや近年だとIncrementsさんのように、思い切って自社をリモートを主体とする会社に衣替えしてみようと思った次第です。

でも既に当たり前の企業さんにとっては当たり前のことだし、リモートワークという言葉はもう何年も前から言われているので、何も目新しさはないのですけどね。

まぁ世間的に目新しいかどうかはともかく、どうせやるならスピードが常に正義なので、3月中旬頃にリモート主体にしようと思い至ってすぐに行動しました。

 

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(Thanks! the photo on flickr by ★Kumiko★ / CC BY-SA 2.0)

1. 花粉が酷い日でもリモートワーク

一つ目は出社しない日の設定。出張の日や外出メインで僕がオフィスにいない日(最近は結構多い)と、エンジニア本人の体調が悪い日を原則リモートワークとしました。

後者は7,8年前からそうだったのですが、リモートワークの特別感がなくなるよう僕から「リモートにする?」と提案するようにしました。その効果もあり「今日ちょっと花粉が大変なのでリモートでいいすか」「了解です」ってやりとりもあったりでハードル下げるのに成功してます。

3月中旬から2週間の間に既に4日(営業日ベースで3,4割)ほど実践してますが、生産性は落ちてないという印象。経営者の僕的にも、早速リモートワークを実践したエンジニアの @t0shiya 的にも同じ感覚です。まぁこれは労使相互の信頼感あってこそですけどね。

 

2. リモート前提で自社プロジェクトをおまかせ

もう一つは、自社プロジェクトで新しい取り組み。3月下旬から岩手県に在住の @mtane0412 さん (ブログ:ニートが東京に行った話) に平日、完全リモートでお仕事して頂いてます。

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(週1回の頻度のビデオmtg。ご本人の許可を取ったうえでキャプチャ/掲載しています)

弊社では、常時SSL化上場企業対応状況レポートをやってるんですが、随分前から常時SSL化促進のためにもっとWebから情報発信をしたいと思っていたのですよね。esparという自社プロダクトの一環として。

自社のものは自社内で…が僕のポリシーなので、「Webデザイナーさん雇うしかないかなぁ、社内に席は1つ空いてるけど今雇うならエンジニアだよなぁ…」ってずっと悩んでたのです。で、たまたま@mtane0412リモート前提で仕事を探しておられることを知り、速連絡。お仕事をご依頼するに至ったという訳です。

@mtane0412 さんは、Geek Office Ebisu やベビログの板羽さんとの繋がりで知り合った方。ライティングの力やWebの知見、制作力、技術的センスなど、惹かれるものがあったのですよね。実績もお持ちでした。(サルでもわかる葬儀の新常識)

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(制作されたサイトの例。クオリティも高く1年でPVも収益も稼ぐサイトに育ったそうです)

少しお話して、僕の「あらゆるサイトの常時SSL化を促進したい」という考えにも共感して貰えたので、今、特に期限を定めることなくアルバイト的な感じでお仕事をお願いしてます。

これは会社に出勤することを主としていたらできなかったことですね。リモートワークを主とすることで仲間を増やせるということなんだろうなと実感した例でもあります。

 

とまぁそんな訳で、リモートワークを主体に切り替えていこうと思います。冒頭でも書いた通り集まることを完全否定する訳ではなく、あくまで出社かリモートかの主副の入れ替えに過ぎません。適度なバランスが探れると良いなぁと思います。

弊社は、創業来10年以上エンジニアにとって幸せな働き方とは何かを追求してきました。そうやって生まれた変な制度や変な取り組みが沢山あります。

でも、集まる前提という思考の拘束が解けた今、制度や取り組みについてアイディアが色々出てきてます。労基法を改めて読み直したり、社労士にアレはokかコレはダメかと確認しまくってるのは自分らしいかもですね。リモートを主としたらできること。遅れ馳せながらですが、追求してみたいと思います。


2018.03.20 (Tue)

