2012.02.16 (Thu)
RSiegel_week3 © 2012 Rebecca Siegel, Flickr

弊社の有給の仕組みには結婚記念日は有給を取りましょうという記念日休暇制度があります。家族の誕生日も大事だけど結婚記念日はもっと大事という事で自分が結婚した2010年から制度を作りました。で、この種の制度は社長が積極的に利用すべきなので、今週金曜日(つまり明日)の2/17(金)にお休みを頂く事にした次第。

厳密には2月1日なのですが、どうしても休めるタイミングではなかったので日をずらしての休暇取得となりました。まぁ年間の休みは4日程度なものですから貴重な日ですね。それだけに、いつも分単位の綿密な計画を立てて日帰り旅行(宮島とか浜松とか)を敢行するのですが、今回は趣向を変えて余り時間に縛られずゆっくり体を休めてこようかと。

最近、疲れるという状態がそもそも一体どういう状態だったのか分からなくなってきているぐらい何が何やらよく分からなくなってきてまして….(まぁよく分からない)。執念深く一つの事業をやる経営者としては休んでる時間は1秒たりともあってはならないので良いのですが、増資・増員を踏まえ今年走りぬく気力を更に養うべく温泉旅行へ行ってまいります。とはいえ、やっぱり「休みの日ぐらいゆっくり仕事しようぜ」的な発想でMacは持っていくのですけどね(笑。これを許してくれる寛大な奥さんに感謝)

行き先は山口県の湯田温泉

秋吉台が近くにあるぐらいで他はホント温泉入るぐらいしかやる事が無い所です。温泉に入りながら、家族のこと、会社のこと、スタッフのこと、事業のこと、人生のこと、社会のこと、日本のこと、世界のこと….色んな事に思い巡らしながら少し体を休める2日間にしたいと思います。

関係者の皆様、少し連絡が取りにくくなるかも知れませんが、ご了承下さい。


2012.02.15 (Wed)

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お待たせ致しました!PDF/コミックデータビュワーのBook+の最新版 v1.6 がリリースされました(正確には2/14リリース)。先般より小出しで紹介しておりました新機能たち

をようやくお届けする事ができます。小粒ながら読書体験が向上する機能群、iCloudを介してノートが同期するという新しい読書体験を実現する機能等々、今回は新機能満載のバージョンアップとなりました。

一節には(?)もう完成の域に達しているのではないか?という話もあったりするのですが、やはり頂く要望は絶えないものでありますし、我々も挑戦してみたい事が他にもあり、早速次のバージョンアップも考え始めている次第です。

Books © 2011 Moyan Brenn, Flickr

気がつけば、Book+の構想が出てから1年近く。

元々は大きく2段階のSTEPに分けて、「EPUBは本当に必要か。全部PDFで良いじゃないか」という極論(?)をコンセプトに読書体験の追求をしていくプロジェクトであった訳ですが、今の所はそのSTEP1で想定していた事の大半を実装出来てきたかなぁという状態(次のバージョンでの内容も含めて)です。

次のSTEP2は構想があるものの、諸々勘案するとまだ時期ではないなという判断をしておりまして。読書がもっと楽しくなる(であろう)その構想についてはまた機会を改めて書いてみようかと思います。

という事で、ほぼ月1ペースのアップデートであっという間に v1.6 まで来た Book+ の最新版リリースのお知らせでした。既にお使い頂いている皆様には新機能を是非お試し頂きたいと思います。また理想のPDFビュワーをお探しの方、宜しければ是非 Book+ をお試し下さいませ。

おまけ

今、弊社のiPad用ドキュメント共有クラウド「SYNCNEL」の30日無償体験版をお申し込み頂きますと Book+ をプレゼント!というキャンペーンをさせて頂いております(販売パートナーの住友セメントシステム開発さんのご協力により)。法人のご担当者様として申込み頂く必要があるのですが、宜しければ御検討下さいませ。


2012.02.13 (Mon)

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Book+の次バージョン v1.6 の機能を御紹介するシリーズ最終回です。v1.6は追加機能満載なのですが、今回御紹介する iCloud 対応は一番の目玉と言えるかも知れません。

iCloud対応…ふむ、なるほど

PDFやコミックデータが同期されるのですね、分かります

というのが普通の落とし所なのですが、実は違いまして。

iCloudは容量が結構少ない上に標準アプリや他のアプリでも使用されるストレージである為、Book+が扱うような数十MBytesを超える大量のファイル(自炊PDFなら1つ100MBytes越えは普通)を流し込むのは明らかな「圧迫」です。だからアイディアとしてはあったものの即却下。

じゃぁ iCloud 連携って何を同期するんですか?

