Iphone
2011.10.04 (Tue)

iPhone4Sが発表されました。同時にiOS5のスケジュールも見えました(急やけど)。

これでまた業界がドタバタと賑わい立ちそうな予感。ハードとソフトの進化が1週間後に迫った訳ですが、このコンボで新しいモバイル体験を提供してくるのはAppleらしい所であり、Appleにしか出来ない技でもありますね。中でもそれが顕著に表れているのは音声アシスタント機能「siri」でしょう。

いみじくも、すずりょうさんが

と仰った通り、ここまでくると哀しいかな「アンドロイド」の定義である「高い知性をもつ人間型ロボット」に近いのはiPhone4Sであると言わざるを得ません。マンとマシンの距離感をグッと縮める事に成功していますし、こういう世界になりますよね、普通に。だってどう考えても便利だもん。

以前「なぜAppleなのか」というエントリで、弊社がApple一色である理由はAppleがコンピューティングの未来を作っているからと書きましたが、その考えが間違っていない事を改めて再認識出来た素晴らしい発表でした。Appleはまた未来を先取りし具現化してくれたのです。何とワクワクすることか。

しかし、惜しむらくはこの音声アシスタント機能が日本語で使えない事でしょう。でもきっとAppleはやってくれる、そう信じるしかありません。というかApple以外にやって欲しくない。僕らが欲しいのは、表層だけ真似をした残念なアシスタントではなく、洗練されたアシスタント「siri」なのだから。

34/365 © 2011 Pete Peaks, Flickr

しかし待ちきれない!という場合は、ここは一つ発想を変えるっていう手もアリな事に気が付きました。そう、思い切って、

iPhone4S + 英語生活

ってのはどうでしょうかという御提案です。Appleが引き寄せてくれた未来を体験しながら英語学習にもなるという一石二鳥の自虐的HACK!

いきなり全部英語!メールも住所録もアプリも全部。いぁね、iPhone4Sの動画を見て英語が自由に使いこなせない悔しさを久しぶりに感じた訳ですよ、僕は。でも、ホント動画のように動いてくれるなら(いぁ動くからリリースしてるのでしょうが)、英語やってみようかなという気になりません?

街中でiPhoneに英語で喋って、”Oh, it’s nice!!” とか言ってみるとか格好良すぎです。大阪駅界隈で、どこに食事に行こうか迷った時におもむろにiPhone4Sを取り出す訳ですよ。んで “Find me an italian restaurant nearby.” とか言ってiPhoneに教えて貰ってんの。超クール!…多分。

(少なくとも人名のローマ字発音が認識されないと話にならなさそうだからやっぱ微妙か)

 

ま、冗談はさておいて近未来をnativeに体験できない残念感はありますが、iPhone4Sは購入するだけの十分な魅力はありますので僕は普通に64GBytesモデルの白を買うつもりです。法人部隊が凄いという噂のauさんが企業向けにiPhone販売体制をどう組んでくるのかにも注目ですね。確実にエンタープライズ絡みの案件は増えると思います。


2011.10.03 (Mon)

電子書籍ビュワーの「Book+」のv1.1(本日不具合修正したv1.1.1が公開されました)では、複数の画像をZIPやRAR形式に固めて閲覧する事が出来る機能拡張を行いました。画像化された漫画のスキャンデータを固めてコミックとしたり、お気に入りの写真をまとめてzip化してフォトブックにしてみたり…そんな楽しみ方をする為のものです。

…が、自分でzipを手動作成するのでなく、誰かが作った色んなzipファイルが「フォトブック」として入手する事が出来たらどうでしょうか?写真集やアルバムばかりが並ぶ本棚からお好みのものをゲットして Book+ で写真を楽しむ、そんな感じ。

さながら公開写真集アーカイブみたいな。しかもブラウザで1枚1枚見るんじゃなくて、iPad/iPhoneでサクサク鑑賞出来るようなユーザ体験です。写真集が友達や家族のものだったりすると尚のこと楽しいですよね、きっと。

とか何とか考えていたら、見事にそんな楽しみ方を手伝ってくれるサービスが Lifehacker で紹介されていました。facebook2zip というそうです。

FacebookのアルバムをZipでまとめてダウンロードできるサービス「Facebook2zip」

「Facebook2zip」は、Facebookのアルバムをまとめてダウンロードできるサービスです。自分のアルバムはもちろん、友達のアルバムもダウンロードできます。Zip形式でまとめてダウンロードできて便利です。

使ってみた感想は超簡単!超便利!

