開発
2008.02.15 (Fri)

バレンタインデーの朝(と言ってもAM3:30)にちょっとしたイベントがあって、出勤&雑用後に向かった東京。今回の出張の目的の一つはDevelopers Summit 2008に参加する事でしたが、それ以上に重要な約束が午前中にありました。

自分が元々いた会社の関係でお付き合いのあるJASDAQ上場企業ウェブ担当者の方々とお打ち合わせ。

以前よりコンサルティングでウェブシステム系のお手伝いをさせて頂いたりしていたのですが、このたび当社の新サービスについて知りたいとの嬉しいお声掛けにより御紹介させて頂く運びとなった次第です。

 

新サービスと言いましても、全く新しいという訳ではなく、昨年度発表したIR情報配信支援ソリューションIRCastをグレードアップしたモノです(IRCastPROと言います)。

詳しくはまた改めてエントリしたいと思いますが、昨年発表したIRCastが抱えていたビジネスモデル的な課題、技術的な課題を解決すべく約1年間に渡って取り組んできました。技術的な課題の解決には、最近このブログでも話題として取り上げたAdobe AIRという技術が活かされてます。

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右側はAdobe AIRの正式なアイコン

 

総時間にして30分ぐらいでしょうか。このサービスの御紹介をさせて頂きました。上場企業様のIRがどう変わるのか、投資家の皆さんにどんなメリットがあるのか、お客様視点にたって細かなご説明をさせて頂いた後に出たのが、

 

どうしてこんな事が出来るんですか。
これは是非入れたい。将来的な可能性を感じますね。

 

先方のこんな感じのお言葉。個人投資家だからこそ分かるウェブを使ったIRが抱えている問題を徹底的に考え抜いたからこそ、そして常に最新技術を追いかけてきたからこそ作れた仕組みに共感頂けた事が本当に嬉しくて、自分にしては珍しく笑顔が出てしまっていたんじゃなかろうかと思います。

特に意味深いと感じたのは、当社にとって想定顧客の立ち位置である方々に「可能性を感じます」と言って頂けた事。モノ作りをする人間にとって、これ以上嬉しい事があるでしょうか。純然たるお客様にそう言って貰うのって結構難しいものです。

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新しいモノを作って見て頂くと「可能性を感じます」…そう言って貰える事は度々あります。これまで実際にそうでしたし、もちろん嬉しかったのは嬉しかった(有り難うございます!!)のですが、お客様から言って頂けるのとはビジネス的な意味というか重みが相当異なると僕は考えています。

 

同業の方の「可能性を感じます」は、技術的なバックグラウンドが共有出来ている上での話なので、ちょっとしたアイディアがあれば比較的得やすいと思うのです。またベンチャーキャピタルから貰う「可能性を感じます」は、社交辞令っぽいので正直余り嬉しくありません。各種のビジネスプランコンテスト関係者から言われる場合も同様ですね。

でも、お客様からはなかなか貰えないだけに貴重。

現存する問題に気付きを得て頂き、それを解決する事をお伝えして、やっとこさ「良いですね、買いますよ」な訳です。そこから先を想像して頂いた上で「可能性を感じます」と言って貰おうと思うと、その革新性までもしっかり伝わっていなければなりません。実際に現場レベルの方に言って頂くとなると尚のことそうです。

商品やサービスの現時点の魅力に加え、その先々までをもユーザーから評価して貰えるという事。物作りをする者にとって「可能性を感じます」と言って貰えて一番嬉しいのは、その方が想定顧客である場合だと僕は思うのです。伝わりきっているという意味で。

 

今回、自分にもこんな機会がやってきた事に本当に感謝したい打ち合わせでした。もちろん、この上場企業様には導入させて頂く事が決まっています。

ここまでこれたのも、色んな形で当社を支えて下さっている皆々様や、こんな僕に気をかけて下さっている皆々様のおかげだと思っています。いつも有り難うございます。

でもまだまだ立ちはだかる壁は無数にあります。それにめげず、自分の想いを注いだビジネスで業界に貢献する事によって、皆さんへの感謝の気持ちを表現出来ればこれ以上嬉しい事はありません。これからも頑張ります。


2008.01.29 (Tue)

2008年、技術的に面白そうな事は何ですか?