(v1.6で追加されるiCloud設定)

という話ですが、「iCloudを介して各PDF/コミックデータに付随するメタデータを同期」する事にしました。メタデータの同期と言うと難しいですが、要するにコンテンツ本体に紐づいた

  • 閲覧情報
  • 各種の表示設定
  • ブックマークをはじめとする書き込み情報

が、iOSデバイス間で同期されるという事です。御存知の通り iBooks のストアから買った書籍の場合、「iPadで読んでいたページがiPhoneに移っても引き継がれる」というユーザ体験が提供されますよね。

これとほぼ同じ事をBook+でも実現できるようになります。しかも読んでいたページやブックマークだけでなく、表示設定や、フリーハンドや図形等々の書き込みも同期しますので、iPadとiPhoneを2台持ちされている方にはとっても便利です。

IMG_7264 © 2012 Hayden Petrie, Flickr

例えば、こんな読書体験。

  1. 朝、朝食を食べながら自炊した日経ビジネスをiPadのBook+で線を引きながら読む
  2. 出勤時間になったのでiPadをスリープさせて鞄に入れて、諸々済ませて家を出る
  3. 通勤電車で吊革を掴みながらiPhoneのBook+で同じPDFを開く…と続きから読める。PDFの中で引いていた線も反映されてる
  4. 会社について再びiPadのBook+で同じPDFを開くと電車の中で読んでた続きから読める。PDFに対する書き込みも引き継がれてる

といったような感じ。Book+がiPad/iPhoneのどちらでも動作するユニバーサルバイナリにしていた最大の理由はここにあります。

デバイスに依存せず、同じデータをiPhoneかiPadかによらず続きが読めて、読み方に相当する表示設定も引き継ぎ、書いたノートも同期する。これぞ、デジタルだからこそ出来る読書体験ですね。書き込みまで同期するとデジタルなありがたみをかなり感じます。

こんな感じでiPad側に書きんでから、iPhone側で同じファイルを開くと

開いた直後はこうですが、しばらく待つと

こうなります。きたこれ!!!

仕組みとしては「自炊したPDFを一人の人がiPad/iPhoneの両方に入れる時、各デバイスのPDFがデータ的に異なっている事は少ない筈」という仮定で実装していますが、概ね正しい挙動をしています(iCloudとの同期はタイミングが分かり難いので、ファイルを閉じて再度開くってな操作が必要な時もありますが)。

以上、Book+の次バージョン v1.6 での目玉機能 iCloud連携 の御紹介でした。デバイスを跨いでメタデータが同期する気持良さを皆様にご提供出来るまで後少しです。最新版公開まで今しばらくお待ち下さいませ。


2012.02.12 (Sun)

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PDFやコミックデータ等の「データ」あってこそリーダには意味がある訳で、だからこそPDF/コミックデータビュワーのBook+ではデータを取り込む方法を各種用意しています。iTunesから直接だったり、アプリ連携だったり、Dropbox経由だったり、WebDAVだったり..。

今回は、次のバージョン v1.6 で追加される「データの取り込み新しい方法」について御紹介します。

WebDAV並に、いやそれ以上にマニアックな機能かも知れませんが新しい方法とは AmazonS3への対応 です。いわゆるクラウドストレージと呼ばれる類のAmazonのサービスですね。理論的に無制限なオンラインディスクを従量課金制で使える仕組みです。実は Dropbox 等のクラウドサービスがそのバックエンドにAmazonS3を使っているのは超有名な話。

AmazonS3 の契約や実際のファイルアップロードには若干ハードルがあったりしますが、容量を使った分だけ課金される分り易い料金体系のオンラインディスクの利便性は計り知れないモノがありますし、(従量課金ながら)容量上限を気にしなくても良いメリットもありますので、結構オススメです(サインアップはこちらから)。

