2017.05.04 (Thu)

昨年アクアスロン(スイム+RUN)に初出場し無事に完走できまして。次はトライアスロンだ!と意気込んでたら当選してしまい(?)、6月に出ることになりました。

出るのは大阪城トライアスロン2017です。大阪でマラソンなら大阪マラソンという感じで、大阪でトライアスロンなら大阪城トライアスロンと代名詞的存在にりそうな開催第1回目の大会です。

大阪城トライアスロン

大阪初というか多分国内初なのでしょうけど、お城の堀を泳ぐそうです。大会主催者側が前代未聞って言ってるぐらいですからもはやネタですね。ある意味で大阪らしい。

開催が決定した直後の報道を見ると

野鳥が泳いでおり、市によると、水面のゴミを取り除くため定期的に清掃しているが、水泳大会に使われたことはなく、水質検査もしてこなかった。協会理事の内田宗一・大会組織委員会事務局長は「堀の水は汚いイメージがあったが、意外に透明。案外いけるのではと思った」と振り返る。

水質検査もしたらしく、案外いけるのだそうです(笑)

水深3m〜5mの堀を泳いだ後は、大阪城とその近隣をバイクで流してからのラン。自分は初挑戦なので無理はせず、出るのはスプリントという一番距離の短いレースにしました。750m泳いで、20kmバイクして、5kmのランです。それぞれ単体で見ると全然大変じゃないんですが、3種目を休みなく続けるとなるとしんどさが半端ない筈。

気が付けば何だかアスリートっぽくなってきました。5年前1kmすらまともに走れなかったのに、人間変わるもんですねぇ。本番まであと50日程、今回は制限時間内に完走することを目指します。良いご報告ができるように頑張ります。


2017.05.02 (Tue)

今年に入ってから、一度もすきま読書の記録を残していませんでした。今更3ヶ月分を3エントリにするのも何か変なので3ヶ月分まとめて第一四半期の記録です。

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(Thanks! the photo on flickr by faeryhedgehog CC BY 2.0)

今年の4月にとあるイベントごと(?)がありまして、その準備の為に年始から冊数が少し減ってしまってました。

  • 2017年1月 : 9冊
  • 2017年2月 : 2冊
  • 2017年3月 : 7冊

3ヶ月で18冊。読書数を減らしてた理由についてはまた改めて。面白い報告ができると良いのですけどね。…ということで2017年Q1の読んだ書籍たちです。

1月

ビジネス・専門書

小説

2月

ビジネス・専門書

3月

ビジネス・専門書

小説

 

少ないとはいえこうして並べるとそれなりに読んでますね。ちょっと技術よりな本を昨年より増やしてみようかな…と思ってセキュリティ系を読んだりしてます。

一番良かったのは小説の残業税

物語として普通に面白かっただけでなく、とかく残業や労働時間の議論に偏重しがちな働き方改革論の先にこんな世界が待ってるのかも知れないなぁ…とフィクションとは思えないリアルさが秀逸。「労働とは何か」「働くとは何か」という問題提起をしていて貴重な小説だなと思いました。働き方改革、特に残業問題に関心のある人は読んでおかれると良いと思います。

ビジネス書で一つ際立っていたのがその「エンジニア採用」が不幸を生む ~良い人材を見つけ、活躍してもらうには何が必要か?。今エンジニアは引く手数多ですが、ミスマッチが起こってしまう原因について、採用側とエンジニア側の両視点で具体的に書かれている画期的な本。IT関連企業の役員・管理職、そして転職を考えるエンジニアさんは必読書です。

という訳で2017年も良い本との出会いでスタート切れてます。幸先良いですね。今年も読書を楽しんでいきたいと思います。単冊でのレビューも書いていきたいですね。


2017.05.01 (Mon)

世間はGWです。

今年は2日間の有給を入れたら9連休!ということで、ウチでは今年も有給取得推奨日を設定しました。昨年も同じGW時期にやって10連休にしてたようです。

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(Thanks! the photo on flickr by Takeshi KOUNO / CC BY 2.0)

有給取得推奨日はもう随分と前からやってる取り組みで、毎年僕の独断で有給消化が推奨される日というのを作ってます。GW以外だと夏の天神祭の日とかですね。日中から晩まで、事務所近くの人の往来が激しくて帰るのも大変だから休んじゃえみたいな。あとは休みに挟まれた平日とかですね。

単なる推奨日に過ぎないので別に休まなくても良いんですが、制度って利用されるように社員を後押しする仕組みや体制もないと意味がないという考えでやってます。例えば、副業推奨しているけどメッチャ残業がある…とか最悪ですからね。制度として機能してないでしょと。

有給も同じで、制度はあっても休む為の心理的ハードルが高いとか、そもそも休める状況じゃないってのは意味がないなと。

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(Thanks! the photo on flickr by m-louis / CC BY 2.0)

ウチはそもそも有給が取り易い環境ではあるんです。新型iPhoneの発売日にやっぱり行列並ぶことにしました!って、slackで一報入れるだけでokってなこともありましたしね。しかも1時間単位に分けて取得okだし。だとしても、背中を後押しする仕掛けは必要で、だから有給取得推奨日を設定してます。