ダウンロードした zip ファイルは Book+ にとっては「フォトブック」なんですよね。なので、そのまま Book+ に転送すると、友達のアルバムをフォトブックとして鑑賞する環境の出来上がり。凄くないですか、コレ。

何が凄いって、facebook2zipBook+(を始めとする複数画像圧縮zip対応のアプリ)があれば、facebook が突如としてフォトブックの巨大書庫と化すという事。いつもクールな写真を掲載している友達がいますか?facebookにいる親族が身内の写真をアップロードしていますか?では、是非そのアルバムを facbook2zip で丸ごと取得してBook+に放り込み、あたかもその人の写真集を眺めるように楽しませて貰いましょう :-)例えば、こんなふうに。

(自分のアルバムをzipダウンロードしてBook+で16枚表示してみた)

1枚1枚、読み込みが発生するブラウザ上の緩慢な写真集鑑賞とはまた違ったユーザ体験です。是非是非お試し下さい。(Book+にzipファイルを転送する方法についてはオフィシャルサイトやAppBankさんの詳細なガイド記事をご覧下さいませ)

複数の写真を固めただけのzipファイルが「フォトブック」なのだとすると、大量の画像で溢れるウェブの世界もまた違った捉え方が出来ますね。

このエントリを書きながら、アレもコレもワンタッチでzip化出来れば面白いのに….と思えるものが沢山出てきました。少なくとも写真共有サイト系は全部そうですし、壁紙系サイトとかも面白そうです。さて、他にどんなものがあるでしょうかね。


2011.10.02 (Sun)

法人様向けソリューションSYNCNELの開発を初めてから1年が経とうとしています。保守やサポート・販売の体制を整えてサービスとしてリリースしてからは半年強ぐらいでしょうか。

気が付けば弊社の主たる事業になっていただけでなく、4桁規模で導入を決めて頂いている企業様や、数百/数十/数台などの各規模で上場企業様を始め中小企業様やSOHOの方まで、業態/業種/規模問わず色んな企業様のiPad/iPhone活用を支える基盤にもなり始めました。

とある上場企業の競合製品と競り勝って導入が決まる例も出てきていますし、自社の米国支店・欧州支店にも使わせたい…といった声を頂くようにもなりました。

加えて、2桁規模の販売代理店様によって商圏は拡大しつつあり、中にはSYNCNELを販売すると担当者の営業成績に加点される制度が出来た代理店様まで現れるに至りました。

© 2011 Lucas Stanley, Flickr

大変ありがたい事にいよいよSYNCNELは存在し続けなければならない存在になりつつあります。5名でやっているITベンチャーの商品がわずか1年でこのポジションまで来れたのは奇跡と言っても良いでしょう(少なくとも僕はそう確信しています)。

何が奇跡って、1つは総販売代理店をお願いしている住友セメントシステム開発さん、保守サポートをお願いしているスマートスタイルさんとパートナー関係を組ませて頂けていることや、関係各社様とも販売パートナー関係を築けているというご縁。そしてもう1つは社内話になりますが、サーバ側の@kumatch、クライアント側の@nakiwo、PDFエンジンの@itok_twit、という僕の思い描く超少数精鋭部隊を具現化してくれている仲間とチームを組めていること。

このいずれが欠けてもココまでこれなかったと思います。社内外を含めた全ての関係者に改めて「有難う御座います」とお伝えしたいです。

そんなSYNCNELの開発スタートから1年という節目を迎える今、企業向けソリューションSYNCNELが目指している事とその先に見据える未来について書いてみようと思います。

端的に表現するなら、

スマートデバイスを使った企業活動におけるコンテンツインフラになる

という事になるでしょう。道路が車の通り道であるように、線路が列車の通り道であるように、SYNCNELは企業内のドキュメントやコンテンツをスマートデバイスへ届ける通り道になりたいと考えています。安全に、確実に、そしてシンプルに、手元のデバイスに届けてくれるパイプのような役割を担うクラウドサービス。

London Reflects © 2010 Seasonspics, Flickr

iPadのようなスマートデバイスがビジネスに欠かせない存在になりつつある事は明らかです。(そうなる筈が無いと主張する方は、携帯電話もパソコンもそんな主張に抗うように急速に浸透し今やビジネスに欠かせないモノになった事実を振り返るべきです。二度あることは三度あるのです)

そんな世界では、社内の打合せで/営業先で/セミナーで/展示会で、いつでもどこでもデバイスを取り出せばデジタル化された社内資料が閲覧できる必要があります。軽快でなければ意味はなく、それ故に資料群はファイルとして手元のデバイス内に入っている(ダウンロードされている)必要があります。その多くがPDFでしょうが、それだけではなく動画も音声も画像も同様に扱える必要があります。

会議では一度に数十の資料を一斉に配布する必要があり、また営業先ではその場で相手にドキュメントを渡す事も必要であり、必要に応じて紙へ書き込むのと同様に使い手によるメタな情報が付与出来て再利用できる必要もあるでしょう。