参考までにウチがとある用途で使っている AmazonS3 は約25GBytesのデータを預けていて月額5$もいきません。今の円高を考えれば300円台の計算になりますね。

格安のデジタル本棚をBook+から参照できるようになったイメージなのですが、

こんな感じで登録出来るようになります。

AmazonS3の管理画面で提供されるアクセスキーIDシークレットアクセスキーの両方を入力しなければいけない大変さはあるのですが、その先にある利便性は図り知れず。DropboxやWebDAVでももちろん全然okなのですが、やはりクラウドに存在していて幾らデータを置いても上限に達しないデジタルな本棚があるというのは魅力的です。

少し使う人を選んでしまいますが、Book+の次バージョン v1.6 の AmazonS3 対応の御紹介でした。いやはや、今回は機能追加多いですね(苦笑) でもまだもうちょっと続きます :-)


2012.02.11 (Sat)

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PDF/コミックデータビュワーのBook+の新機能を御紹介するコーナー。今日は、次のバージョン v1.6 のプチ新機能を3つほど御紹介します。確かに「プチ」ではあるのですが、人によっては読書体験が向上する機能になるかも知れません。(前の2つは実際にリクエストも頂いていた機能)

 

■ 見開き表示の中央寄せ

iPadを横持ちしている時の見開き表示では、今までこんな表示になっていました。特に新書では顕著なのですが両ページの間に空白が発生していた訳ですね。

これを空白がなくなるように中央寄せさせる設定ができるようになります。PDFを表示している時に「情報」ボタンから設定画面を開き、

「見開き表示でページを中央に寄せる」をONにすると

こうだったものが、

こんな感じになります。新書を手に取って読んでるみたい!

縦横比によってはこの設定が余り意味がなかったりするケースもあるのですが、見開き時の空白が気になる方にお試し頂きたい機能です。

 

■ 背景色変更

これまでのBook+では背景は独自のテクスチャを使って灰色で表現していました。

背景部分が目立つように意図的に横持ちでのA4縦PDF表示

これが白や黒に変更できるようになります。

余り細かな設定はシンプルさを失うと思っていますので敢えて3択です。テクスチャ・白・黒の三つ。

背景を白に設定

背景を黒に設定

ビジネス文書などですと白色背景にすると結構集中して読めたりするかも知れませんので、色んなPDFを読み分けされているような方には便利かも知れません。ちなみにPDFデータ毎の設定として記憶します。

 

■ 読書専念モード

何と表現して良いのか難しいのですが、PDF/コミックデータ表示中にタップすると現れる上下メニューバーの表示抑制を行えるようにしました。

ページを移動したり、編集モードに移ったりするときに、画面の任意箇所をタップしてメニューを出すという操作が必要なのですが、読書に集中している時にこれが邪魔になる時があります。ページをめくろうとした指操作が単なるタップと識別されてメニューが出てしまうのです。これを抑止しようと。

アプリ全体の設定(ファイルブラウザ上の設定ボタン)から「ツールバー表示に長押しを使う」をONにすると、ページ上を0.4秒長押ししないとメニューが出てこないようになります。つまり、誤認識による意図しないメニュー表示が完全になくなるというわけ。0.5秒では長過ぎて、0.3秒では短過ぎて、丁度良い0.4秒に設定しています(細かい!!…のですが、これが僕らなりのこだわりです)。

iPhoneで意図しないメニュー表示が発生し易いのでBook+を主にiPhoneでお使いの方には便利な機能だと思います。

 

という事で「見開き表示の中央寄せ」「背景色変更」「読書専念モード」という「プチ」新機能の御紹介でした。次のバージョン v1.6 については更に御紹介したい機能が2つ程ありますので順次書いてみたいと思います。


2012.02.09 (Thu)

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PDF/コミックデータビュワー「Book+」の恒例の新機能紹介エントリ。次に予定している v1.6 で搭載される一つの目玉がテキストメモ機能です。現行の v1.5 というバージョンではフリーハンドなメモ機能が搭載された訳ですが、今回はPDF上に文字入力が出来るというものです。

