少し前に無理してCMSを使わなくて良いんじゃないかというエントリを書きました。要旨は、

  1. 多くのWebサイトはCMS使わずに html+css+js で良いんじゃないでしょうか
  2. ウチでは「更新可能で且つ html 」を jekyll で実現してます
  3. 問い合わせフォームはまだ php の力を借りてます

こんな感じだったんですが、エントリに予想以上にはてブされて反響がありました。特に 1. に共感して貰える声を頂いたのに加えて、git とか jekyll とか普通は使えないよ…というツッコミも結構ありました。

確かにそうなんですよね。全部 html で良いじゃんって極論を支えるツールって、どっちかというと開発者向けで誰もが使えるものじゃありません。まぁでも、技術の世界の常で、難しいことは時を経れば簡単に使えるようになっていくものです。

 

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(photo by Quinn Dombrowski on flickr)

共感の声が多かったからというのもありますが、個人的に改めて、ここ数年の間にWebの世界は「動的」なCMSから「静的」な世界へ原点回帰していくだろうなぁと感じています。ツールの使いにくさは依然としてありますけどね。動的要素はホントに必要な所だけで良いじゃないかと。

同じ課題と理想の共通認識が広がり始めると次第に大きな動きとなるものです。何となく、「Webは複雑になり過ぎた」という認識が2013年あたりからザワザワ〜とだいぶ広がってきている気がするのです。昨年は国内に限らず海外含めて特に顕著だったかも。

そんな雰囲気とツール類の盛り上がりが面白いのと、自分もCMSに苦しめられた当事者でもあることから、今年はこのテーマ(静的サイトジェネレータ:SSG)も追求していこうと思ってます。

 

問い合わせフォームからphpをなくす

ということで、上記 3. の解決にむけてこの連休で実験を行いました。php 等を使わず、ウェブサーバには html / css / js しか置かないけど問い合わせフォームを実現するという実験。

既成品のASP型問い合わせフォームで逃げるという手もありましたが、自由に作れることを優先。AWS の各種サービスを繋ぎあわせて実現してみた次第です。

既にこちらの問い合わせフォームは php を使わないようにしました。html / css / js のみで、フォームの入力から保存、社用メールに届く…という挙動になってます。こんな感じ。

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以下のエントリなどを参考にしました。先人に感謝。

ザックリとした流れは、

  1. AWS Cognito Identity の Unauth な Role を使って AWS S3 に入力内容を保存
  2. AWS Lambda で S3 保存で発火する function を登録
  3. AWS SES で自社の問い合わせ窓口メールアドレスにメール

という感じで全部AWSにお任せしてます。こうすることで問い合わせフォームから php がいらなくなりました。今後、phpのバージョンやセキュリティ等々を気にする必要は全くありませんし、万が一別のサーバに引っ越す必要が出てきても html / css / js を移動するだけでよくなったと。

問い合わせフォームに限らず、他の html ページ部分もAWSに全部置くと恐らく月額1000円とか月額500円とかのレンタルサーバすらいらない勢いですね。最近はサーバレスとか言われてますが。多分、ウチのサイトの規模なら月額30円ぐらいにまでコストダウンできます。

…というところまでは良いのですが、結局これも冒頭の jekyll や git の話と同じなんですよね。やっぱり技術者じゃないとできない…。シンプルに繋げられるとは言えやっぱり開発経験者じゃないと厳しい感じ。ここが問題だなぁ。

Webページの世界の「動」から「静」への原点回帰には、難しいことを簡単にする、というブレークスルーがまだ必要な気がしますね。