とまぁそんなこんなで今年のGWは9連休。

僕は相変わらず普通に仕事です。前にちょっとご紹介した、CMSサイトを静的化とホスティングする espar という新製品の正式リリースを5月に予定してましてその残作業。あとは、GW明けに予定されてる摂南大学さんでの講義の準備とかですね。

昨年は熊本地震の後に敢えて熊本に行ってきたのですが、今年はドタバタしてて予定はありません。いつも無茶に付き合ってくれてる奥さんに感謝です。丸っとどこか1日ぐらいは一緒に過ごそうかなと思ってます。皆様も良いGW休暇をお過ごし下さい。


2017.02.27 (Mon)

2017年2月15日〜17日の三日間、「Japan IT Week 関西 2017」に出展致しました。

Japan IT Week はリードエグジビションジャパンが主催する国内大型IT系見本市の1つです。それが関西初上陸。約300社が集結する関西圏のIT系展示会としてはかなり大規模なものとなりました。

 

展示したもの

来月リリースを予定している新サービスを展示しました。

Webサイトの静的化とホスティングを行うサービスです。既存CMSを使用し続けながらサイトを静的化できる という、CMSと静的サイトの良いとこ取りをする仕組みを作りました。

昨年発表した WP Guard を洗練させて、WPだけに限らずどんなCMSにでも使えて、静的化するだけでなく静的ファイルのホスティングにまで踏み込んでます。https化まで(証明書の取得/更新を込みで)やっちゃうので、静的化の為のオールインワンなサービスですね。

名を espar(エスパー) と言います。Elastic Static PAge Renderer の太文字部分をくっつけた造語。柔軟な静的化エンジンで、Go言語を使って自社開発しました。静的化を追求したノウハウが凝縮されています。


既存CMSを静的化するのが主なので厳密には違いますが、一部Netlifyとコンセプトが近いと思います。会期中は、こんなものをまさに求めていた!という声を頂いたり、弊社展示を目的に来場された人がいらっしゃったりと、反応は想像していた以上に良いものでした。

 

かかった費用

ブースはこんな感じになりました。専有面積は 3m x 3m の9㎡の最小サイズです。

何といっても場所代が半端なかったです。複数社で負担しあって共同出展するならともかく、従業員数人規模の小さな企業が負担する額としてはかなり高額です。明細はこちら。

項目 代金
小間代(0.5小間) 約50万円
調度品レンタル 約20万円
キャッチコピー看板 約1万円
搬入搬出費 約1万円
お弁当 約5000円


小間とはブースのことで、3m x 6m の18㎡の1小間が基本サイズ。その半分の9㎡が最小単位。基本1小間単位で申し込みますが、0.5小間というのは規模の小さい企業向けの特別プランで、これにざっと50万。

ホント陣取りだけで壁も机も電気も含まれていませんから、何から何まで全部自分で用意する必要があります。初めての出展なら要領もよくわかりませんので、運営側が用意しているレンタルセットを契約するのが良いんじゃないでしょうか。ちょっとお高いですけど、ウチはそうしました。

机やイス、カタログスタンドなどはもちろん、壁や社名版、カーペットに電気工事など、展示をしている様を出すのに最低限必要な物々を揃えてくれます。ダサくなるので標準レンタルセットは避けたほうが良いという意見もありますが、標準セットを卒業できるのは2,3回経験してからかなぁ。

これらに、後述するモノを色々と作った費用を加えると全部で費用は100万円そこそこ。名の通った展示会はおおよそこんな感じになるんじゃないでしょうか。

 

作ったもの

3m x 3m のブースは案外広いので何も無いと本当に惨めなブースになってしまいます。この種の展示会には僕も見る側として何度も行ったことがありますが、貧相なブースの残念さといったらもう…。机にパンフレットだけとか哀愁感ただよいまくりですから。

そうなるのは避けたかったので、とにかく賑やかになるようにと色々作ったものの一覧が以下。

  • 大型パネル(A1サイズ)
  • 地面に立てかけるバナー(50cm x 160cm)
  • リーフレット(2種類)
  • 机上パネル(A4サイズ)
  • プロモーション動画(40インチの液晶で再生)

これだけあると、3m x 3m 程度なら貧相な感じにはなりません。

ブース全体が何となくちゃんとやってる雰囲気に見えたことに初出展の自分らがまず驚きましたが、反省点が幾つか。もちろん、良かったなという点もあります。

  • 壁面にぶら下げるパネルはA0サイズでもよかった(A1だと小さく見える)
  • 壁の背丈が結構あった(2.7m)ので、ぶら下げるチェーンは長めのものを用意すればよかった
  • 机上パネルはスマートに机を彩ってくれるので効果あり
  • 立てかけバナーの存在感と賑やかし効果が思った以上にあった
  • 液晶TVで動画再生するには40インチ以上が必須(27インチのiMacは小さ過ぎる)
  • テーブルの白布の代わりにロゴ入りのオリジナルのものを用意すればよかった

