2010.08.09 (Mon)

昨年が元年と言われたスマートフォン、今年が元年とされるタブレット型PC、これら新しいデバイスに「コンテンツを持ち出す」ことが今後ますます必要になってくると考えています。そこに FastBoard を一つの手段として提案したい…そんな思いを先のエントリに書かせて頂きました。

コンテンツを持ち出したいなら FastBoard が良いですよ

そう言って貰えたら嬉しいなーと思ってる訳ですが、その為に到達しなければ行けない事が現段階で色々と見えています。このエントリでは FastBoard の今後の計画と目指している将来を3つに分けて書いてみたいと思います。

 

1. FastBoard for Win

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FastBoard をご覧頂くと、便利ですねとお褒めの言葉を頂くのと一緒に「Windows環境からドラッグ&ドロップ出来ないの?」というコメントを頂戴します。企業様や学校様においては特にそう。やっぱり現場では windows が大多数を占めますから当然の事だと思います。

もちろん FastBoard for Win は開発を予定しておりまして、少しですが現にプロジェクトとしては稼働し始めています。対象OSはVista や Windows7。更にXPもサポート出来ると言う事なしですがこればかりはちょっと分かりません。

ただ、Windows ユーザの方にも広く FastBoard の便利さを体験して頂きたいという思いは強く持っています。

 

2. iPhone版 FastBoard

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これも開発予定です。構想の発端はiPhoneですし元々実現したかった事でもあります。それに、実際 iPad 版 FastBoard を使っていて iPhone にも手軽に転送出来たら良いのになーと感ずる事が多いからというのもありますね。

閲覧するのに iPhone で十分という類のコンテンツは特にそうですし、iPad を持ち運ぶまでもない場合もあったりしますから。そんな訳で iPhone版 FastBoard は別途開発するつもりでおります。

 

3. iOS間コンテンツ転送プラットフォーム

コンテンツを転送したいシーンは、何も従来のコンピュータ(MacやWin)からiPadやiPhoneだけ…という組み合わせだけではありません。

iPadを持ち寄った会議でお客様のiPadに資料PDFを送りたい、お勧めのURLを目の前にいる友達のiPadに送りたい…そんな場面は容易に想像することが出来ます。

実際、いつもお世話になっているメタ・グラマーさんと FastBoard のデザイン面で打合せをさせて頂きながら弊社でも思ったものです(もちろん資料はFastBoardでiPadに転送したものを持ち寄っての打合せ)。

この PDF 資料を別のiPadに転送出来たらもっと便利ですよね…と。

つまり、こういうことですね。

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Aさんは自分のMacから打合せ資料PDFを FastBoard で自分の iPad へ転送する。打合せ現場では、AさんBさんと一緒に FastBoard を立ち上げて、Aさんが送信側、Bさんが受信側となって iPad(A) → iPad(B) に転送される…と。資料の受け渡しはお互い持ち寄った iPad に FastBoard が入っていればそれで可能という訳です。「じゃ、今日の資料を今から送信しますねー」みたいな。

実際にそんな様子をプロトタイプで動作させているのが以下の動画。右が送信側、左が受信側です。両者は同一WiFiネットワーク下にいると思って下さい。(最初に右側で操作しているのは、送信側として動作させる為の設定操作です)

何もデータの入っていない左側 FastBoard に、右側の FastBoard から一枚の写真が転送される様子をご覧頂けるかと思います。これを実現するには、両者のiPadが同じWiFi環境にいること、ただこれだけが条件です。

打合せ現場などでWiFiが使えれば理想的ですが、そうでない場合でも PocketWiFi を使って WiFi ネットワークを作れば実現可能です。もちろん、上の動画のような写真に限った訳ではなく、FastBoard でサポートしている全てのコンテンツが転送可能になります。(PDFや動画、URLやAppStoreリンクも)

 

そしてこの機能が 2. の延長線上で iPhone にも搭載されていたり、1. のように win からも使えたらどうでしょう。

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…そうすると、色んな形でファイルを転送させる事が可能になります。デバイスを跨ぎ 、OSを跨ぎ、両者合意の元に転送&閲覧が出来るようになると凄く便利になる筈です。そこに必要なのはWiFi環境だけ。

打合せの現場で、資料を渡す為にわざわざ紙に印刷して持ち出す必要がなくなるかも知れません。デスクトップやノートで作った資料を iPad に転送し、ミーティングで参加者の iPad に転送する。iPad を持ってない人には iPhone へ転送する。参加者は持ち帰って、グループの関係者にまた iPad や iPhone 間で転送する…。