(所要時間 : 約1〜2分)

毎月恒例となりつつある(?)上場企業の常時SSL化対応状況レポート。

昨年より始めていて今回は4回目となる2018年3月版を公開致しました。微増ではありますが着実に増えてます。詳細なデータは こちら からどうぞ。

 

ようやく半数に迫る勢い

グラフで見るとよく分かるのですが、ようやく半数に迫るか…というところまできました。

20180316_sslreport201803
(やっと50%越えが見えてきた)

あと0.4ポイントですね。ホントあともう少し。これまでの調査レポートを振り返ると、前月に対する増分はだいたい1.0ポイント弱ですので、来月は確実に50%を越えるでしょう。

祝!常時SSL化対応上場企業半数超え!

ですね。パチパチパチ…

 

対応サイト半数越えの見込みは喜ばしいけど…

半数超えは確かに喜ぶべきことなのですが、手放しに祝える状況とは言えません。

2018年7月にはブラウザシェア5割(国内では4割弱)の Google Chrome で「安全でないサイトです」と表示されるのが分かっているのにも関わらず…まだ半分が未対応ってことですから。

まぁそれを言いだすと、実は中央省庁Webサイトもほぼ全て未だに常時SSL化できてないってこともあって、そもそも国全体が結構恥ずかしい水準ではあるんですけどね。

今もって常時SSL化対応できていないのは、

  • A) そもそも知らない
  • B) 知っているが対応できない
  • C) 知っているが対応しない

の3パターンに分けられるのですが、実は B が多いんじゃないかなぁと思う昨今です。色々理由は考えられますが、もしできないなら無理に自分でやる必要はなくて誰かにやらせるって判断もあり…だと思うんですよね。弊社は最近、そこに役割を見出してます。

 

役割分担で楽しよう

サイトの規模が大きかったり、CMSを使っていたりすると、ひとことで常時SSL化といってもなかなか難しいのが実情です。リダイレクトとか絶対パスとか外部参照とか…考えてたらキリがない。

常時SSL化の作業は、サイトの制作会社様もエンドユーザ様も本業ではない筈なんですよ。そこを気にして時間や精神が蝕まれるのって勿体無い。だから全部外出ししましょうよ…というのが、espar事業を通して最近発信しているメッセージの1つです。

20180320_aossl.png
(サイトに何の変更も加えずにhttps化できる)

DNSを切り替えるだけで気がかりがなくなるならそのほうが良いですよねとご提案していて、事例も増えてきて好評も頂いてます。

面白いと思うのは、常時SSL化できたという事実が嬉しいというよりも、頭の片隅に引っかかってた常時SSL化のことを一切考えなくて良くなったと評価して頂くことがあるって点ですね。

そうなんです。今の web は制作会社様やエンドユーザ様に色々求め過ぎ。まぁ仕方ない側面もあるのですけどね。ただまぁそれだけに、考えなくちゃいけないことを減らせるに越したことないんです。

餅は餅屋で作業分担し、各々が得意分野や本業に全力投球すること。それが関係者皆にとって幸せなんじゃないかなと思う昨今です。楽できるところは楽するのが一番です。

 

という訳で2018年3月の常時SSL化対応状況レポートでした。何か後半は思いをぶつけてた感ありますが…。さて、来月は遂に半分超えが見込まれます。また来月もレポートいたします。


2018.03.16 (Fri)

(所要時間 : 約3〜4分)

3月12日、東京は飯田橋で開催された daab Developers Summit 2018 で登壇させて頂きました。

20180316_daabdevsummit2018

スマホ向けのビジネスチャットサービスである direct の開発者向けイベントです。direct の開発元 LisB さんが daab 発表3周年を記念して主催されました。

daab とは direct agent assist bot の略で direct というビジネスチャットをプラットフォームとした、チャットボットを提供する為の仕組みのようなものです。slack 向けボットでも使われる Hubot がベースになってます。

 

