Micss
2016.06.03 (Fri)

既報の通りiOSアプリ開発を内製でやることは無くなりましたが、iOS関連事業はしっかりと続けさせて頂こうと思ってます。ということで、新しいサービスを始めます、というか始めていますというのが正しいのですが、平たく言えば iPhone/iPadなどのiOSデバイス業務活用をご支援するコンサルティング・サポートサービス です。

以下、背景とか経緯とかを書かせて頂こうかなと。

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(Thanks! the photo on flickr by Maurizio Pesce CC BY 2.0)

 

作らなくても、素晴らしい業務用サービスが沢山ある

8年間iOSアプリ開発業界に身をおいてきたからこそ思いますけど、業務用アプリはホント作るべきじゃないんですよ。B2Cはまた別ですけどね。今は本当に驚くほどの既成品やクラウドサービスがありますから、それらを使うに越した事はありません。

GMBAの連載でも書かせて頂いたことがあります。遡ると古くはもう2011年頃からセミナー等で言い続けている気がします。この主張をもっと強くしていこうと。作らない方が良いですよ〜という話ですね。

業務用アプリでは、それぞれ用途に特化した数多のサービスがあって、下手すりゃ明日から使えます!月1万円です!てなことが普通にあります。膨大な時間とお金を投ずるのは余り賢明じゃありません。例えば、

などなど、一般的な業務利用の場合は必要なものはほとんど揃うので、作るだけ時間の無駄な場合が結構あります。車輪の再発明はよくない。用途毎に既存サービスを使いこなして本業の収益改善や経費削減するのが、本来あるべきiOSデバイスの使い方だと思うんですよね。

どうしても…ってなったら作る。

どう考えても用途特化し過ぎてて、既成品が無いんだ…って場合にのみ作る。

やっぱり業務用の専用アプリ開発は最終手段です。しょっぱなに出すカードではないんですよね。それを理解してる企業様がやっぱりiOSデバイス活用に成功されてる気がします。

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例えば大和ハウス工業さんは、既成品と独自開発とを組み合わせた本当に素晴らしい活用事例です。Appleのサイトに事例として動画付きでよくまとまっているので宜しければ是非。

 

クラウド型のiOS向け業務支援サービスが抱える課題

しかし、多くの現場では、サービス導入してみたけど使いこなせないとか。なんか違うとか。そういったことが往々にして起こります。IT全般やシステム開発、iOSなど色んな知識を持ってる人が社内におられる場合は別なのですが、現場ではそうでない場合が結構多いんですよね。

そうすると、せっかく入れたiOSデバイスが無駄になってしまう。何万円もするのに引き出しの肥やしになってるiPadって冗談じゃなくホントにありますから。2桁、3桁台数規模で。

デバイス入れたら終了、じゃないんですよね。買って入れたら勝手に業務改善するほど甘くありません。PCでも同じですね。

課題整理と要件定義と設計と運用とサポートが必要ですし、細かい話になると、社内サーバとの連携をどうするとか、端末の調達はどうしようとか、アプリの配布はどうしようとか、500台の設定どうしようとか、どんな設定がいるのか、アプリ開発が必要になるのか、その場合はどうするのか、iDEPって何とか、更新にクレジットカードのみって困るんだけどとか、VPPとかCustomB2Bって聞くけどとか、AppleID取るの面倒なんだけどとか…。考えるべきことはビックリするほど多いです。そこがB2Cなアプリとは決定的に違うところ。

でも実は、サービスの開発会社さん(メーカ)は一件一件全て対応することができない事情があります。本社が東京で関西に御客様がおられて…ってな場合は尚更ですね。理由は簡単で、クラウドサービスの単価が安い から。1000万円の売上がスポットで立つ訳ではない案件に懇切丁寧に張り付くって実際問題なかなか難しいのです。サービスとして競争力を高める為にどちらかというと開発部門にお金を投じますから、営業サイドに専任をあてがうのはなかなか難しい。

じゃ、営業機能を委任している販売代理店さんに任せるか。

これがまた一筋縄ではいきません。単価が安いという同じ理由で、やはり精緻なヒアリングから提案、サポートまで入るとなかなか元が取れなかったりします。販売代理店さんも難しいなか頑張って下さってる。だって1ライセンス月額500円とかそういう世界ですからね。仮に500ユーザ分の契約を獲得しても売上は月に25万円。2,3割を販売代理店取り分にしてるケースが多いので月75,000円、そこから営業経費を引くと利益は残りません。