本当のペーパーレスは、紙に印刷しない事だけでは達成できず、資料(コンテンツ)の受け渡しというアナログな行為までもデジタル化する事で初めて実現するのだと思います。

 

FastBoard が目指す将来像は、そんな世界です。その広がりの為に (1)win対応、(2)iPhone版、(3)iOS間通信の3つを直近のタスクとして意識しています。更にその先で見据えているものもあるのですが、もう妄想の域に入ってしまいますので機会があれば書かせて頂く事にしようと思います。

 

FastBoard

FastBoard for Mac ダウンロードサイト

 

[関連エントリ]

iPadへのコンテンツ転送支援アプリ「FastBoard」をリリースしました

なぜ FastBoard を作ったのか


2010.08.09 (Mon)

コンテンツ転送支援iPadアプリ FastBoard をリリース致します。

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構想自体はiPhoneを使い始めるようになってから頭の中にありましたので足かけ2年足らずでしょうか。ホント長かったです。受託開発を進めながら合間合間に形にしていった感じですね。

コンセプトが分かり易かったからか思い描いていたイメージ通りの出来となり、iPad ライフをかなり便利に出来るであろう未だかつて無いツールに仕上がったと思います。

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FastBoardは、デスクトップからiPadへ気軽に素早くコンテンツを転送出来るアプリで、MacOSX用にご用意させて頂いた専用アプリ(FastBoard for Mac : free)と一緒に使う事を前提としています。

iPadでFastBoardを起動して、MacOSX側では FastBoard for Mac を起動して、ドラッグ&ドロップ。これだけでiPad にコンテンツを転送し即閲覧する事ができます。(FastBoard for Mac のダウンロードはこちらから。iPad版 FastBoard はこちらから)

説明よりも動いている様子が一番分かり易いと思いますので、ここで動画をひとつ。

画面右上に小さく映っているのが iPad。WiFiを経由して簡単にファイル転送が出来ている様子をご覧頂けるかと思います。URLも転送出来ますし、選択範囲をテキスト化して転送も可能ですし、動画の最後で出てくるように AppStore リンクも転送可能です(AppStoreの当該ページにジャンプ)。

iPadが接続されたWiFiネットワークと同じネットワークにMacOSXなマシンが存在すること、これだけが条件です。あとは互いがその存在を自動認識し、ドラッグ&ドロップだけで MacOSX → iPad のコンテンツ転送が簡単に出来る環境の出来上がりです。

 

以下、簡単ですが FastBoard についてまとめてみました。

■ FastBoardとは
MacOSX専用ソフトウェア「FastBoard for Mac」(ダウンロード)と連携して、デスクトップからiPadへコンテンツを転送する事ができるアプリです。転送されたファイルはiPad内にコピーされますので、MacOSX側との接続が切れたり、オフライン環境であったりしても後から閲覧する事ができます

■ FastBoardができること(基本編)
1. 単一ファイルのiPadへの転送&閲覧
2. 複数ファイルのiPadへの転送&閲覧
3. URLのiPadへの転送&閲覧
4. 選択テキストのテキストファイル化とiPadへの転送&閲覧
5. AppStoreリンクの転送&購入誘導
6. 転送したコンテンツの他アプリへの再転送
7. 転送したコンテンツの自動蓄積/削除

■ FastBoardで転送&閲覧できるもの
- 画像ファイル(gif, png, jpg, jpeg, tiff)
- 動画ファイル(m4v, mp4, mov)
- 音声ファイル(mp3, wav, aiff, aac)
- PDFファイル
- テキストファイル
- iWorkドキュメントファイル(key, numbers, pages)
- Microsoft Office ドキュメントファイル(doc, docx, xls, xlsx, ppt, pptx)
- ウェブページ(html)やURL
- AppStoreリンク
- zipファイル(転送のみ。解凍は他のアプリに再転送した先で可能)

■ FastBoardを使うのに必要なもの
- iPad版 FastBoard (キャンペーン中につき450円)
- FastBoard for Mac (無償)
- MacOSX(10.5以降)が動作するMac環境

