開発中の新作アプリBook+の機能紹介シリーズ第4回目。これまでの3回でPDFの管理系機能という事で

  1. ファイルブラウザ
  2. INBOX機能
  3. 検索とスマートフォルダ

を紹介してきましたが、このように管理系の工夫をしてみる一方で、肝心のPDF閲覧についても僕らなりのこだわり機能を搭載しています。今日はその1つであるマルチページビューについてご紹介します。これもまた画面を見て貰った方が早いかも知れません。こんな感じ。

1つの画面に最大64ページ分の表示が可能です。64ページ表示以外には、32, 16, 9, 6, 4, 2, 1, 自動 という9種類の表示方法から選べるようになっています。縦持ちで単ページ表示、横持ちで見開き表示に勝手に切り替えてくれる「自動」表示切り替えも当然ながら搭載。

2ページより多い複数ページの表示は

デジタルなので単ページや見開き表示のみである必要はないかも

という発想で実装した機能で、出来る事はマルチページビューという名前の通りですね。ページめくりと言いますか、指の左右操作で次のセットに移る操作も出来るようになっており、例えば64ページ表示中なら64ページずつ読み進める事が出来ます。

9ページ表示以上になるとさすがにiPad でさえもテキストを視認できるレベルではなくなってしまいますが、写真集的な書籍やカタログ、あるいは雑誌系のPDFは、マルチに見れるだけでも全体が俯瞰出来るメリットがあります。

他にもこんな風に、線引きや書き込みをした資料をスキャンして後から参照する時には、再確認すべき場所が視認しやすくてGOODってな使い道もあります。(ちなみに上の図はiPadでの32ページ表示)

 

更に、読みたいページが見つかればトリプルタップで、

1ページずつ表示するモードになります(1枚目から2枚目)。もちろん、このまま普通のリーダの如くページをパラパラと送って読み進める事が出来ます(2枚目から3枚目。ページ送り中)。もう一度トリプルタップをすると複数表示の状態へ戻ります。

トリプルタップではなく、ダブルタップの場合は

ギュイーンとアニメーションしながら該当ページへズームイン。その後、直前まで表示していたページ分が並ぶ大きなキャンバスを指操作で自由に見れるようにもなってます。ピンチイン/アウトで任意の拡大率で複数ページ状態のキャンバスを部分部分眺めていく事もできます。

 

結局何がしたいかというと、なるべく普段の読書体験に近いような事を平面で実現したいという事なんですね。

  1. まず俯瞰して
  2. トリプルタップして
  3. 1ページずつ読み進めて、読み終わったら
  4. トリプルタップして
  5. また俯瞰して…、

という感じの拾い読みな感じ。雑誌の気になる記事だけを読んでいくような読書体験です。あるいは、とりあえず俯瞰しつつ全体を確認したいなぁという場合は、

  1. まず俯瞰して
  2. ダブルタップ や ピンチイン/アウトで拡大
  3. 指の操作でご近所ページも見つつ全体を見渡して
  4. ダブルタップして
  5. また俯瞰して…、

という感じになるでしょうか。これを煩雑な操作なく行ったり来たり出来れば…という考えで実装してみた次第です。

 

(また繰り返しますが)EPUBだXMDFだという新しいフォーマットで「如何に紙の書籍をデータとして再現するか」を追求するんじゃなくて、こんな風に、PDFという優れたフォーマットを使って「如何に紙の書籍の読書体験をデジタルでプラスアルファするか」という考え方で電子書籍に取り組んだ方が絶対合理的だと思うんですよね。フォーマット問題はもはやFilanAnswerが出ているので、目指すべきは読書体験の+αの追求かと。電子にする意味ってそこにある筈で、車輪を再発明する経済的合理性はありません。

また議論をぶり返しそうなのでこのへんにしておきましょう。

今回のマルチページビューの他に、閲覧におけるちょっと変わった(?)機能もありまして、それはまた別のエントリでご紹介させて頂きます。