と聞かれたら、もちろん当社の専門であるRSSはもちろん、XML関係ですとXBRLとか、ウェブマーケティングな視点も加味すると動画ですとか、まぁ色々と上げられる訳ですが、開発者という視点から上げるとすれば文句なしに Adobe AIR なのです。個人的に、あるいは当社的にも。

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Adobe AIR は、PhotoShopやPDF等で皆さんよくご存じの Adobe Systems が開発を進めている、マルチプラットフォーム対応のアプリケーション実行環境。

という定義だけを見てると、どうしてもIT系の人間以外にはピンと来なかったりするのですが、簡単に説明すると

HTMLやCSS、JavascriptやFlash…等々のウェブ上を基本としていた技術でもってデスクトップ用のアプリケーションを開発/提供できる環境

のことです。(厳密にはもうちょっと書かないといけませんが、ここでは省略)

デスクトップ用のアプリケーションというと、例えばPhotoShopやOutlookとか、Windowsで言うところのスタートメニューから起動するものですね。

従来、この手のアプリケーションを開発しようとすると特別な言語の習得が必要でした。細かい話をあえて無視して言うと、WindowsだったらC#とか(他にもありますけど)、MacならObjective-Cとか(これもOSX以前だとちょっと違う)ですね。

ようは、世界が全く違った訳です。だから、

  1. ウェブシステム/ウェブページを制作しますよーっていう事業
  2. デスクトップ用のアプリケーションを作りますよーっていう事業

を両方やってる会社は余りありませんでした。

(1)だけとか、(2)だけとか、両方必要な場合は片方を外注するとか、そういう形態が多いんですね。身近な開発会社(特に中小)を想像して頂くと、だいたいそうだと思います。(ちなみに、弊社は(1)も(2)もやるという会社です)

 

ところが!!

 

(1)だけの技術しか持っていない企業でも、既に持ってる技術(HTMLやCSS, JavascriptやFlash)で、(2)も提供できるようになってしまうのが Adobe AIR なのです。

身近な例だと、Windowsのノートパッド。

これを (1) を専業にする企業が開発するって事は想像しにくいですよね?どっちかっていうと(2)でしょう。でも、Adobe AIR によって (1) の企業でもノートパッドが作れます。自分とこのソリューションをスタートメニューから使って頂ける。

もう一つ例を挙げましょうか。

あるブログサービス提供事業者がいるとします。ブログを書くインターフェースはブラウザからではどうも使いにくい。じゃぁ Adobe AIR で専用のブログエディタを提供しよう!そうすりゃ、デスクトップ上の画像ファイルのドラッグ&ドロップで画像をアップロード出来るし、ブログシステムへ記事を保存すると同時にブロガーのパソコン内にもバックアップファイルも作ってしまえる

…まぁ誤解を恐れずに極端な例をあげると、こんな感じでしょうか。

今日のニュースに上がっていた、

ペパボとAsk.jp、Adobe AIRに対応した動画アップロードツール「JUGEM Desktop」を提供
JUGEM Desktopは、ウェブカメラで撮影した動画を直接アップロードできるデスクトップツール。アドビシステムズが開発した、OSやウェブブラウザに依存せず利用できるデスクトップアプリケーション実行環境であるAdobe AIRに対応

なんかは典型的な例ですね。

このように、巧く使えばサービスの質を上げられる訳です。これって凄い事だと思いませんか?ウェブ系の事業者の可能性がグンと広がるのは想像に難くないでしょう。

従来通りウェブサービスを作り、それを補完するツールをAdobe AIR のアプリケーションとして提供する。あるいはウェブに繋がっていること前提のサービスなんだけど、Adobe AIR アプリケーションのみで提供…という形態もあるでしょう

 

唯一の課題は、Adobe AIR という環境が既にインストールされているパソコンでないと、Adobe AIR 用に作ったアプリケーションは動作しないという事。

要は、Adobe AIR という環境が普及しない事には幾らAdobe AIR上で動作するアプリケーションを作っても意味が無い訳ですね。

でもPDFを世界中で当たり前の存在にしてしまったAdobeです。そして、ウェブブラウザ上でインタラクティブなコンテンツを提供するFlashを世界標準にしたMacromediaを買収した企業でもある訳です。