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  スペックシート的になってしまいましたが概要はこんな感じ。最大のポイントは、簡単にコンテンツ転送&#038;閲覧が可能であること、対応している形式が豊富なこと、他の専用アプリへ再転送する事であらゆるアプリへのコンテンツ転送手段にできることです。
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  例えばこんな風に、
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  <img src="http://img.skitch.com/20100808-j76fp7d74k2nkcae1pwp8q5ndr.png" alt="skitched-20100809-082354.png" />
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  PDFファイルや、スキャンした漫画の連番jpegを固めたzipファイルを FastBoard を介して簡単に送る事が出来る訳ですね。軽く見るだけならFastBoardに取りあえず転送して、専用アプリでちゃんと見たい場合は再転送という使い方が出来ます。(一連の流れは上記YouTube動画の 1:02 あたりからご覧下さい)
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  これら基本編の使い方だけでも Mac と iPad の連携が結構快適になるのですが、更に応用編とも言うべき活用法も幾つかありますので、これはまた別エントリとして書いてみたいと思います。
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  ひとまずは、<a href="http://itunes.apple.com/jp/app/fastboard/id374795116?mt=8">FastBoard</a> という、iPadにコンテンツを手軽に転送&#038;閲覧出来るアプリを新たにリリースできた事を御紹介させて頂きました。
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  iMacやMacBookから iPad へコンテンツを転送したいと思われた事のあるユーザの皆様全ての iPad ライフを大きく変化させられるツールであると信じています。ただ今、公開キャンペーン中につき半額セールで450円にて販売させて頂いておりますので、是非ご検討頂けましたらと思います。
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  &#8211; <a href="http://itunes.apple.com/jp/app/fastboard/id374795116?mt=8">FastBoard</a><br /> &#8211; <a href="http://fastboard.biz/">FastBoard for Mac ダウンロードサイト</a>
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  <strong>[関連エントリ]</strong><br /> - <a href="/wp/?p=199">なぜ FastBoard を作ったのか</a><br /> - <a href="/wp/?p=200">FastBoard の直近の計画と将来像</a>
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2010.08.09 (Mon)

(FastBoardについてはこちらのエントリをご覧下さい)

コンテンツ転送支援アプリFastBoardを作る事になったのは、無論「欲しかったから」という動機があったからなのですが、何故欲しかったのか、何を解決したかったのかという、開発を決めるに至った考えを書いてみたいと思います。

1

iPadをお持ちの方には共感頂けると思うのですが、デスクトップとiPadを一緒に使っているとファイルやURLを持ち出したくなる事が必ずあるんですよね。

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具体的には「デスクトップ上にあるPDFをiPadで見たい」とか、「デスクトップで閲覧中のウェブサイトをiPadで見たい」とか、「動画や画像をフォトフレーム的にiPadで表示したい」とかとか…。iPadはコンテンツ閲覧デバイスであるからこそ、コンテンツをiPadに移動させたくなる事がままあります。

一般的に、iPhone や iPad にコンテンツを転送するには

  1. iTunesを経由してUSBを介した同期を行う
  2. HTTPサーバやFTPサーバ機能をアプリが持っていて、ブラウザやFTPソフトを介してアップロードする
  3. iPad をUSBストレージと見なしてマウントしてファイルをコピーする(PhoneViewなど)
  4. クラウド系サービスを使って一度ネットにアップロードしてiPadで取得する(DropBoxなど)

といった方法があり、恐らく既存のコンテンツ転送系アプリはこの4種類に分類されていると思います。Air SharingFileMagnetDropbox、またURLであれば Instapaper などもありますね。いずれも便利なので僕も常用しており、Instapaper や Dropbox は手放せないツールになっています。

 

しかし、「転送」だけでなく「その場での簡易閲覧」も機能として求めると少し面倒になるのですよね。コンテンツを転送する時、それを後で見るのではなく今iPadで見たい(見せたい)ことが結構あります。なのに若干の手間がいる。そこに問題を感じていました。

転送するのに数クリック、見る為に数タップ…。これを1アクションにしたかったという訳です。転送から閲覧までをお手軽な一連の手段で実現したい。そんな思いで FastBoard の開発を始めました。

– 転送はドラッグ&ドロップのみ
– 転送直後すぐにiPadで閲覧可能
– もっと高機能な閲覧をしたい時は専用の他アプリに連携させて閲覧

開発過程のα版である程度これを実現出来た時、僕にとって手放せないツールとなりました。iPadでコンテンツを閲覧するのが楽になり iPad の活用シーンが広がったのです。

休憩がてら背もたれを倒してiPadでドキュメントをのんびり読みたい、そんな時にドラッグ&ドロップ。自宅Mac閲覧中に見付けたお買い得情報のウェブページを居間にいる妻のiPadにドラッグ&ドロップ。作成中の資料をお客様に見せるべくドラッグ&ドロップ….。

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iPadをUSB接続する必要はありません。ブラウザにIPアドレスを打ち込んで明示的にiPadへ接続する必要もありません。FastBoardがWiFi経由で自動的にデスクトップとiPadを結びつけるからです。必要なのはドラッグ&ドロップだけ。

