WWDC2012のkeynoteで、予定通りiOS6が発表されました。

刷新されたAppleオリジナルの標準マップアプリ、Siriの強化、facebookのOS統合、電話の応答機能の拡張…等など魅力的な機能満載で一ユーザとしても秋が待ち遠しい訳ですが、常々エンタープライズiOSを意識している立場から新機能郡を見返してみると関心事は別の機能に移ります。

こちら。

Guided Accessと呼ばれるアクセシビリティの機能拡張で、どのような使用感で扱えるのかは不明ですが、もし文言通り/想像通りの挙動をするのであれば、エンタープライズなiOSの魅力は一段と輝きを増すに違いありません。なんと、

  • HOMEボタンを無効にできる!!
  • タッチパネルが反応しない領域を設定出来る!!

というのです。

これ、実は超凄い大ニュースですよ。企業や店舗などで熱望される事が結構あったりしたのですよね。例えば店頭でプロモーション動画を流す、ちょっとした施設案内アプリを表示する、…といった用途にiPadを使うケース。いずれも「他のアプリは触らせたくない」という共通点を持った活用例です。

営業ツールとしてiPadを使用する場合もそう。

1つのアプリで業務が完結するように作られていれば、極端な話、管理側にとってはHOME画面は見えない方がいい(つまりHOMEボタンは押せなくて良い)んです。YouTube使って欲しくないなぁ、Safariを立ち上げられてもなぁ、カメラを使わせたくないのよなぁ、とかとか、企業ならではの 制限欲

制限する事が大好きだけど時代の流れからiOSデバイス導入を避けられない…という、基本的にスタッフを信用しない国内企業の担当者にとってコレ以上の朗報があるでしょうか!?社員にやらせたい事を規定して、それを実現する専用アプリを作り、当該アプリ以外は起動できないようHOMEボタンを無効化する。

It allows a parent, teacher, or administrator to limit an iOS device to one app by disabling the Home button

AppleのiOS6先行告知ページにはこう書いていますので、機能として提供さえるのは間違いないのでしょう。後はどのように使えるのか…ですよね。HOMEボタンを連打すれば無効状態は解除出来るんです…とかだと余り意味ありませんし。administratorにも許しているという事から業務用観点でポジティブ解釈した僕の理想は以下の通り。

iPhone構成ユーティリティと組み合わせて

  • HOMEボタンを無効に出来る
  • HOMEボタンを無効にした時の起動アプリを指定出来る
  • HOMEボタンの無効解除にパスワードが設定できる

ってな事が出来てしまう状態。

もしこうなれば、iOSデバイスの地位はエンタープライズの世界で揺るぎないものとなるでしょう(特にiPad)。デジタルサイネージ端末としても最強になりますね。全ての「キオスク」端末はiPadに置き換えても良いかも知れない。それぐらいのパワーを秘める事になると思います。可能性は無限大。

例えば。

フロントカメラを使った写真落書き機能付きAirPrint印刷対応アプリを用意、HOMEボタンは無効にして筐体にはめ込んで電源確保、筐体の中にAirPrint対応なプリンタを仕込めば、はい!プリクラマシンの出来上がり!な訳です。まぁ極端な例ですけどね。(あくまで「例」です。プリクラのシステムはそんなに簡単じゃない)

加えて今回のアクセシビリティ機能拡張には、タッチパネルに無反応領域を定められる機能まで用意されるってのがまた凄い。画面の特定領域しか反応しないように出来る訳ですから、HOMEボタン無効化と組み合わせれば「制限する自由度」が更に増しますよね。HOMEボタンを無効にして、且つアプリ上の管理者モードボタンを無反応領域にして店舗に設置とか…普通に便利そうです。

惜しまれるのはiOS6が初代iPadに入れれないこと。大量に各社で余りつつあるであろう初代iPadをデジタルサイネージ的に流用するってな事が出来ませんのでね。

 

ま、だいぶと妄想が入ってますが、ホントに上記のような事が実現すればiOSは更に面白くなること間違い無しです。iOS6が出るとされている2012年秋に真相は明らかになりますが、エンタープライズ観点からみてもiOS6を楽しみに出来る理由がありますよ〜〜というお話でした。