ここ数日ウェブ・リテラシーを身につける方法というエントリが話題を読んでいます。梅田望夫氏の「ウェブ時代をゆく」に端を発して、ウェブ・リテラシを高める為という目的で開催した勉強会についてのエントリ。

サイト構築能力やプログラミング能力等の「作る」力をもってウェブリテラシーとする梅田氏の記述(ウェブ時代をゆく : p.209)を引用する一方で、何やらFirefoxやSkypeやブログやWikipediaを「知る・使う」事が着地点になってる気がしないでも無いのですが、「作る」為にはまず「使う・知る」事も当然必要ですから、ここでは「知る・使う」事をウェブ・リテラシーを自分のモノにする第一歩として位置づけて、僕なりに考える3つの条件について書いてみようと思います。

 

ウェブ進化論」を読んだ、「フラット化する世界」も読んだ、「ウィキノミクス」も読んだ、 そして「ウェブ時代をゆく」も読んだ。

で、ウェブの歴史と進化の速さは分かったけど、ウェブリテラシーをどうやって身に付けたら良いんだろう?自分に身に付けられるだろうか?それを続けていけるだろうか?

 

そんな疑問をもしお持ちなら、以下の条件について考えてみる事が助けになるかも知れません。

  1. 新しいモノに興味・関心を持てるか
  2. 周囲にウェブ・リテラシーの高い人がいるか
  3. 気軽に質問・相談出来る環境にいるか

もし全部 Yes なら既にウェブ・リテラシーを高められる環境に身を置けている事になります。というか、全て Yes の人は既にウェブリテラシーの高い人、あるいはその予備軍である事が大半ではないでしょうか。

逆にウェブ・リテラシーを高めたいんだけど巧いこと行かないなぁという場合は、このどれかが欠けている可能性が高いと思われます。新しいモノに面倒くささを感じてしまったり、自分より詳しい人が周りにいなかったり、相談相手がいなかったり…とかとか。

 

お気づきの通りこの3つの条件は、何もウェブリテラシーに限った話ではなくて、全ての「学習」に成果をもたらす為に必要な条件です。ウェブの世界だから特別だなんて事は一切無い訳で。

興味がなけりゃウェブだろうが数学だろうが身につかないし、自分より知ってる人がいないと新しい知見の体得は始まりません。逆に、上記の学習における基礎条件さえクリア出来てればウェブリテラシーは勝手に身につくもんだと思います。

 

実例を紹介しますと、僕の彼女がその良い例です。3年前まで御世辞にもウェブリテラシーが高いとは言えない普通のOLさんで、ちょっとメールしたりウェブサイトを見たりする程度でした。

それが今、愛用のiBookで検索にはGoogleを使い、分からない言葉はwikipediaで調べ、skypeでチャットして、自分のブログを2つ持っています。他にも、

  • ブラウザはFirefox
  • iGoogle使い
  • メールはGMail
  • RSSリーダーでブログやニュースのRSSを購読
  • はてなブックマークの人気エントリRSSも購読
  • podcast聞きまくり
  • youtubeを見るだけでなく投稿も
  • ドメイン所有

ってな感じで、まぁ自身が曰く「人生変わった」というぐらいOLにしては珍しく(?)ウェブの大海を自由に泳ぎ、ウェブと接する事を楽しんでいるように見えます。

そして、こうなる過程は全然苦ではなくて楽しんでた感じ。よくよく聞いてみると、ちゃんと3つの条件をクリアしていたようで、興味や関心は基本的にあったし、教えてくれる人もいたし、気軽に相談できる環境にあったという事のよう。

 

ただ特筆すべきは、「3. 気軽に質問・相談出来る環境にいるか」の条件が満たされた途端にウェブリテラシーの体得速度が高まったらしい事です。話を聞いていて、なるほどなと思いました。

失敗しても、何かおかしくなっても、すぐにそれを解決出来そうなアテがあったり、疑問をすぐにぶつけられる先があったりすると学習曲線の傾きってより上向くものです。

上述したとおりウェブリテラシーの習得過程は一般的な学習と全く一緒。学業で(1)と(2)を満たした上で、(3)の条件を満たす家庭教師が付くとすぐに成績向上するように、気軽に質問・相談できる環境作りが重要なんでしょう。

だから、ウェブリテラシーをもっと高めたい!!っていう人は、(1)と(2)のクリアをまず目指し、理想的には(3)までクリア出来るよう自ら働きかけてみる事をお勧めします(具体的な方法はまた別エントリで書いてみたいと思います)。

 

そして、ウェブリテラシーを沢山の人にもっと高めて貰いたいなぁと考えておられる方は、(3)の条件をクリアさせてあげられるような立場になってみるという視点もアリかも知れませんね。

これは自分に向けたメッセージでもありますが、セミナーを主催してレクチャーするってな王道以外にも、いつでも聞いてくれよ的なスタンスで立ち振る舞うのも一つの方法かも知れません。叩けば即響くウェブリテラシーの鐘があると、当事者の安心感が学習効果を増大させるんじゃないでしょうか。

 

僕はこの考え方を、少し前からファイナンス・リテラシーに当てはめています。(3)の条件がもっと満たされないかなぁと思いつつまだまだ勉強中の身ですが…