全てやってみて初めて分かる気づきですね。特に良かったのは立てかけのバナー。


(ひとことブログのikuneeと、遊びに来てくれたジールズさん)

ほぼ人間一人分の大きさなので、やはり存在感があってブースの最前面ギリギリに斜め方向に置いておけば確実に視界に入ります。これがあるだけで随分と雰囲気が違いました。スタンドとバナー部分は取り外しが可能で、別のバナーを作れば差し替えが可能なものです。

当面、こんな感じで実物を社内の会議スペースに飾るつもりですので興味お有りの方は是非お越し下さい。

 

かけなかった費用

出展者用には運営側が気を使って(?)本当に色々とオプションを用意してくれています。最も高額な場所代(前述)は最初に支払ってしまうのですが、その後は出展者用の管理画面のようなものがWeb上に用意される他、メールで色々と案内が届きます。

オプション類は「せっかく出展するのだから」とあれもこれも付けてしまいがちになりますが、そこはあえて手持ちのもので代替したり、そもそも使わないという判断をしました。

  • 液晶TV(自社会議スペースにある40インチを持ち込み)
  • 有線ネットワーク(現場ではテザリングを使用)
  • バーコードリーダ
  • セミナー枠や広告枠

ネットワークは「当日現場でデモができなかったらどうしよう」という心配もありましたが、敷設すると10万円もかかるという話だったので却下。心配も杞憂に終わりました。期間中はテザリングで十分でしたし、有線があっても全く使わなかったと思います。

バーコードリーダはこの主のイベントでキレイなお姉さんが持ってるやつですね。来客者の入場証をスキャンしておけば後から個人情報をCSVダウンロードできるという代物。システム利用料が10万円超えするビックリ価格だったのでやめました。まぁ、そもそも効率性を重視して獲得しただけのリストはお金になる効率が極めて低いので利用する価値は疑問です。ここはお金をかけなくて正解。

あと動画制作もお金をかけずでした。冒頭に載せましたが、KeynoteやPowerPonintのアニメーションやトランジションを使えば何とかなるもんです。


動画の有効性ですが、正直、展示会場ではゆっくり最初から最後まで見て貰うという方は皆無に近いです。そもそも、途中で「ご説明させて頂きます」と声をかけますしね。ブースの賑やかし役です。控えめながらBGMも流しました。

なお動画を流す液晶TVはレンタルするとバカ高いので、会社のミーティングルームのものを持ち込みました。以下は40inchの液晶TVを梱包している様子。

購入時の箱を事務所引越し時に捨ててしまっていたので、楽天のこちらのショップから購入した法人向け専用の梱包セットが役に立ちました。展示会が終わった今、この大きな箱は 展示会用品セット として一式を入れておく箱になってます。

 

とまぁそんな訳で、ドドドっとかかった費用とかモノとか紹介してきました。これを読んで下さった方が出展される時に参考になれば幸いです。展示会に出てみて実際何が良かったのかとか、そのへんのお話はまた改めて書きたいと思います。


2017.01.27 (Fri)

iOSのフィードテイラーから、セキュリティのフィードテイラーへ。

事業の軸を変えるのも軸を増やすのも相当なエネルギーと覚悟がいるものです。ましてや全く違うドメインとなると尚のことそうだなぁと改めて思います。創業3年目には、社名に冠するRSS関連事業からiOSアプリ開発事業に軸を移し、そして11年目の今、セキュリティ事業に軸を向けると。

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(Thanks! the photo on flickr by Andres Atehortua CC BY-SA 2.0)

年末年始に熟考して進むべき道がクリアになってきたので、2017年は自信を持ってセキュリティのフィードテイラーで打ち出していきます。その発信の一環として、新サービスの披露をかねて2つの展示会に出ることにしました。

 

関デジDAY2017(2/9)に協賛

一つは関西デジタルコンテンツ事業協同組合さんが主催される関デジDAY2017。お馴染みメビック扇町で開催されます。開催主旨やコンセプトに共感したのもあって、弊社にしては珍しい協賛という形を取らせて頂いてます。前のめりでいくならそれぐらいが良いかなと。

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(参加申込みはDoorkeeperのイベントページから)

協賛企業は4社。KDDIウェブコミュニケーションズさん、ファーストサーバさん、クレディセゾンさん。で、フィードテイラー…何でやねんと。格差感すごい(笑) でも今回展示するモノ(後述)はどこよりも尖ってる自信のあるものですので、来場の御客様にも関心を持って頂けると思います。

開場は2017年2月9日の13:00。入場無料です。場所はメビック扇町。15時からは協賛企業のプレゼン枠で30分ほど僕からお話させて頂きますので、宜しければお越し下さい。

それからもう一つ。

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第1回 関西情報セキュリティEXPO(2/15-17)に出展

言わずと知れたリードエグジビションジャパンさんの大型イベント。関東圏では馴染み深いあの Japan IT Week が関西に初上陸、2017 Japan IT Week 関西 が開催されます。今までこの手のイベントでは、ウチの製品を扱って下さる販売店さんと御一緒に出たりとか、ヘルプでお邪魔したりとかでしたが、今回は何と自社出展です。

