Iphone
2012.02.13 (Mon)

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Book+の次バージョン v1.6 の機能を御紹介するシリーズ最終回です。v1.6は追加機能満載なのですが、今回御紹介する iCloud 対応は一番の目玉と言えるかも知れません。

iCloud対応…ふむ、なるほど

PDFやコミックデータが同期されるのですね、分かります

というのが普通の落とし所なのですが、実は違いまして。

iCloudは容量が結構少ない上に標準アプリや他のアプリでも使用されるストレージである為、Book+が扱うような数十MBytesを超える大量のファイル(自炊PDFなら1つ100MBytes越えは普通)を流し込むのは明らかな「圧迫」です。だからアイディアとしてはあったものの即却下。

じゃぁ iCloud 連携って何を同期するんですか?

(v1.6で追加されるiCloud設定)

という話ですが、「iCloudを介して各PDF/コミックデータに付随するメタデータを同期」する事にしました。メタデータの同期と言うと難しいですが、要するにコンテンツ本体に紐づいた

  • 閲覧情報
  • 各種の表示設定
  • ブックマークをはじめとする書き込み情報

が、iOSデバイス間で同期されるという事です。御存知の通り iBooks のストアから買った書籍の場合、「iPadで読んでいたページがiPhoneに移っても引き継がれる」というユーザ体験が提供されますよね。

これとほぼ同じ事をBook+でも実現できるようになります。しかも読んでいたページやブックマークだけでなく、表示設定や、フリーハンドや図形等々の書き込みも同期しますので、iPadとiPhoneを2台持ちされている方にはとっても便利です。

IMG_7264 © 2012 Hayden Petrie, Flickr

例えば、こんな読書体験。

  1. 朝、朝食を食べながら自炊した日経ビジネスをiPadのBook+で線を引きながら読む
  2. 出勤時間になったのでiPadをスリープさせて鞄に入れて、諸々済ませて家を出る
  3. 通勤電車で吊革を掴みながらiPhoneのBook+で同じPDFを開く…と続きから読める。PDFの中で引いていた線も反映されてる
  4. 会社について再びiPadのBook+で同じPDFを開くと電車の中で読んでた続きから読める。PDFに対する書き込みも引き継がれてる

といったような感じ。Book+がiPad/iPhoneのどちらでも動作するユニバーサルバイナリにしていた最大の理由はここにあります。

デバイスに依存せず、同じデータをiPhoneかiPadかによらず続きが読めて、読み方に相当する表示設定も引き継ぎ、書いたノートも同期する。これぞ、デジタルだからこそ出来る読書体験ですね。書き込みまで同期するとデジタルなありがたみをかなり感じます。

こんな感じでiPad側に書きんでから、iPhone側で同じファイルを開くと

開いた直後はこうですが、しばらく待つと

こうなります。きたこれ!!!

仕組みとしては「自炊したPDFを一人の人がiPad/iPhoneの両方に入れる時、各デバイスのPDFがデータ的に異なっている事は少ない筈」という仮定で実装していますが、概ね正しい挙動をしています(iCloudとの同期はタイミングが分かり難いので、ファイルを閉じて再度開くってな操作が必要な時もありますが)。

以上、Book+の次バージョン v1.6 での目玉機能 iCloud連携 の御紹介でした。デバイスを跨いでメタデータが同期する気持良さを皆様にご提供出来るまで後少しです。最新版公開まで今しばらくお待ち下さいませ。


2012.02.12 (Sun)

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PDFやコミックデータ等の「データ」あってこそリーダには意味がある訳で、だからこそPDF/コミックデータビュワーのBook+ではデータを取り込む方法を各種用意しています。iTunesから直接だったり、アプリ連携だったり、Dropbox経由だったり、WebDAVだったり..。

今回は、次のバージョン v1.6 で追加される「データの取り込み新しい方法」について御紹介します。

WebDAV並に、いやそれ以上にマニアックな機能かも知れませんが新しい方法とは AmazonS3への対応 です。いわゆるクラウドストレージと呼ばれる類のAmazonのサービスですね。理論的に無制限なオンラインディスクを従量課金制で使える仕組みです。実は Dropbox 等のクラウドサービスがそのバックエンドにAmazonS3を使っているのは超有名な話。

AmazonS3 の契約や実際のファイルアップロードには若干ハードルがあったりしますが、容量を使った分だけ課金される分り易い料金体系のオンラインディスクの利便性は計り知れないモノがありますし、(従量課金ながら)容量上限を気にしなくても良いメリットもありますので、結構オススメです(サインアップはこちらから)。

参考までにウチがとある用途で使っている AmazonS3 は約25GBytesのデータを預けていて月額5$もいきません。今の円高を考えれば300円台の計算になりますね。

