書評
2017.05.29 (Mon)

スマホ見るならホンを読めと自分に言い聞かせて続けてるすきま読書。2017年5月の記録です。

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(Thanks! the photo on flickr by Marketa CC BY 2.0)

色々あって冊数に並がありますが…

  • 2017年1月 : 9冊
  • 2017年2月 : 2冊
  • 2017年3月 : 7冊
  • 2017年4月 : 3冊 + 1冊(AudioBook)
  • 2017年5月 : 5冊 + 1冊(AudioBook)

すきま読書では2冊を並行して読むようにしてます。外出する時に常に持ち運ぶ文庫・新書サイズが1冊、自宅等で読む為の持ち運びは前提としない単行本タイプを1冊って感じ。この組み合わせで、すきま時間が発生したら何か手にする本が常にある…って環境を作ることができます。

 

ビジネス・専門書

 

今月のベストは GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 です。

GIVER(与える人)が成功する可能性を持っているという話ですね。情けは人のためならずという諺もあるし、Pay forward という考え方もありますし、まぁいわゆる自己啓発系のありがちで聞こえの良い「与える人になりましょう」という本かと思いきや、組織心理学者が多数の論文や実験を元に人と付き合う姿勢をどうするのが良いか解説した良書でした。GIVERであることが最も成功する戦略なのだとする一方で、GIVERであることが単に利用されるだけの「良い人」で終わっる可能性も高いことを併記しています。


2017.05.28 (Sun)

スマホ見るならホンを読め!でやっておりますすきま読書による読書強化。

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(Thanks! the photo on flickr by Sebastien Wiertz CC BY 2.0)

ちょっと前ですが4月の記録を残しておこうかと思いまして、5月末を目前に筆を(キーボードを)とりました。

  • 2017年1月 : 9冊
  • 2017年2月 : 2冊
  • 2017年3月 : 7冊
  • 2017年4月 : 3冊 + 1冊(AudioBook)

4ヶ月で22冊。4月は3冊。いぁ〜、少ない。4月,5月と新サービスを発表する為の準備に時間を取られてまして…ってコレはもう言い訳ですね。ホントは月に10冊は読みたい気持ち一杯で日々過ごしているんですが、なかなか現実はそうもいきません。すきま時間が無いぐらい目下のことに専念できてるというプラス解釈でいきましょう。

 

ビジネス・専門書

 

2月の2冊に比べればマシですが、4冊はやはり寂しいですね。

とはいえ良書には巡り会えていて、一番良かったのは人工知能を超える人間の強みとはです。AIに仕事を奪われない為にはどうすべきかのヒント満載。「あぁ、確実にシンギュラリティはあと数世紀ないな」と思うに足る、人間の力(直観力)についての論説です。ヒトの良さを知り、ヒトらしくあり、ビジネスはヒトであることを意識することが大切と改めて認識した次第です。AIは所詮道具でしょう。人間舐めたらいけません…と。

という訳で4月の読書記録。とかなんとか言ってる間に5月も終わりですね。時間が経つのはホント速いです。


2017.05.02 (Tue)

今年に入ってから、一度もすきま読書の記録を残していませんでした。今更3ヶ月分を3エントリにするのも何か変なので3ヶ月分まとめて第一四半期の記録です。

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(Thanks! the photo on flickr by faeryhedgehog CC BY 2.0)

今年の4月にとあるイベントごと(?)がありまして、その準備の為に年始から冊数が少し減ってしまってました。

  • 2017年1月 : 9冊
  • 2017年2月 : 2冊
  • 2017年3月 : 7冊

3ヶ月で18冊。読書数を減らしてた理由についてはまた改めて。面白い報告ができると良いのですけどね。…ということで2017年Q1の読んだ書籍たちです。

1月

ビジネス・専門書

小説

2月

ビジネス・専門書

3月

ビジネス・専門書

小説

 

少ないとはいえこうして並べるとそれなりに読んでますね。ちょっと技術よりな本を昨年より増やしてみようかな…と思ってセキュリティ系を読んだりしてます。

一番良かったのは小説の残業税

物語として普通に面白かっただけでなく、とかく残業や労働時間の議論に偏重しがちな働き方改革論の先にこんな世界が待ってるのかも知れないなぁ…とフィクションとは思えないリアルさが秀逸。「労働とは何か」「働くとは何か」という問題提起をしていて貴重な小説だなと思いました。働き方改革、特に残業問題に関心のある人は読んでおかれると良いと思います。

ビジネス書で一つ際立っていたのがその「エンジニア採用」が不幸を生む ~良い人材を見つけ、活躍してもらうには何が必要か?。今エンジニアは引く手数多ですが、ミスマッチが起こってしまう原因について、採用側とエンジニア側の両視点で具体的に書かれている画期的な本。IT関連企業の役員・管理職、そして転職を考えるエンジニアさんは必読書です。