弊社とdirect

directを提供されてるLisBさんと弊社との関係は実は結構長く、それこそdirectがローンチする前からのお付き合いです。社長の横井さんとのご縁がきっかけで、そこからはや10年近く…になるでしょうか。

20180316_businesschat
(Thanks! the photo on flickr by William Hook / CC BY-SA 2.0)

directがまだクローズド版だった時に使わせて貰いました。ビジネスチャットという着眼点は素晴らしいなぁと LisB さんを羨ましく思ったものです。

当時、弊社のファイル共有サービスSYNCNELが思うように拡販できてなかった時期だからかも知れませんが(笑)、自社ビジネスを持つ会社あるあるの隣の芝は青い心境で、スマホ向けビジネスチャットの国内黎明期を羨ましく見てました。これは絶対盛り上がるでしょと。

その後、前述の daab を2014年末に発表されます。チャットツールをサードベンダーがボットを作って拡張できるというんです。LINEの BOT API の発表が2016年4月ですから、如何に早いかが分かりますね。

20180316_daab

リリース前に構想をお聞きして、軌道に乗り始めていた自社のSYNCNELと連携させようという流れで、daab の開発パートナーにならせて貰いました。SYNCNELのロゴも載せて貰ってましたかね。

1年半後の2016年2月、弊社はSYNCNELを富士ソフトさんに事業譲渡しますが、その橋渡しをして下さったのが LisB さんです。何がどう繋がるか分かりませんよねホント。

そんなご縁で今もお付き合いさせて頂いてるという訳です。弊社は今 direct の一販売代理店とならせて貰い、導入支援/運用支援もしています。

20180316_daabdevsummit2018_ft
(参加人数は60人弱ぐらい。ほとんどがSIerさんなどの開発関係者だったかと)

一個人として、国内スマホ向けビジネスチャットの歴史を身近に見てきましたけど、間違いなく direct はその先駆けで(当時chatworkはスマホ最適ではなかった)、今でこそ流行りのビジネスチャットボットのコンセプトを最初に打ち出したのもまた direct なんですよね。

だから応援の意味もあってお付き合いを続けさせて貰ってます。プロダクトとしても良くできてますし。(どこ目線だw)

 

ビジネスチャットの役割

僕は、情報セキュリティレベルが低い国内事情も、生産性が低いと言われて久しい日本企業の実態も、諸悪の根源は「メール」であると考えてます。

メールを廃止すれば、いわゆる働き方改革(?)をやらなくても生産性は劇的に上がりますし、国内セキュリティインシデントも半分以上は無くせるし、際限なく掛かるように思える情報セキュリティ費用も極小化できると思ってます。

20180316_businesschatrole
(発表で使ったスライドの1つ。社内で両者のためにメールを使うべき理由は皆無)

実際、directを始めとするビジネスチャットツールは、社内コミュニケーションとしてのメールを激減させました。人と人との会話はメールよりよほど効率的ですし、スパム誤判定による喪失や大量のメールに埋もれる事もありません。

社内コミュニケーションに使うメールと対比すれば、ビジネスチャットにはメリットしかないのです。

でも、社内のメールを無くすという観点で唯一 direct に欠けていると思っていたのが、社内を飛び交う通知メールをどうにかする手段でした。システムからのアラート、定期的な営業レポート、グループウェアからの通知、IoT機器からのお知らせ…。これらを、簡単に、あらゆるシステムから、あらゆる言語から direct に通知として容易に流せたら良いのにと。

でも、ボットサーバを立てるアーキテクチャではこれが面倒なんですよね。

20180316_makeallbots

LINE WORKS も同じです。ボットは作れますが、特定のチャットルームに通知を送るだけの為に別サーバを立てて環境を作る必要があります(Serverlessという手段もありますが、別に用意しないといけないという意味では一緒)。