格安のデジタル本棚をBook+から参照できるようになったイメージなのですが、

こんな感じで登録出来るようになります。

AmazonS3の管理画面で提供されるアクセスキーIDシークレットアクセスキーの両方を入力しなければいけない大変さはあるのですが、その先にある利便性は図り知れず。DropboxやWebDAVでももちろん全然okなのですが、やはりクラウドに存在していて幾らデータを置いても上限に達しないデジタルな本棚があるというのは魅力的です。

少し使う人を選んでしまいますが、Book+の次バージョン v1.6 の AmazonS3 対応の御紹介でした。いやはや、今回は機能追加多いですね(苦笑) でもまだもうちょっと続きます :-)


2012.02.11 (Sat)

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PDF/コミックデータビュワーのBook+の新機能を御紹介するコーナー。今日は、次のバージョン v1.6 のプチ新機能を3つほど御紹介します。確かに「プチ」ではあるのですが、人によっては読書体験が向上する機能になるかも知れません。(前の2つは実際にリクエストも頂いていた機能)

 

■ 見開き表示の中央寄せ

iPadを横持ちしている時の見開き表示では、今までこんな表示になっていました。特に新書では顕著なのですが両ページの間に空白が発生していた訳ですね。

これを空白がなくなるように中央寄せさせる設定ができるようになります。PDFを表示している時に「情報」ボタンから設定画面を開き、

「見開き表示でページを中央に寄せる」をONにすると

こうだったものが、

こんな感じになります。新書を手に取って読んでるみたい!

縦横比によってはこの設定が余り意味がなかったりするケースもあるのですが、見開き時の空白が気になる方にお試し頂きたい機能です。

 

■ 背景色変更

これまでのBook+では背景は独自のテクスチャを使って灰色で表現していました。

背景部分が目立つように意図的に横持ちでのA4縦PDF表示

これが白や黒に変更できるようになります。

余り細かな設定はシンプルさを失うと思っていますので敢えて3択です。テクスチャ・白・黒の三つ。

背景を白に設定

背景を黒に設定

ビジネス文書などですと白色背景にすると結構集中して読めたりするかも知れませんので、色んなPDFを読み分けされているような方には便利かも知れません。ちなみにPDFデータ毎の設定として記憶します。

 

■ 読書専念モード

何と表現して良いのか難しいのですが、PDF/コミックデータ表示中にタップすると現れる上下メニューバーの表示抑制を行えるようにしました。

ページを移動したり、編集モードに移ったりするときに、画面の任意箇所をタップしてメニューを出すという操作が必要なのですが、読書に集中している時にこれが邪魔になる時があります。ページをめくろうとした指操作が単なるタップと識別されてメニューが出てしまうのです。これを抑止しようと。

アプリ全体の設定(ファイルブラウザ上の設定ボタン)から「ツールバー表示に長押しを使う」をONにすると、ページ上を0.4秒長押ししないとメニューが出てこないようになります。つまり、誤認識による意図しないメニュー表示が完全になくなるというわけ。0.5秒では長過ぎて、0.3秒では短過ぎて、丁度良い0.4秒に設定しています(細かい!!…のですが、これが僕らなりのこだわりです)。

iPhoneで意図しないメニュー表示が発生し易いのでBook+を主にiPhoneでお使いの方には便利な機能だと思います。

 

という事で「見開き表示の中央寄せ」「背景色変更」「読書専念モード」という「プチ」新機能の御紹介でした。次のバージョン v1.6 については更に御紹介したい機能が2つ程ありますので順次書いてみたいと思います。


2012.02.09 (Thu)

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PDF/コミックデータビュワー「Book+」の恒例の新機能紹介エントリ。次に予定している v1.6 で搭載される一つの目玉がテキストメモ機能です。現行の v1.5 というバージョンではフリーハンドなメモ機能が搭載された訳ですが、今回はPDF上に文字入力が出来るというものです。

こんな感じになります。見ているPDFに「文字」を書き込みたい需要って必ずあるのですが、フリーハンドだけでは絶対ダメで、少し長めの文章を描き込んだり、面積に対する文字密度が高いような細かい書き込みをしたい場合は、フォントを使って描くのが一番良かったりします。

こんなふうに。

ダブルタップで入力用popupが現れて書いたままに表示されます。改行の考え方は割りきってまして「自分で改行して下さい」というスタンスで実装。テキスト入力を指定して自動改行…をやり始めると結構複雑な上に結局意図した通りにならない事も多い為です。

線の太さの設定値がフォントの大きさになるようになってますのでPDFに応じた書き込みが出来るかと。ただフォントの指定は出来ず固定としています。…が、もちろん色や透明度については他のツールと同様に反映されるようになってます。

