2024.09.30 (Mon)

今、ブラウザだけどブラウザっぽくないブラウザアプリを開発していて、開発するに至った背景や思いみたいなものを「考察」として書いています。今回はその第2回。前回と前々回は以下です。

前投稿では、スマホでWebを見る時に2つのモノを邪魔に感じると書きました。

  1. Adネットワークの広告
  2. ブラウザやOSの標準UI

このうちまず2.を無くしたい、2.の表示/非表示をコントロールしたい、…というのが前回投稿の主張でした。以下はその考えで試作したアプリの様子です。


ブラウザアプリ使用中に標準UIが一切出てこなくなると「視界が開けたなぁ世界は広いなぁ」と実感できます。我々はずっと、狭窄したスクリーンでWebをのぞき見るというユーザ体験に慣らされてきたのかも知れない…、Webブラウズ中に不要な標準UIを無くしてみて初めてそう思いました。

さて、スクリーンの広さを阻害する存在…としてもう一つ気になるのは、Adネットワーク広告です。本稿では、そのAdネットワーク広告について、スクリーンを占有する存在という捉え方で考察してみたいと思います。(昨今何かと問題になっている広告内容の是非については言及しません)

 

ユーザのスクリーンを占拠するもう一つの要素

例を見るのが分かり易いので、あるサイトのページを例示します。皆さんご存知のレシピサイトですね。前回同様にWebコンテンツそのものではない領域に色を乗せています。青色部分がiOSやSafariの標準UI、赤色部分がAdネットワーク広告です。

20240930_kurashiru_normal

画面下部の赤色部分がお馴染のAdSense広告です。これ単体でも結構なスクリーン領域を占めており、占有率は9.6%で約1割。これは、ユーザがレシピサイトでレシピを見ようとしているのに、スクリーンの9.6%はその目的のために使えていないことを意味します。

AdSenseだけではありません。標準UIの青色部分もコンテンツ閲覧には関係がない箇所です。前回投稿で解説しましたが、この部分はスクリーンの約2割ですので、合計するとスクリーンの約3割がユーザの見ようとするWebコンテンツではないもので占められていることになります。結構大きいですね。

そしてスクロールすると状況は悪化します。

20240930_kurashiru_ad

Safariの標準UIが少し占有率を下げるものの(最下部)、追加のAdSense広告(画面中央)が現れてきます。その占有率は意外に大きく単体で27%。ずっと居座ってる前述の画面下部の広告と併せると、AdSense合計スクリーン占有率が37.5%の約4割となります。AdSenseだけで…です。

少し控えめになったとはいえ、青色部分のiOSやSafariの標準UIも残ってますから(約13%)、合計するとスクリーンの約50%がWebコンテンツと無関係なもので埋まってしまうのです。ユーザはWebブラウザアプリを使っているのに、Webコンテンツのためにスクリーンの半分しか使えてないことになります。

あと忘れてならないのは、画面中央AdSense広告の周囲グレー色部分です。実はHTMLを解析すると広告領域として定義されていることが分かります。ですので、下図のように捉えることもできます。

20240930_kurashiru_adex

こうするとAdSense広告だけで合計53.3%となり、標準UIを合算して約66%。四捨五入すると約7割です。なんとスクリーンの約7割がWebコンテンツと無関係なもので埋まっている状態となります。

まぁ、スクロールすると真ん中のAdSense領域はスクリーン外に出て行きますから、常に7割が占拠されているわけではないのですけどね。

そうだとしても、Adネットワークも標準UIもユーザのスクリーンを何だと思っているんだ?…と疑問が湧いてきます。電気代返して…。特にAdネットワークは割合を計算すると本当に酷いです。最大で53.3%ですから。過半数越え。もう少し遠慮して頂きたい😤

そう考えると、昨今話題に事欠かない広告ブロッカーについて考えたくなるというものです。

 

ユーザのスクリーンを取り戻す

僕は広告ブロッカー賛成派で、随分前から使ってます。が、Adネットワーク広告がスクリーンを侵しているという観点で言うと、現存の広告ブロッカーでは完全な解決に至れてないなと考えています。

以下に広告ブロッカー使用前後の比較画像を作ってみました。左は before、右は after です。

20240930_kurashiru_adex
(標準のSafariで表示。広告ブロッカーには有名な280blockerを使った)

画面下部のフローティングなAdSenseは消えている一方で、画面中央にあったAdSenseは内容こそ非表示になっているものの、領域はそのままです。これではユーザのスクリーンがAdネットワーク広告に侵されたままの状態は変わりません。

広告ブロック機能を搭載している ArcBrave のようなブラウザアプリでも同様です。

20240930_kurashiru_adex
(左がArc、右が Brave。いずれも広告ブロッカー機能を標準搭載したブラウザアプリ)

こうではなく、広告表示用の領域ごと非表示にして欲しいと思うのです。DOM要素まるごと。上図の例で言うとグレーの領域全部です。

まぁサイトによっては領域まるごと非表示になってくれる場合もあるのですが、そうならない上図のような例が多い印象です。これは、サイトによってAdネットワーク広告の埋め込み方が色々異なるからですね。

そして、前回投稿から繰り返し書いているように画面の上下にある標準UIも非表示になって欲しいわけです。スクリーン全てをWebコンテンツのために使いたいですから。

私のスクリーンを返して…

これが課題認識であり、従って現存のブロッカーでは正直不満なのです。基本、全部丸ごと非表示にできるようにしませんか…と。前回投稿で標準UIを原則非表示にしたのと同じですね。Webコンテンツを見たいのだから、Webコンテンツ以外は何であれ見えて欲しくない。

この考えを反映して実装すると、こうなります。

20240930_kurashiru_adex

広告用だった領域がまるごと非表示になりました。そして標準UIも表示されていません。なんと広々としたことでしょう😊 せいぜいレシピの手順2,3ぐらいまでの表示だったものが、グラタンが完成する手順9まで表示できています。

Webコンテンツを見るってこういうことじゃないでしょうかね。

無論、これをサーバ側で行う実装は著作権的に完全アウトです。コンテンツ改変と解されることをして再配信することになるわけですから(公衆送信権や同一性保持権等の侵害)。しかし、クライアント側でユーザが自分の利用する範囲において非表示にするなら、既存の広告ブロッカーやブラウザアプリと何も変わったところはありません。

ちょっと技術的なことを書くと、iOSではiOS11からOSの標準機能としてブロック機能が搭載されました。具体的には WKWebView を内蔵ブラウザとし WKContentRuleListStore のインスタンスにルールセットを指定してバインドすれば、内蔵ブラウザ部分が様々なものを無効化・非表示化することができるようになっています。多くのブロック機能搭載ブラウザがこれらを使って実装されています。

20240930_extension
(280blockerのようなSafariに機能させるブロッカーはextensionで実装する。上記はその公式ドキュメント)

開発中のアプリでももちろん同じ仕組み WKContentRuleListStore を使っています。AppleがiOSに標準搭載しているブロック機能を使用しているだけ。少し違うところを書くなら、ルールセットの与え方を若干工夫している点でしょうか。それによりAdネットワーク広告の内容だけでなく、その領域もほぼ確実に非表示にできる機構を備えています。以下は実際に動作する様子を示したキャプチャ動画です。

(サーバ側の実装で改変している訳ではなく、オリジナルのhtmlを受信したアプリ側がiOS標準機能で非表示化する)

スクリーン全体でWebコンテンツを表示できていますよね。余計なものが一切ありません。なお、見るWebサイトを切り替える方法は、これまでの投稿で未言及のため上記動画では省略してますが、またの機会に紹介できればと😊(見ようとするWebサイトを切り替える仕組みを別途用意するつもりです)

