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Book+の次バージョン v1.6 の機能を御紹介するシリーズ最終回です。v1.6は追加機能満載なのですが、今回御紹介する iCloud 対応は一番の目玉と言えるかも知れません。

iCloud対応…ふむ、なるほど

PDFやコミックデータが同期されるのですね、分かります

というのが普通の落とし所なのですが、実は違いまして。

iCloudは容量が結構少ない上に標準アプリや他のアプリでも使用されるストレージである為、Book+が扱うような数十MBytesを超える大量のファイル(自炊PDFなら1つ100MBytes越えは普通)を流し込むのは明らかな「圧迫」です。だからアイディアとしてはあったものの即却下。

じゃぁ iCloud 連携って何を同期するんですか?

(v1.6で追加されるiCloud設定)

という話ですが、「iCloudを介して各PDF/コミックデータに付随するメタデータを同期」する事にしました。メタデータの同期と言うと難しいですが、要するにコンテンツ本体に紐づいた

  • 閲覧情報
  • 各種の表示設定
  • ブックマークをはじめとする書き込み情報

が、iOSデバイス間で同期されるという事です。御存知の通り iBooks のストアから買った書籍の場合、「iPadで読んでいたページがiPhoneに移っても引き継がれる」というユーザ体験が提供されますよね。

これとほぼ同じ事をBook+でも実現できるようになります。しかも読んでいたページやブックマークだけでなく、表示設定や、フリーハンドや図形等々の書き込みも同期しますので、iPadとiPhoneを2台持ちされている方にはとっても便利です。

IMG_7264 © 2012 Hayden Petrie, Flickr

例えば、こんな読書体験。

  1. 朝、朝食を食べながら自炊した日経ビジネスをiPadのBook+で線を引きながら読む
  2. 出勤時間になったのでiPadをスリープさせて鞄に入れて、諸々済ませて家を出る
  3. 通勤電車で吊革を掴みながらiPhoneのBook+で同じPDFを開く…と続きから読める。PDFの中で引いていた線も反映されてる
  4. 会社について再びiPadのBook+で同じPDFを開くと電車の中で読んでた続きから読める。PDFに対する書き込みも引き継がれてる

といったような感じ。Book+がiPad/iPhoneのどちらでも動作するユニバーサルバイナリにしていた最大の理由はここにあります。

デバイスに依存せず、同じデータをiPhoneかiPadかによらず続きが読めて、読み方に相当する表示設定も引き継ぎ、書いたノートも同期する。これぞ、デジタルだからこそ出来る読書体験ですね。書き込みまで同期するとデジタルなありがたみをかなり感じます。

こんな感じでiPad側に書きんでから、iPhone側で同じファイルを開くと

開いた直後はこうですが、しばらく待つと

こうなります。きたこれ!!!

仕組みとしては「自炊したPDFを一人の人がiPad/iPhoneの両方に入れる時、各デバイスのPDFがデータ的に異なっている事は少ない筈」という仮定で実装していますが、概ね正しい挙動をしています(iCloudとの同期はタイミングが分かり難いので、ファイルを閉じて再度開くってな操作が必要な時もありますが)。

以上、Book+の次バージョン v1.6 での目玉機能 iCloud連携 の御紹介でした。デバイスを跨いでメタデータが同期する気持良さを皆様にご提供出来るまで後少しです。最新版公開まで今しばらくお待ち下さいませ。