Ipad
2011.11.19 (Sat)

Book+の次バージョンに搭載される新機能を紹介するシリーズ3回目。ちょっと振り返りから入るのですが、Book+の現行バージョン(v1.2)ではブックマーク機能を提供する為にツールパレットというモノ新たに用意していました。こんな感じのやつですね。

このパレットが次のバージョン(v1.3)からはこうなります。ででん。

パッと見で何が出来るようになるか想像頂けるかと思いますが、図形描画機能が搭載されます。

  • 矩形
  • 角丸矩形
  • 楕円
  • 直線
  • 矢印

の5種類をページ上の任意箇所に描画可能。もちろんブックマーク機能でそうだったように、今回の各図形も色・透明度・太さをそれぞれ調整する事が出来ます。5種類の図形・6つの色・5段階の透明度・5種類の線幅を駆使すると結構色んなものが描けますので比較的自由度は高いと思います。例えばこんな感じ。

上図の角丸矩形の下部にある白丸はノブで、タップして削除したり、ドラッグして移動したりすることが出来ます。これはブックマーク機能のタブと同様ですね。

あと、Book+はPDFだけではなく、画像をZIP/RAR形式で圧縮した画像データ郡にも対応していますから例えば写真画像に

こんな感じの書き込みも可能です。データ毎に書き込んだ内容は記憶しています…ってこれは当然ですが。ただ図形にコメントは付けられませんので、そんな場合は従来通りのブックマーク(★ツール)機能を使用して頂く事になります。

ちなみに、今回の図形描画と、元々あるマルチページビューを組み合わせて使うと、これまた新しい体験ができます。

こんな風に全体を俯瞰しながら自分が書き込んだ図形類も眺める事が出来る訳ですね。これもデジタルならではの読書体験と言えるでしょう。各種の書き込みを二次元的に広げて俯瞰するなんて事は裁断でもしない限り紙の本では絶対不可能です。

という訳で、図形描画機能の御紹介でした。Book+ではこれまで、PDF/ZIP/RARなど電子書籍データを「見る」という事にほぼ特化していましたが、今回のバージョン(v1.3)で本格的に「書き込む」という機能が付与された事になります。

まだ他にも Book+ v1.3 で追加される機能がありますのであと1つか2つエントリしたいと思います。


2011.11.18 (Fri)

Book+の新バージョン v1.3 で搭載される機能を紹介するシリーズ。実は次のバージョン(v1.3)は追加機能数的に言うと v1.4 とか v1.5 とかって言っても良いぐらいの多数の機能追加がなされています。今回はその2つ目を御紹介します。

前回の横断検索機能の紹介エントリでこんな画面キャプチャを掲載致しました。

ファイルブラウザで検索ボタンをタップしてから検索対象を選択している様子なのですが、この中にある「目次・ブックマーク」というのが今回ご紹介する機能です。タップすると

こんな感じで入力欄が現れます。見た目は先に御紹介したPDF内テキストの横断検索機能と全く変わらないのですが、検索対象としてPDF内のテキストを見るのではなく

  • 各ファイルの目次(存在すれば)
  • ブックマーク機能を使って作成された各ファイルのブックマークコメント

をその対象としています。例えば「インストール」で検索してみると

こんな感じで2件のPDFが見付かって、更にその中を見てみると

だだだ…と目次の項目名にマッチしたものの一覧が表示されているのが分かります。目次が充実しているようなPDFでは便利です。結果一覧でタップするともちろん当該PDFを開いた上で目的のページにジャンプします。これは先に御紹介したテキスト横断検索でも一緒ですね。

ブックマークでも同様でしてマッチすれば一覧します。こんな風に。

一応色の区別も表現してくれますし、ページブックマークなのか、ページ内ブックマークなのかもアイコンで分かるようになっています(上図の例は緑色のページ内ブックマーク。ページブックマークの時は★アイコン)。もちろん、タップするとブックマークしたページにジャンプします。

Markers © 2011 Steven Lilley, Flickr

という訳で、目次・ブックマーク横断検索機能について御紹介しました。

これもまたデジタルならではの読書体験で、読書好きな方であればあるほど活用して頂ける機能ではないかと思っています。自らが付けたブックマークまで横断的に検索するのってなかなかありませんよね。でも、読書好き発想で作ると必ず必要な機能なんです。

本棚に向かって「TPP関連でしおりを付けた本、出てこい!」「はい、私めの○ページです!」「それがしの△ページにも御座います!」と出てきたら便利なのに出来なかったのが今までの読書。これからの読書はそれが可能になります。…っていうか、なるべきだと僕は思ってます。XMDFだのEPUBだのフォーマット議論をする暇があればデジタルな読書体験とは何ぞやをもっと追求した方がずっと効率的です。

 

Book+はそこんとこを追求していきたいと思っています。次のバージョン(v1.3)の公開までもうすぐです。御期待下さい。


2011.11.17 (Thu)