この点、REST API を備えて手軽に通知を放り込める slack や chatwork のほうが優位です。

例えば、以下に示すのは chatwork に通知を送る GAS のコード。Google SpreadSheet の編集時にB1セルの値を通知するってなことが、

CHATWORK_WEBHOOK_API_TOKEN = '1234567890abcdef1234567890abcdef';
CHATWORK_WEBHOOK_API_ENTRY = 'https://api.chatwork.com/v2/rooms/12345/messages';
var options = {
  'method' : 'post',
  'headers' : {
    'X-ChatWorkToken' : CHATWORK_WEBHOOK_API_TOKEN,
  },
  'payload' : 'body=' + SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName("sheet").getRange("B1").getValue()
};
UrlFetchApp.fetch(CHATWORK_WEBHOOK_API_ENTRY, options);

とたった数行で書けます。これを書くのに5分もかかりません。普段使ってて慣れてますから。サーバも特別な環境も不要です。

slackならもう少し簡単ですね。

SLACK_WEBHOOK_API_ENTRY = 'https://hooks.slack.com/services/T00000000/B99999999/123456788912345678901234';
var options = {
  'method' : 'post',
  'payload' : 'payload={"username":"webhook","text": "' + SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName("sheet").getRange("B1").getValue() + '"}'
};
UrlFetchApp.fetch(SLACK_WEBHOOK_API_ENTRY, options);

って書くことができます。このシンプルさは通知用の REST API (webhook) があらかじめ用意されているからです。

シンプルさとセキュリティは相反するのでバランスが重要ですが、シンプルに提供できるならビジネスチャットツールで社内通知を根絶できます。実際、弊社は通知系を基本 slack に集約していて、社内でのメールも、社内システムからのメールも一切ありません。

20180316_slack

そこで、今回冒頭で言及した daab を使って、direct への通知を REST API (webhook) として実現するようなボットを作ってデモしました。

20180316_daabwebhook

やっぱ応援しているプロダクトが他の競合プロダクトに負けてるかもって思う事があると悔しいじゃないですか。で、実際に動くものを作って見せれるというのは開発者・開発会社の良いところなので作ってみた次第です。中のエンジニアの方にも面白がって貰えたようで良かったなと。

directが標準で REST API を搭載するまで、今回作ったボットを使って社内で運用、また espar など静的化製品での活用を考えてます。

 

以上、イベント参加報告でした。他の登壇者の方も、AIやIoTやEDIやRPAなど、ボットを使って色んなことができるってことを紹介されていて、聴講者としても面白く且つ勉強になるイベントでした。

先日の MobileAct といい開発者向けイベントに登壇することが増えてます(増やしてます)。これからも機会あればアウトプットしていきたいと思います。


2018.02.20 (Tue)

(所要時間 : 約2〜3分)

昨年6月からはじめた静的化サービスのesparですが、おかげ様でお問い合わせやお引き合いを沢山頂いており、実績も着実に増えつつあります。

対象となるサイトは当初の想像通り、ほぼ全て WordPress です。

20180220_espararchitecture

esparの基本的な仕組みは、

  • CMS側(WordPress等)の設定を何も変えることなく
  • 弊社の静的化エンジンが外からhtm化(静的化)して必要ファイルを収集し
  • 弊社のホスティング環境でホストし
  • DNSを弊社ホスティング環境に切替えてもらう

というもので、絵にするとまさに上図のような感じで実現しています。

google bot のようなものが対象サイトの全ページをクロールする仕組みと同じですので、対象となるサイトには弊社の静的エンジンからのアクセスが必要になるのが特徴です。

 

20180220_engine
(Thanks! the photo on flickr by bark / CC BY 2.0)

静的化エンジンを内部に持ちたい

通常は外からのアクセスが普通にできるので問題ないのですが、医療機関・自治体・財団法人など公的色合いの強いWebサイトの場合、そうはいかない場合があります。

例えば、院内のプライベートネットワークに WordPress 環境があって院内から関係者が編集、全体を静的化してインターネット上の公開サーバに転送…ってことをしたい場合があります。あるいは、そもそも外からの余計なアクセスをNGとしているサーバ環境に WordPress を構築している例もあったりします。

