先日のエントリでこんなことを書きました。
新技術を表す言葉やバズワードを使うのは楽です。でも「楽」なだけに、何か新しいことをしようとする時や何かを変えようとする時に陥り易い罠だと思います。でもそれは失敗の入口かも知れません。
RSSという当時のバズワードに執着しすぎて、何一つ事業作りが巧くいかなかったという話。(RSSというのは情報配信技術の一つ。詳しくはこちら)
じゃぁ「RSSのフィードテイラーです!」って言いまくってたのは100%無駄だったのかというとそうでもありません。悪いこともあれば、良いこともあります。
尖ることが仕事やお金を引き寄せる
RSS!RSS!
創業期から2年強、自分でも驚くぐらいRSSを連呼してました。セミナー・イベント・ブログ・展示会・ビジコン応募…
RSS関連事業は全て失敗したものの、連呼はしていましたのでRSSの会社というイメージは形成され、結果的に関連する仕事を引き寄せることになりました。
「そういえばフィードテイラーさんって…」
と思い出して貰って、RSSに関連する大きめの開発案件の仕事を頂いたことが2回。まとまったお金が継続的に入ることになりました。これが無ければ多分廃業してたでしょうね。
何でもできます!は誰からも声がかかりませんが、例えバズワードであっても発信して尖っていれば反応してくれる人は必ずいます。
手を変え品を変えバズワード便乗
もう一つ便乗した技術がありました。それが Adobe AIR。今はもう無いといって良い技術ですが。
ActionScript という言語で Win/Mac の両アプリを同時に作れる仕組みでした。今の Electron みたいなものですね。
発表された当時、次はこれが来ると考えて IRCastPro という株式投資家向けのサービスを作りました。またバズワードに乗っかって自社事業作りをしようとしたのです。
懲りてませんね…(笑)
いぁホント、流行りに便乗して流行りに寄り添った事業を作るのって楽なんですよ。例えるなら日経トレンディを見て次の商品を考えるみたいな。
当時の僕は無意識に楽なことに逃げてたと思います。
AdobeAIRという話題の技術を使うことが目的化してました。
結果は失敗。そりゃそうです。流行やトレンドに便乗する新規事業作りで何度失敗したら気が済むのか。
ただ AdobeAir を担いだことも100%無駄ではありませんでした。ある企業を技術支援する仕事に繋がったり、Adobe さんのセミナーで講演させて貰う貴重な経験にも繋がりました。
自分の商品を持つ為に課題にフォーカスする
流行で自分を特徴づけるのは悪いことでは無いと思います。バズワードやトレンドって磁石みたいなもので、仕事やお金やご縁を確実に引き寄せますから。
でもバズワードからオリジナルの価値は生まれません。「あなたにしかできない何か」は生まれない。
僕は創業3年目に気づきました。
バズワード起点の事業は作ったところで長続きしないのです。なぜなら、御客様の課題解決より、流行に寄り添う姿勢が優先されるからです。トレンドが過ぎた時に事業も潰えてしまいます。
今、FinTechだIoTだ人工知能だとうたう商品は非常に多いです。でも、3年後にはほとんど無くなってます。そんなバズワードを使わなくても「どんな課題を解決する商品なのか」をきちんと表現できている商品だけが生き残っている筈です。
事業とは常に顧客課題の解決でなければならない。当たり前なのに事業を作ろうとする当事者になると忘れかけるんですよね。自分は今でもそうなので(汗)、肝に銘じています。