という訳で2017年も良い本との出会いでスタート切れてます。幸先良いですね。今年も読書を楽しんでいきたいと思います。単冊でのレビューも書いていきたいですね。


2017.01.04 (Wed)

昨年12月のすきま読書の記録。

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(Thanks! the photo on flickr by Sam Greenhalgh CC BY 2.0)

スマホ見るなら本を読め ということで昨年から続けている読書週間ですが、半年たってこんな感じになってます。

  • 2016年6月 : 6冊
  • 2016年7月 : 10冊
  • 2016年8月 : 13冊 + 1冊(AudioBook)
  • 2016年9月 : 7冊 + 1冊(AudioBook)
  • 2016年10月 : 7冊
  • 2016年11月 : 9冊 + 1冊(AudioBook)

もう既に習慣化して効果も実感していますが、すきま読書のおかげで普通に年間100冊を達成できそうなペースになってきました。読書好きながらなかなか増えなかった読書量。創業来初の勢いじゃないかなと思います。

本を沢山読みたいけど積読に悩まされているかつての僕と同じ方は、是非とも スマホ見るなら本を読め の精神で読書されるのをお勧めします。

さて、そんな訳で昨年の12月はこんな感じでした。

 

ビジネス書

小説

 

全部で10冊。小説多いですね。本のレビューを書いたりしたので(LIFE SHIFT を読み終えてその先の世界を想像してみた話, [書評] 価格の掟 〜ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白〜)、時間をそちらに費やした感があります。アウトプットしなけりゃもう少し読めていたのでしょうが、そこはバランスということで。

11月から詠んでいたみをつくし料理帖はついにシリーズ読破で感動の完結。とっても良い作品でした。小説の舞台の一つになってた九段坂界隈とか行ってみたくなりますね。

次々と迫る不幸や事件に苦悩しながらも、耐えて乗り越えて料理の道を進み続ける主人公澪の姿に心打たれます。強いなぁ。あと、お客様からお金を頂くとはどういうことかという仕事論が随所に散りばめられていて気づきも得られる物語でした。

ビジネス書で最も印象的だったのはゲノム編集とは何か

SFが現実の脅威となる避けて通れない未来が、実は目前まで迫ってきているということが分かり衝撃を受けました。分子生物学の進化が遺伝子操作を容易なものとし、人間の価値観に倫理観に道徳観に、科学が揺さぶりをかけてくることを分かり易く説明しています。

先月に読んだ LIFE SHIFT と併せて書評も書いていたりしますので宜しければ御覧下さい。

LIFE SHIFT を読み終えてその先の世界を想像してみた話 - 大阪/関西でiPhone業務活用・Webサイト静的化をご支援するfeedtailor社長ブログ

という訳で12月も沢山読書ができました。ご縁に感謝。

これまでずっと本は好きでいたけど、実は年間50冊も読んだこともなかったんですよね。それが、すきま読書のおかげで約半年で65冊も読めてしまってるという。今年は100冊読了することを目標にしながら、適宜の書評アウトプットを行っていきます。


2016.12.26 (Mon)

今年は沢山の本を読みましたが、中でも2016年マイベスト本となった LIFE SHIFT には考えさせられました。結構話題にもなってた本ですね。良い本だったので、ちょっとご紹介したいと思います。

正直、辛い内容ではあります。特に、60歳や65歳まで仕事して後は引退するつもりでいる方には、悲壮感と焦燥感しか湧かない本と言えるかも知れません。厳しい現実を突きつけてきて、人生の再設計を促してくる本です。でも敢えてそういう方こそ読むと良いんじゃないかなと感じました。

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(Thanks! the photo on flickr by Taichiro Ueki CC BY-ND 2.0)

寿命が伸びて老後資金が足りなくなる

老後に必要な資金は3000万円とか、1500万円とか、色々諸説あります。家族構成もライフスタイルも人それぞれだし、老後に求めるQoL(Quority of Life : 生活の質)によっても違うので異なって当たり前ですが、本書は その老後資金計画で、そもそも足りますか? という問題提起をしています。

引用されてる「Human Mortality Database」によると、2007年に生まれた日本の子供の平均寿命は107歳になるそうです。日本はただでさえ平均寿命が世界トップクラスで男性80歳、女性86歳なのに、まだまだ平均寿命が伸びるというのです。

当然、今30代や40代の人でも100歳まで生きる確率は徐々に高まっていきます。人生は50年でも60年でも80年でもなく、100年になると。そうすると、

ほとんどの人は、長い引退生活を送るために十分な資金を確保できないのだ。この問題を解決しようと思えば、働く年数を長くするか、少ない老後資金で妥協するかのどちらかだ。(序章 p.20)