僕は、Adobe AIR が標準になるのも時間の問題だと思っています。Adobe Reader が多くのパソコンに最初からインストールされているように、Adobe AIR も最初からインストールされているという時代もやってくるでしょう。

skitched-20080129-220135.png

(Adobe が AIR 認知度向上の為に米国内を走らせたバス。注目すべきは、まだ正式発表されていないにも関わらずこんな事をしているという事。本気度をうかがい知れる一つの出来事です)

 

そんな訳で、2008年の注目技術の一つ、Adobe AIR のお話でした。無論、当社でも昨年の早い段階から Adobe AIR には取り組みは始めており、遅くとも今年の春までにはAdobe AIR 向けのRSS関連アプリケーションの提供を開始する予定です。

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リリース予定のAIRアプリケーションのアイコン

詳細はまた改めて書きたいと思います。


2008.01.13 (Sun)

JavaScript第5版読書会#2に行ってきます

先日より始まった

4873113296 JavaScript 第5版
David Flanagan 村上 列
オライリー・ジャパン 2007-08-14

by G-Tools

    <p>
      この本を順番に読んでいく読書会(<a href="/wp/?p=33">#1に参加しての感想エントリ</a>)。その第2回が遂に開催される事になりました!!
    </p>

    <p>
      場所は我らが(?)大阪産業創造館です。時間は朝の9:30から17:00、そして今回は懇親会付きで20:00までと、非常に濃くなりそうな、開発者の為の開発者による開発者の一日となりそうです。
    </p>

    <p>
       
    </p>

    <p>
      当社創業時に大変お世話になった大阪産業創造館(通称:産創館)で JavaScript の勉強会が出来る貴重な機会。前回の読書会では、普段順番に読んでいく事の余りない分厚い書籍(JavaScript第5版は暑さ3.5cm)を読む楽しさも体感したとあって、今回も案内メールがくるなり参加表明、1Click!!
    </p>

    <p>
      尚、今回は LT(Lightning Talk) という1人5分から15分程度のプレゼンを立て続けに行う発表会も一緒に行われます(LTは開発系以外のイベントでもやっても良いんじゃないかなぁ。ちなみに1分間スピーチとは全然違います)。
    </p>

    <p>
      内容はもちろんJavaScript関連で
    </p>

    <ul>
      <li>
        Web上でのゲーム製作
      </li>
      <li>
        Mozilla Developer Center 翻訳事始
      </li>
      <li>
        Inside JSmarty.Plugin
      </li>
      <li>
        今さらながら Twitter API + JavaScript で自作アプリ
      </li>
      <li>
        単に自分の開発経験を(話せる範囲で)話そう
      </li>
      <li>
        Script.aculo.us の UnitTest の使い方
      </li>
      <li>
        Javascriptで無限ループを実現するn個の方法
      </li>
      <li>
        JavaScriptから見たHaskell
      </li>
      <li>
        Flex &#038; de.popforge.audioライブラリを使ってリアルタイムで音生成と再生
      </li>
    </ul>

    <p>
      等々と盛りだくさん。JavaScripterならずとも興味が沸くってもんでしょう。
    </p>

    <p>
      という訳で、<a href="http://groups.google.co.jp/group/kanasanjs/web/kanasan-js-javascript52">詳しい案内は Google Group の該当ページ</a>をご覧頂くと致しまして、もう明日に迫ってるのですが興味おありの方は参加してみては如何でしょう?
    </p>

2008.01.01 (Tue)

年が明けて2008年。今年はどんな年に出来るでしょうか。2007年以上に最高にエキサイティングでしたと言える事を目指して邁進したいと思います。

先のエントリにも書かせて頂いた

  • 1年目は創業期
  • 2年目は基盤作り
  • 3年目は飛躍の年

の通り2008年は当社の2年目と3年目にあたります。2007年の比ではない激動の1年間になりそうだという予感がするのですが、種々の出来事に翻弄されず基盤作り(2年目)と飛躍(3年目)を達成する為に、以下の目標達成をミッションにしたいと思います。