ところで、ご存知の方も多いと思いますが2024年9月にリリースされたiOS18では、広告表示用の領域ごと非表示にすることが可能になりました。だからサイト毎に非表示に出来ることに目新しさはもう無くなってしまいました。以下、実際に使っている iOS18/Safari の動画です。

(都度、ページごと広告ごとに何度もタップする必要があるだけでなく、リロードで復活してしまう。常用は現実的でない)

依然として標準UIは表示され続けているため、スクリーン全体でWebコンテンツを楽しめるわけではありません。これはこれでアリだと思いますが、やっぱり標準UIは消えて欲しい🙄 そしてAdネットワーク広告は領域ごと非表示にしたい。

スクリーン全体にWebコンテンツを表示させたいのです。

そんなユーザ体験を作ることができたら、iOS・ブラウザアプリ・Adネットワーク広告が散々削ってきた我々ユーザのスクリーンを取り戻せると思うんですね。

 

だいぶ長くなってので一度このへんで区切りとしたいと思います。

実はAdネットワーク広告については論じたいことが沢山あります。「広告があるから無償で見れてるんだぞ?」とかとかですね。一応、自分なりの答えを持って開発をGOしている次第なので、そのあたりもどこかで書いてみようと思います。今回の投稿には収まりそうに無く、また別の機会に投稿できればと🙂

ということで本稿では、我々ユーザのスクリーンを占拠するAdネットワーク広告を表示領域ごと非表示にしたいと考えていること、その背景、また実際に実装して動作させている様子もご紹介しました。次回は、スクリーン全体でのWebコンテンツ表示に執着する理由について、別の切り口から書いてみようと思います。


2024.07.28 (Sun)

前回の投稿で超久しぶりに新作アプリを作っているという話を書きました。

20240728_testflight.jpg
(TestFlightを使って開発中アプリを関係者に配信している。バージョンを重ねて総ビルド数は100近く)

カテゴリ的にはブラウザで、B2Bも一応意識したB2Cなアプリです。ブラウザやアプリ全般に色々思うところがあって、あーでもないこーでもないと作り続けていたら、ブラウザらしくないブラウザになってきた…ってのは前の投稿で書いた通りです。

まだまだ時間がかかりそうなので(POである僕のせいです😓)、何で作ろうと思ったのかを発信してみることにしました。ソフトウェアは動くもので語るべし…という考え方もあるのですけどね。開発中の画面キャプチャを入れながら、作るきっかけとなっていることを不定期に「考察」として投稿していきます。

今回はその初回で Screen Ownership について。余り聞きなれない言葉ですが…っていうか僕が勝手に言ってます。スクリーンは一体誰のものなのか、という視点でブラウザアプリを考える話。(長いです…)

 

Webはスクリーン全体で見れるべきではないか

iPhoneのブラウザでWebを見るとき「ちょっと邪魔なもの多くない?」って感じること、ありますよね?皆さんは何を邪魔だと感じるでしょうか。それとも、特に邪魔だと感じるものは無いでしょうか。

僕の場合、以下の2つが特に邪魔だと感じてしまいます。

  1. Adネットワークの広告
  2. ブラウザやOSの標準UI

前者は御多分に洩れずですね。AdSenseをはじめとする、残念な広告が表示されるお行儀の悪い系のやつ。最近は何かと問題も多いです。これは話が長くなるので機会を改めることにして、今回は2についてです。

具体例があるほうが分かり易いので、Apple公式サイトのiPhone15のページをiOSのSafariで表示した画面キャプチャを用意してみました。特に注目して頂きたいのが半透明の水色に塗った領域。ここがずっと邪魔だなぁと感じているんですよね。ホントにいりますかね、これ🤔

20240728_iphone15_standardui

上部にはステータスバー(OS標準UI)、下部にはアドレスバーとツールバー(Safari標準UI)がありますが、iPhone15の場合この画面占有率はスクリーンの約2割です。Webコンテンツを見ているのにWebコンテンツ以外がスクリーンの約20%も占めていて、これって結構な占有率です。

画面を下方向にスクロール(上スワイプ)すると、下部にあったアドレスバーは細くなりツールバーは姿を消し、余裕ができてスクリーンに対する占有率は約13%に落ちます。

20240728_iphone15_standardsmallui

ですが、上部のiOS標準UI、下部のSafari標準UIが残っているという意味では一緒です。そして、画面を下スワイプして上方向にスクロールすると…ニョキっと復活してきて元通りになります。

20240728_iphone15_standardrestoredui
(画面下部のコンテンツ部分がいっきに隠れる)

いぁいぁ、そこはコンテンツの場所だよ!引っ込んでて!勝手に出てこないで!って突っ込みたくならないでしょうか。僕だけでしょうかね。

テレビを見てる時にこんなことはないと思うのです。また映画中に画面上部に何かが表示され続ける事もありません。まぁテレビはリモコンという別デバイスがUIの役割を担っているとか、映画は完全受動であるからそもそもUIは不要だとか、理由は色々ありますが、視聴者がスクリーンのコンテンツに没入できる作りにはなっています。

Webも基本こうあるべきではないかなと。ユーザが何かをしたいと思った時にのみUIが現れたらいい筈です。アドレスバーに何かを入力したいわけではないし、時間を見たいわけでもない。なのになぜそこに鎮座しているのだ?と。特にスクリーン面積が小さいスマホでは尚のことです。

ユーザ体験を「アプリ」という形で閉じ込めているネイティブアプリが、独自UIでスクリーンの一部を占有するのは分かります。その為の「アプリ」ですし特別なユーザ体験の為にわざわざ「アプリ」にしてるのですから。

20240728_mcdonald
(マクドナルドのアプリには特化したツールバーが最下部に鎮座している。これは邪魔だとは感じないし無いと困る)

しかし、見るコンテンツが規定されないWebブラウザアプリの場合、UIの存在感を徹底的に消す必要があると思うのです。Webを見るためのブラウザアプリが、Webを見ることを邪魔してどうするんだと。

 

スクリーンをより広く使う機能やアプリ

実は(?)標準のSafariには「ツールバーを隠す」という機能があります。ですが、全画面での表示にはならず、標準UIを少し抑制した程度です。やはり水色部分は邪魔に感じます。占有率は13%。

20240728_mcdonald → 20240728_safari_hidetoolbar_result

これ以外にもSafariには「リーダー」という機能がありますが、やはりステータスバーは残ります。これで占有率約7%。このまま画面を少し上方向に動かす(下スワイプする)とまたやっぱり最下部のバーが復活してしまい、占有率は約20%に戻ります。

20240728_saari_reader_result → 20240728_saari_reader_result_bar
(コンテンツに集中できるリーダーというモードがある。上図は本ブログ直前の創業18周年エントリ)

加えて、リンクを踏むと「リーダー」は解除されてしまうので、残念ながらSafariの「リーダー」機能はWebコンテンツに没入というところまでは行けません。

では、Safari以外のサードベンダーのアプリはどうでしょうか。

以下に代表的なブラウザアプリで、冒頭の例と同じくiPhone15のページをキャプチャして並べてみました。それぞれ、Webコンテンツ領域が最も広くなる状態にしています。確認したブラウザアプリは、Arc, Brave, Chrome, DuckDuck Go, Firefox, Opera, Vivaldi, Edge です。

20240728_allbrowsers
(Webコンテンツ以外の箇所を水色で表現)

ほぼ一緒ですね。ステータスバーが残ったり(全部)、パスの表示が残ったり(Brave, Chrome, Edge)しています。時間やバッテリー残量、ドメインの情報も確かに大切ですが、Webを見ている間ずっとその情報が必要なのでしょうか🤔