…という訳でテキストメモの機能が追加されて、これでようやく編集モードのパレットのツール群が全部埋まりました。実に8種類のツールに、6色カラー、透明度と太さは5段階…とここまであれば相当な自由度で読書中の描き込みが可能になりますね。

このように、テキストメモと矢印とフリーハンドを組みあせて使う合せ技もありでしょう。実はちょっとしたお絵かきも可能かも知れません :-)

という訳でBook+の次バージョンで搭載予定のテキストメモ機能について紹介しました。次の v1.6 はこの他にも多数機能が盛り込まれる予定でして1つずつ紹介させて貰いたいと思います。


2012.02.06 (Mon)

昨年の2月3日、満を持して法人向けドキュメント共有クラウドサービスSYNCNELの v1.0 が登場しました。あれから1年。既に数千台分のライセンスを販売し、iPadのビジネス活用を支援するツールとして広く認知されるに至りました。

簡単にザックリ説明してしまうとSYNCNELはDropboxの企業版であり、Dropboxのような事を社内iPadでもやりたいけどセキュリティがなぁ…という企業にピッタリはまるサービスです。法人向けオンラインストレージという言い方をされる事もありますね。

さて、そんなSYNCNELの1周年を迎える前夜、2012年2月2日にとある実験が行われました。3月に公開が予定されている最新バージョン v2.1 に搭載予定の「会議資料の表示同期機能」です。その様子を以下の動画で御覧下さい(音声付きですのでボリュームにはご注意下さい)。

やっている事は非常にシンプルです。約20台のiPadとiPhoneに SYNCNEL のクライアントをインストールして、全員に同じ会議資料を配布した場面を想定。大阪の1人の発表者が資料のページをめくると、大阪はもちろん東京のiPad/iPhoneでも同じようにページがめくれるというものです。

更に、発表者が違う会議資料を選択した事にも反応し、まだダウンロードをしていない端末は勝手にサーバから最新資料をダウンロードして発表者の表示中ページに追随します。

最大の特徴はこれだけのレスポンスを、WiFi環境下の同一ネットワーク限定といった制約は一切無く、3G回線を超えて実現している事です。つまり、世界中に点在するiPadで閲覧資料の同期が出来るということ。極端な話、大阪でページをめくれば、世界中のiPadでページが自動的にめくれます。

やるならば、徹底的にやろう

それが僕らのスタンスで、今回もまたそれを貫いてみました。iPadを使った法人におけるドキュメントの共有とはどうあるべきか…それを1年余り作りながら考えてきた結果、

  • クラウドを使ってドキュメントを構造的に集中管理して
  • 常に組織メンバーに最新の情報をセキュリティを確保して確実に配信し
  • 誰が何をダウンロード・閲覧したかのログも徹底的に収集し
  • ダウンロードしたドキュメントをオフラインで軽快に閲覧する機能も提供しつつ
  • 会議の際は3Gを跨いででもドキュメントの切替や表示を同期する

という理想的なドキュメント共有体験を提供できる目処が立ちました。管理・配信・監視・セキュリティ・表示同期をワンストップで提供しているiPad向けソリューションはまだありません。しかもSYNCNELは1台あたり月額1200円。冒頭のデモを実現するのに必要な料金は何と月額¥24,000だけなのです。

この仕組み、名称こそ「会議資料の表示同期機能」となっていますが、20台が上限です!なんて事はなく理論上は50台でも100台でも500台でも可能です。

開発ベンダー自らが言うのも変ですが、何が出来るかって想像してみるだけで面白そうでワクワクします。例えば100人のセミナーで全員に紙資料の代わりにiPadを配布しても良いでしょう。発表者はMirroringでプロジェクターに資料を映しつつiPadでページをめくれば会場全員の手元資料が同じページを指すのです。サテライトで別の会場に100人の参加者が同じようにiPadを持っていても良いでしょう。株主総会とか新商品発表会とかも、面白そうですね。

教育現場でも使えそうですよね。先生は授業で使用するコンテンツをサーバに事前登録しておくだけ。授業が始まれば学生のiPadには先生の資料が勝手にダウンロードされてきて、然るべき場所を自動表示してくれるのです。とっても便利ですね。

SYNCNELの凄さは、圧倒的に簡単で安全であること以外に、スピード感もって機能拡張をしていく所にあります。今回の v2.1 の同期機能で満足する僕らではありません。まだまだやりたい事は沢山ありますから。

全ての法人関係者に「iPad を導入するなら一緒にSYNCNELもでしょ」と言われるポジションを SYNCNEL は目指しています。まさにスマートデバイス時代の企業インフラ。その進化を都度都度また共有させて頂きたいと思います。