そして、一時的にiPadで見たいファイルをネット上へ一度アップロードする必要もありません。お気に入りのビュワーアプリがDropboxのAPIに対応するのを待つ必要もありません。FastBoardが、最低限のトラフィックであらゆる iPad アプリへのファイル転送を実現するブリッジになるからです。

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iPadにコンテンツを持ち出す手間を最小限にしたい。そんな思いで生まれた FastBoard。コンテンツ転送の上記4手段に並ぶ5つ目の手段として「FastBoardを使う」という選択肢を新たに提示できるのではないかと思っています。

 

ただ、その為にはまだやるべき事が沢山あります。僕らが目指すのは、iPadを初めとする新たな閲覧デバイスにコンテンツを容易に転送する術を提供しデバイスの価値を上げること。その為にやるべき事で既に見えている事、FastBoardの将来計画について、別エントリで書いてみたいと思います。

FastBoard

FastBoard for Mac ダウンロードサイト

 

[関連エントリ]


2010.07.12 (Mon)

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これも少し前から仕込んでいたアプリでして「BarPicker」と言います。

iPhone/iPadユーザ皆様に向けてというよりも、今回はアプリ開発者画面設計をするデザイナーさんに使って頂く事を想定したアプリです。我々自身が業務で必要にかられて作りました。

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出来ることは至ってシンプル。iPhone / iPad アプリの標準コントローラーのうち

  • UINavigationBar
  • UISegmentedControl
  • UIToolBar
  • UIBarButtonItem

等について、16進表記の色指定や色名指定を行った時に各コントローラがどんな風に見えるかを確認する事ができるというアプリです。

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スライダーで色を調整できますので細かく調整可能。16進のコードで直接指定したりリストから色名指定も可能です。RGB各成分表示は開発者/デザイナーのどちらにも分かり易いよう10進/16進数/floatで表現しています。

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もちろん生成された16進色表記はコピーできますので、あとはどのようにでも利用可能。色々といじった後にデフォルト色に戻すのもワンタップで。標準コントローラーにおける色合いを手軽に試行錯誤出来る作りにしています。

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尚、BarPickerはiPadにも対応したユニバーサルバイナリでの御提供になります。

機能としては以上が全て。用途を絞り込んでいるのでかなりシンプルになりました。

 

今回もアイコンや起動中のDefault.pngは META-GLAMOUR さんに御協力を御願い致しました。そもそもは、いつも通りのあるiPhoneアプリの打合せで

M『標準コントローラーって色指定が微妙に難しいんですよね〜』

F『変更は簡単ですからいつでも言って下さい』

M『でも、何度も試行錯誤の過程で修正して貰うのはお手間だし…』

F『じゃぁいっそのことアプリにしちゃいます?』

ってな会話がきっかけで具現化したもの。META-GLAMOUR さんにおかれては、すっかり iPhone / iPad アプリのデザインツールとして実務利用して頂けているようです。もちろん弊社でも使ってます。

 

という訳で、iPhone / iPad アプリ開発者やデザイナー様向けの新作アプリ「BarPicker」の紹介でした。アプリ開発に関わっておられる方は宜しければ是非お試し下さいませ。

[

skitched-20100712-164150.png](http://itunes.apple.com/jp/app/barpicker/id376465025?mt=8)


2010.06.09 (Wed)

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ほぼ半年ぶりぐらいの新作アプリになりますね。CodeScannerと言います。

実は開発自体は随分前に終わっていたのですが、諸般の事情がありまして公開が今になってしまいました。(実は、最近は受託開発に追われていて自社アプリ開発はほとんど手がけられていません。平均して1日15分とか、そんな感じです。なのでリリース数は必然的に少なく…)

CodeScannerは端的に言うと、バーコードやQRコードをスキャン出来るリーダーアプリなのですが、従来のものとは異なる機能を持っているのが特徴です。

 

(1)連続読み込みと読み取り内容の自動識別

リアルタイムにスキャンが可能なアプリは他にもあるのですが、連続で読み込めるものは余り無いんですよね。都度都度バーコードやQRコードの読み取り結果を教えてくれるのも必要なのですが、次々と間髪入れずに言わば業務用のバーコードリーダの如くスキャンし続けたい事もある訳なんです。

「スキャンした結果はすぐに見たい」でも「連続で次々と読み取りもしたい」という若干相反する要件なのですが、インタラクションを綿密に設計する事により実用的な共存を達成しました。

1_Camera 2_List

スキャン直後に内容を識別してすぐに表示出来る一方で、履歴にいつでもアクセス出来るようにしています。スキャン結果の自動識別により、Amazonで当該ページを見るとか、アドレス帳に登録するとか、メールするとか…色んな処理をプラグインの形で用意しています。(今後も増えていく予定)