[人] : 新しい出会い

  • 仲間を1名増員し開発ベンダーとして生産性100%増を達成する
  • 新しく50人の開発者と会い交流を深める

[RSS] : 基盤強化と積極的アウトプット

  • RSSビジネスの基盤を強化し関連案件5件の達成を目指す
  • RSS関連新サービスを最低3つ企画・開発・リリースする
  • RSSの基礎や活用法をブログ上で最低月1回計12回はアウトプットする

[新事業] : 新しい事への挑戦

  • XBRLビジネスに本格参入し、関連サービス1つを企画・開発・リリースする
  • RSSを活用したSEO支援ツール1つを企画・開発・リリースする

人とRSSと新事業という切り口で整理してみました。いずれも年末に達成/未達の判断が出来るよう、また目標をイメージし易いように定量的なものにしています。

1つとか3つとかの数値目標を掲げているからには既にアイディアがある訳ですが、それらは全て「不便を便利にする」「世にないものを作る」という当社の基本方針に基づいて出てきたモノです。

 

こんな当社の2008年に、興味を持って頂けた方、ちょっと話を聞いてみたい…という方がもしいらっしゃいましたら是非一度お声がけ下さいませ


2007.12.17 (Mon)

技術者にとってはお馴染みのオライリー

www.oreilly.co.jp -- 30AA30E930A430EA30FC30FB30B830E330D130F3

技術用語がドンと前に出ていながら表紙は動物(生き物全般?)という印象的な体裁は、技術者でなくともどこかで目にした事があるかも知れません。

定期的に訳本をベースに発刊されているものの、ここ数ヶ月は自分的に食指が動くという事は余りありませんでした…が、ここにきて面白げな書籍の発刊が続くとのこと!

これは、オライリーからのクリスマスプレゼントでしょうか。食指が動きまくりなのでご紹介。どれも興味がそそられる3冊がクリスマスを前にして世に出てきます。

 

4873113539 RESTful Webサービス
Leonard Richardson Sam Ruby 山本 陽平
オライリー・ジャパン 2007-12-21

by G-Tools

    <p>
      RESTは、昨今のウェブサービスには必ずある重要な考え方。ネットのあちら側にストレージを持つ Amazon S3 を例にとって1章を費やしているのが個人的に興味深いです。
    </p>

    <p>
       
    </p>

    <table border="0" cellpadding="5">
      <tr>
        <td valign="top">
          <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4873113520/feedtailor-22/" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/21h2-FDDyoL.jpg" border="0" alt="4873113520" /></a>
        </td>

        <td valign="top">
          <font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4873113520/feedtailor-22/" target="_top">初めてのFlash Video</a><br />永井 勝則 <br />オライリー・ジャパン 2007-12-25</p> 

          <p>
            </font><font size="-2">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td> </tr> </table> 

            <p>
              Flash Video といえば YouTube。ネットの動画がこれだけ賑わっているのも Flash Video があってこそ&#8230;と言っても過言ではありません。その技術的な知見を得る/深める為にも、動画関係のビジネスに関わってる人はゲットしておきたい本でしょう。
            </p>

            <p>
               
            </p>

            <table border="0" cellpadding="5">
              <tr>
                <td valign="top">
                  <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4873113350/feedtailor-22/" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/21q2cWI1URL.jpg" border="0" alt="4873113350" /></a>
                </td>

                <td valign="top">
                  <font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4873113350/feedtailor-22/" target="_top">Statistics Hacks ―統計の基本と世界を測るテクニック</a><br />Bruce Frey 鴨澤 眞夫 西沢 直木 <br />オライリー・ジャパン 2007-12-26</p> 

                  <p>
                    </font><font size="-2">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td> </tr> </table> 

                    <p>
                      そして、統計。ネットだけの話ではありませんが統計の知識なくして分析も推測もありませんし、一応自分の専門でもあったので(厳密に言うと若干違いますが)勉強がてらに。あと、自社から放っているクローラーが収集する情報をもう少し有効活用したいので、そのへんの材料に。
                    </p>

                    <p>
                       
                    </p>

                    <p>
                      12月のオライリーはなんかアツい!年末年始に遊べるモノが手に入りそうなワクワク感でいっぱいです。皆さんも如何ですか?テレビガイドよりオライリー。
                    </p>