こんな感じになります。見ているPDFに「文字」を書き込みたい需要って必ずあるのですが、フリーハンドだけでは絶対ダメで、少し長めの文章を描き込んだり、面積に対する文字密度が高いような細かい書き込みをしたい場合は、フォントを使って描くのが一番良かったりします。

こんなふうに。

ダブルタップで入力用popupが現れて書いたままに表示されます。改行の考え方は割りきってまして「自分で改行して下さい」というスタンスで実装。テキスト入力を指定して自動改行…をやり始めると結構複雑な上に結局意図した通りにならない事も多い為です。

線の太さの設定値がフォントの大きさになるようになってますのでPDFに応じた書き込みが出来るかと。ただフォントの指定は出来ず固定としています。…が、もちろん色や透明度については他のツールと同様に反映されるようになってます。

…という訳でテキストメモの機能が追加されて、これでようやく編集モードのパレットのツール群が全部埋まりました。実に8種類のツールに、6色カラー、透明度と太さは5段階…とここまであれば相当な自由度で読書中の描き込みが可能になりますね。

このように、テキストメモと矢印とフリーハンドを組みあせて使う合せ技もありでしょう。実はちょっとしたお絵かきも可能かも知れません :-)

という訳でBook+の次バージョンで搭載予定のテキストメモ機能について紹介しました。次の v1.6 はこの他にも多数機能が盛り込まれる予定でして1つずつ紹介させて貰いたいと思います。


2012.02.06 (Mon)

昨年の2月3日、満を持して法人向けドキュメント共有クラウドサービスSYNCNELの v1.0 が登場しました。あれから1年。既に数千台分のライセンスを販売し、iPadのビジネス活用を支援するツールとして広く認知されるに至りました。

簡単にザックリ説明してしまうとSYNCNELはDropboxの企業版であり、Dropboxのような事を社内iPadでもやりたいけどセキュリティがなぁ…という企業にピッタリはまるサービスです。法人向けオンラインストレージという言い方をされる事もありますね。

さて、そんなSYNCNELの1周年を迎える前夜、2012年2月2日にとある実験が行われました。3月に公開が予定されている最新バージョン v2.1 に搭載予定の「会議資料の表示同期機能」です。その様子を以下の動画で御覧下さい(音声付きですのでボリュームにはご注意下さい)。

やっている事は非常にシンプルです。約20台のiPadとiPhoneに SYNCNEL のクライアントをインストールして、全員に同じ会議資料を配布した場面を想定。大阪の1人の発表者が資料のページをめくると、大阪はもちろん東京のiPad/iPhoneでも同じようにページがめくれるというものです。

更に、発表者が違う会議資料を選択した事にも反応し、まだダウンロードをしていない端末は勝手にサーバから最新資料をダウンロードして発表者の表示中ページに追随します。

最大の特徴はこれだけのレスポンスを、WiFi環境下の同一ネットワーク限定といった制約は一切無く、3G回線を超えて実現している事です。つまり、世界中に点在するiPadで閲覧資料の同期が出来るということ。極端な話、大阪でページをめくれば、世界中のiPadでページが自動的にめくれます。

やるならば、徹底的にやろう

それが僕らのスタンスで、今回もまたそれを貫いてみました。iPadを使った法人におけるドキュメントの共有とはどうあるべきか…それを1年余り作りながら考えてきた結果、

  • クラウドを使ってドキュメントを構造的に集中管理して
  • 常に組織メンバーに最新の情報をセキュリティを確保して確実に配信し
  • 誰が何をダウンロード・閲覧したかのログも徹底的に収集し
  • ダウンロードしたドキュメントをオフラインで軽快に閲覧する機能も提供しつつ
  • 会議の際は3Gを跨いででもドキュメントの切替や表示を同期する

という理想的なドキュメント共有体験を提供できる目処が立ちました。管理・配信・監視・セキュリティ・表示同期をワンストップで提供しているiPad向けソリューションはまだありません。しかもSYNCNELは1台あたり月額1200円。冒頭のデモを実現するのに必要な料金は何と月額¥24,000だけなのです。