20180220_esparonpre
(プライベートネットワークにWordPressがあると外から静的化できない)

このような環境のサイトには、従来のesparは導入できませんでした。外から静的化させて貰えませんから。そこで今回、御客様の要望にお応えする形で espar WP Plugin という新商品を開発しました。

『弊社の静的化エンジンを WordPress のプラグインにしました』

ということですね。Go言語で実装したエンジンを WordPress プラグインの仕組みでラップしています。宜しければプレスリリースも御覧下さい。

 

20180220_staticpress
(静的化プラグインでは一番有名な Static Press)

既存の静的化プラグインとの違い

実は、WordPressの静的化プラグインって幾つもあります。

国内だと Static Press が一番有名でしょうか。WordPressのプラグインではないですが、古くからあるwgetというWebサイト取得ツールもありますね。

無償のものがあるのに、今回 espar WP Plugin を出したのは何故か。何が違うのか。理由(優位性)は主に3つあります。

1. 速度

Static Press しかり Really Static しかり、wget もそうですが既存のものはとにかくスピードが出ません。

並列処理をしているかどうかが大きな差なのですが、esparのエンジンは並列処理が得意なGo言語の特性をフルに活かしているので高速です。サイトやページ構成にも依りますが普通に10倍ぐらい早いこともあります。

2. 静的化クオリティ

既存のものは静的化を巧くできないケースが散見されます。静的化って結構複雑なんですよね。

  • CSSのbackground:url()属性に指定されている画像
  • html5のsvgタグやdata-属性の中身
  • jQueryで制御された<a>タグではないタグによるリンク先
  • ページからはリンクされていない画像やPDFデータ

など、静的化においては、解釈できなければいけないこと、取得できなければならないもの、が沢山あるのです。既存のものはこれらを取得できないことが多く、それはサイトの静的化品質にそのまま繋がります。

esparは2年以上も静的化エンジンという用途に特化して進化させてますから、クオリティは圧倒的に高いんですよね。つまり再現性が高くて、そこには自信があります。

3. 設定は全部お任せ

WordPressプラグインのインストールからエンジンの設定、公開サーバの設定まで全部弊社で実施します。「このサイトを静的化したいんです〜」と丸投げして頂ければ、数日のうちにWebサイトの静的化が完了します。

動的な要素(問合せフォームや検索)などの機能と共存も可能です。

 

このようなメリットがあって、御客様もそれを期待して頂いていたので、商品としてリリースすることにしました。既に都内の某財団法人様においては導入済みで本番稼働しております。また、某金融系企業様にも導入がほぼ決まっています。

という訳で新商品のご紹介でした。

今回発表の espar WP Plugin は、WordPressサイトの運用で陥りがちな課題を一挙解決する最もコストパフォーマンスが高い商品であると自負しております。WordPressの高速化やセキュリティにお悩みの方は是非ご連絡下さい


2018.02.18 (Sun)

(所要時間 : 約1〜2分)

スマホ見るなら本を読めと自分に言い聞かせて続けているスキマ時間活用法。

スキマの時間、思わずスマホに向かう手を本に向けて読書する毎日です。エスカレーターとかでも読書してます。(歩き読書はダメ!)