 

(2)MacOSとの連携

実は、バーコードやQRコードから読み取った情報をデスクトップで使いたい事って結構ありますよね。QRコードから読み取ったURLをデスクトップのSafariで見たいとか、書籍のバーコードを読み取ってそれを書籍管理システムに登録したいとか….。

その為に、CodeScannerと連携するMacOSX用アプリ CodeServer を別途開発して公開する事にしました。両方同時に使用すると、CodeScannerで読み取った内容がリアルタイムにデスクトップに転送されるって仕掛けです。

上述の通りCodeScannerは連続撮影を特徴としていますから、次々とデスクトップに転送される様子は、さながら MacOSX にバーコードリーダーを接続したかのようで(残念ながら連携するデスクトップ用アプリはMac用しかありません)、大量の書籍を一括で蔵書管理システムに登録するような時に重宝する機能です。

 

(3)デザイン

こう言うと怒られてしまうかも知れないのですが、従来のQRコード・バーコードリーダのアプリって余り恰好良いとは言えなかったと思うんですね。

だからデザインも美しいリーダを目指そうという事で、いつもお世話になっているデザイン事務所メタ・グラマーさんに今回も御協力をお願いをして、実用性を失わない程度のインタラクションを共に考え、大人しいながらも洗練されたデザインを御制作頂きました。

リーダアプリは人によっては常用しうるアプリになりますから、見た目や使い勝手は物凄く気を遣うべきポイントと考えました。開発者の方には特にお気付きになって頂けるかも知れませんが、iPhoneOSの標準コントローラーを一切使っていません。全てデザイン面の要件を達成する為に自前実装しています。(ダイアログでさえも)

 

これら以外にも色々特徴を持っていますが、宜しければ別途用意した専用サイトをご覧頂ければと思います。こだわりにこだわった CodeScanner。バーコード・QRコードをiPhoneでスキャンしたいとお考えの全ての方にお使い頂けたら嬉しいです。

また、バーコードリーダ・QRコードリーダの機能を自分のアプリに組み込みたい開発者の方の為に URL Scheme による連携の仕組みもご用意しておりますので宜しければご覧下さいませ。


2010.06.07 (Mon)

今年もApple主催の開発者向けイベントWWDCが開催されます。

Apple Worldwide Developers Conference 2010

一昨年にはiPhone3G発表、昨年は3GS発表。そして今年も新型iPhoneが発表される事がほぼ確定事項となっています。各所の予想をまとめてみると iPhone HD という呼称になるんじゃないでしょうかね。個人用には1台を機種変で、会社用にも数台契約する予定です。噂の通り6月には入手出来れば良いなぁと。

新しく搭載される筈の iPhoneOS4 の存在も大きく、iPhone市場は益々ユーザを増やす事となり、マーケットの広がりが更なる iPhone アプリ開発需要を引き起こすでしょう。iPadが爆発的に売れているという事も考え併せればいわゆる iPhoneOS 上の開発案件は更に更に激増していくに違いありません。(現になりつつあります)

その起爆剤となる静かな進化がこのWWDCで起こるのではないかと個人的に予想をしています。AppleTV新型が出るとか、OSX10.7の発表があるとか、Safari5リリースとか、色々ありますが余り他では書かれていない事を少し。まぁ、予想なので外れても怒らないで下さいね。

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iPhone構成ユーティリティのメジャーバージョンアップによる
業務用iPhone導入の柔軟性向上

が起こるんじゃないかなと思ってます。現行の2.2から3.0あるいは4.0とか。ご存じじゃない方が多いかも知れませんが、iPhone構成ユーティリティは特に業務向けiPhone導入で真価を発揮するアプリケーションです。

法人ですと大量のiPhoneを同じルールに基づいて本体配布する訳ですね。例えば、社内用iPhoneではYouTubeアプリは使えないようにするとか、WiFiの設定はこれとか、VPNはこうとか、デフォルトで参照すべきカレンダーはこれ…みたいな。それら iPhone の初期状態を定義する「プロファイル」という概念があってですね、これを自由に作成出来るのが iPhone 構成ユーティリティと呼ばれるものなんです。

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こんな風にチェックボックスをちょいちょいと弄るだけで機能制限したiPhoneを作る「種」みたいなファイル(プロファイル)を作れます。

….が、このツール、イマイチ現場の要求に応えきれず、大規模なiPhone導入案件が流れてしまうなんて話もあったりするのですよ。制限できる機能が限られていたり(例えば標準のメールアプリを切る事は出来ない)、AppStore上のサードベンダーアプリのデフォルトインストールは対応してないとかとか…。

