法人様向けソリューションSYNCNELの開発を初めてから1年が経とうとしています。保守やサポート・販売の体制を整えてサービスとしてリリースしてからは半年強ぐらいでしょうか。

気が付けば弊社の主たる事業になっていただけでなく、4桁規模で導入を決めて頂いている企業様や、数百/数十/数台などの各規模で上場企業様を始め中小企業様やSOHOの方まで、業態/業種/規模問わず色んな企業様のiPad/iPhone活用を支える基盤にもなり始めました。

とある上場企業の競合製品と競り勝って導入が決まる例も出てきていますし、自社の米国支店・欧州支店にも使わせたい…といった声を頂くようにもなりました。

加えて、2桁規模の販売代理店様によって商圏は拡大しつつあり、中にはSYNCNELを販売すると担当者の営業成績に加点される制度が出来た代理店様まで現れるに至りました。

© 2011 Lucas Stanley, Flickr

大変ありがたい事にいよいよSYNCNELは存在し続けなければならない存在になりつつあります。5名でやっているITベンチャーの商品がわずか1年でこのポジションまで来れたのは奇跡と言っても良いでしょう(少なくとも僕はそう確信しています)。

何が奇跡って、1つは総販売代理店をお願いしている住友セメントシステム開発さん、保守サポートをお願いしているスマートスタイルさんとパートナー関係を組ませて頂けていることや、関係各社様とも販売パートナー関係を築けているというご縁。そしてもう1つは社内話になりますが、サーバ側の@kumatch、クライアント側の@nakiwo、PDFエンジンの@itok_twit、という僕の思い描く超少数精鋭部隊を具現化してくれている仲間とチームを組めていること。

このいずれが欠けてもココまでこれなかったと思います。社内外を含めた全ての関係者に改めて「有難う御座います」とお伝えしたいです。

そんなSYNCNELの開発スタートから1年という節目を迎える今、企業向けソリューションSYNCNELが目指している事とその先に見据える未来について書いてみようと思います。

端的に表現するなら、

スマートデバイスを使った企業活動におけるコンテンツインフラになる

という事になるでしょう。道路が車の通り道であるように、線路が列車の通り道であるように、SYNCNELは企業内のドキュメントやコンテンツをスマートデバイスへ届ける通り道になりたいと考えています。安全に、確実に、そしてシンプルに、手元のデバイスに届けてくれるパイプのような役割を担うクラウドサービス。

London Reflects © 2010 Seasonspics, Flickr

iPadのようなスマートデバイスがビジネスに欠かせない存在になりつつある事は明らかです。(そうなる筈が無いと主張する方は、携帯電話もパソコンもそんな主張に抗うように急速に浸透し今やビジネスに欠かせないモノになった事実を振り返るべきです。二度あることは三度あるのです)

そんな世界では、社内の打合せで/営業先で/セミナーで/展示会で、いつでもどこでもデバイスを取り出せばデジタル化された社内資料が閲覧できる必要があります。軽快でなければ意味はなく、それ故に資料群はファイルとして手元のデバイス内に入っている(ダウンロードされている)必要があります。その多くがPDFでしょうが、それだけではなく動画も音声も画像も同様に扱える必要があります。

会議では一度に数十の資料を一斉に配布する必要があり、また営業先ではその場で相手にドキュメントを渡す事も必要であり、必要に応じて紙へ書き込むのと同様に使い手によるメタな情報が付与出来て再利用できる必要もあるでしょう。

またグループで共有する資料だけでなく、担当する顧客の為に自分だけが使うコンテンツを持ち出せる必要もあります。時には既存の社内システムが定時的に出力するドキュメントを関係者に定期配信する必要もあるでしょう。それを自動化出来るような仕掛けも必要になりそうです。

いずれにしても、スマートデバイスに届けられるべきモノは一箇所に集約されていれば良く、ファイルを置くだけで然るべき人達に最新のモノが届く(ダウンロードされる)事と、そのアーキテクチャに最適な安全性が担保されていれば良いのです。極めてシンプル。

IMG_4777 © 2011 Robert, Flickr

「◯◯さんと△△さんは□□グループに属していて、□□グループに配送すべきドキュメントはこの箱に入れる事にしよう」….。そんなルールを定めれば後は入れたファイルを自動で適正に届けてくれる。必要なのはそれを実現する配送のシステムと、配信される側となるスマートデバイスで閲覧出来る仕組みです。

 

突き詰めるとやはり企業様が期待しているのはペーパレスによるコスト削減効率の追求でして、社内打合せでの資料共有も、営業先での資料渡しも、上述した全てのケースでそう言えます。紙を介在させる事無くコンテンツを扱おうというのですから、言ってみればエコや合理性追求の流れにある一歩進んだ取り組みに過ぎません。

結局企業におけるスマートデバイス時代の到来とは、徹底的なパーパレス社会の実現であり、同時に徹底的な効率性重視企業社会の訪れであるのです。新しいデバイスが時代を一歩先に進めさせようとしている訳です。

Water supply © 2011 Bruno, Flickr

そんな、企業における大転換期に次なる時代のインフラに位置付こうとしているのがSYNCNELです。企業内の物流ならぬ、コンテンツ流とでも言いましょうか。今後の企業活動を行う上で絶対に必要になるモノ、それはペーパーを介さずともスマートデバイスにコンテンツを届ける仕組み、基盤です。そこを弊社は追求していきたいと思っています。

 

基盤を目指すからこそ求められるシンプルさや手軽さや安心感や柔軟性が少しずつ形になってきたのがこの1年間。それは冒頭で述べた通り、「体制」という意味でも「技術的に」という意味でもです。

有り難くも「住友」という冠をお持ちの企業様に総販売代理店を担当頂いているからこそ(特に国内企業には)振り向いて貰える訳ですし、MySQLの法人サポート国内No.1の企業様に保守/サポートを担当して貰っているからこそ安心感も提供できる訳です。売りたいと思って頂けるサービスだからこそ色んな販売店様が販路開拓して下さるようになりますし、それを作り出して維持する事は高い技術力があってこそ実現できるものです。

気が付けば1年の間に非常に強力なチームができていました。関係する企業数は2桁を越え、関係する人の数は数十人に及んでいると思います。普通に考えれば凄い事です。

この勢いで次なる1年間はいっきにビジネスを拡大し、SYNCNELを次代の企業コンテンツ基盤を支えるインフラにしたいと考えています。関係各社(者)が幸せになりながら、SYNCNELは変わりゆく社会の基盤を支える一助となり、そこに僕らのアイディアを加味する事で世界を1つでも2つでもより良いモノに変えてみたいと思うのです。