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情報セキュリティ分野だけではなく、IoT/M2M、組込みシステム、モバイル活用、Web&デジタルマーケティング、クラウドコンピューティング、と他にも5大テーマでEXPOが併設された大イベント。

そこに弊社は、一番小さいサイズですが小間を確保して、新サービスを引っさげて出展致します。僕はもちろん、@t0shiyaも、ひとことブログ執筆担当の@ikuneeも現地入り。3日間セキュリティを前面に出して発信させて頂きます。小間番号は 8-7 です。

既に200名ぐらいの方々に招待状をお送りさせて頂いたり、最近お会いした方には手渡しでご案内させて頂いています。招待状をお持ち頂くと無料で入場できますので、お越し頂けたら嬉しいです。まだ届いてないぞっという方は僕宛でメッセージやメールなど頂けましたらすぐお送り致しますので宜しければお声掛け下さい。

 

で、何を展示するのか

招待状に同梱でお配りしているご案内のパンフがこれ。Webサイトの静的化 によるセキュリティ確保サービスです。以前に WP Guard という Wordpress 向けプラグインを発表させて頂きましたが、今回はその進化系のサービスを主役に据えます。esparって書いてるやつですね。

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(パンフは時間の関係もあり、素材を組み合わせて使って自作しました。illustrator便利ですね)

展示では、Webサイト静的化について価値訴求すると共に、動的なCMSサイト(WordPress)がハッキングされるデモとか、任意のWebサイトをその場でリアルタイムに静的化してしまうデモとかもやらせて頂く予定です。

このWebサイト静的化という分野。海外を含めて色々マーケットを調べていると、ぼちぼちお金の伴う動きが出てきています。2016年は、日本じゃ余りニュースになってませんが Netlifyが約2億調達した なんて話もありました。既に静的化の周辺に static web hosting という事業ドメインが生まれていて、お金が動きはじめる気配を感じます。

課題解決に必然性があり、お金の動く傾向が見られたなら、それは進むべき半歩先の未来です。そういう訳で、フィードテイラーはセキュリティの中でもまずはWebサイト分野に絞り込み、更に static web hosting のカテゴリへ事業の軸を向けます。今回の展示会出展は、その前哨戦的な位置づけとして新サービスをご披露する場にしたいなと考えてます。

お時間御都合の会う方は是非お越し頂けましたら幸いです。会場でお会いできるのを楽しみにしています。


2017.01.04 (Wed)

昨年12月のすきま読書の記録。

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(Thanks! the photo on flickr by Sam Greenhalgh CC BY 2.0)

スマホ見るなら本を読め ということで昨年から続けている読書週間ですが、半年たってこんな感じになってます。

  • 2016年6月 : 6冊
  • 2016年7月 : 10冊
  • 2016年8月 : 13冊 + 1冊(AudioBook)
  • 2016年9月 : 7冊 + 1冊(AudioBook)
  • 2016年10月 : 7冊
  • 2016年11月 : 9冊 + 1冊(AudioBook)

もう既に習慣化して効果も実感していますが、すきま読書のおかげで普通に年間100冊を達成できそうなペースになってきました。読書好きながらなかなか増えなかった読書量。創業来初の勢いじゃないかなと思います。

本を沢山読みたいけど積読に悩まされているかつての僕と同じ方は、是非とも スマホ見るなら本を読め の精神で読書されるのをお勧めします。

さて、そんな訳で昨年の12月はこんな感じでした。

 

ビジネス書

小説

 

全部で10冊。小説多いですね。本のレビューを書いたりしたので(LIFE SHIFT を読み終えてその先の世界を想像してみた話, [書評] 価格の掟 〜ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白〜)、時間をそちらに費やした感があります。アウトプットしなけりゃもう少し読めていたのでしょうが、そこはバランスということで。

11月から詠んでいたみをつくし料理帖はついにシリーズ読破で感動の完結。とっても良い作品でした。小説の舞台の一つになってた九段坂界隈とか行ってみたくなりますね。

次々と迫る不幸や事件に苦悩しながらも、耐えて乗り越えて料理の道を進み続ける主人公澪の姿に心打たれます。強いなぁ。あと、お客様からお金を頂くとはどういうことかという仕事論が随所に散りばめられていて気づきも得られる物語でした。

ビジネス書で最も印象的だったのはゲノム編集とは何か

SFが現実の脅威となる避けて通れない未来が、実は目前まで迫ってきているということが分かり衝撃を受けました。分子生物学の進化が遺伝子操作を容易なものとし、人間の価値観に倫理観に道徳観に、科学が揺さぶりをかけてくることを分かり易く説明しています。

先月に読んだ LIFE SHIFT と併せて書評も書いていたりしますので宜しければ御覧下さい。

LIFE SHIFT を読み終えてその先の世界を想像してみた話 - 大阪/関西でiPhone業務活用・Webサイト静的化をご支援するfeedtailor社長ブログ