世界には同じ疑問を持つ人がいるのか、App Store には fullscreen browser なるジャンルのアプリが幾つもあります。Cloudy, Stadium, Kiosker…等々です。

が、ゲーム用途で横持ち専用とか、せっかくのフルスクリーンのブラウザなのに全画面で広告が表示されてるとか(なんで?笑)、月額課金しないと何もできないとか、なかなか「コレだ!」というものがありません。

20240728_dynamicisland
(Cloudyの画面。横持ち専用で縦持ち非対応。全画面だが左端の結構目立つ位置に設定ボタンが常に表示される)

国産ブラウザの代表格であるフェンリルさんの Slepinir は結構良い線までいってます。フルスクリーン表示に関する設定があって、しかるべき設定をすると理想の画面表示になってくれるのですよね。

20240728_sleipnir_fullscreen 20240728_iphone15_sleipnir_fullscreen
(国産ブラウザのSleipnir。全画面で閲覧できて広々とコンテンツ閲覧が可能。最下部のグレー部は表示ページの中身)

しかし残念ながら、ページ最上部に来ると勝手にステータスバーが出てきてしまいます。

20240728_iphone15_sleipnir_top
(画面最上部に近づくと勝手にステータスバーと空白スペースが現れる。占有率は約11%)

やっぱり勝手に出てきちゃう…😫 Safari を含めて他のブラウザと一緒ですね。出てくれ!とは一言も言ってないですし、ページの最上部に来たからといって、他のページに行きたいのではありません。そこにはWebコンテンツを表示して欲しいのです。

このように完全にフルスクリーンでWebに没頭できるアプリは見たところ無さそうという感触です。

 

スクリーン全体でWebを見るための技術

もう少し別のアプローチで考察してみましょう。

実は、特別なアプリを用意しなくても、ある技術的な仕組みを使えば Safari の表示をコントロールすることが可能です。iOS17が備えている(対応している)技術は以下の2つ。

  • (a) PWA (Progressive Web Application)
  • (b) 構成プロファイルのWebClip

(a)はWebアプリをネイティブっぽく見せる為の技術で随分前からあるものですね。このブログでも過去に言及しました。Webサイト側で特別な記述をした manifest.json なるファイルを用意してやると(厳密はもうちょっと色々必要)、HOME画面上にWebアプリ(サイト)をネイティブアプリっぽくインストールすることができるというものです。

20240728_pwa_home
(PWA対応の国内サイト例。BOOTHCatsMe!をHOME画面に登録(インストール)している状態)

PWAは実質 Safari のブックマークですが、HOME画面上に置いた状態からタップして「起動」すると、邪魔なバーを消した状態で起動します。内部的には Safari で表示されているのですが、不要なものが表示されないのでネイティブアプリっぽく見えるというからくり。

20240728_pwa_booth 20240728_pwa_catsme
(BOOTH(左)は2023年にネイティブアプリの開発をやめてPWA化した。CatsMe!はWebなのにPush通知が飛んでくる)

確かにネイティブアプリっぽくはなりますが、残念ながらステータスバーが残ります。これだと上で紹介した Safari 以外のブラウザアプリと同じですね。

それに、PWAは manifest.json の用意が必要など「サイト側が対応しなくてはならない」という課題があります。ユーザが任意のWebコンテンツを全画面で表示するという手段にはなりません。

次に(b)のWebClip。これは元は業務用の仕組みで、会社支給のiOS端末にWebサイトのショートカットを一斉配信するための技術です。業務用iOSに関する発信をしている弊社サイトで詳細を紹介しています。

これも Safari を特別仕様で起動するブックマークのようなもので、徹底的に不要なものを消す設定にすると下図のような表示を実現できます。

20240728_webclip

残念ながらやはりステータスバーが残ります。以前のiOSではステータスバーを透過にして、時刻・バッテリの表示だけが残る…という状態まで持っていくことはできたのですが、iOS17では上図が限界。いずれにしても完全なWebコンテンツ没頭とまではいきませんね。

WebClipを作成する画面では「フルスクリーン」とあり、

20240728_ac2

これをONにした状態でもステータスバーの表示が残るということは、iOSにおけるフルスクリーンとは、ステータスバーを除いた領域のことであると考えることもできます。が、これは納得がいかない…。

Safariを普通に使っても、既存技術を組み合わせても、サードベンダーのアプリを使っても、スクリーン全体でユーザがWebコンテンツに没頭するのは難しそう…。それじゃぁどうするか。

 

無いなら作る

いつものことですが、無いなら作ってみようというわけです。

で、「Webコンテンツを見ている時はUIはいらない!」って考えを追求した結果、下の動画のようになりました。iPhone15のページを、開発中のアプリで実際に表示&操作している様子です。上下を切り取っているわけではなく、画面の上から下まで丸っとキャプチャしています。


(実際の端末で見ている時は画面最上部に Dynamic Island がある)

普通にWebコンテンツを見ている時も、上下に移動したりページのTOPまで移動してもUIが邪魔してない状態です。何のアプリを使っているかすら分かりませんね。ブラウザアプリが徹底的に自身の存在を消すと、ユーザのスクリーン全体にWebコンテンツの世界が広がります。

冒頭のキャプチャ画像と見比べて貰うと分かりますが、スクリーン中の情報量が多くなってますし、何より開放的な感じがします。これがWebコンテンツに没頭できる状態ではないかと思うのですよね。

このユーザ体験を至上命題とし、その上で、表示するページを切り替える方法やその他のUXをゼロベースで考え直したらブラウザはどうなるのか、という実験や研究をしながらアプリを作っています。

実際、ユーザが何らかの操作をしたいとか、別のサイトを表示したいと思った時にUIをどうするかが一番の課題ですが、それを解決(?)するとこうなります。


最後の最後に、ブラウザアプリとしての専用UIやステータスバーがヒョコッと出てきたのが見て貰えるかと思います。って動画を撮ってみたものの、何をやったら出てきたかは全然分からないのですけどね😅

幾つかある解決策の一つとして有力なのは、ジェスチャーではないかなと考えています。とはいえ、ダブルタップやスワイプ等のWebコンテンツ閲覧中の操作と競合せず、分かり易くて且つ無理の無い操作でなければならないので難しいのですけどね。このあたり試行錯誤しています。

 

というわけで、エラい長文になってしまいました。何が書きたかったのかというと、スマホのスクリーンはユーザのものであり、Webを見る時は全画面でWebコンテンツが表示されるべきではないかという問題提起だったのでした。

ここまでうるさい(?)のは自分だけかも知れませんけど。実際に奥さんに聞くと、(ステータスバーやアドレスバーの件は)そういうものだと思ってるから気にならないって意見でした。でも、やっぱりスクリーンはユーザのものです。Webを見ている最中はスクリーンの表示領域1ピクセルたりとも無駄にしたくないんですよね。

この考えは、冒頭でもう1つ挙げた「Adネットワークの広告」の話にも繋がっていきます。次回は、Webの広告をテーマにブラウザ考察をしてみたいと思います。


2024.07.09 (Tue)

2024年7月7日、創業から丸っと18年が経ちました🎉

あっという間に1年が過ぎてしまいまして、大きな変化も特になく平穏にまた一つ区切りを迎えることができました。これもひとえに社内メンバーやパートナーの皆様、取引先企業やご担当者様あってこそ。改めて御礼申し上げます。また経営者仲間や友人の皆さん、色々相談に乗ってもらったり楽しい時間を過ごさせて貰ってまして、いつもありがとうございます。