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(Thanks! the photo on flickr by Sebastien Wiertz / CC BY 2.0)

スキマ読書をはじめて3年目の昨年は1年間で67冊でした。1年100冊は越えたい2018年の初月はどうだったか。今年もグラフで視覚的に残していきます。

8,9冊いきたいところでしたが、初月は7冊に落ち着きました。無念…orz

そんな7冊の内訳は以下の通りです。

 

ビジネス本

趣味本

 

という感じになりました。「趣味本」というくくりは、新たなジャンルですね。最近、いわゆる DIY にハマってまして、その関係で 3D CAD を触るようになったんですよ。

20180218_sketchup.jpg
(キッチンに新たな収納スペースを作成すべくSketchUpを使って設計中の図)

どんなものを作るのか、3Dで完成イメージを見て貰うほうが奥さんに分かって貰い易いかなぁと思って始めたのがきっかけです。手書きでも良いっちゃ良いんですけどね。書き直しとか調整がやり易いのがデジタルのメリットです。

 

閑話休題。で、今月のイチオシ本は、

こちらです。非常に分かり易くまとまっている iDeCo 本です。最初の一冊として良いかと。

iDeCoでは投資信託の話を避けて通れないのですが、投資の考え方や分散投資のメリットなどいわゆる投資の基本について結構なページを割いていて、投資にそもそも抵抗があるっていう方にも分かり易く、ス~ッと頭に入る内容になってます。

「年金はもうあてにしないでね」という国からのメッセージとも言えるiDeCo。やらない理由は余りないので、本書を読めば恐らくすぐにでもiDeCo始めなきゃって思われる事でしょう。投資をしたことないって人こそ是非手にとってみて貰いたい本です。

 

という訳で2018年1月のスキマ読書の記録でした。やっぱり読書って良いですね。


2018.02.08 (Thu)

(所要時間 : 約1分)

待ったなしの常時SSL化。

メリットを体感できず面倒くさい、というのが対応進まない最大の理由です。でも周りのサイトがほぼ対応してる…ってなってくるとそうも言ってられなくなりますね。

それが狙いで、一つの指標とすべく2017年12月よりやっている、国内上場企業サイトの常時SSL化対応調査の2018年2月版をお届けします。ザックリこんな感じ。

20180208_sslratio
(もう2018年だというのに上場企業でさえ、まだ半分に届いていない…)

 

常時SSL化の対応状況 2018年2月

このレポートが初めての方の為に調査方法を改めてご紹介すると、

  • 日本取引所グループが公開する銘柄一覧を元に上場企業URL一覧を作成
  • TOPページが https 対応していれば常時SSL化対応済みとみなす

という調査です。2018年2月の上場会社数は3601社で、2018年1月より上場会社の数は少し減りました。

一方で常時SSL化をしている上場会社の割合は少し上がり、前回より0.8ポイントアップ48.7%となりました。数にして26社増

先々月から先月も似たようなものなので、だいたい1%UPぐらいで増えていってるのかも知れません。相変わらず半数にも至ってないのが残念ですが、この調子で行けば5月初旬には祝半分!になるのではないでしょうか。

2018年2月レポートの詳細を、こちらから御覧頂けますので宜しければどうぞ。

 

EV証明書対応サイトが増えた

驚いたのは、EV証明書対応サイト数の伸び。

20180208_websecurity.jpg
(Thanks! the photo on flickr by FutUndBeidl / CC BY 2.0)

前回はプラマイゼロだったのに対して、今回はグンッと増えました。

  • ETSホールディングス(1789)
  • ケアサービス(2425)
  • すかいらーく(3197)
  • Minoriソリューションズ(3822)
  • 日本碍子(5333)
  • 千趣会(8165)
  • いちよし証券(8624)

EV対応していた企業が上場廃止になったケースが今回も2社ありましたが、全体ではプラス5社。割合にしてEVだけで見ると、3%アップです。非常にいい傾向ですね。

まだ常時SSL化していない上場会社はCSR的に論外だと個人的には思っていますが、ホントは全ての上場企業がEV証明書にすべきです。投資家や対顧客への情報発信姿勢としてなぜたった年数万円が支払えないのか、webに対する意識が低いってことだろうなぁと悲しい気持ちになりますね。

 

という訳で2018年2月の常時SSL対応レポートでした。来月もまたレポート致します。

余談ですが、上場企業に限らず、何かのククリで常時SSL化対応状況を知りたいというリクエストがあれば是非ご連絡下さい。URL一覧があれば調査できるので検討させて頂きます。