御愛顧頂いている電子書籍ビュワーのBook+。9月1日にリリースしてから早くも3ヶ月が経とうとしていますがその間に4回バージョンアップしています。Book+はスマートフォーカスマルチページビュー任意位置ブックマークなどの特徴的な機能を有していますが、それらと同様に進化の早さも1つの特徴かも知れません。

今日は、次バージョン(v1.3)で搭載予定の新機能「横断検索機能」について紹介したいと思います。この機能は、PDFをiPadで閲覧するユーザの皆さん、特に仕事でお使いの方からリクエストが非常に多かった機能です。あるユーザさんの言葉を借りれば「iPadのPDFビュワーの世界では待望の機能」って事になりますが、Book+ の次バージョン(v1.3)でこれを搭載します。

© 2011 lauraliest, Flickr

数が増えてくると、ファイル名ではなく、どうしてもPDF内テキストに特定キーワードが存在するファイルを探したい…という時が出てくるのですよね。

何かファイルを探す時、WinマシンならGoogle Desktopを入れてみたり、MacならSpotlightを使ったりしますが、それに近い感じです。Book+の場合は自動的にPDF限定になりますが。

今のBook+ではフィルブラウザ操作中に検索ボタンをタップするとダイアログが表示されるのですが、v1.3からこんな風に

検索対象を選べるようになります。ここで真ん中のテキストを選択すると入力欄が現れますので

探したいキーワードを入力します。ここでは「iphone」と入力しています。「検索」ボタンをタップすると…

見つかった順にファイル名とサムネイルを表示してくれます。

これがBook+の中に入っているファイルからマッチするものを全部pickupした結果です(外部ストレージのファイルについてはダウンロード済みのモノに限定)。これらのPDF全て、それぞれのどこかのページに「iphone」というキーワードが含まれている筈です。これだ!と思うファイルをタップすると、

こんな風に、そのPDF内でキーワードが存在するページが一覧表示されます。更にタップすると

当該PDFが開いてキーワードのありかを教えてくれるという訳。これはデジタルな書籍だからこそ出来る全く新しいユーザ体験だと言えるでしょう。例えるなら、自分の蔵書が並ぶ本棚に「iPhoneについて書いてる本、出てこい!」って言ってるようなもんですから。んで、「はい!私めのココに御座います!」って感じで出てくるんです。超便利!

ただ、この横断検索機能はハードウェア的な限界もありまして、Book+の中に100個も200個もPDFが入っていたりサイズの大きなPDFが大量に存在するとどうしても時間がかかってしまいます。ここは物量に比例してしまうという事で御了承頂ければと(iPad3でCPU性能がグンッと上がれば高速化される筈です :-))

…なので、更にもう一工夫。

場合によっては、ある程度PDFの場所にあたりが付けられる時もありますから、オプションとして特定フォルダ配下にあるPDFのみを対象にするオプションもつけました。

実は、個人的にはこちらの検索を使う事が多いです。フォルダ階層である程度整理をしていると、探すべきPDFのだいたいの場所は分かってるからですね。

 

という訳で新機能「横断検索機能」の御紹介でした。これもまたBook+の特徴的な機能の一つになるんじゃないかなと思います。PDFを大量にiPadで持ち歩いている方で横断検索をしたい方は是非Book+を!

新バージョン v1.3 の登場までもう少しです。御期待下さい。


2011.11.04 (Fri)

弊社が開発したiOSデバイス用のドキュメント共有ソリューション「SYNCNEL」ですが、マイコミジャーナルの連載「事例で学ぶiPhone/iPad活用術」に掲載されました。有難う御座います!

30.患者情報を地域病院で共有してiPadから参照(動画付)

認証やデータの暗号化、ログ管理、デバイス紛失時の全データ自動削除といった機能を持ち、個人情報の取り扱いには重要となる高いセキュリティを確保した環境でのデータ閲覧が行える。

SYNCNELは元々法人向けソリューションとして御提供しているモノなのですが、他のどんなソリューションよりもセキュリティをしっかり考えているという有難い評価を頂く事があり、医療の現場でも使って頂いている実績があります。その一例ですね。

今回掲載されたのは浪速区医師会様の例で、救急医療時の迅速な施術を担保する為の情報共有インフラとしてお使い頂いています。患者様の最新データが常に共有されている事により素早い医療対応が実現しているという事ですね。それが結果として生存率の向上に貢献しているという事実を知ると作り手としては感慨深いものがあります。自分たちの作ったものが人の命に役立ってる事以上に嬉しい事があるでしょうか。

この動画は浪速区医師会様の先生によるSYNCNEL解説動画。見た目は非常にシンプルですが、サーバに格納された患者様のデータ郡が、閲覧権のある先生方のiPadに安全に配信され常に最新データが確認できるという状態になっています(万が一iPadを無くしても管理サーバからリモート削除が出来るので安心)。

SYNCNELは浪速区医師会様以外に、某大手病院様にも院内情報共有インフラとして導入して頂いていたり、医療や製薬の業界の企業様からセキュリティの高さを評価頂いて導入検討を行なって頂いたりしてまして、大変有り難く且つ誇り高く思っています。(関係者の皆様に改めて御礼申し上げます m(__)m)

 