またグループで共有する資料だけでなく、担当する顧客の為に自分だけが使うコンテンツを持ち出せる必要もあります。時には既存の社内システムが定時的に出力するドキュメントを関係者に定期配信する必要もあるでしょう。それを自動化出来るような仕掛けも必要になりそうです。

いずれにしても、スマートデバイスに届けられるべきモノは一箇所に集約されていれば良く、ファイルを置くだけで然るべき人達に最新のモノが届く(ダウンロードされる)事と、そのアーキテクチャに最適な安全性が担保されていれば良いのです。極めてシンプル。

IMG_4777 © 2011 Robert, Flickr

「◯◯さんと△△さんは□□グループに属していて、□□グループに配送すべきドキュメントはこの箱に入れる事にしよう」….。そんなルールを定めれば後は入れたファイルを自動で適正に届けてくれる。必要なのはそれを実現する配送のシステムと、配信される側となるスマートデバイスで閲覧出来る仕組みです。

 

突き詰めるとやはり企業様が期待しているのはペーパレスによるコスト削減効率の追求でして、社内打合せでの資料共有も、営業先での資料渡しも、上述した全てのケースでそう言えます。紙を介在させる事無くコンテンツを扱おうというのですから、言ってみればエコや合理性追求の流れにある一歩進んだ取り組みに過ぎません。

結局企業におけるスマートデバイス時代の到来とは、徹底的なパーパレス社会の実現であり、同時に徹底的な効率性重視企業社会の訪れであるのです。新しいデバイスが時代を一歩先に進めさせようとしている訳です。

Water supply © 2011 Bruno, Flickr

そんな、企業における大転換期に次なる時代のインフラに位置付こうとしているのがSYNCNELです。企業内の物流ならぬ、コンテンツ流とでも言いましょうか。今後の企業活動を行う上で絶対に必要になるモノ、それはペーパーを介さずともスマートデバイスにコンテンツを届ける仕組み、基盤です。そこを弊社は追求していきたいと思っています。

 

基盤を目指すからこそ求められるシンプルさや手軽さや安心感や柔軟性が少しずつ形になってきたのがこの1年間。それは冒頭で述べた通り、「体制」という意味でも「技術的に」という意味でもです。

有り難くも「住友」という冠をお持ちの企業様に総販売代理店を担当頂いているからこそ(特に国内企業には)振り向いて貰える訳ですし、MySQLの法人サポート国内No.1の企業様に保守/サポートを担当して貰っているからこそ安心感も提供できる訳です。売りたいと思って頂けるサービスだからこそ色んな販売店様が販路開拓して下さるようになりますし、それを作り出して維持する事は高い技術力があってこそ実現できるものです。

気が付けば1年の間に非常に強力なチームができていました。関係する企業数は2桁を越え、関係する人の数は数十人に及んでいると思います。普通に考えれば凄い事です。

この勢いで次なる1年間はいっきにビジネスを拡大し、SYNCNELを次代の企業コンテンツ基盤を支えるインフラにしたいと考えています。関係各社(者)が幸せになりながら、SYNCNELは変わりゆく社会の基盤を支える一助となり、そこに僕らのアイディアを加味する事で世界を1つでも2つでもより良いモノに変えてみたいと思うのです。


2011.09.28 (Wed)

ご好評を頂いております「Book+」の最新バージョン v1.1 を本日リリース致しました。PDFビュワーではなく敢えて電子書籍ビュワーと書いた事に含みを持たせているのですが、今回の v1.1 で、いわゆるコミックデータである ZIP/CBZ/RAR/CBR の各形式に対応しています。

自炊の際、PDF化しか選択肢が無いかというとそういう訳ではありませんで、例えば漫画の各ページをJPEG画像化してZIPRAR形式で圧縮して1冊の本とする扱い方をする場合があります。スキャンしたデータって結局ページ毎に画像化されるので、OCRをかけなければPDFは単なる複数画像をまとめるパッケージフォーマットでしかないんですよね。

その発想を突き詰めた先にあるのが複数の画像を圧縮したZIP/RAR形式。コミック系でよくやる手法で、ZIP/RAR 圧縮したものをそれぞれ CBZ/CBR と拡張子を敢えて変更し Comic Book ZIP / Comic Book RAR と呼んだりする事もあります。作り方は至って簡単。

(コンテンツは有名なWeb漫画 胎界主から。作者様から許可を頂いて掲載しております)

こんな風に1つにまとめたい画像ファイルを選択して圧縮。出来上がったファイルを書籍名に変更するだけです。

(コンテンツは有名なWeb漫画 胎界主から。作者様から許可を頂いて掲載しております)

