無知である事はその人の人生にとって多大な損失となる場合があるのは自明の理。僕は色んな事を知りたいという根源的な欲求に基づいて日々行動していますが、その理由は「知」を持たない事による損失を恐れているからであるからかも…と最近思うようになってきました。

僕にとっての「知」は「知識」であり「知恵」である訳ですが、それを獲得する為の労力を決して惜しもうせず、その獲得コストの最小化に全力を傾ける事を行動基準としている事が、その裏付けとなっているような気もします。「知識」や「知恵」は物事の決定に際しての誤判断を避ける防具(時には武器)に成り得ます、だから(色んな意味での)損失を回避できるだろう…そう考えているんでしょうね。

そんな僕が今、一番持たねばならないと感じている「知」は、今更ながらですがファイナンス。ちょっと格好よく言い換えてみれば今日のタイトルそのままですが「僕は今ファイナンスリテラシーの向上を図らねばならない」と感じているという事です。

ようするに「金」に関する知識や知恵ですね。

「金」を意識するようになったのはやはり経営を始めてから。特に数々の事業プレゼンテーションをさせて頂く機会を得るようになってからです。事業計画書では、ビジネスモデルとそれにかける情熱のようなモノを書いた後に必ず「金」について書く訳ですよね。それではじめて「事業計画書」の体裁が整います。

論理立ててビジネスを説明する事、情熱を紙に落とす事については自分の得意とする所ですから、草稿をあげ推敲を重ねて完成させるプロセスは慣れたものです。幸いプレゼンの根拠たるモノはこの部分のみなプレゼンばっかりでしたので、プレゼンもそれなりに自信溢れる感じで出来てきた訳です。

でも、「金」の資料が作れない。

分からないんですよ、正直。いぁね、何の知識もないとは言いませんよ、付け焼き刃的に勉強してきた事もありますから。ただやっぱり断片的で全然体系立ってないし、自分の頭の中で論理的な整理が出来てない訳です。

そうすっと「金」の話はプレゼンでは絶対に出来ません。自信もくそもあったもんじゃない。「金」以外の部分が10だとすると「金」の部分はマイナス10ですよ。それはやっぱり「知らない」からです。「知識」や「知恵」を持っていないからですね。「知」の無い所に自信は生まれませんし、良いモノ(ここでは資料)も作れませんし、適切な判断も出来ません。

それって経営者としてヤバくね?

と正直、思いました。ビジネスモデルや情熱が非常に重要である事は分かります、理解できます。でも「金」が全てである以上、「金」の「知」が無い事には事業もおぼつかないし、情熱も落としどころを無くしてしまう訳ですよ。それは勿体ないし、なんとしても避けたい。溢れる情熱を仲間と共に落としこめる「場」が欲しくて起業したんですから。

加えて、僕は個人投資家でもある訳なので、ファイナンスで括られる(どこまでかという話はありますが)世界に少し足を突っ込んではいます。でも論理的に考えて判断を下してきたのかというと決してそうとは言えません。何となく得た情報で何となく判断を下してきました。だから、ライブドアの株で失敗したりする訳ですね。(「知」があれば絶対失敗しないという訳ではないですが…)

そこにウチが展開しようとしている新サービスの「IRcast」。

「IR」の世界でファイナンスの知識が必要でない訳がありません。むしろ必要不可欠です。営業するにしろプレゼンするにしろ、知らない事にはお話しも出来ない訳です。IRcastは、IRに関する情報(コンテンツ)を今までに無い方法で配信するサービスですが、そこに載っかる情報(コンテンツ)の意味を語れないようじゃぁ営業も出来ません。

有価証券報告書をまともに読めません…ってな事は通らない。専門用語を並べてそれらしく語れたとしても、僕的にそれは許されない訳です。IRの世界に顔を突っ込んで行く以上、株の知識は必要で、株の売買が資産運用の一手段である以上ファイナンスの知識は必須な訳です。

だから、徹底的に勉強する事にしました。決して安くないお金をかけて9月下旬に2日間のファイナンスリテラシー強化合宿に行ってきます。

板倉雄一郎事務所主催

実践・企業価値評価シリーズ

このブログでも何度か書評として取り上げましたが、元ハイパーネットの板倉雄一郎氏(とそのパートナー)によるセミナー。「企業の価値とはなんぞや」という事を論理的に考えられるようになるという「知識」と「知恵」を得てファイナンスリテラシーを高めるのが目的です。

きっかけは、ポッドキャスティング友達の原田さんから「中国株関連で勉強会をやるから…」と誘われて参加した会場でお会いしたMさんとTさん。そのお二人に論理的な企業価値評価手法が存在する事実と、そこから見えてくる「金」の世界に、僕は眼の覚める思いをしたのです。その知識が会社経営以外に、自分の人生にも役立つ事が分かった時、自分がこれまで持っていないが故に正しい判断を下せていなかったファイナンスの知識ってコレなんじゃぁと。

それが2日間で学べるなら、あれだけの理由(上述の数々の理由)がある自分が勉強しない理由はありません。自分で本を買って勉強する方法もあるにはあります。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)をキーワードに検索して読み漁れば良いのかも知れない。でも僕にはそれだけ時間をかけてる暇はありません。断片的な知識もゴメンナサイです。一つの哲学に基づいて展開されて腹に落ちるストーリーでファイナンスの「知」を獲得したい訳です。

それが当該のセミナーでは獲得できると確信に至りました。それに、ベンチャー経営者でもあった板倉氏の生の講義を受けられる事にも興奮を覚えますし、「金」に対する正しい「知」を持つ仲間とネットワークを作れる価値はホントに貴重なモノに感じます。だから参加する事にしました。

経営の為に、自分の人生の為に。

やっぱ基本に「金」が来ますからね。そのベースとなる「知」が得られた後の自分を想像してワクワクしています。大阪で初めて開催されるという9月下旬のセミナーが今から待ち遠しくて仕方ありません。「知」が人生を変え得る事、またその素晴らしさを僕は学生の時に一度体験した事があります(実際人生変わりましたし今も影響を受けています)。何やらそれに次ぐ知的変革が自分の中で起こりそうな、そんな予感さえ感じるのです。

新しい「知」を得る事ほど楽しい事はありません。僕は、今、ファイナンスを理解する為の「知」を得たい。そう思ってます。