という訳で、SYNCNELの医療現場での活用事例紹介でした。

iPadやiPhoneが浸透した社会でインフラの役割を担う事を元々のミッションに掲げていましたので、今回のような活用事例はまさに「こうなったら良いのに」と考えていた未来への第一歩になっていると自負しています。

医療に限らず、もしDropboxやiCloudに代表されるいわゆる個人向けクラウドサービスを企業内でも安全に使いたいという需要がありましたら是非SYNCNELをご検討下さいませ。

 

ちなみにセキュリティはよく強調されるポイントなのですが、実はそれだけじゃなくて機能面でも

  • マニュアルいらずの直感的な使い易さ
  • Book+の技術をベースにした高機能ビュワー(PDF/画像)

等も特徴として持っています。セキュリティよりも評価して下さってる企業様も多くいらっしゃいまして、これはまた別の機会に御紹介させて頂こうと思います。


2011.11.03 (Thu)

需要が急増している企業内専用iOSアプリに絡んだ情報をまとめるシリーズ第3段。

今回は関係者必読なPDFの御紹介です。最近になって僕も発見したドキュメントなのですが、「企業向けアプリの情報少ないんだよなー」って思っている方にこそ目を通して欲しい、というか今後はもうこれを読まずして企業向けアプリを語る事は許されないでしょう的な超重要な文書です。

入手先はこちら

このリンク先にあるPDF、「社内向けアプリケーションの開発アクセラレータガイド」です。全部で30ページ。必要な情報が全て網羅されています。開発や導入にあたり幾つかの選択肢があるシーンでの判断基準も紹介されていますので、開発ベンダーだけではなく、自社内でアプリ導入を考えている担当者レベルの方も目を通すべき資料です。

簡単に、目次を作ってみましたよ。こんな感じ。

  • 概要
  • 計画
    • ユーザーの意見を取り入れる
    • 既存のアセットをまとめる
    • アプリケーションの定義
    • 開発プロセスの計画
    • チームの編成
    • iOS Developer Enterprise Program への参加
  • デザイン
    • タッチのデザイン
    • シンプルに
    • 何を優先させるか
    • 最適化する
    • 次のステップ
  • 開発
    • ネイティブ開発
    • 社内開発に不可欠な API
    • ウェブ開発
    • バックオフィスシステムにアクセスする
    • アプリケーションのセキュリティを確保する
    • テストと検証
    • 次のステップ
  • 導入
    • 導入の準備
    • 配布
    • ソリューションの公開
    • 次のステップ
    • 知識の習得に役立つその他の資料

とまぁ、こんな感じです。

ほぼ、企業向けアプリで「?」となってしまう要素が網羅されているっぽい雰囲気が伝わるでしょうか。正直、これ以上の情報は案件を経験して得られる知見の域に入ると思います。例えば、InHouseバイナリをOTAで多重インストールしたらどうなるか…とかですね(これはまた機会あれば御紹介します)。

個人的に一番興味深いと思ったのは、ネイティブアプリの開発だけではなく、Webアプリとしての開発についても言及されている点ですね。UIWebViewを内蔵ブラウザとして搭載しただけのアプリも手法として記されています。

そして特筆すべきは、関係者にとっては残念ながら…ですが、TitaniumPhoneGapなどマルチプラットフォーム展開を容易にするフレームワークで企業向けiOSアプリを開発する事については選択肢として優先度を下げるべき旨が明記されている点。(このへんも思う所があるので別の機会に)

今後この文書内からtopicを選んで色々書いてみたいと思います。

さて。

そんなエンタープライズなiOSアプリ市場に身を置いているからこそ体感している事ですが、今後もますます需要は高まってきそうです。導入したくてもiPadが無い。ホント、そんな感覚です。そりゃ足りなくなりますよ。200台とか1000台とか、多かったら4000台とかで一気に買う訳ですから。法人向けに供給が追い付いてない。

中堅企業や上場会社の経営者層が「これからはスマートデバイスや!うちも何とかせぇ!」と命令を受けてるケースが散見されたり、同じ業界の他社がやったからウチも…って例も多いですし、キャリアやその販売代理店の「これからは回線だけでは売れない。ソリューションやアプリを一緒にして売らないと」って思惑も有る訳ですよね。

だから、確実に間違いなくエンタープライズなiOSアプリ市場は広がっていきます。全ての企業の情シスが無視出来なくなるのです。だからこそ、Appleは今回御紹介したPDFを日本語でも用意しているんだろうなーと思います。正しい理解に基づいて企業向けアプリを開発、または導入してね…という Apple からのメッセージかと。

 

という訳で、エンタープライズなiOSアプリに関わる全ての人に読んで欲しいドキュメントを紹介しました。当該のPDFに書かれている以上に「具体的な話が知りたい!」とか「何かあった時の相談相手になって欲しい!」って場合は、短期間でのコンサルテーションもさせて頂いておりますので(実績多数)、宜しければ弊社に御用命下さいませ。基本有償ですが初回御相談からいきなりって事はありませんし、お気軽にお声がけ下さい

 

■ 本連載の過去エントリ