という訳で12月も沢山読書ができました。ご縁に感謝。

これまでずっと本は好きでいたけど、実は年間50冊も読んだこともなかったんですよね。それが、すきま読書のおかげで約半年で65冊も読めてしまってるという。今年は100冊読了することを目標にしながら、適宜の書評アウトプットを行っていきます。


2017.01.01 (Sun)

新年あけましておめでとう御座います。

正月はいつも通りの早朝起きで神社参拝。前日の大晦日はカウントダウンもせず就寝してましたので、いつも何も変わらない年越しとなりました。

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(いつもの明朝と違い、人が多い正月の大阪天満宮。年一じゃなくて参拝は毎日が良いよ〜と毎年思う)

新しい事業を育てる年

2016年の振り返り のエントリに書いた通りなのですが、昨年が新しい事を模索する年だったとすれば、今年はそれらを育てる年になります。Webサイトの静的化(WP Guard)やEnterprise iOS(MICSS)の話などですね。

その他にも、そういえば先日のエントリでは言及できてなかった、チャットボット(昨年春にLINE Botを作ってた)の話や、各種の講演や執筆活動とか。

前者についてはビジネスとしてお話を頂いてたり、後者については早速1つ講演も決まってたりと、それぞれ方向性が見えてきた気がするので併せて取り組んでいきます。

社会的課題への関心

あと事業とは直接関係ないですが、社会的課題についてもキャッチアップとアウトプットを続けていくつもりです。特に雇用問題と教育問題。

前者は特にそうですね。まぁ自分も雇用者として色々と経験してますし、LIFE SHIFTWORK SHIFT に描かれる将来の仕事像、昨年末に政府が副業容認を促すなど、諸々考え合わせるとそもそも雇用という概念に疑念を持ち始めてます。ハフィントンポストへの投稿も再開したいなと。

あと、昨年読んだ書籍子供の貧困が日本を滅ぼすは、貧困による子供の教育格差問題を自分の大きな関心事とするに十分でした。ウチは子供いませんが、何か自分にできることでアクション起こしていきたいと思うのです。

 

という訳で、総じてドタバタしそうなことは変わりなさそうですが、2017年も邁進してまいります。皆様にとっても良い1年になりますように。本年どうぞ宜しくお願い申し上げます。


2016.12.29 (Thu)

2016年も残すところあと3日。弊社は昨日が最終営業日でした。他社はどこも電気が消えている静かなフロアで、まったりとこの1年間を振り返っています。毎年何か大きな変化をしていますが、創業から丸10年となった今年は特に大きな節目でしたね。

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SYNCNELの事業譲渡

2016年2月1日に富士ソフト様に事業譲渡を発表しました。詳しい経緯は同日に書いたSYNCNELを事業売却し、開発部門を解散しますのエントリを御覧頂ければと思います。ホント大決断でした。

当初の予定通り今でもSYNCNELには関わり続けています。事業は富士ソフトさんによって継続されていますので、その御支援的な立ち位置ですね。譲渡後1年を節目に…なんてことも言われますが、離れる予定もなく今後も関わり続けさせて頂く予定です。

B2Bの自社商品を作って、名だたる企業様に御利用頂くまで成長させて、それを事業売却するという機会をくれた良い思い出のサービスです。B2B分野で自社商品を作りたい思いが今も無くならないのは、SYNCNELでB2Bビジネスの面白さを感じてしまったからですね、きっと。

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(Thanks! the photo on flickr by Thomas Mathie CC BY-NC-ND 2.0)

技術顧問や事業御支援

ヴァル研究所様ハートオーガナイゼーション様をはじめ、まだこのブログでは書けていなかったりしますが幾つかの会社様からお声掛けを頂きました。日頃お世話になっている皆々様に改めて御礼申し上げます。

関わり度合いは色々なのですが、モノ作りにガッツリ関与させて頂いたり、取引先をご紹介したり、アライアンスのお手伝いをしたり、エンジニアを御紹介したり、経営者の方の雑談役・相談役のような感じで第三者的意見をお伝えしたり、営業代行や顧客サポートをさせて頂いたり、プリセールスをさせて頂いたり、技術的知見をご提供したり、ヘッドハンティングしたり、….ホント色んなことをさせて頂きました。

決して何でも屋としてタスクを細切れに作業請けするという事ではなく、その会社の中の人であるかのような思考/視点で、会社や事業を前進させるにベストなことは何かを考え、敢えてタスクは限定せず成すべきを成す、そんな立ち位置でしょうか。名刺を持たせて頂く意味はそこにありますし、平気で「それは辞めたほうが良いです」とウチに金銭的プラスになる事であっても具申するのが弊社の個性だと思います。

そんな関わり方に楽しさを感じた1年でもありました。大変有り難いことに、また別の会社様からも打診を頂いておりまして、来年は今年以上に他社様の成長を経営と技術の観点で思考する機会が増えそうな気がします。

