評価期間や導入直後のテスト運用等々を入れると実は結構な日数が経っているのですが、ようやく表に出しても良い事になりましたので思う所を書いてみたいと思います。解禁のきっかけとなったのは2月半ばに公開された以下の IT Pro の記事

IIJさんの IIJ GIO というクラウドサービス大和ハウス工業さんに提供されている事を紹介する記事なのですが、この中で SYNCNEL について言及して貰っています。

写真や文書などのコンテンツをiPad2からセキュアに利用できるクラウド型サービスとして「SYNCNEL(シンクネル) for Enterprise」を採用している。これは、クラウド上のサーバにアップロードされたファイルをiPad2で同期して閲覧する仕組みだ。各種ドキュメントファイルに加え、画像や動画、音声ファイルを利用できる。また、「グループや権限に応じたアクセス制限や、ダウンロードしたファイルを閲覧できる有効時間などを設定でき、不正な利用を防止できます」と渡部氏はセキュアなコンテンツ管理機能を評価する。

伝え聞く所によると、10を越えるソリューションから絞りこまれた2候補の中に入り、日本を代表する上場企業のプロダクトと一騎打ちとなったのが昨年の事。当時はどうなる事やらと心配してましたが結果的にSYNCNELのセキュリティや思想、シンプルさを評価して頂いて採用を決めて頂きました。

4000台のiPadにコンテンツ(ドキュメント)を配信するインフラとして使って貰えている事は、弊社にとってもSYNCNELにとっても非常に大きな実績になります。実は解禁になる前から本件は業界で噂になっていたらしく、おかげ様で住宅関係のある業種でも「大和ハウスさんも使ってるっていうしね…」という事で導入が決まっている企業様もおられたりもします。その他、金融系・製薬系・製造系・商社系、業種業態を問わず新規契約と追加契約が増えてきています。

期待通り(?)の展開。

良くも悪くも国内企業は機能云々よりも導入実績だったりしますから。大和ハウス工業様向けへの実績がきっかけに、色んな企業でSYNCNELを導入して貰えたら良いなと思っています。以下は主要な導入実績企業様。(公表できない会社様も多数)

今回の販売パートナーはIIJさん。IIJさんに扱って頂いているだけでも個人的には凄い事ですが、気がつけばIIJさん以外にもソフトバンクさんをはじめ名だたる企業様にSYNCNELを取り扱って貰えるようになりました。これは本当にありがたい事ですね。

今、クラウドやiPadを冠に被るサービスやプロダクトを持っている企業に共通の悩みがあります。それは、「セットに出来る商品が欲しい」ということ。iPadだけは売りにくい、サーバだけでは売りにくい。そこにSYNCNELの登場が巧くかぶったという感じだと思います。近々iPad3の発表も予定されていますが、iPadのビジネス活用はますます加速するに違いありません。

で。

開発会社の経営者として僕が何よりも特に強調したいのは、今回のようにiPad数千台の業務活用現場を支えているシステムが極めて少数且つ効率の良い開発体制によって支えられているという事実。Web側は @kumatch が、iOSクライアント側は @nakiwo が、PDFの描画エンジン周りは @itok_twit が、PDF変換は@sumihiro が …以上!というような片手の指の数より少ない少数エンジニア体制でも、精鋭であればエンタープライズの世界で評価されるモノを作り得るという事なのです。(もちろん不具合がゼロという訳ではありません。体制が重要です)

しかも弊社は残業ほぼ皆無、有給もしっかり取ってて、副業もokだし、社保も完備していて、給与水準もそれ程悪くない(実際に中小企業診断士の方にレポートして貰った)という理想(?)の就労環境下でそれを成し遂げているという事実。

僕の組織論の中核を成す「最高の環境と最強の人材が生産性を最大化する」という持論の証左とも言える訳で、その意味は大きいです。労働や企業論における社会実験は今のところ成功していると言えるかも知れません。優れた環境で少数精鋭のモノ作りを効率的に行い、法人という人格を持たなければ出来ないような事をする。それが今、出来ています。

だからこそSYNCNELはもっと大きく育って欲しい。進化が速く競合も多い世界ですので、今後どんな展開になるかはそれこそ分かりませんが、開発に対する情熱を持ちつつも冷静に冷静に現況を判断しつつ適確な判断を行なっていきたいと思います。