2018.02.07 (Wed)

去る2018年2月5日、モバイル関係の開発者向け勉強会 Mobile Act OSAKA の第三回 に発表者として参加してきました。

アプリ開発者が主に集まる勉強会でまさかの登壇。内容はこちら。

おなじみエンタープライズiOSネタで、HOME画面を無効化する方法について紹介しました。

  • ガイドアクセス
  • Single App Mode

の2つの方法について。iOS6時代から搭載されてますから随分これも枯れた技術になってきてますね。HOME画面の存在を消したいケースって今でも時々あるのです。

今回のLTでは、だいぶ詰め込んでしまったせいか、一部誤解を与える説明になった模様。司会の方にフォローして頂きました。感謝。詰め込みはいけませんねぇ(汗)

Apple Configurator 2 のデータを保存または移行する

Single App Mode を使う方は、万が一の時のために上の Apple 公式資料を事前に確保しておくのが良いでしょう。このへんややこしいから全部任せたい〜という方は是非弊社にご用命下さい(笑)

 

20180207_mobileactosaka3.jpg
(ガイドアクセスの方法を解説するの図)

エンタープライズiOSの相談は相変わらず多いです。丁度、当日の朝もある方が相談に来社されて、ADEP(iDEP) / VPP / CustomB2B / DEP / MDM など一通り解説したところでもありました。やっぱり「情報がホント無いんですよね」と。皆さん同じことをおっしゃいます。

Appleもっと頑張れ、なんですがね…(笑)

と言ってても始まらないので、ネット上のエンタープライズiOS情報不足を補うために、今年は昨年以上に発信していきたいと思います。

年始にも目標に掲げてたし、アウトプット増やさないとですね。という訳で、次回の Mobile Act OSAKA #4 発表枠にまたまた申し込みしてみました。当たるかな?


2018.02.01 (Thu)

弊社の日常をお知らせするひとことブログってのを初めて2年になりました。

20180201_hitokoto
(毎日写真1つとテキストで会社の日常をご紹介)

1年目は営業日に欠かさず毎日1回、2年目は週1,2回の更新、これをず〜っと続けてきて丸2年で投稿数は356。普段こちらのブログでは余りアウトプットしないことをゆるゆると発信してきました。

ま、書いてたのは僕じゃなくて @ikunee ですけどね。仕事としてお願いしていた事ではありますが、よくここまで続いているなぁと関心してます。ありがとう。

さて、そんなひとことブログ。本日より Instagram に移行することにしました。

20180201_instagram

理由は色々ありまして

  1. 写真+短いテキストという内容が Instagram 向きと思われる
  2. 会社で Instagram アカウントを運営する実験をしたい
  3. 開発会社がオフィシャルでやっている事例が余りない(知らないだけかも)

とかとかです。あと @ikunee が何気に写真撮るの上手ってのもあります。数日前から試験的に投稿して貰ってるんですが、何となくサマになってきました。モバイルで見るとこんな感じ。

20180201_ftinstagram_mobile.png
(オフィシャルアカウントっぽい)

宜しければこちらからフォローして頂ければ嬉しいです。週に数回更新予定です。

feedtailor

内容はこれまで同様、社内の様子をゆるゆると写真とコメントでお伝えします。併せて、せっかくのInstagramですので事務所のある南森町界隈のランチの紹介などもしてみようかなと思ってます。

 

これに伴いひとことブログブログはお休みしまして、Instagramとこの社長ブログ、そしてスタッフブログの3つで発信していきます。今後とも宜しくお願いします。


2018.01.22 (Mon)

(所要時間 : 約3〜4分)

今、仮想通貨界隈が非常に賑わっています。ニュースでもビットコインや仮想通貨という言葉を聞かない日がないくらい。

何となく先週末に昔話を書いてみようという気になったので、僕や弊社と仮想通貨について3,4年前ぐらいのことを思い出しながら書いてみます。

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(投資・投機というより歴史や技術、実装の本を重視)