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(今年も創業記念の食事会)

ある漫才師さんによると19年目は節目の時だそうで、弊社もそんな19年目に突入します。素数ですね。2016年以降の弊社は良いのか悪いのか余り変わり映えもしないのですが、恒例の(?)近況報告を書いてみようと思います。

 

Web事業

Webサイトを高速化・セキュリティUPさせる espar という事業をやってます。静的化という技術をご提供するSaaS型サービスで、もうかれこれ7年になりますね。粛々淡々とご提供を続けており、主担当エンジニア @t0shiya の技術力が最大限に活きていて、お客様からはSLAが高い(サービスとして安定してるということ)とご評価を頂いてます。

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(伊藤園様の例。大谷選手の全世界同時キャンペーン発表時の集中アクセスでビクともしなかった)

また espar form という関連サービス(JavaScriptベースの問い合わせフォームツール)も粛々淡々と…ですね。昨今の個人情報漏洩事件もあってか、フォームの入力内容を一切保存しないという特徴を評価頂くケースが増えています。これは想定外だったのですが、SaaS型の問い合わせフォームツールではなかなか無いのだそうで。

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(新たに宝塚歌劇団様のサブスクサイトのフォームで採用頂いた)

こんな感じで「静的化」をキーワードに、Webサイト運営の不安や課題を払拭する事業を続けてます。 Webは静的化を中心に据えるとホント色々良い事が多いので、静的化をまず中心に据えるWebサイトがもっと広がれば良いのになと思いますね。

そんなこんなで(?)、静的化を中心にWeb技術を深掘りして発信するのも良いかも知れないと思い至りまして、新たな情報発信をやってみようかなーと考えてます。

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(七夕の短冊にも宣言しました)

 

iOS事業

永遠にリリースされない気すらしてきた自社の約10年ぶり新作アプリですが、静かに静かに続けてます。ホントいつになるんでしょうか。ひょっとして、作ってる作ってる詐欺?🤔 20240709_discord.jpg
(関係者だけの Discord サーバを立ち上げてみたり…)

作ってますと書いてからもう5年目に突入してますから、いい加減、何をやっているのか少しずつご紹介していこうかなと思っています。

作ってるのはブラウザ…のようなもの?🤔

20240709_browser.png

…でしょうかね。自分でも表現に苦しむのですが、ブラウザだけどブラウザじゃない、そんな iOS native なアプリです。一応Webのためのアプリではあるので、ブラウザに分類されるとは思います。

今更ブラウザっ!?😳 はい、僕もそう思います(笑)

が、昨今のWeb全般やアプリ全般について思うところが多々ありまして、実際に動くものを世に出して問題提起してみようってな事で作り続けている次第です。

そういえば8年前に事業売却したSYNCELってアプリもそうでした。当時「書類は電子化してクラウドに置いてiPadで見ましょうよ」が自分の問題提起だったのですね。今では普通になりましたけど。プロダクトで未来を語る…的ないっちょまえなこと(?)をやっていました。懐かしい。

閑話休題。

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ま、そんなこんなで、ブラウザだけどブラウザじゃないブラウザを作ってます。

あーでもない、こーでもない、と言いながら4年以上も無茶振りに付き合ってくれているのは開発パートナーの @hitonomichi さん。そして、ブラウザアプリなのに何故かサーバサイドのエンジニア @t0shiya まで巻き込む事態になってきました。これもブラウザらしからぬ仕様によるものです。

これから、アプリに込めた思いとか、どんなことをやっているのかとかをちょいちょいアウトプットしていきたいと思います。

ちなみに、弊社iOS事業の強みであるエンタープライズ分野も続けてます。業務用iOS向け発信をほぼ隔週更新でやっていますが、サイトを見たので…という理由でお引き合い頂くことが多く、上場会社様を中心にADP/ADEPの運用とかカスタムApp化についてのご支援も続けています。

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(紹介資料より。上場企業様を中心に実績が増えてきた)

 

働き方

フルリモートでVR会議ってスタイルは変わっていません。META Quest用のVRワークアプリのWorkroomsは、先日大幅アップデートされまして、めちゃくちゃ使い易くなったんですよ。

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(空間を「繋げる」だけのビデオ会議に対して、VR会議は同じ空間に「集う」感じがとても良い)

VR会議はもう3年ぐらい毎日やってますが、追随して下さる会社様がなかなかなくて少し寂さを感じている今日この頃です🙄 Apple Vision Pro が話題ですが、ゴーグルを仕事に活用…という観点では一日の長というかQuest3Workroomsが実は結構オススメだったりします。安いというのもありますし😊

  

長々と書いてきましたが、総じて余り大きな変化もなく粛々とやっている感じです。19年目も変わらず淡々と事業をしていきたいと思います。今後ともフィードテイラーをどうぞよろしくお願い致します。


2023.12.29 (Fri)

今年も1年があっという間に過ぎてしまいましたね。AIが世間を賑わせていた1年でした。そんな中、相変わらずこれまで通りの仕事を続けられているのは有り難い事です。弊社に関係して下さっている全ての方に御礼申し上げます。

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(generated by Midjojurney v6.0)

こちらのブログには創業記念日と年末の振り返りぐらいで、年3回ぐらいしか投稿しなくなってしまいました😓 iOSの技術的なことは隔週でこちらに、プライベート色が強めな事はこちらに、それぞれ投稿するようになった…というのもあるのですが。

今回は主に会社や事業のことということで、例年通り本ブログに記録として2023年の振り返りを記したいと思います。

 

iOS事業 (業務用アプリ支援)

今年はなんといってもiOS事業、特にB2Bのご支援の増加です。業務用アプリはB2Cのアプリとは少し勝手が違うので、そのあたりのノウハウを伝える研修事業を始めた昨年、少しの手応えを感じつつこんなことを書いてました。

開始直後から問い合わせを頂き、成約に至った企業も上場企業を含め数社様おられます。世の中の課題を捉えていたのか、事業として悪くない初動でした。

今年も同様にお引き合いを頂きました。単なる研修だけにとどまらず、お客様社内向け業務用アプリ開発ガイドラインの策定ご支援でガッツリ入るとこまで関わらせて頂くケースが増えたのは新しい動きです。以前からプチご支援はありましたが、急に数とボリュームが増えた感じです。

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(国内では開発を外部委託する企業が多いため、エンドユーザ企業として開発会社にポリシーを伝えるドキュメントも必要になる)

ガイドラインを作りたいという規模感になると、やはりお客様は皆様ほぼほぼ上場企業様です。鉄道・製薬・証券・食飲料・興行・コンサルと業種は多様。アプリやiOS端末の活用が業界問わず広く浸透しているのを実感しました。

創業来「自分といえば…自社といえば…という何かを持って尖ること」を生存戦略としてきましたが、それが間違っていなかったことを改めて感じます。やっぱり突き抜けてナンボかもですね。

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(研修資料から。開発会社でも余り意識しない証明書やProvisioning Profileの原理や仕組みまで説明)

技術的なことをベースに研修・解説したり、マニュアル作りや運用等のご支援をすることが自社の強みの強化に繋がっています。

MDMからABM、アプリ開発における証明書や秘密鍵の仕組み、App Store Connect に TestFlight でのテスト設計まで広範囲に網羅しており、ベースドキュメントはWordで約200ページ、研修用PowerPoint資料は約700ページと自分でもビックリする量に膨らんできました。

案件数をこなせないため、現在はご支援をお断りしている状況ですが、来年はもう少し整備して幅広くご支援できる体制を作りたいと考えてます。

 

iOS事業 (自社アプリ開発)