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新事業 : MICSS

今年から、iOSの業務活用をご支援する事業を始めました。クラウドサービスを選定して販売したり、デバイスの調達から、周辺機器の調達、メーカーとの調整や必要に応じて部分的な開発など、iOSにまつわる全ての御客様課題を解決する事業です。詳しくはオフィシャルサイトを御覧頂ければと思います。コンセプトは「なるべくアプリは作らない」です。

これもとても楽しいお仕事です。

経験に基づくエンタープライズiOSの知見や情報がアプリ開発のノウハウまで含んだ範囲で多くありますので、御客様がiOSデバイスを業務活用するにあたってのベストな導入・運用・サポートを御提案できるんですよね。

企業の情シス部門がiOS活用を促進する時の相談役みたいな役回りでやらせて貰ってます。相談役として動く人(僕や@t0shiya)が開発者でもあるというのが良いんです。Webアプリなりネイティブアプリなり、作れる知見は本当に強みになるなと。何ができて何が大変かを体感で分かる訳ですし、何を御提案するにも説得力ある説明ができる上に、常に論理的なベスト解を提示できるからです。

これは営業や企画サイドから入るコンサルではなかなか難しい所なので、そういった企業様とチームを組んで御客様をご支援する…なんてこともさせて頂いてます。いわゆる協業ですね。技術的知見に基づくアシストが訴求力や説得力に繋がる訳で、お互いにWin-Winなのです。

余談ながら、ホント最近思うのは、エンジニアは将来のキャリアを考えるなら、「御客様の課題を解決する、または、御客様の課題を解決する人の課題を解決する」ってことを開発視点でできるようになるべきじゃないかなということ。もしフィードテイラーをまた大きくしていくなら、そういったエンジニアが育っていく環境にしてみたいなと思ったりしますね。エンジニアが顧客目線・パートナー目線で的確な提案をできるようになったらホント最強なんです。

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(Thanks! the photo on flickr by [Jon Gosier(https://www.flickr.com/photos/ww4f/) CC BY-NC-ND 2.0)

新事業 WP Guard & espar

全然違う分野ですね。今年から、まさかのWebで新規事業を始めました。

11月に WordPress サイトを静的化するサービスWP Guardを始めました。同時にesparというWebサイト静的化エンジンのライセンス販売も開始しています。詳しくはオフィシャルサイトや発表時のブログエントリを御覧下さい。

つい先日もPHPMailerの脆弱性が見つかりWeb関係者が震撼したところですが、こういうリスクは今後もどんどん増えていく筈です。インシデントが増えていくスピードと、いざ被害にあった時に失うモノの大規模化と、各種案件でのセキュリティ要件の要請気運が、Webサイトを抜本的に安全にする静的化に向かわせるのは間違いないと思ってます。

そんな半歩先の未来に一石を投じるべく、WP Guard と espar を基軸に、来年は Web静的化 も1つのキーワードとして活動していきたいと思ってます。

とこんな感じで、振り返ってみると色々とありましたが、御客様やパートナー様や弊社メンバーなど色んな方々の支え合っての1年でした。1年間ありがとうございました。

本ブログのエントリは本日で最後となります。年賀状は数年前に作るのを辞めてしまいましたので、年始の2017年初エントリをもって御挨拶とさせて頂く予定です。あしからずご了承ください。

来年は本ブログを含めてもっともっとアウトプットしていくつもりです。来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


2016.12.26 (Mon)

今年は沢山の本を読みましたが、中でも2016年マイベスト本となった LIFE SHIFT には考えさせられました。結構話題にもなってた本ですね。良い本だったので、ちょっとご紹介したいと思います。

正直、辛い内容ではあります。特に、60歳や65歳まで仕事して後は引退するつもりでいる方には、悲壮感と焦燥感しか湧かない本と言えるかも知れません。厳しい現実を突きつけてきて、人生の再設計を促してくる本です。でも敢えてそういう方こそ読むと良いんじゃないかなと感じました。

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(Thanks! the photo on flickr by Taichiro Ueki CC BY-ND 2.0)

寿命が伸びて老後資金が足りなくなる

老後に必要な資金は3000万円とか、1500万円とか、色々諸説あります。家族構成もライフスタイルも人それぞれだし、老後に求めるQoL(Quority of Life : 生活の質)によっても違うので異なって当たり前ですが、本書は その老後資金計画で、そもそも足りますか? という問題提起をしています。

引用されてる「Human Mortality Database」によると、2007年に生まれた日本の子供の平均寿命は107歳になるそうです。日本はただでさえ平均寿命が世界トップクラスで男性80歳、女性86歳なのに、まだまだ平均寿命が伸びるというのです。

当然、今30代や40代の人でも100歳まで生きる確率は徐々に高まっていきます。人生は50年でも60年でも80年でもなく、100年になると。そうすると、

ほとんどの人は、長い引退生活を送るために十分な資金を確保できないのだ。この問題を解決しようと思えば、働く年数を長くするか、少ない老後資金で妥協するかのどちらかだ。(序章 p.20)

ということにならざるを得ません。通常、少ない老後資金で妥協する(生活水準を落とす)のは難しいので、働く年数を長くするという選択しかないでしょう。それができずに苦労されているのが、昨今社会問題視されている老後貧困や老後破綻ですね。

年金も退職金もこれから更に頼れなくなります。所得代替率は低下していくし(年金、年取るほど目減り 現役所得比で40%台に 厚労省が試算)、退職金制度のない企業も増えて退職金額も引き下げられる傾向にありますから。

老後の収益は、(1)公的年金+(2)退職金+(3)自助努力 の3本柱とされるそうですが、長寿命化して老後資金が不足しがちだから(1)(2)で補填してくれる…とは考えにくく、もう(3)しかない訳です。

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(Thanks! the photo on flickr by Duane Storey CC BY-NC-ND 2.0)

働く期間が長くなるなら…..