 

最近のAppleを見ていると、iPadが強く強く(本当に強く)企業ユースや文教系での導入を意識している事、iPhoneOS4も法人向け機能強化が唄われている事から、法人需要の獲得を加速させるであろう事が容易に想像出来ます。だからこそ iPhone構成ユーティリティが進化して、「iPhoneを導入したいんだけどなぁ…カスタマイズが難しいでしょ?やめとくわ」という機会損失の低減を図るんじゃないか、そしてそうなれば面白いのになぁと思っています。

法人導入におけるハードルの高さという意味では、Enterprise License の条件が緩和なんてサプライズがあっても面白いかも知れませんね。AppStore非公開で企業内使用目的に無制限配布が出来るというライセンスですが、従業員数500人以上が条件となっていて契約するのが結構難しいんですよね。だから中堅所や中小企業規模での業務利用が円滑にいかないケースが結構あります。ここが緩和されたりして…なんて淡い期待。

法人用途向けネタばかりなのは、弊社が iPhone や iPad におけるビジネスで法人用途の展開支援及びアプリ開発をビジネスとして意識しているからです^^; あしからず..。

Apple - HTML5

ただ、そればかりでも面白くないので、この上の画像に関連して最後にもう一つ個人的な予想。

HTML5+CSS3+Javascriptを使ったオーサリングツールの発表

これは期待も込めて…です。iPhoneOSにおけるFlash排除を徹底表明すべく放たれたら面白いなと。元々 iPhone は Flash 非対応だったのにも関わらず最近の iPad を期に姿勢が強気であること、iPhoneOS4の発表で紹介されたものの未だベールに包まれている iAd が HTML5 + CSS3 + Javascript で構成されるらしいこと、先日突如現れた html5 の実験ページ….。これらを並べると、最後のとどめがあっても良いかなと思ったりもするんですよね。

ほら、Flashいらないでしょ

みたいな。個人的にもFlashの存在意義に疑問を感じている今日この頃なので、出てきてくれたら面白いのにと思って居ます。以上、一ベンダー経営者の妄想とも言えるWWDC10予想でした。発表まであと数時間。自分は早めに寝てAM2:00起きして見るつもりです。


2010.05.07 (Fri)

iPadが色んなモノを変えようとしています。きっと、色んなもの全部。

前のエントリにも書きましたが、デスクトップやノートブックは仕事用やセミプロ的な趣味の端末でしかなくなる筈。重要なのは、iPad だけがそれを促進するのではなく、iPadをきっかけに今後登場する多くのコンピュータが(業務用を除いて)中長期的には iPad のようになっていくであろうという点です。それも物凄いスピードで。

こんな話があります。

iPad登場でネットブックに大打撃

『それでなければダメな事が皆無なネットブックは衰退するでしょう、市場はいっきに無くなるでしょう』….と iPad 発表当初から言われていたネットブックの衰退が早くも現実のものになっている訳ですね。大打撃というか、もはや市場崩壊したと見切った方が良いんじゃないかなと思える事態です。

片や、デスクトップやノートブックは、それでなければ絶対ダメな事が明らかにありますから完全な置き換えにはなりません特に仕事用途では。…ってじゃぁ安泰なのかっていうと、AppleLinkageさんで紹介されていたこんなものを見せられちゃうと、

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ハッとしますよね。

机の前ではノートブック、画面部分を外して持ち出せば iPad 的なものという世界も有りな訳です。ある業界に置いてはこれで事足りるかも知れないですよ。で、もし足りるとすれば移行はアッという間でしょう。(流石に開発の世界や、動画制作といった高度なモノ作り現場には生き残り続けると思いますが)

世界が変わろうとする時って、劇的なモノ。気が付けば変わってた。みたいな。

多分そんなもんです。それが今のコンピュータ&インターネットの世界では iPad じゃないかと思うんですよね。とにかく早い早い超早い。変化の津波ですよ。

米Wired.com、モバイルアクセスユーザーのiPad比率が26%に

とある有名サイトのトラフィックの4分の1がいきなりiPadになったり、

Apple、iPadの販売台数が100万台に

昨日もエントリしましたが、衝撃でもって登場したあの iPhone を凌ぐ2倍の速さで100万台に達したり、

iPad 3Gはアメリカ国内ほとんどのApple Storeで売り切れ

WiFiモデルに次いで出てきた 3G モデルも既に完売の様子ですし、国内5/10の予約開始時は全部受け付けて貰えないんじゃないかって噂も見聞きします。更に、

Twitter / 7D3A91CE30004FCA4ECB: Google AdWords5E83544A3067300EiPad300F3078306E5E83 ...