もう何年やっているんだ…?ですね(笑) えぇ、早いもので3年経ちました😳

弊社エンジニア @t0shiya とパートナーの @hitonomichi さんに長らく僕のワガママに付き合って貰っていることになります。自分が欲しいなぁと思うiOSアプリを採算や収益を全く考えず、あーでもないこーでもないと、ワイガヤしながら作ってます。

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(ワイガヤするのは相変わらずVR会議で)

お金のことを考慮せず作りたいものを作るのは純粋に楽しいです。こんな無責任な(?)ことをやっていられるのも、他の事業で収益を確保できているからなので、お取引をさせて頂いているお客様には感謝しかありません。もちろん主事業もおろそかにせず続けて参ります。

昨年は、

来年、TestFlightの外部テストを使ってクローズドベータ的なことができれば良いかなと思っています。

ってなことを書いていたのですが、これは実現せずでした。来年は…どうでしょうかね。

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(TestFlightの内部テスト用のビルドがただただ積み上がっていくw)

時が来ればまたご紹介したいと思います。来る…のか?🤔

 

Web静的化事業

espar というブランドでWebサイトの静的化にまつわる事業をしています。WordPressサイトを静的化してセキュリティ強化や高速化する espar、PHP不要な問い合わせフォームツールの espar form が主なサービスです。

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(財団法人様サイトでの導入。傾向は変わらずで上場企業様や公の側面が強いお客様に好んで頂ける印象)

実は、今年は前述のiOS分野に注力していて全く営業らしい営業をしていません。

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(フードロス事業で有名なTABETE。PHP不要な問い合わせフォームを量産できるのを評価頂き espar form を導入頂いた)

新規については、サイトからの問い合わせや過去に採用頂いた会社様から別案件の依頼などでポツポツとという感じです。

問い合わせフォームツールの espar form は、7月の創業日エントリでも書かせて貰った通り生成系AIを活用した機能追加を検証中でして、来年は何かしら発表したいなと思います。

 

経営指標

別に事業でもなんでもないですが例年と違うことが1点。創業してから約17年間で一番自社の財務諸表をちゃんと眺めていた1年でした。

個人で株式投資をやってまして企業の財務諸表を見て分析しては日頃から銘柄物色をしています。ふと、同じ視点で自社をちゃんと見たことなかったなぁと気が付きまして、過去の財務諸表を遡ってちゃんと指標を見るようにしたのです。今更!😳

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流動比率、固定比率、固定長期適合率、自己資本比率、ROE、ROA、等々の色んな指標ですね。自分で指標も作ってみたりとかして。ここは一般的な水準以上だなとか、この指標は少し低めだからアレしよう等と指標ベースで考えられるようになりました。

ホントはちゃんと考えなくちゃいけなかった事です。よくこんなスタンスで17年やってこれたなと。反省しつつ来年以降の経営判断にも活かしていこうと思ってます。

 

ということで、2023年の振り返りでした。2024年はiOS事業をB2B/B2Cともにリソースを最大限に投入して強化していきます。フィードテイラーをこれからも宜しくお願い致します。


2023.08.19 (Sat)

先日の2023年7月7日に、創業してから丸17年となりました🎉

弊社と関わって下さっている、沢山のお取引先や社内メンバーや開発パートナーの皆さん、そして経営者仲間やお友達の皆々様に改めて御礼申し上げます。時間が経つのがアッという間なのは毎年変わらずですが、お陰様でこの1年間も元気にやれています。

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(今年は開発中のサービスに協力して貰っている @hitonomichi さんをお迎えして和懐石)

例によって記録に残すべく近況報告を書いてみようと思います。

 

iOS事業

この1年、業務用iOSアプリ関連のご支援が急増しました。

昨年あたりから業務用iOSアプリの作り方が変わる過渡期に入っていて、今後どうすれば?…と業界全体が若干ざわついてる状況だったりします。それを受けて上場会社様を中心に、研修をさせて貰ったり、社内マニュアル整備の御支援をすることが増えています。

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(紹介資料から。セミナーと個別相談をパッケージ販売)

業務用iOSアプリの開発と運用の両方に精通した企業が国内では弊社以外には見たところ無さそうで、幸いにして参入障壁を高くできていることと、それを裏付けるアウトプットをし続けてきたことが奏功している格好になるでしょうか。

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(今も月2回の情報発信を続けている)

色々とアウトプットしてきた仕込みが実り始めたと言えるかもですが、ぶっちゃけここまで来るのに丸3年かかってますね😅

得意分野でより尖り続けることと発信し続けることは、かねてより自社・自身の生存戦略です。が、それだけではやはりダメで、タイミングとかマーケットの趨勢が自社の向いてる方向に合わないと難しいものだなぁ…ということを改めて実感しています。

今は確実に合ってると断言できる状況なので、これを商機に次の1年も発信を強化していく予定です。その一貫でサイトのリニューアルを進めています。

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ブログ形式以外の発信手法の多様化や、新たに英語圏への発信にも取り組んでみるつもりです。

 

Webサイト静的化事業と生成系AI

Webサイトを静的化するというテーマの事業は変わらず続けてます。以下のようなこと。

  • WordPressサイトを静的化する espar
  • 静的化サイトで問い合わせフォームを実装できる espar form
  • Webサイトを丸っと残す espar archive

マーケットは盛り上がりにかけていますね。前述のiOSの世界のように「神の思し召し」的なうねり(?)がwebでは起こりにくいので、市場を自ら刺激していかなければなりません。が、iOS事業の方にリソースを割いていて余り積極的に発信していないのが正直なところです😅

静的化自身はとても良い技術なので、もう少し発信を頑張って市場に働きかけていきたいと思ってます。

ちなみにこの事業は、ChatGPTを始めとするLLM(Large Language Model)なAIとの相性が良く、AIで既存機能に味付けができないかと研究調査や試験的実装・評価をしている真っ最中。いつも僕の無茶振りに付き合ってくれているエンジニアの @t0shiya にはホント感謝です。

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(Azure経由でOpenAIのAPIを使用。今となっては普通ですね)

1つは既に実装を終えて自社内で評価中というステータスです。いずれ発表したいと思います。

 

働き方

昨年から、1週間程度、大阪から離れた場所でのワーケーションを積極的にやってます。先進的な企業さんに比べると周回遅れな感じが否めませんけど。昨年の淡路島、今年は札幌、そして直近で富山。

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(7,8割は仕事して、残りはオフにして観光というスタイル)

直近の富山については個人ブログにレポートを書きましたので宜しければご覧下さい。

弊社の身近にも、家族巻き込んで沖縄で2週間リモートワークしましたとか、1ヶ月程田舎に移住してしまおうかとか、色々と話を聞くようになってきました。ITの世界で仕事ができる特権をいかして、遅ればせながらですが、場所に縛られない働き方を推し進めていきたいと思います。

あ、最後に。 以前に note に投稿したVR会議 は継続して毎日やってます。アクティブな案件があるパートナーさんとは毎週ですね。

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(とある会社さんにVR会議の実際をセミナーしたり)

仮想空間でミーティングするのがもはや当たり前になってしまいました。僕が出張時やリモートワークの時は例外的に Google Meet を使うこともありますが、リアルな自分が映ってしまうことに違和感を感じる程になっています(笑)

年内にはMETA社から Quest3、来年には Apple の VisionPro など、ゴーグルで見る世界に「入って」仕事をするスタイルが少しずつ広がっていく機運を感じる昨今ですから、この流れも引き続き捉えていきたいと思っています。

 

ということで、丸17年を迎えての近況報告でした。来年はもっと面白い報告ができるように17年目も楽しんでいこうと思います。今後ともフィードテイラーを宜しくお願いいたします。


