2010/06
2010.06.09 (Wed)

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ほぼ半年ぶりぐらいの新作アプリになりますね。CodeScannerと言います。

実は開発自体は随分前に終わっていたのですが、諸般の事情がありまして公開が今になってしまいました。(実は、最近は受託開発に追われていて自社アプリ開発はほとんど手がけられていません。平均して1日15分とか、そんな感じです。なのでリリース数は必然的に少なく…)

CodeScannerは端的に言うと、バーコードやQRコードをスキャン出来るリーダーアプリなのですが、従来のものとは異なる機能を持っているのが特徴です。

 

(1)連続読み込みと読み取り内容の自動識別

リアルタイムにスキャンが可能なアプリは他にもあるのですが、連続で読み込めるものは余り無いんですよね。都度都度バーコードやQRコードの読み取り結果を教えてくれるのも必要なのですが、次々と間髪入れずに言わば業務用のバーコードリーダの如くスキャンし続けたい事もある訳なんです。

「スキャンした結果はすぐに見たい」でも「連続で次々と読み取りもしたい」という若干相反する要件なのですが、インタラクションを綿密に設計する事により実用的な共存を達成しました。

1_Camera 2_List

スキャン直後に内容を識別してすぐに表示出来る一方で、履歴にいつでもアクセス出来るようにしています。スキャン結果の自動識別により、Amazonで当該ページを見るとか、アドレス帳に登録するとか、メールするとか…色んな処理をプラグインの形で用意しています。(今後も増えていく予定)

 

(2)MacOSとの連携

実は、バーコードやQRコードから読み取った情報をデスクトップで使いたい事って結構ありますよね。QRコードから読み取ったURLをデスクトップのSafariで見たいとか、書籍のバーコードを読み取ってそれを書籍管理システムに登録したいとか….。

その為に、CodeScannerと連携するMacOSX用アプリ CodeServer を別途開発して公開する事にしました。両方同時に使用すると、CodeScannerで読み取った内容がリアルタイムにデスクトップに転送されるって仕掛けです。

上述の通りCodeScannerは連続撮影を特徴としていますから、次々とデスクトップに転送される様子は、さながら MacOSX にバーコードリーダーを接続したかのようで(残念ながら連携するデスクトップ用アプリはMac用しかありません)、大量の書籍を一括で蔵書管理システムに登録するような時に重宝する機能です。

 

(3)デザイン

こう言うと怒られてしまうかも知れないのですが、従来のQRコード・バーコードリーダのアプリって余り恰好良いとは言えなかったと思うんですね。

だからデザインも美しいリーダを目指そうという事で、いつもお世話になっているデザイン事務所メタ・グラマーさんに今回も御協力をお願いをして、実用性を失わない程度のインタラクションを共に考え、大人しいながらも洗練されたデザインを御制作頂きました。

リーダアプリは人によっては常用しうるアプリになりますから、見た目や使い勝手は物凄く気を遣うべきポイントと考えました。開発者の方には特にお気付きになって頂けるかも知れませんが、iPhoneOSの標準コントローラーを一切使っていません。全てデザイン面の要件を達成する為に自前実装しています。(ダイアログでさえも)

 

これら以外にも色々特徴を持っていますが、宜しければ別途用意した専用サイトをご覧頂ければと思います。こだわりにこだわった CodeScanner。バーコード・QRコードをiPhoneでスキャンしたいとお考えの全ての方にお使い頂けたら嬉しいです。

また、バーコードリーダ・QRコードリーダの機能を自分のアプリに組み込みたい開発者の方の為に URL Scheme による連携の仕組みもご用意しておりますので宜しければご覧下さいませ。


2010.06.07 (Mon)

今年もApple主催の開発者向けイベントWWDCが開催されます。

Apple Worldwide Developers Conference 2010

一昨年にはiPhone3G発表、昨年は3GS発表。そして今年も新型iPhoneが発表される事がほぼ確定事項となっています。各所の予想をまとめてみると iPhone HD という呼称になるんじゃないでしょうかね。個人用には1台を機種変で、会社用にも数台契約する予定です。噂の通り6月には入手出来れば良いなぁと。