この種の本を最近結構積極的に読んでるのですが、実は仮想通貨をwatchし始めたのは2013年頃です。まだあのMt.Goxが破綻するよりも前のこと。

米国在住の弟と会話してた時に「興味あったりする?」って聞かれたのがきっかけでした。元々ビットコインの名前ぐらいは知っていたので、そこから仮想通貨は僕の新しい関心事になり日米間で色々情報交換をするようになります。

ただ、ビットコインの話題もそこそこに、早くからRipple(厳密には仮想通貨じゃない)や、Etherium に注目するようになりました。

当時のRippleレートはまだ1XRP=1円にもなっていませんでしたから(ご承知の通り今は100倍以上)、まさに黎明期から仮想通貨に触れていたことになります。

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(作ろうとしてたRipple取引所の facebook ページ。2014年に作成しただけ)

2014年の間は、弟とRipple売買をすると共に、Rippleが解決しようとする国際送金の問題やいわゆる仮想通貨全般のことを勉強してました。当時は、自社の主事業であったファイル共有サービスのSYNCNELに奔走していたので時間は余り割けませんでしたけど。

当時まだ在籍してくれていたエンジニアの@sumihiroさんに、Rippleの技術調査をお願いしたのは丁度この頃。SYNCNELの「次」の自社プロダクトを考えていたのですね。

SYNCNELは、2011年の始めた当初こそ目新しいソリューションでしたが、2014年にもなってくるとその分野はコンペティターも増えて新しさは失われていたんですよね。

次の新しい事業のネタがいる。

それで Ripple(XRP)の取引所開設 を考えてました。当時、リップルトレードジャパンなど国内でも1,2個しか取引所がない黎明期だったからです。

ただ余りに忙しすぎて新しいことにリソースを向けられず、結局、軽く調べたところでプロジェクトは終了してしまいます。今は独立している@sumihiroさんと先日別件で話すことがありましたが、「あの時Ripple(XRP)を買っておけば良かったです」と言ってました。僕も全く同じ気持ちです(笑)

 

当時の弊社は、投稿するとAmazonギフトカードが貰えるサービス(ヨクスル)なんてのも始めてましたが、将来的にRippleの仕組みに絡めることも視野に入れてました。今で言うICOに近い考え方ですね。

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(2014年の弟との会話。当時やってた事業で独自通貨を発行することを考えてた)

そうして年を越した2015年、ある出来事をきっかけに当時の主事業SYNCNELの売却を決定。2016年に事業譲渡を完了して今に至ります。事業譲渡で得た資金を使って仮想通貨事業をやろうとは思いませんでした。2016年は既にメインプレイヤー揃ってましたし、新しさもなく自分的には時既に遅しでしたから。

 

という訳で、ひょっとしたら規模はともかくフィードテイラーも今流行の(?)フィンテック企業になっていたかも知れないという昔話でした :-)

じゃぁ、取引所を作れてた方が良かったのかというとそんな簡単な話でもありません。当時、国内のさきがけながら小規模取引所だったリップルトレードジャパンは先日代表が逮捕されるなんて事もありまして、取引所事業の資金繰りが難しいことが露わになってます。

こんなふうにアッという間に大手が入ってくるレッドオーシャンと化してますし、弊社は参入しなくて正解でした。仮想通貨や関連する技術をそこそこ知ってるという知見が残ったぐらいです(笑)

運やめぐり合わせで縁はあっても誕生しないビジネスってホント沢山あります。弊社にとっての仮想通貨関連事業はまさにそれ。創業12年ですが、社内でネタが生まれては消えていく様はまだまだベンチャー精神失っていないって証拠かなと思っています。

そんな弊社の今は、Webサイト静的化の事業 espar を粛々と進める毎日。まだまだブルーオーシャンです。