2023.01.31 (Tue)

弊社公式サイトのプレスリリースの通りなのですが、新しいサービスを始めます。

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espar archive と言いまして、Webサイトを、ある日の状態そのまま丸ごと保存してしまうサービスです。いわゆるアーカイブですね。サイト全体を対象としたWeb魚拓サービスと言えるかも知れません。

 

なぜ始めるのか

弊社では約5年前に、espar というWebサイト静的化のサービスを始めました。

当初ほどには「静的化」というキーワードは盛り上がっていませんが、実は上場企業や公共機関など、サイトの高負荷とセキュリティに課題を抱える企業様や組織で多数導入して頂いています。

 
(昨年は伊藤園様、ナトコ様など上場企業様も数社。キャンペーンやプレス発表等があってもビクともしない)

espar は現行サイトを「静的化」することを前提としていますが、ときおり変わったご相談を頂くことがありました。それは、

サイトを閉鎖するので、サイトの状態を残すのに使えませんか?CMSは止めます

というもの。

せっかく作ったコンテンツなので残したいが、ブラウザでいつでも見れる状態で残せないか?ということですね。DBやファイルのバックアップデータを残したい…というのとは異なります。

静的化技術があると、実はこれが容易だったりします。html化するわけですから、それをホスティングすれば、サイトとしてそのまま残ります。ただ、同一ドメインでは駄目で、別ドメイン(別ホスト名)でホスティングする必要はありますが。

 

Webサイトのアーカイブ事業は既に色々ある

国内ですと国立国会図書館が、インターネット資料収集保存事業という事業をやっています。

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(主に国や地方自治体、大学、NPOなど公的組織のサイトをアーカイブしている。民間サイトも幾つかある)

あと有名どころでは Internet Archiver という古くからあるアーカイブサイトもありますね。こちらは、ご存知の方も多いかも知れません。

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前者は公的サイトが主な対象で民間サイトは国会図書館の選定によります。後者はサイト保有者が意図した日のアーカイブが難しいという特徴があります。

espar archive は、同じアーカイブ事業ですが、サイト保有者意向でアーカイブできる商用サービスという位置づけを狙ったものとなります。

 

espar archive の紹介

espar archive では、コア技術として弊社独自開発の静的化エンジン (espar crawler) を使って、対象サイトのクローンを作り、別ドメイン(別ホスト名)でホスティングします。ページをhtml化するだけでなく、画像やcss/jsをはじめ、PDFや動画などあらゆるファイルを全部残します。

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(公開されているWebサイトであればCMSやインフラの種別によらず適用可能)

日付名がついた右側のURLで、いつでもアーカイブした日のサイトの状態を振り返ることができます。

サイトを丸ごと残しますので、ある階層以下の差分を見比べることも容易です。以下は、弊社で運用しているiOS関連サイトエンタープライズiOS研究所の、2023/1/1の状態と今を比較する例です。

https://20230101.www.micss.biz/blog/ (2023年1月1日の状態)

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https://www.micss.biz/blog/ (今の状態)

20230131_micss_now

前者をブラウザで開けば、2023年1月1日時点のサイトを振り返ることができるわけです。ドメイン名が異なるため https 対応には別途サーバ証明書が必要になりますが、espar archive 側で証明書も取得・設置してしまいます。

なお、著作権の関係から、対象サイトの保有者であるか、その委託を受けたことが明らかな方のお申込みのみの受け付けとなります。(ドメイン設定や指定のファイル設置によりサイト所有確認を実施)

espar archive は、以下のような用途を想定しているのですが、

  • リニューアル前の状態をそのまま残しておきたい
  • 記念日のサイトの状態をそのまま残しておきたい
  • エビデンスとして定期的にサイトの状態を記録していきたい
  • 閉鎖した後もサイトが存在した証拠をしばらく残しておきたい

他にもWebサイトをアーカイブすることが役に立つシーンもあるかも知れません。

「アーカイブ」と「バックアップ」は同一視されることが多く、「バックアップ」があれば「アーカイブ」は不要という考え方もなくはありません。実際、Webサイトのバックアップをとるサービスは色々ありますし、レンタルサーバにもその機能が標準で備わっている場合もありますね。

しかし、データだけの「バックアップ」では、いざ過去の状態を確認するとなると手間暇が意外にかかるものです。それに、現行サイトと過去状態を併存させることはできません。現サイトが過去に戻るに過ぎません。

弊社では、いつでも過去の状態がそのままブラウザ閲覧できることに価値があると考え、サービス化するに至りました。

 

ということで、Webサイトのアーカイブサービス espar archive のご紹介でした。もし、特定日時のサイトの状態を永続的に残したいというシチュエーションがありましたらこちらよりご連絡頂けたら幸いです。


2022.12.29 (Thu)

2022年も激動の1年でした。世界は本当に大変な事になっていて、普通でいられることがとても恵まれているんだということを改めて感じた年でした。変わらず仕事ができていることには感謝しかなく、弊社に関係して下さっている企業様や個人の方に改めて御礼申し上げます。

さて今年も記録に残す意味で1年を振り返ってみようと思います。

 

VR会議のこと

まずは働き方。

2021年末に評価して、2022年1月より本格利用していたQuest2によるVR会議ですが、途絶えることも休むこともなく、すっかり常用ツールとなりました。身内の会議は一年を通して終始VR会議で、不便や不満もなくもはや当たり前の会議スタイルになりました。

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(詳細な使用レポートをnoteに記した)

業界的には、秋にハイエンドの Quest Pro が出て MRの可能性を示唆したり、Pico4 がリリースされて Quest2 の競合的位置づけが現れたり、SONYの全身トラッキング mocopi が仮想世界の表現を一段上に上げたりと、話題に事欠きませんでした。

が、弊社的には現行のWorkRoomsによるVR会議を横展開するでもなく、新しいツールを導入するでもなく、ツール的には特に変化のない1年でした。

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(1台20万円以上とさすがに高額すぎて数台同時購入は憚られた)

来年も変わらず Quest2 でVR会議を続ける予定です。仕事用/会議用ツールとしてのVR/MRは引き続きwatchし、良さそうなものがあればまた取り入れていくつもりです。

 

ワーケーション

新しい取り組みとして、淡路島で4泊5日、高松で1泊2日のワーケーションを行いました。

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(AirBnBで借りた宿は大自然の中にポツンとある一軒家。快適に仕事ができた)

淡路島ではAirBnBを使ったり、高松では一緒に行ったジールズさんの事務所を使わせて貰ったりと働く場所は違いますが、自社がネット環境さえあればどこからでも滞りなく仕事できる体制になっていることを確認できました。

また自社側だけでなく、沖縄に1週間以上滞在していたパートナーや、1ヶ月海外におられた取引先もいたり(後から知ったという…)で、コロナ禍の2年間を経て仕事に場所は関係ないことに気付いて行動を起こしている方が増えている気がしました。

来年も色んな場所でワーケーションしてみようと思ってます。

 

Webサイト静的化事業

次に事業のこと。実は昨年の振り返りで以下のようなことを書いていました。

ここ5年、esparとエンタープライズiOSの事業2本立てでやってきたのですが、来年からこれをやめて後者のエンタープライズiOS1本に絞ります。

が、蓋を開けてみれば結局のところWeb静的化事業でもしっかり収益を上げることになりました。5年間積み上げてきたのが大きいですね。今は余り積極的に営業はかけていませんが、新規導入も相変わらずありまして、今年も上場会社様で何社か導入して頂きました。有り難いことです。