この仕組み、名称こそ「会議資料の表示同期機能」となっていますが、20台が上限です!なんて事はなく理論上は50台でも100台でも500台でも可能です。

開発ベンダー自らが言うのも変ですが、何が出来るかって想像してみるだけで面白そうでワクワクします。例えば100人のセミナーで全員に紙資料の代わりにiPadを配布しても良いでしょう。発表者はMirroringでプロジェクターに資料を映しつつiPadでページをめくれば会場全員の手元資料が同じページを指すのです。サテライトで別の会場に100人の参加者が同じようにiPadを持っていても良いでしょう。株主総会とか新商品発表会とかも、面白そうですね。

教育現場でも使えそうですよね。先生は授業で使用するコンテンツをサーバに事前登録しておくだけ。授業が始まれば学生のiPadには先生の資料が勝手にダウンロードされてきて、然るべき場所を自動表示してくれるのです。とっても便利ですね。

SYNCNELの凄さは、圧倒的に簡単で安全であること以外に、スピード感もって機能拡張をしていく所にあります。今回の v2.1 の同期機能で満足する僕らではありません。まだまだやりたい事は沢山ありますから。

全ての法人関係者に「iPad を導入するなら一緒にSYNCNELもでしょ」と言われるポジションを SYNCNEL は目指しています。まさにスマートデバイス時代の企業インフラ。その進化を都度都度また共有させて頂きたいと思います。


2012.02.05 (Sun)

このタイトルでエントリを書くのはこれで5回目。

2012年2月1日はこれまた社史に残る歴史的な日になる事でしょう。2010年は3人増員して(@kumatch, @nakiwo, @ikunee)、2011年は新事業を立ち上げて収益の種が出来ました。そして2012年、更なる収益基盤強化と新事業で攻勢に出ますよ!って事でその為の助っ人エンジニアとして2月1日付けで join して貰った方をご紹介します。ででんっ。

最速の人、@sumihiroさん!

SBrowserや最速カメラ、そして最近では自炊業界に衝撃を与えた最速自炊カメラ Jucie の作者です。SNSキヌガサの中の人だったり、エヴァカメラを明日の昼までに伝説の当事者でもありますので、ご存じの方も多い事でしょう。

まさかまさかの急展開。

@sumihiroさんとは、iOS市場がまだ始まったばかりの頃に大阪梅田近くで開催された勉強会で初めて会いました。その時にピンと来たこの人はデキるという直感は後に某大型アプリ案件の協力依頼へと繋がり、1年半に及ぶ開発過程の中で「いつかjoinして貰えたら嬉しいな〜」と僕は思うようになっていました。

このブログでは何度も何度も書いていますが、やはり思いは必ず形になるものなのです。

若干時期的希望にずれはあったものの、joinして欲しい/joinしたいという相互の思いは一致して、年末年始でのやりとりを経てこの2月に(株)フィードテイラーの5人目の正社員としてjoinして貰う事になったという訳。@itok_twit とも @kumatch とも @nakiwo とも開発者仲間として旧知の仲ですから、もう入社3日目にして驚きの溶け込みよう(w

即戦力具合を理解した上でのjoinだったので入社前から案件は既に幾つかあって、初日から早速その中の一つ、本年の主たる事業である法人向けドキュメント共有クラウドサービスSYNCNEL関連のお仕事に着手して貰ってます。目下のタスクは期待していた通りに2,3日で目処が見え始めてきて、そろそろ調整役の僕のタスクが急かされるんじゃないか感が漂ってる次第。さすが最速の人!

さて、ここで、ちょっと変だなと思われた方の為に少しばかり解説を。

@sumihiroさんのTwitterプロフィールを見るとですねこうなってるんですよね。そう、(株)さいこちの代表取締役でもあるのです。

これはどうなっちゃたのか、何でフィードテイラーの正社員なのか?いわゆるM&Aなの?とかってな想像をされそうな感がありますが、決してそういう話ではありません。答えは至って簡単で、(株)さいこちの社長でもありながら(株)フィードテイラーの社員でもあるという二本立てなんですよね(自宅のシェアハウス化計画も進んでいるようで不動産業も営んでいると考えると三本立て)。「兼」なのです。

これを許容し得たのが先日のエントリで書いた弊社の副業に対する考え方。僕は、9:00〜18:00の8時間労働分をfull commitして(株)フィードテイラーを「主業」として欲しい、つまり僕らの仲間として join して欲しいとお誘いしました。そして(株)さいこちは残して貰った方が良いです、個人でのアプリ開発も別の収益源として続けて下さいとお願いしました(もちろん本人にもその意志はあった)。