アイレップの中の人はこんな事まで呟いておられると。Googleも自らのビジネスの根幹で動きを見せている。そして

カリフォルニアの病院が100台以上のiPadを導入予定

大量の業務用途導入の話も現れたと。学生全員に配布とか、従業員全員に配布とかが4桁レベルで出てくるのも時間の問題でしょう。

とにかくもう早過ぎる訳ですよ。物凄い勢いで世の中が変わろうとしている。忘れてはいけないのは、iPadは発売されてからまだ1ヶ月しか経っていないって事です。

仕事柄、メディア・教育関係・飲食関係・仕業・コンサル・金融系・コンテンツ系・出版関係・印刷関係・広告代理店・企画・キャリア等々の色々な方にお会いしますが、ココもあそこもドンドン変わっていくだろうなと感じざるを得ない昨今です。

だからとりあえず iPad 買っときましょ!

と僕は会う人会う人に行ってます。今はまだこんな事をいってたら大げさ過ぎと呆れられるかも知れませんが、ケータイの無い社会が考えられなくなったように、iPad的端末が存在しない事は考えられない時代がホント直ぐにやってくるでしょう。2,3年も経てば。

この劇的な変化の荒波を、だからこそ敢えて楽しんでいきたいじゃないですか。ワクワクします。(このエントリを書いている間にUS以外での販売開始が正式に 5/28 であると発表されたようです。来ますよ、変化の波がまた)


2010.05.05 (Wed)

iPadの勢いが止まりません。販売台数が100万台を越えた事が報じられたのはつい先日のこと。Apple japan のサイトに掲載されている抄訳は以下のリンク。

Apple、iPadの販売台数が100万台に

幸いにしてUS在住の実弟経由で輸入する事ができ、既にiPadを常用している自分的には凄く納得。話題性十分ですし、何より使い始めたら便利で手放せなくなり、人にも絶対に勧めたくなります。個人的にはiPhoneよりも。

iPhoneと違って興味深いのが、同じように iPad を持ってる人から聞く「実家の親にプレゼントしたいかも」っていう感想。これには僕も激しく同感でして、ITに疎いウチの父にプレゼントしてみたいなぁという発表当初からの思いは iPad を使えば使う程に増しています。

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先日、奥さんの両親(お二人ともITは苦手な模様)がウチに遊びに来られた時に iPad を披露したところ

これなら使えそうやな。分かり易いわ

とボソッと呟かれた時には衝撃を受け、贈答品としての iPad 需要及びそれをサポートするビジネスの発生を確信するに至りました。

定年を過ぎた世代の方で且つITを苦手とする方から、第一声としてこの言葉を言わしめたコンピュータが今まであったんだろうか?と考えるときに、小学校の時からコンピュータ(パソコン)、そしてインターネット黎明期からネットと人生を共にしてきた僕は、iPad が初めてであると言わざるを得ません。

今までのコンピュータやインターネットは分かり難く、iPadはそれを分かり易い形で表現しているのだと感じます。大きなディスプレイ然り、タッチパネル然り、洗練されたインターフェース然り…ですね。

日本国内の場合はコンテンツホルダーがどの程度付いてこれるのか心配はありますが、iPadは「初めてのコンピュータ、初めてのインターネット」ってな位置づけの端末としても、結構売れていくのではないかなと考えています。


2010.05.05 (Wed)

思い切って先日、新しい万年筆を買いました。

まともに万年筆を使うようになってから2年。持ってないと不安になるぐらい万年筆でモノを書くのが当たり前になるに至り、もっと書きやすくズッシリ感がありリッチな感じのモノはないものかと。自分で色々探してみたり、Twitterで @rizumita さんに勧められたりもして結局辿り着いたのがこちら。

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WATERMAN の EXPERT

[](http://www.waterman.com/jp/style/pens/expert)2年間使い続けたかなり安価なPILOT万年筆からの乗り替えです。普通に¥15,000ぐらいしますので決して安いもんではありません。昔の自分なら100円ボールペンで満足だったので一体何倍なんだよって話なんですが、思い切って買っちゃいました。

創業してしばらく経ってふと受験生時代や大学生時代を思い起こした時に、自分にとって多くの場合、書く事が考える事に繋がってるきたなぁと気付いたんですね。人それぞれだと思いますけど、自分はどうやらほぼ書く事によって思考してきたんじゃないかと。