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(伊藤園(2593)様では企業サイトと商品サイトの両方で採用された)

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(化学系の上場企業ナトコ(4627)様でも採用された)

高速化とセキュリティで最高レベルを目指すと技術的には静的化がコスパ最高なのですが、そのことに気づかれた企業や制作会社様からご指名導入を頂いている感じです。

ただ、Web制作会社様やエンドユーザ企業様に、Web技術の高い知識レベルが求められることがあり、そう簡単にはスケールできない事業課題も抱えています。来年は、それを踏まえて新展開を予定しています。何かを新たに開発するものでもないため、年明けて早いうちに発表できるかと思います。

 

iOS事業 (業務用アプリ支援)

今年は自社として初めてとなる研修事業を始めました。開始直後から問い合わせを頂き、成約に至った企業も上場企業を含め数社様おられます。世の中の課題を捉えていたのか、事業として悪くない初動でした。

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業務用iOSの世界を development(開発) / deployment(配置) の両方で理解しているベンダーはそう多くはなく、国内では弊社だけが提供できるコンテンツとして自負しています。来年はこの研修事業を強化し更に突き詰めていく予定です。

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また、隔週で投稿を続けていたブログは少し遅れがちでした。年末にかけて苦し紛れの数合わせ的投稿をあと2つするつもりですが(笑)、一応、数的には2022年に24投稿を発信したことになります。来年は今年以上に developer 寄りの技術的なディープな情報にも言及しようと思っています。(秘密鍵や証明書の詳細な話とか)

 

iOS事業 (自社アプリ開発)

設立16周年の投稿でも書いたのですが、6年ぶり(?)となる自社ブランドアプリを開発中です。

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(AppStoreのTestFlightを使って関係者でテストを重ねる)

パートナーの @hitonomichi がiOSアプリ担当、弊社エンジニアの @t0shiya がサーバ担当の2名体制になって、さらにアプリが洗練された1年でした。僕のワガママに付き合って貰っている2人には感謝しかありません。

構想ばかりが膨らんで、3年もステルスでやっててやりたいことの2割程度しかできていない(これは発散し過ぎな僕の責任(笑))のですが、少しずつ形にはなってきています。

図らずも創業からやってきた色んな事業(RSSフィード、iOSアプリ開発、業務用iOS支援、Web静的化)で得た知見と経験を総動員するアプリになりつつあるので、自分の集大成と位置づけて楽しみながらやってます。

来年、TestFlightの外部テストを使ってクローズドベータ的なことができれば良いかなと思っています。

 

以上、年の瀬の2023年振り返りでした。

来年はどんな年になるでしょうか。政治も経済も国際情勢も不安ばかりですが、全ての人に今年より良い何かが訪れる1年になると良いなと思います。弊社としては、楽しみながら上記の事業を推し進めてまいります。今後ともフィードテイラーをどうぞよろしくお願い致します。


2022.10.24 (Mon)

受かりました。ででん。

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(完全合格とは一体)

2020年のFP3級合格に続いての2級。実は3級の翌年に受験予定でしたがコロナで流れてしまい、2022年春の受験予定では痛恨の受験申し込み忘れ(笑)となり、2022年9月に3度目の正直で受験できました。

20221024_kansaiuniv
(試験会場の関西大学。駅から遠かった…)

自己採点結果は、学科(42/60)の実技(29/40)でいずれも7割程度の正答率。3級がほぼ満点だった(55/60と20/20)ことを考えると悔しさでいっぱいですが、ひとまず合格はできたので良しとしましょう。

 

FP2級を受けて良かったこと

別にその分野のキャリアを目指すとか関連事業をやろうとかは微塵も考えておらず、そもそもFP試験はお金関係の基礎知識を身につける目的でやってきたもの。

2級対策でも期待した効果は得られ目的は達成できました。3級の時に比べて各分野の知識を深堀りできて、だいぶ詳しくなれたなという感想です。

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(3級と同じスッキリわかるシリーズの2級版で対策した)

2級とはいえ各分野のプロの方々には到底及ぶものではありません。が、社会保障制度・税金・資産運用・保険・不動産・贈与相続等々、その筋のプロの方と接する時に言われたことを鵜呑みにしないとかまともに会話ができるとか、議論の礎に厚みが増したと思います。

企業経営者として得たものもありました。理想の働き方や環境を追求するにも、社会保障制度はもちろん税金面もまんべんなく知ってるとやはり役立ちますね。2級対策で改めて実感しました。法人での保険活用について税制面から細かく詳細知れたのも良かったです。

 

次なるは…

ここまできたら1級を…とはなりません(笑)

1級の参考書をパラパラめくったりググったりした限り、マニアックな世界過ぎると感じちゃったんですよね。資産運用は個人でも法人でもやってるので深堀りしたいテーマですが、それ以外の分野は仕事関連でもないですし、もうこれ以上は良いかなと。

ということで、勉強したいことは他にも沢山あるのでFPはこれで一段落です。お疲れ様でした〜。次はまた違った分野の勉強にリソースを割こうと思ってます。もちろん事業も頑張ります。


2022.07.31 (Sun)

去る2022年7月7日、創業してから丸16年となりました。

これまで弊社に関わって下さった全ての皆さんに感謝しております。ありがとうございます。これからも多くの方に弊社が良い影響を与えられる存在となれるよう精進していきたいと思います。

16年というと、16進数で10歳(0x10歳)。

コンピュータに関わる者にとって16は特別な意味を持つので、何か盛大に催しでも…と思ったりもした瞬間もあったのですが、パーリーピーポーな属性は持ちあわせておらず企画力も貧弱なので、身近な方と食事会するぐらいに落ち着きました。キャリアや創業期の話、会社の節目節目の出来事の話とかが色々できて良かったです。

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(創業月にいつも食事会をするお店で)

16年って数字に特別な意味があっても、実は会社として何か特別な事があるわけではなかったりします。主たる事業であるWebサイト静的化事業エンタープライズiOS事業を中心に平常運転をしていますが、例によって今回も近況報告を少しばかり。

 

Webサイト静的化事業

あえてビッグニュースをあげるとすると、静的化サービスの espar と、静的化ページ用の問い合わせフォームツール espar form の両方を、あの伊藤園様に導入して頂いたことでしょうか。公開されたのがつい先日のことですね。

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(弊社静的化ソリューションを主要2サイトで全面採用頂いた)

そういえば、今から10年以上前の2011年に立ち上げたSYNCNELという法人iOS端末向けドキュメント共有サービス(2016年に事業売却)では、大和ハウス工業様に導入されたのを皮切りに広がることになったのでした。

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(当時は Apple Japan の公式サイトにも事例として掲載され、動画中にも登場した)

今回の esparespar form もこれを皮切りに同じように広がっていくのかも知れないなぁ…なんて期待を募らせつつ日々頑張っております。

ちなみにサービス全体でさばいている月間トラフィック量は、既に数十テラバイトの域に達しています。我々も驚くほどコスパの良い(こんなトラフィックをマジでこの構成で?ぐらいの)インフラで捌けていて、Webを静的化するメリットを実感する毎日です。

 

iOS事業 (情報発信や業務用アプリご支援)

この2,3年強化しているメディアのエンタープライズiOS研究所を、今も続けてます。

ニッチオブニッチなコンテンツにも関わらず、毎月万を超えるPVがあって平均エンゲージメント時間も比較的長く、また、初めてビデオ会議する方から「あ、あのブログの…」と言って頂くこともあったりで、お役に立てているかもなぁという実感を持っています。

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昨年は週1投稿のペースでしたが、今年に入ってからは隔週ペースへと少し頻度を落としました。もう少し形式を変えた発信も出来ればと思案してまして、これはまた形になれば発表できるかなと思います。