チームを成す事で cash in を最大化しつつ、プライベートでは副業で別収益も持つ。これが理想です。そうでもしなきゃ、これからこの国では生きていけません。30年後の日本(もう無いかも?)を冷静且つ真剣に考えれば1つの企業に収益源もキャリアも拘束されてしまう事はリスクなのです。常に複数の人生戦略を持たないと。

先のエントリで書いたことの実践であり、副業okという原則を持っているからこそ出来たことです。「主業」しか許さない副業禁止の考え方では絶対に成り立たないチーム。でも、これからの世の中ではこういう関係が当たり前になっていくと思います。僕は「主業」を弊社に置いて貰う事で cash in を最大化するチームを成せると考えました。この新しいチームでもって副業禁止規定が機会損失を生むんだという事も証明してみたいと思っています。

という訳で、気がつけば6人ですね。弊社も随分と大きくなってきました。このメンバーで法人として一つの組織に集まったからこそ出来る大きな事を成し遂げていきたいと思っています。それこそが法人の価値だと僕は考えてますから。今後ともiOSアプリ開発の(株)フィードテイラーを宜しくお願い致します。

(おまけ)

実はもう一人弊社にjoinしたいと仰って頂いた著名なエンジニアがおられまして。残念ながらタイミングが合わず「今は無理だけど改めて声をかけさせて下さい」とお願いしたのがだいぶ前。この方もTwitter経由でして、何故か求人コストゼロで凄いエンジニアが集まる会社になってきた気がする今日この頃です。


2012.01.28 (Sat)

僕はかなり変な経営者です。自分で言うのもおかしいけど。会社経営については特に当たり前と言われている事やタブーとされている事を「そういうものだから」というだけで考察なく従う or 取り入れる…のは「負け」だと思っていて、それが原因でウチは相当変な会社です。

その最たる例は、副業に対する考え方でしょう。たいがい弊社の取組には驚かれる事が多いのですが、一番ビックリされるのがこの副業について。それは無いわ〜って感想を貰う事もしばしばな僕の考え方を今日は書いてみようと思います。

ウチは全然副業okで、むしろ推奨しています。

禁止規定なんてありませんし「自分で会社作ったら?」って社長である僕が冗談交じりでエンジニアに言ったりする事もあります。御存知の通り弊社エンジニア@itok_twitは自らも個人のiOSアプリクリエイターとして活躍しており、PictShareやiPictureという有名なソフトウェアで結構な収益を得ています。「結構、売れてるんちゃう?」「そうなんですよー」って会話が社内で普通にあったりもしますしね。もちろん同じ弊社エンジニアの@kumatchにも@nakiwoにもプライベートな収益を考えた方が良いよ的な話を何度かしています。

副業して貰って構いません。

日本全国探してみてもこれを公言できる経営者はそうそういない筈です。禁止規定を設けている例が圧倒的に多い筈ですし、仮に禁止規定がなくとも暗黙のうちにそれを認めないとする事が多いし、そもそも雇われる側も認められないだろうと普通は思ってます。副業って何となくヤマシい感じで捉えられる事が多くて、大半の労使関係は明文化されてるかどうかに関わらず副業禁止という前提で成り立ってます。

僕はそこが不思議でなりません。なぜなら「そういうものだから」だから。考察が無いから。

だから敢えて否定してみるんですよ、普通であることを。ウチは副業okですと。その上で論理を組み立ててみて確からしいのなら普通が間違っているかも知れないと考えます。この手法で考察してみると今の僕には副業NGは正しくないという結論しか出せないんですよね。だからウチは副業okですし、どうせなら更に突っ込んで副業推奨です。

真っ当な人事/労務コンサルに言わせれば有り得ないでしょう。社員に副業推奨とかおかしいですよね。雇用してあげてるんだから会社に尽くしなさいよと、信義則でしょと、それが普通でしょと。でも普通とか社会通念とかって時代と共に正しくなくなる事が多いのです。ガリレオの例を出すまでもなく。