新しく搭載される筈の iPhoneOS4 の存在も大きく、iPhone市場は益々ユーザを増やす事となり、マーケットの広がりが更なる iPhone アプリ開発需要を引き起こすでしょう。iPadが爆発的に売れているという事も考え併せればいわゆる iPhoneOS 上の開発案件は更に更に激増していくに違いありません。(現になりつつあります)

その起爆剤となる静かな進化がこのWWDCで起こるのではないかと個人的に予想をしています。AppleTV新型が出るとか、OSX10.7の発表があるとか、Safari5リリースとか、色々ありますが余り他では書かれていない事を少し。まぁ、予想なので外れても怒らないで下さいね。

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iPhone構成ユーティリティのメジャーバージョンアップによる
業務用iPhone導入の柔軟性向上

が起こるんじゃないかなと思ってます。現行の2.2から3.0あるいは4.0とか。ご存じじゃない方が多いかも知れませんが、iPhone構成ユーティリティは特に業務向けiPhone導入で真価を発揮するアプリケーションです。

法人ですと大量のiPhoneを同じルールに基づいて本体配布する訳ですね。例えば、社内用iPhoneではYouTubeアプリは使えないようにするとか、WiFiの設定はこれとか、VPNはこうとか、デフォルトで参照すべきカレンダーはこれ…みたいな。それら iPhone の初期状態を定義する「プロファイル」という概念があってですね、これを自由に作成出来るのが iPhone 構成ユーティリティと呼ばれるものなんです。

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こんな風にチェックボックスをちょいちょいと弄るだけで機能制限したiPhoneを作る「種」みたいなファイル(プロファイル)を作れます。

….が、このツール、イマイチ現場の要求に応えきれず、大規模なiPhone導入案件が流れてしまうなんて話もあったりするのですよ。制限できる機能が限られていたり(例えば標準のメールアプリを切る事は出来ない)、AppStore上のサードベンダーアプリのデフォルトインストールは対応してないとかとか…。

 

最近のAppleを見ていると、iPadが強く強く(本当に強く)企業ユースや文教系での導入を意識している事、iPhoneOS4も法人向け機能強化が唄われている事から、法人需要の獲得を加速させるであろう事が容易に想像出来ます。だからこそ iPhone構成ユーティリティが進化して、「iPhoneを導入したいんだけどなぁ…カスタマイズが難しいでしょ?やめとくわ」という機会損失の低減を図るんじゃないか、そしてそうなれば面白いのになぁと思っています。

法人導入におけるハードルの高さという意味では、Enterprise License の条件が緩和なんてサプライズがあっても面白いかも知れませんね。AppStore非公開で企業内使用目的に無制限配布が出来るというライセンスですが、従業員数500人以上が条件となっていて契約するのが結構難しいんですよね。だから中堅所や中小企業規模での業務利用が円滑にいかないケースが結構あります。ここが緩和されたりして…なんて淡い期待。

法人用途向けネタばかりなのは、弊社が iPhone や iPad におけるビジネスで法人用途の展開支援及びアプリ開発をビジネスとして意識しているからです^^; あしからず..。

Apple - HTML5

ただ、そればかりでも面白くないので、この上の画像に関連して最後にもう一つ個人的な予想。

HTML5+CSS3+Javascriptを使ったオーサリングツールの発表

これは期待も込めて…です。iPhoneOSにおけるFlash排除を徹底表明すべく放たれたら面白いなと。元々 iPhone は Flash 非対応だったのにも関わらず最近の iPad を期に姿勢が強気であること、iPhoneOS4の発表で紹介されたものの未だベールに包まれている iAd が HTML5 + CSS3 + Javascript で構成されるらしいこと、先日突如現れた html5 の実験ページ….。これらを並べると、最後のとどめがあっても良いかなと思ったりもするんですよね。

ほら、Flashいらないでしょ

みたいな。個人的にもFlashの存在意義に疑問を感じている今日この頃なので、出てきてくれたら面白いのにと思って居ます。以上、一ベンダー経営者の妄想とも言えるWWDC10予想でした。発表まであと数時間。自分は早めに寝てAM2:00起きして見るつもりです。