年の瀬に振り返るとその年の忘れられない一日リストっての出来るものですが、僕の2011年忘れられない一日リストに間違いなく加わったのは2011年11月17日。少し前に「企業の器、社長の器」というエントリで紹介したセミナーに参加した日です。ちょっと長いですが、その件を書いてみたいと思います。

7時間に及ぶセミナーをのべ30分程度の休憩だけで最後まで(ほとんどスライドも無しに!)講演されたのが冒険家の加藤氏。(株)ヒューゴの前社長である加藤さんと言えば、大阪ではピンと来る方が多いかも知れませんね。今は社長を辞し、モナコに籍を移して、不動産事業を初めとする投資事業やビジネスコンサルティング/プロデュース事業などで御活躍、社交界でも名が轟くジェットセッターって表現がふさわしいかも知れません。とにかく普通に考えると「モノ凄い」方です。

久しぶりの帰国を最後の機会にもう話すのを止めると聞いて今回のセミナーに参加した次第。通常ならこの手の「成功」というキーワードで訴求するセミナーは疑いの目で見てしまうので参加しないのが僕の行動原理ですが、ただ今回は「最後だから」という希少性以外の動機が非常に強くて参加させて頂きました。

一つは再会、もう一つは謎解き。

僕にとって加藤さんは、かつてのビジネスパートナーです。RSSのプロを謳っていた僕のセミナーに参加して頂いて、逆に僕はSEOのプロであった加藤さんのセミナーに参加させて貰って。そうやってお互いのセミナーに参加し合うのがきっかけでお付き合いが始まりました。

4年程前の写真。一緒にセミナーをしたり、サービスを作ったりしていた

同じWeb業界であった事もあり折に触れて打合せをして、AppleStoreで共催セミナーを何度かさせて貰ったり(上の写真)、とあるクライアント様の総額で億を越える案件を一緒にしたり、その企画の為になか卯の牛丼を深夜に食べながら共に徹夜したり、共同サービスを立ち上げて記者クラブで一緒に話をした事もあったり…。

とまぁこんな感じで楽しく仕事をご一緒させて頂いてましたが、(言葉を選ばずに敢えて言いますと)ビジネスセンスを持つ普通の社長仲間としてお付き合いさせて貰っていたのです。

ところが突如として、躍進、飛躍、跳躍、飛翔、雄飛、そのどんな言葉も相応しくないぐらいの急成長を遂げられて、ブログには気が付けば「薔薇の舞踏会」とか「古城」とか「モナコのロイヤルウェディング」とか、よく分からない言葉が並ぶようになり、東京への進出を経て、社長の座を次代に譲り、日本を出られて、ますます分からない遠い世界に行っちゃったんですね。まさに異次元的。

外から見たイメージをグラフにするとこんな感じでしょう。

マーケティング用語で言う所のティッピングポイントの前後を僕は幸いな事に知っていて、通常は成功者のそれを身近で見る事はできないものですが、一体それは何なのか。その謎解きのため再会を果たすべく参加させて貰ったという感じでした。

結果、謎解きは出来ました、文字通り氷解ですね。あー、やっぱりそういう事だったのか!と。

ティッピングポイントは突如としてやってくる。その機会を捉え、効果を最大化する。y=f(x)の式でyの最大化の為にfを最強の関数にする事に全力を傾ける。それを徹底的にやり続ける。そうしてポイントを迎えた時に、得られるモノが最大化する。成功者とはその関数fを持ち続けられる人で、だから再帰的に富を再生産できるのだと。

想いの伴う正しい努力は報われるという言葉にしてしまうと余りに暴力的ですが、結局、社長自らの器を広げられるかって事にかかっているのです。小手先の技術じゃない。器って言っても思考であったり人間性であったり視野の広さであったり色々あるでしょうが、いわゆる成功には自らを全てにおいて高める必要がある、いぁ高めておく必要がある。その時の為に。

単なる精神論や理想論に終始せず具体的なビジネス原則にも言及し、実は全てを「合理」の名の元に並べている論調が加藤さんらしく、同じく全てを「合理」で考えるようになった今の僕には大変有意義な7時間でした。

成功とは選択肢の多さでありそれを担保するのが金である」と、僕は最近になって強くそう思うようになっていますが、これが間違いであると言われたり批判されがちである理由、そして実は間違いではないという事が分かったのも大きな収穫でした。金は全てでは無いですが、全ての大切な事に関係してくるのです。

 

根は合ってる、後はその上に乗せるもの。乗せる物を新しい思考で選んでいく、謎も解けた、器を大きくするヒントを得た、だから2011年で忘れられない日になったという訳です。2012年、更に更にやってみせますよ。