 

iOS事業 (自社アプリ開発)

開発パートナーの @hitonomichi さんに参画頂いて、今新作のiOSアプリを開発中です。6年前にアプリはやめると言ってたんですけどね、なんやかんやと業務用の受託開発ご支援は続いていて、その流れでまた自社アプリに戻ってきた感じです。

実はプロジェクトが始まったのは3年前。思い描く構想が「実装が1進む度に3膨れ上がる」って感じで収集がつかず、リリースできる気が全くしないという…(笑) 先日は @hitonomichi さんにサグラダ・ファミリアですねぇと冗談交じりに言われてしまいましたw

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(App Store Conenct で TestFlight の内部テストばかりが積み上がっている)

社内の主たる開発戦力の @t0shiya にもサーバ側で関わって貰いながら、ただただ僕が欲しいと思うアプリを少しずつ形にしていって貰ってる昨今です。よく付き合ってくれてるなぁ…と両名には感謝しかありません。

収益化やマーケットフィットは今のところ余り意識しておらず、こんな事業づくりの姿も有りかなぁなんて思いながらゆるりゆるりと。短期スパンで世に出していくMVP(Minimum Viable Product)開発リーン開発といった昨今の開発手法とは真逆ですね。

こんな悠長な(?)やり方ができるのも、前述の事業で収益確保できていてこそ。お取引頂いているお客様に感謝です。アプリについてはいつか発表できると良いなと思います。

 

働き方

フルリモート体制から変化はありません。が、リモート会議の仕方は変化していて、身内の会議ではVR会議がすっかり定着しました。

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VR会議の取り組みについては noteの記事 に書きました。投稿時点ではVR会議をはじめて3ヶ月強でしたが、年始から約7ヶ月経過した今でもやめる理由も特になく継続しています。良いですよVR会議。

 

ざっと近況報告でした。相変わらずマイペースで平常運転という感じですが、これからもフィードテイラーをどうぞ宜しくお願い致します。

ちなみに情報発信については、今後、業務用iOSアプリ関連をエンタープライズiOS研究所で、働き方については note で、その他の事業や会社に関してはこのブログで、プライベートな事はまた別の場所に、って感じで使い分けていこうと思います。


2021.12.31 (Fri)

昨年に続き2021年も世間はほぼコロナ一色でしたね。何となくコロナにもう飽きたという感じの雰囲気もあって、必要最低限の気を配りながら with コロナの生活が定着した1年だったように思います。

弊社はといえば、2021年も余り大きな影響を受けることなく粛々と平常運転でした。昨年に続きお陰様で今年も増収増益で着地できそうです。弊社に関係して下さった全ての方に御礼申し上げます。

ということで、毎年恒例の振り返りエントリです。

 

リモート + VRワーク

12月から会議を Oculus Quest2 で Workrooms を使ったVR会議に切り替えました。

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(社内は勿論、パートナーにも配布して身内の会議は全てVR。顧客とはもちろん通常のビデオ会議)

Workroomsは、facebook改めMeta社が推進するVR空間で仕事をするためのサービスです。以前からVRで仕事をすることができるかの検証はやっていて、Oculus Go も Oculus Quest も使ってきました。(スタンドアロンが前提と考えているので Rift 等は評価してません)

Workroomsは最新のヘッドマウントデバイス Oculus Quest2 専用です。とりあえず秋に1台買って評価。会議環境としての出来がビックリするぐらいに良く、これはリアル会議やビデオ会議と遜色なく会議できそうと感じたので、追加で3台、さらに追加1台を購入。今年は結局5台買いました(笑)

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まず弊社エンジニア @t0shiya 、パートナーエンジニアの @hitonomichi さんや koron さんにもお渡しして、12月からは Workrooms のみを使って定例のVR会議をしています。

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(ある業務用アプリから呼び出すRestAPIの仕様についてVR会議室内のプロジェクターを使いながら3人で議論中の様子)

リアルに会って会議室でmtgするのと全く同じことができて、加えてVR空間でしかできないメリットもあって自分的に総合点かなり高め。少し気になる点はあるものの、十分仕事できているので来年も続けます。使用感はまた改めてレポート書いてみようかと。

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(VR会議中のリアル世界の様子。左下はVRの様子をストリーミング受診しているiPhone)

半ば押し付ける感じで申し訳ないのですが、弊社と定期的にmtgする形で関わって頂くパートナーさんには Quest2 を配布させて貰ってお仕事ご一緒していきたいなと思ってます。Quest2 で楽しくワイガヤ仕事してみたいって変わった(?)エンジニアの方がもしいらっしゃれば、お声がけ頂けると嬉しいです(笑)

 

事業

弊社は今のところ表向きは2本立ての事業ということにしています。

  • (A) espar : Webサイトの高速化やセキュリティ強化をする静的化技術の提供
  • (B) B2B iOS : エンタープライズiOSアプリ関連の導入・運用・開発の支援

それぞれの事業が成長できた1年でした。

(B) エンタープライズiOS事業

先に(B)のアプリ関連。今年は、自社の知見アウトプットに随分リソースを割きました。エンタープライズiOS研究所ブログでは週1ペースでほぼ休み無く52個の記事を投稿をし、またiOSDC Japan 2021というイベントでは20分のトークセッションもさせて貰って、

まさに発信の一年でしたね。来年は更に発信数を増やしたいと思います。

昨年書いていた通りの1年にすることができました。情報発信を続けることで、業務用iOSアプリで悩んだらフィードテイラーさんというブランディングが出来てきています。

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古くから関わらせて頂いてる複数の業務用iOS案件も続いてますし、新規でスポットで相談役に入るケースも増えました。

(A) espar事業

こちらも実績が増えました。

Webサイトのセキュリティや高速化に悩まれていたり、エンドユーザ企業のFRPに「静的化すべし」という要件が入っている場合にご指名頂くことが増えてきました。大学様、国の研究機関、上場企業様など、この変を気にされるサイトでの事例が増えてます。

今年は一つ面白い事例もできました。CDNからの乗り換え事例です。月コストを5分の1にして高速化要件を満たし現在も運用継続中です。

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(営業資料より。静的化して代行ホスティングするので、アーキテクチャ的にはCDNと似ている)

かねてより「CDNは使いこなせる社内エンジニアがいないと高額な無用の長物になる」という持論があるので、それを実証できたのは良かったです。

 

来年のこと

ここ5年、esparエンタープライズiOSの事業2本立てでやってきたのですが、来年からこれをやめて後者のエンタープライズiOS1本に絞ります

あ、引き合いは普通にあって需要も確かなので普通にesparも継続はするんですが、元々リソースが少ない中でどちらを主軸に置いて見せていくのかという話ですね。実はここ数年、悩んでました。

6年前のエントリでもうアプリやめますと書いてたのがずっと頭にある一方で、フィードテイラーは何の会社かと言われた時にやっぱりアプリの会社として期待頂くことが多い実情もあって。

esparの営業に行ったけど実はアプリの会社だったと知ってアプリ相談される事もあったり、会社全体ではiOS関連売上比も利益率も高いとか、前述のエンタープライズiOSの発信も楽しんでやれてるとかとか。

僕の中で15年会社やってきて得た経験則に「期待される自社になる」というのがあって、そういうわけで来年以降はエンタープライズiOS専業って色づけを少しずつ濃くしていく予定です。

また、冒頭で紹介したVRワークは、創業来追求している新しい働き方の文脈で取り組んでいきたいと思っています。2022年もフィードテイラーをどうぞ宜しくお願い致します。