あるいは、以下の画像のように上位層からフォルダごと圧縮して貰ってもokです。

あとは出来上がったファイルをBook+に入れて頂くと。

Book+ 上では一冊の本のように扱われます。仕組み的にはzipを紐解いてファイル名で昇順ソートされた順にページとして表示されるようになるとお考え下さい。こんな風に。(36ページ同時表示)

(コンテンツは有名なWeb漫画 胎界主から。作者様から許可を頂いて掲載しております)

もちろん、別に漫画である必要はなく画像であればokですので、写真集のようなものを作る事も可能です。例えばネコの写真集とかですね。

フォトブックを作る感覚で写真が入ったフォルダを圧縮してBook+に「写真集」として入れ込んでしまう、そんな楽しみ方も可能になりました。あ、もちろんパスワード付きで圧縮したモノにも対応していますので、見られると困る(?)画集等はパスワードをかけて下さい :-)

余談ながら、上記の操作手順の画面キャプチャ内で使用させて頂いたのは、鮒さんWeb漫画 胎界主という非常に有名なWeb漫画です。ここまでクオリティが高いものが何故Web公開?と思える大変読み応えのある貴重な作品ですので、ご覧になられた事の無い方は是非Book+で! :-)

 

あともう一つは、外部ストレージ対応の追加です。

一目瞭然なのですが新たに iDisk と WebDAV の2つに対応しました。WebDAV が ok ですので結構接続可能な先が増えるのではないかと思います。この他のストレージについても順次追加していく予定です。

 

という訳で Book+ v1.1 リリースの御案内でした。v1.2ではまた大きく進化する予定です。御期待下さい。


2011.09.26 (Mon)

つい1週間程前。

Windows 8のタッチUI用IE10はプラグインに非対応。FlashもSilverlightも使えず

つまりWindows 8上のInternet Explorer 10をタッチUIで操作する場合、プラグインとして提供されているFlashにもSilverlightにも対応しない、と見られます。

こんなニュースがネットを賑わしました。タッチパネルを使ったUIでWindows8を動作させる場合はプラグインがダメ=Flash使えない、つまり将来Flashサヨナラか?と。

原文のエントリに対するコメント欄ではホントにそうか?的な議論がなされていたり、実際じゃぁPDF閲覧もプラグインだけどそれもダメなの?どうなるの?とか、ActiveXは限定的に使えたっぽいよという情報もあって、実はまだまだ断定できる状態ではないかもと改めて感じましたが、MicrosoftがOSレベルでHTML5+CSS3+JSでのアプリ開発にコミットしようとしている事は今後のFlashにとって大きな暗雲であるのは間違いありません。

Extreme weather © 2010 Kevin Dooley, Flickr

iOSでは既にダメだし、Windows8のタッチUIでもダメ。Adobeの Open Screen Project(FlashやAIRをベースに全てのデバイスでリッチなコンテンツを提供しよう的な取り組み)は頓挫する事やむなしかも知れませんね。Adobeも分かってるんじゃないでしょうか、やっぱりダメかって。やっぱりHTML5かって。ここ最近の動きはそれを象徴しているかのようです。

などなど。HTML5やその周囲のテクノロジに歩み寄ってる(歩み寄らざるを得なくなってる)のが良く分かります。加えて、まだまだFlashが優勢だと言われている分野も幸先が良い訳ではありません。フルスクリーン表示は既に実現されているし、お得意のカメラ/マイクへのアクセスは html5 device ってのがありますし、3DについてはWebGLが待ち受けます。

これだけ並べると、さすがにFlashに光が刺している気がしません。ホント、時代と共にFlashである必然性は益々薄くなっていく他ないんじゃないでしょうか。企業向けのデスクトップベースなソリューションに限ればありかも知れませんね。環境の統一が保証出来ますから。でもそれ以外、つまりコンシューマ向けとデスクトップではない企業向けソリューションにおいては、今後リッチなユーザ体験を提供したいなら、HTML5によるWebアプリかネイティブアプリ。これは間違いなさそうです。HTML5の表現力を見るには以下のサイト等が参考になりますが、

Flashいらないよねとしか言葉が出てきません。圧倒的シェアを持つWinが一部対応しなくなるかも…と言ってる訳で、そのリスクを背負ってまでFlashを使い続けるエンジニアやFlashを提案するSIerやFlash採用を決定するクライアント企業がどれだけいるのかと思うと、残念ながら…の結末しか無いように思います。

HTML5で良いじゃん議論はスマートフォンやタブレット端末のアプリ開発でも言える事で、そんな気運も高まりつつある事を感じる今日この頃なんですが、そこは色々と思う所があるのでまたの機会に書いてみます。