じゃぁ思考の道具と言えるペンとノートは良いモノ揃えたいよなと思うに至り、万年筆を使うようになり、ノートも1冊2000円はしようかというものを使うようになり、手に馴染んできた万年筆も買い換えるに至ったという訳です。そして普通に書く事が楽しくなったと。別にモノ書きじゃないですのにね。

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良い道具が良い結果を生むとも言いますから、思考の整理や質向上(?)には役立っているんじゃないかなぁ思います。

まぁそんな訳で新調した万年筆で書くことを楽しんでる今日この頃。

仕事で「書く」って行為は結構重要だと思うんですが、行為そのものが楽しめるって何か良いじゃないですか。手段が目的化する楽しみっていうんでしょうか。これはバイクに乗る事にも通じるものがあるかもですね。かつてバイク乗りだったのも関係ある?(多分無い


2010.04.06 (Tue)

こんな早い展開を誰が想像し得たでしょうか。我々自身が一番ビックリしています。

本日、(1)GNReaderの使い易さをそのままにニュースソースをライブドアニュースにしたニュース閲覧iPhoneアプリ「LDNReader」がライブドア様からリリースされたこと、そして(2)弊社がその開発をさせて頂き今後も継続して共同開発体制を採らせて頂く事になったことをご報告致します。

弊社iPhoneアプリの代表作とも言える(言えた)「GNReader」が弊社の勝手な都合により公開停止とさせて頂いてから丸3ヶ月、サービス停止してから2ヶ月半。

本当に驚くべき展開で話が進み、名前を変えて再び世に出る事となりました。皆様にお使い頂けるのを心から嬉しく思います。そしてこのような機会を頂けたライブドア様に改めて御礼申し上げます。

2

今から遡ること1ヶ月。GNReaderについてのお詫びを正式にエントリさせて頂いた直後に、ライブドアニュースのご担当部長様から連絡を頂いたんですね。

便利だったのに残念です。一緒にやりませんか?

この一通のメールが全ての始まりでした。

そもそも弊社がGNReader/GNReaderZ停止という選択をしたのは、サーバ側の運営維持の大変さが最大の原因でした。逆にiPhone側はというと、弊社はそのアプリ開発が本業な訳ですし、公開してしまえば随時のupdateは別にして基本的にランニングコストがかからないため何の問題もなかった訳です。

だから「サーバさえ何とかなればなぁ」「運営維持がなぁ…」というのが弊社の置かれた状態で、そこさえ解決すれば何とでもなると思って模索していたんですね。僕ら自身がニュースが好きでしたし形を変えてでも何かしたいなぁと思っていました。

そこに、サーバ運営では「超」が付くプロフェッショナル集団で、且つニュースポータル運営者でもあるライブドアさんからのお声掛けを頂けた訳です。そうするとですよ、

コンテンツ、インフラ、クライアントアプリ
必要なものが揃うじゃないかと

もうこれ以上無い程に見事なまでに補完し合う関係が成り立った訳でして、あれよあれよと話は進み数日でプロトタイプが完成。あっという間にこの度の公開へと至りました。(審査期間の方が開発期間より長かった)

Screenshot 2010.04.06 19.08.48Screenshot 2010.04.06 19.09.02

ご覧頂ける通り、操作感はホントそのままです。GNReaderをお使い頂いていたユーザ様にはすんなりと使いこなして頂けるかと思います。

@nipotan さんにはこんな風に言って頂けてますし、

Twitter / Koichi Taniguchi: LDNReader 30603044307630443044306A30413002304B30643066306E GNR ...

ユーザ様の声も

Twitter / 65E58DEF: LDNReader3092843D30683057306630613087306330684F7F30633066307F305F30023068306B ...

Twitter / : 30E930A430D630C930A2306EiPhone30A230D730EA3001LDNReader ...

といったように、GNReaderの特徴(強み)であったオフライン完全対応や軽快さを評価頂けているようです。

とにかくスピード感重視でしたので、今回は器がほぼそのままに中身がライブドアニュースに変わったような形になっています。普段ライブドアニュースをご覧になられてる方には他に無い最適なニュースリーダーになると思いますし、そうでない方にとっても多種多様なメディアを横断して閲覧するには便利なアプリになっているかと。

 

もちろん、これで終わりなんて事はありません。

冒頭にも書かせて頂いた通り、LDNReaderは最強のメディア横断型ニュースリーダーを目指して、ライブドアさんとの協力体制を敷きながら開発し続ける事になっています。詳細はまだ明らかに出来ませんが、ニュースリーダーに含められているべき他の機能や、かつてない斬新な機能を取り込みつつ、ニュースをより楽しむツールへ今後進化していく事になるでしょう。

ご期待下さい!