せいぜい仕事するのは40年間程度と考えていたのが、60年間とか70年間に渡って仕事をすることになります。

好きでもない仕事を60年間続けなくちゃいけないのは苦行でしょうし、逆に、それだけの長期間に渡ると1つのキャリアを貫く仕事人生ではいられない確率も高くなります。時代の変化はますます激しくなって、現役中に幾つもの職業が失われたり新しく生まれたりする…。

だからこそ、自分が本当にやりたいことをよく考えなさいというのが本書の勧め。

その為に、自分をよく知るよう努めること、キャリアチェンジを恐れないこと、その為の勉強の時間を惜しまないこと、新しいスキルを身につけ、積極的に新たな経験を受容すること、評判を確立してそれを巧くアピールし、健康でい続けるようにし、仲間を作ること等々、これらの努力で得られる 無形の資産 もお金と同様に必要であると説き、その重要性を語るのに膨大なページを割いています。

仮想の人物の仮想の人生も描かれているので、未来を想像する助けになると思います。

結局、人生のシフト(LIFE SHIFT)と言っても、仕事のシフト(WORK SHIFT)なんですよね。僕は LIFE SHIFT をそう読み取りました。著者の前著である WORK SHIFT も併せて読むと良いと思います。

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(Thanks! the photo on flickr by Sharada Prasad CS CC BY-NC-ND 2.0)

死ぬまで仕事するしかない時代へ

少し LIFE SHIFT から脱線しますが、実はとある書籍との出会いで、LIFE SHIFT の寿命に関する考察は甘いのではないかと思い至りました。そのことを最後に少し書いてみようと思います。たまたま手に取ったこちらの書籍。

読んでみて驚いたのですが、分子生物学が今、もの凄いことになっているらしいのです。100歳寿命なんてまだ可愛いもんで、500歳まで生きるなんて話まで出てきてます。

デザイナーベビー(遺伝子操作された赤ちゃん。生まれる前から病気を治せる)の誕生や、骨を折れにくくしたり肥満体質を改善する遺伝子操作、容姿や身長を遺伝操作しうる可能性の示唆、がん・ダウン症・パーキンソン病といった困難な病を遺伝子操作で改善する話などなど。

人の寿命が今まで以上のスピードで伸びるようになるであろう技術が紹介されています。クリスパーというそうで、テキストエディタで編集するように遺伝子操作できるとは著者の表現ですが、もはやSFがもうSFじゃなくなってしまう勢い。期待というより怖さを感じます。

人は神の域に近づこうとしているなと。

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(Thanks! the photo on flickr by MIKI Yoshihito CC BY 2.0)

倫理の問題、法の問題、色々あるけど、寿命は凄い勢いで伸び続けるに違いなくて、もう 老後に備えてどれだけ貯めておくべきかの議論なんて意味をなさなくなるのでは とこの本を読んで感じました。

寿命を推定し、引退年齢を(科学の急速な進化を無視して)決めて、その先は現金資産を切り崩して生きていく人生設計をしていても、いざその歳になった頃に平均寿命が更に10年伸びてました…となっていたら目も当てられませんから。

引退とか老後の安心は、限られた人の特権になっていくのでしょう。僕らは働くのをやめない時代に突入しようとしてるんだと思います。個人的には仕事好きなので、元々そのつもりではあるのですが。

一方で、いつまで生きるか生きてみないと分からない、だから老後の計画が実質立てれない、ということならいつまで生きるか先に決めてしまおう…と、いつ死ぬかを決めてから逆算の人生設計をする時代になる可能性だってあるかもとも思いました。

随分長々と書いてしまいましたが、LIFE SHIFT、自分の人生について再考するきっかけになる良い本です。併せて、更に考え込むことになる ゲノム編集とは何か も是非。いずれもコレという打開策が提示されてる訳じゃないのですけど。でも、旧来型人生設計では破綻する未来を恐れず直視して、今のうちに色々考える機会を沢山持って早めの行動を起こすほうが遥かに良い、と意識を新たにさせてくれる本でした。


2016.12.12 (Mon)

最近本を読みまくってますが、たまにはアウトプットしないとねということで久しぶりのレビュー。

本屋巡りをしていてたまたま見つけた本です。買う気も無かったし、そもそも存在すら知らなかったんですが、ふと目に入って目次を見たところ何となく今読むべし!と感じて購入。いぁこれはホントに良書でした。こういうことがあるので本屋をぶらつくのが好きなんですよね〜。