ということにならざるを得ません。通常、少ない老後資金で妥協する(生活水準を落とす)のは難しいので、働く年数を長くするという選択しかないでしょう。それができずに苦労されているのが、昨今社会問題視されている老後貧困や老後破綻ですね。

年金も退職金もこれから更に頼れなくなります。所得代替率は低下していくし(年金、年取るほど目減り 現役所得比で40%台に 厚労省が試算)、退職金制度のない企業も増えて退職金額も引き下げられる傾向にありますから。

老後の収益は、(1)公的年金+(2)退職金+(3)自助努力 の3本柱とされるそうですが、長寿命化して老後資金が不足しがちだから(1)(2)で補填してくれる…とは考えにくく、もう(3)しかない訳です。

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(Thanks! the photo on flickr by Duane Storey CC BY-NC-ND 2.0)

働く期間が長くなるなら…..

せいぜい仕事するのは40年間程度と考えていたのが、60年間とか70年間に渡って仕事をすることになります。

好きでもない仕事を60年間続けなくちゃいけないのは苦行でしょうし、逆に、それだけの長期間に渡ると1つのキャリアを貫く仕事人生ではいられない確率も高くなります。時代の変化はますます激しくなって、現役中に幾つもの職業が失われたり新しく生まれたりする…。

だからこそ、自分が本当にやりたいことをよく考えなさいというのが本書の勧め。

その為に、自分をよく知るよう努めること、キャリアチェンジを恐れないこと、その為の勉強の時間を惜しまないこと、新しいスキルを身につけ、積極的に新たな経験を受容すること、評判を確立してそれを巧くアピールし、健康でい続けるようにし、仲間を作ること等々、これらの努力で得られる 無形の資産 もお金と同様に必要であると説き、その重要性を語るのに膨大なページを割いています。

仮想の人物の仮想の人生も描かれているので、未来を想像する助けになると思います。

結局、人生のシフト(LIFE SHIFT)と言っても、仕事のシフト(WORK SHIFT)なんですよね。僕は LIFE SHIFT をそう読み取りました。著者の前著である WORK SHIFT も併せて読むと良いと思います。

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(Thanks! the photo on flickr by Sharada Prasad CS CC BY-NC-ND 2.0)

死ぬまで仕事するしかない時代へ

少し LIFE SHIFT から脱線しますが、実はとある書籍との出会いで、LIFE SHIFT の寿命に関する考察は甘いのではないかと思い至りました。そのことを最後に少し書いてみようと思います。たまたま手に取ったこちらの書籍。

読んでみて驚いたのですが、分子生物学が今、もの凄いことになっているらしいのです。100歳寿命なんてまだ可愛いもんで、500歳まで生きるなんて話まで出てきてます。

デザイナーベビー(遺伝子操作された赤ちゃん。生まれる前から病気を治せる)の誕生や、骨を折れにくくしたり肥満体質を改善する遺伝子操作、容姿や身長を遺伝操作しうる可能性の示唆、がん・ダウン症・パーキンソン病といった困難な病を遺伝子操作で改善する話などなど。

人の寿命が今まで以上のスピードで伸びるようになるであろう技術が紹介されています。クリスパーというそうで、テキストエディタで編集するように遺伝子操作できるとは著者の表現ですが、もはやSFがもうSFじゃなくなってしまう勢い。期待というより怖さを感じます。

人は神の域に近づこうとしているなと。

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(Thanks! the photo on flickr by MIKI Yoshihito CC BY 2.0)

倫理の問題、法の問題、色々あるけど、寿命は凄い勢いで伸び続けるに違いなくて、もう 老後に備えてどれだけ貯めておくべきかの議論なんて意味をなさなくなるのでは とこの本を読んで感じました。

寿命を推定し、引退年齢を(科学の急速な進化を無視して)決めて、その先は現金資産を切り崩して生きていく人生設計をしていても、いざその歳になった頃に平均寿命が更に10年伸びてました…となっていたら目も当てられませんから。

引退とか老後の安心は、限られた人の特権になっていくのでしょう。僕らは働くのをやめない時代に突入しようとしてるんだと思います。個人的には仕事好きなので、元々そのつもりではあるのですが。

一方で、いつまで生きるか生きてみないと分からない、だから老後の計画が実質立てれない、ということならいつまで生きるか先に決めてしまおう…と、いつ死ぬかを決めてから逆算の人生設計をする時代になる可能性だってあるかもとも思いました。

随分長々と書いてしまいましたが、LIFE SHIFT、自分の人生について再考するきっかけになる良い本です。併せて、更に考え込むことになる ゲノム編集とは何か も是非。いずれもコレという打開策が提示されてる訳じゃないのですけど。でも、旧来型人生設計では破綻する未来を恐れず直視して、今のうちに色々考える機会を沢山持って早めの行動を起こすほうが遥かに良い、と意識を新たにさせてくれる本でした。