© 2012 Allie Kenny, Flickr

副業の「普通」の正誤については「生活給」と「終身雇用」という言葉がヒントになります。給料が生活給と呼ばれ終身雇用が当たり前とされていた時代には正しいと言えました。でも、

  • 真っ当に生き残れる子を育てる事が超コスト高な時代(一人あたり3000万円〜)なのに
  • 終身雇用を宣言する事はもはや出来ず幻想に過ぎない事が明らかになっている時代なのに
  • 派遣という言葉遊びで人件費カットしながら労働力は確保する事が横行している時代なのに
  • 生活水準が上がりきっちゃって「生活」させるに足る給与を生涯保証する事が難しい時代なのに

何故堂々と禁止が出来るのか。時代錯誤も甚だしい。裁判所の判断(判例)においても禁止条項が有効な例は非常に少なく例えば、半ば肉体労働のタクシー運転手が就業時間外に別の肉体労働をして本業の質が落ちた…等の「副業」が「主業」を明らかに毀損している場合に限られます。それ以外は原則法解釈的には無効。という事実がありながら就業規則に禁止規定を掲げる事の無考察ぶりに僕は凄く違和感を感じるのです。(ただし公務員とかは別。公務員法に明確に禁止する条文がある)

信義則を謳うなら文字通り「生活給」「終身雇用」でなければいけない筈。でもそれは無理って事が企業視点でも自明になっている訳ですから、もう一度考え直さないといけないのです。で。辿り着く論理的着地点はただひとつ、原則副業okしかありません。だって企業が被雇用者の全てを満たす事は出来ないのですから。副業禁止が論理的に正しくなるのは、給与を家族構成の変化や物価変動などに手当も併せて連動させて且つ「終身雇用」を約束し果たせない場合には何らかのexcuseが出来る企業だけです。だって、先の生活を保証したり必要な給与を出すって事が出来ないのに他の収入は得るなって無茶な話がありますか。

副業禁止を是とする人から「もし本業に類似した副業なら情報漏洩ってリスクがあるでしょ」っていう意見を頂く事もありますが、これもおかしい。社員との雇用契約においては秘密保持契約を締結しているのでそもそも漏洩に対するリスクヘッジは雇用した瞬間から出来ている筈なのです。その上で、でもやっぱり漏えいするかも知れないから副業禁止なんですよ…ってのは被雇用者への不信でしかありません。じゃぁ人事権を持ったあなたは、そんな不信を抱かざるを得ない人を雇ったのですか、あなたの人を観る目はその程度ですか?ってなる。実は禁止規定の存在が経営者や人事担当の能力否定に繋がるという罠。禁止条項を就業規則に入れる企業はこういう考察をしてないんですよね、多分。

「仕事は命を削ってでもやって貰いたいしそうすべき」っていう精神論的意見もありますが、それは雇用契約に明記された就労時間中の話であって就労時間外の話ではありません。それを期待するのであれば役員に昇格させて自己の働きと手にする対価が直結する経営の立場にポジショニングするべきですし、そんな事よりそもそも会社で定める就労時間を越えた労働だけが生産量のUPなのかって事を考察した方が良いです。僕らIT業界のような労働が知的生産活動であれば尚の事そう。

Networking © 2011 IM Williams, Flickr

雇用契約とは何か。

それは当人の時間(労働)や能力を購入するって事です。継続的な使用権の購入契約です。極めてシンプル。だからその契約の及ばない部分については契約から得られる価値が毀損される事が明らかでない限り関与すべきではありません。むしろ会社はその購入行為によって得られた「労働」が価格に見合っているかを常にwatchする事、そして契約の範囲内で価値を価格以上に最大化する工夫にこそ注力すべきなのです(搾取するという事ではない。労働が価格以上の価値を生み出すようになれば労働の価格は上げられなければならない。なぜなら「人」だから。もっと言うと労働時間の長時間化が価値を最大化する訳ではない事にも気づくべき。なぜなら「人」だから)。

ライフスタイルが多様化する中にあっては就労時間外の使い方は人それぞれですし、個々人の環境や境遇も千差万別ですし、技術の進化でフラット化してしまった今の御時世においては副業の選択肢も多様にあってその理由も人それぞれな訳です。色んな前提が崩れているのだから考え方も変えなくちゃ。