(ウチがかつてやってたSYNCNELというサービスでは、初期の頃は特に販売店の住友セメントシステム開発さんが採算度外視でかなり動いて頂いたのが大きくて軌道に乗り始めました。本当に感謝してます。)

お金の面を度外視するとしても、エンタープライズiOSの知識は必要ですし、IT全般の知識も相当に必要な訳です。モノを売るだけの販社活動ってクラウドの場合は特に段々難しくなってきてるんですよね。既存システムの理解やネットワークの知識、iOSに限らない各種OS(Win/Mac/Linux)の知識、他のクラウドサービスの知識、他システムと連携をさせるならAPIの知識や開発のスキルも全部必要です。

でも販売代理店さんが全てをカバーできるのは稀で、どうしても弱いところが出てしまいます。その弱いところを埋められたら、御客様の環境やワークフローに最適&最強なシステムをデザインできそうなのに、経済的側面と知識的側面で機会損失をしているということです。

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(Thanks! the photo on flickr by Susanne Nilsson CC BY-SA 2.0)

クラウドサービスの低価格は当たり前という風潮は Google Apps の功罪の罪の部分だと僕は思ってます。クラウドなら1カウアンと月500円でしょ、Google Apps に合わせてよ、みたいなことになっちゃった。確かに安いのは良いことだけど、マーケット特性が違う市場に価格論だけを持ち込めば色々おかしくなります。付いて行ってない日本が悪いと批判するのは簡単ですけどね。でも実際問題、ここ4,5年の間に生まれた国内B2Bクラウドサービスで単価3桁クラスで他人資本も無く成功してるベンチャーがどこにいるというのか。

ウチもSYNCNELでは随分と悩まされました。上述の通り、安い相場観は結果的に皆を幸せにしてないです。これはメーカとして経験してきたからこそ断言できます。

 

MICSSでやろうとしてること

長々と述べてきた上記の課題を解決することです。

幸い、iOSの知識をはじめ過去の経験で知見だけは幅広く持っていますので、御客様のiOSデバイス導入を成功に導く課題整理・要件定義・運用サポートが可能です。開発もできるので運用サポートの部分を自動化できたりとかもしますね。これを御客様に価値として認めて頂かないといけないですが。そこは当社の努力ポイントですね。

重要なのはやはり、作ることを前提にしない こと。作らない Mobile Integration です。万が一作るのなら、必要最低限にする。その為のコンサルティングやサポートを御客様の本当の成功/満足の為にさせて頂きたいという訳です。それで、

Mobile Integration with Consulting and Support for Success(Satisfaction)

という英文の単語頭を繋げて MICSS と名づけ、サービスとして展開していくことにしました。専用のページを設けていますので宜しければご覧下さい。冒頭の通りですが、実は既に始めさせて頂いていて、春前とかは某大手自動車会社様などで既に実績もあったりします。

まだまだ悩み事を抱えておられる企業様もいらっしゃると思いますので、先日はプレスリリースを出しまして、MICSS無料相談室というものを開設したことを発表しました。毎週月曜日の午前に予約制でオープンし、iOSデバイスの導入に伴う相談ごとに無償でお応えするというもので、何らかの御提案もさせて頂きます。

今後は、エンタープライズiOSや各種クラウドサービス紹介をテーマにしたセミナーや個別相談会の開催や、関連する情報発信を積極的に行えればと考えています。様々なクラウドサービスについて、メーカさん並みに詳しくなっていくつもりです。

ちなみに、MICSS は既存販売店さんの領分を犯すつもりは毛頭ありません。どちらかというと、補完しあうパートナーという形で組ませて頂くような感じで考えています。エンタープライズiOSに関する知見はやはり多く持っている自負がありますし、開発が分かる(実際にできる)からこそ既存システムとの連携を前提にした導入プロジェクトのマネジメントも可能だったりするので、補完しながら御一緒に御客様のhappyを追求できたら良いかなと。既にウチの考えに共感頂ける企業様に少しずつお声掛けさせて頂いていて、パートナーネットワークを広げていければと思ってます。

 

という訳で長くなりましたが、MICSSという御支援サービスの御紹介でした。iOSデバイスの業務活用にお悩みの方がいらっしゃいましたらお気軽に御相談下さいませ。今後ともフィードテイラーをどうぞ宜しくお願い致します。