企業の最重要KPI

本書が問いかけるのは「企業が最も重視すべきKPIは?」ってこと。もしこの問いに対する解に「市場シェア」「売上」「販売数量」「契約数」が来る方は、この本から沢山の発見と気付きが得られるのではないかと。(僕もそんな一人)

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(Thanks! the photo on flickr by Bart Bernardes CC BY-NC-ND 2.0)

著者は、一貫して企業は何よりもまず利益重視であるべき と主張しています。利益は他の企業目標を超越した指標であって、

年度末に「あるといいもの」や「嬉しい驚き」として利益を扱っている場合ではないのだ

と手厳しい。なぜなら、

利益は生き残りの条件であり(中略)ビジネスを続けるためのコストである

から。当たり前っちゃ当たり前なんですけどね。利益が大事なのは皆頭ではわかってますから。

ただ、多くの企業で実際のところは営業や経営者が「利益」を軸に考えれてないと指摘しています。優劣を売上規模で判断する風潮は依然としてあって、事業計画や実績評価を売上や販売数や市場シェアを指標にしがちだと。

だから、「20%の値引きをした商品で元と同じ利益水準を保つ為に必要な販売数増は?」なんて基本的な問題にも、「20%増です」という間違った解答をする人が多いのだそうで。そんな訳ねーよ、利益のこと考えてるのか?分かってねーなと著者。ま、そんな乱暴な言い方ではないですが。

利益を第一義におくとはどういうことか。

利益は売上とコストの双方を同時に考えられる唯一の指標であり、従って プライシング こそが最も重要であるというのが著者の主張。売上を上げるのも重要だし、原価下げるのも重要だけど、価格の付け方次第で利益を今まで以上に確保できるんですが著者のスタンスです。

価格付け以外になにもしていないのに利益が上がったという事例はマジックのよう。著者にしてみればマジックじゃないのでしょうが。だから、もっと考えろ、と言わんばかりにページをめくれどめくれど価格、価格、価格の話。目次を見るだけで著者の情熱を感じることができます。

  • 第1章 痛烈な洗礼を受けた私の価格体験
  • 第2章 価格を中心にすべてはまわる
  • 第3章 プライシングの心理学
  • 第4章 価格ポジショニング
  • 第5章 価格は重要な利益ドライバーである
  • 第6章 価格決定における見当ポイント
  • 第7章 価格差異化という高度なアート
  • 第8章 プライシングのイノベーション
  • 第9章 経済危機への対応と価格競争
  • 第10章 プライシングはCEOが取り組むべき仕事である

…ホントに最初から最後まで価格のことしか書いてない(笑) 文字通り価格に始まり価格に終わります。価格をテーマにこんなに文章が書けるのかという驚きからくる興味が本書を購入した最大の動機ですが、読んでみて腑に落ちました。

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(Thanks! the photo on flickr by saaby CC BY-SA 2.0)

価格学

「学」というと言い過ぎかも知れませんが、価格をテーマにありとあらゆることが書かれている印象です。価格を付ける根拠に何を持ってくるのかのパターンや事例(第5章)、価格体系をどう定めるべきかそのパターンや事例(第7章)、価格の付け方にもイノベーションがあること(第8章)、などなど。

イノベーションを取り上げた第8章は特に興味深いです。航空機のエンジンを売るGE社がもはやエンジンに値付けをしていない事例は、プライシングが時代と共に進化することを感じさせます。GE社が何に価格付けをしているかは是非本書で見てみて下さい。クラウド系ビジネスの人なら慣れてる思考ですが、ビックリしますよ。B2Bでももうそんな時代なんだ…と。

第7章で価格付けのことをアートと表現しているのも、本書中の数ある事例から納得できます。価格が1種類じゃないことと利益最大化の関係の論理的な説明は、なるほどなと。価格付けとは何と奥深いのでしょうか。

本書を読み終えたから適正価格が分かる訳ではありません。「掟」を手にしたところで、それが今自分が直面している価格付けの課題にピッタリな答えを示してくれる訳でもないでしょう。事例や市場によって事情は異なりますから。ゆえに価格は本当に難しく、本書がただ悩む要素を増やすだけという可能性はあります。僕も実際、価格付けが怖くなりました。

が、価格について思考する・試行するのに役立つ気づきや発見が何かしらある本です。なんせ、10章全部、約300ページに渡って価格のことしか書いてないんですから。いみじくも今日、大塚家具が苦境に立たされていることがニュースになってました。

大塚家具の業績はなぜこれほどまでに落ち込んだのか。大きな理由は二つある。一つは中途半端な価格戦略だ。

価格の設定を誤った例ですね。現預金の減り方が半端ない。価格が大事というのはこういうことなのでしょう。久美子社長も本書を読んでたら多分こうはならなかったかも知れないなぁと感じました。

という訳で、価格コンサルティング会社CEOが記した書籍、価格の掟。事業に責任を持つベンチャー企業の社長にも、新しく事業を起こすマネージャの方にとっても示唆に富む一書のご紹介でした。