もし副業の理由がお金というよりも自己の成長だった場合には、むしろ推奨した方が良いかも知れませんよ。マネジメント能力が高まるのなら会社組織運営にも活きるかも知れませんし、技術的スキルが高まるのなら会社の生産力向上にも繋がる訳です。お金を払う習い事で得るスキルの持ち込みはokで、お金を貰うプライベートワークで得たスキルの持ち込みはNGってのは意味が分かりませんし、明確な線引きは出来ません。唯一の線引きは先のタクシーの例にあるように『「副業」が「主業」を毀損するかどうか』だけで良いのです。副業が本来主業で生み出しえたであろう価値を少しでも低下させるならそれはNGってことで、是正が図られないのなら契約破棄を意味するだけの事です。

長々と書きましたが、これが僕の考え方です。

弊社が副業okを(黙認ではなく)公言するのは、上述の毀損が発生する事はまず無いと信ずるに足るメンバーで固めているからです。だから不特定多数に向けた求人ってやらないんですね。何かの縁で繋がりを持てた人が信じるに足るかをとにかく色んな視点で観る事から始まって、これぞ!という人にしかjoinして貰いません。そしてその判断に僕は自信を持っています。

気付かれた方もおられると思いますが「信じる」経営は関係性の希薄化が致命傷になるので規模をスケールできないデメリットはあります。でも、それで良いと思ってます。僕は会社の人数規模を過度にスケールさせる意図は全く無くて、どちらかというと量よりも質のスケールを考えて会社を経営しているからです。

チームを成す事で cash in を最大化しつつ、プライベートでは副業で別収益も持つ。これが理想です。そうでもしなきゃ、これからこの国では生きていけません。30年後の日本(もう無いかも?)を冷静且つ真剣に考えれば1つの企業に収益源もキャリアも拘束されてしまう事はリスクなのです。常に複数の人生戦略を持たないと。経営者がこんな事を言うのはおかしいですけどね。でも時代がそう言ってる。誤解を恐れずに言えば、企業の意義、それは is “生活給の支給源” という意味付けから変化して、1人では到底成し得ない事を成して生き続ける力と経済価値(今は貨幣)を皆で効率よく得る事のできる価値生産効率の高い「主業」を手にする組織であるという事にあるのです。

 

またまた長文エントリになってしまいました。「企業とは」に絡みそうな話題は書き始めるとどうしてもアツくなります。このへんにしておきましょう。今回は副業について書いてみましたが、またの機会にその根拠たる「信じる」経営が他にどんな制度となって現れるか、そしてそれら制度にどんな哲学を投影させているか具体的に書いてみたいと思います。


2012.01.27 (Fri)

このブログで、Androidアプリについて書かれる事がそもそも珍しい(っていうか基本無い)のですがこれは特別。

御愛顧頂いております「そら案内 for iOS」のテイストを受け継いで開発された「そら案内 for Android」が遂にリリースの運びとなりました!!

天気予報情報を提供頂いている日本気象協会様には、iOS版がリリースされてからずっと「Android版まだー?」というリクエストが多く寄せられていたようですが、ようやく結実するに至りました。プレスはこちらをどうぞ。

画面はこんな感じですね。まさに、そら案内!

開発担当はAndroid界ではお馴染みのシーリスさん。弊社は主に調整役としてご一緒させて頂きました。担当頂いたシーリスの有山さんに心より御礼申し上げます。

Android特有の機種による見え方の差異が非常に悩ましく、細かい最終調整に時間がかかってしまいました。…が、ウリでもある花粉情報が本格的に必要とされてくる前のリリースが出来て良かったな…という感じです。日本気象協会の関係者の皆様もお疲れさまで御座いました m(__)m

今はAndroidMarketのみでの提供となっておりますが、今後登録先のマーケットは増えていく予定です。ちなみに「そら案内 for iOS」と異なり、提供元は日本気象協会様となります。

このブログを御覧頂いている方の多くは恐らくiOSデバイスユーザだと想像しますが、もしAndroidをお持ちでいらっしゃいましたら是非お試し下さいませ。詳しくはこちらを御覧下さい。

尚、iOS版のそら案内も開発が止まった訳ではなく将来的なupdateも考えております。引き続き そら案内 をどうぞ宜しくお願い申し上げます。