弊社の取り組みを御紹介するシリーズ。今回はTwitterの話。

Twitter Bird Logo © 2009 Scott Beale, Flickr

ウチは社内でTwitterの利用を推奨してまして、エンジニア全員が何かしらのTwitterクライアントを入れてます。もちろん経営者である僕も。新しいツールを取り敢えず禁止するのは日本企業の悪い所ですが、何でこう巧く「活用」する事を考えないかなーと不思議に思います。

新しいモノは新しい価値があるから広まる訳で、それはつまり企業にも価値をもたらす可能性がある訳で。どんどん使ってみりゃ良いんです。問題が出てきたら調整したら良い。

やらない機会損失の方が勿体無いって発想に何故ならないのか…なんて思いながら弊社がTwitterの活用を通して得ている価値は例えば以下。

  1. 情報収集能力の劇的な向上

    個人としても上がりますが、情報を共有する下地があればチームとしても上がります。そりゃそうです。のべ4桁を越える情報源から日々何かしらの情報が入ってくる訳ですから。もちろん共有しなければ意味は無い訳で、それを可能にする仕組みは以前御紹介した夕方ミーティングです。各々が情報収集源を持ち、各自の判断で厳選したものが社内共有されるという形を取ってます。

  2. 機会損失を回避

    情報収集能力にも関係ありますが、以前にこんな事がありました。数時間でチケットが売り切れるというWWDC2011。いつ発表されるんだろうとヤキモキしてましたが、とある日の夜21:00頃に弊社@nakiwoから「出てますよ」とDM。まだ仕事中だった僕は即効で2枚(弊社@itok_twit@nakiwoの分)を購入した訳です。翌朝にはもう売り切れと。Twitterという個人が使うツールを会社での情報伝達インフラとしても利用しているからこそ出来た事です。

  3. 強力な口コミネットワーク

    弊社スタッフののべfollowersは普通に数千ですから、何か告知したり宣伝したりする時の媒体にもなります。しかも follow するという行為はその人の情報に興味があるという事ですから、リーチ先からコンバージョンする率は非常に高い。2009年にメビック扇町で開催したiOS関連イベントでは顕著に表れました。僕がtweetしてエンジニアがRTする事で拡散し、1週間でキャパ100人を優に越える申込がありました。

  4. 発信した情報のフィードバック

    これは最近気づいた事ですが、会社として発信した情報がRTされてエンジニアのタイムラインに現れる…そんな現象の数が多ければ多い程、それは反響があったという事を意味しています。直近の例では、エンタープライズiOSアプリことはじめ(1) 〜iDEPとDUNSナンバー〜というブログエントリ。RTされる事で反響の大きさを把握し、シリーズとして続けようという意思決定をする事が出来ました。

とまぁ幾つか列挙して見ましたが、他にもまだまだありますよ。情報の入りと出が重要な業界こそTwitterを全社導入すべきと僕は考えます。

この話をするとですね、「社員がずっとTwitterをやって仕事しなかったらどうするの?」って、お約束的なコメントを頂く事が多いんですがそれがそもそも疑問なんですよね。

冷静に考えればその手の「常識」を理解出来ていない人が生み出すリスクをヘッジする為に、新しいツールを全面禁止にして便益を享受できない状態を作る事ほど非合理的な事はありません。それをやってたらウチは上記のような利は得られなかったでしょう。-1 を気にする余りに +10 を失うのは損。

そんな心配するよりも、まずそんな心配をしないといけない状態にあること、つまりそんな人材を雇い入れてしまった経営者/マネージャの責任を追求すべきちゃうんかと。面白いのは僕の経験から言える事だけど「人事部」相当の人事担当部署がある会社は禁止する傾向にあるように思います。(採用を完全な現場権限にしていないと結局人的リスクが高くなるという僕的組織論の仮説根拠)

Doubt? © 2009 Sergio Patiño, Flickr

ウチはそのへん、人を見極めてるつもり。経営者の仕事だと思っているので。だからそんな心配は全然ありません。万が一 Twitter をずっと眺めて仕事が進まないようなら、それに大きな罪悪感と開発時間が確保出来なかったという後悔を感じるような常識的感性を持っているエンジニアにjoinして貰っていますし、何より信じている訳で。だから -1 なんて気にせず、というかそもそも -1 なんて存在しないので気にする必要もなく、Twitter からは +10 の恩恵を受けています。

Twitterを禁止してる会社を見ると、「勿体無い事やってるなぁ」「信じられてなくて可哀想だなぁ」と思っちゃいます、やっぱり。

この世の中全体は性善説では成り立ちませんが、入ってくる人をしっかり見極めれば組織内は性善説でokな筈なんです。性善説が合理的で最も生産性が高い事は誰しもが共感出来る事でしょう。それを国家レベルでやってるのがモナコだったりアジアのモナコを目指すシンガポールですよね。やっぱり性善説稼働出来る組織・社会はパフォーマンス高いんですよ。

Reflections © 2011 Dmitry Shakin, Flickr

と、またしても横道にそれそうになったので軌道修正。何が書きたかったかというと、Twitter を使いこなせる人だけを集めてTwitterを社内活用するのはお勧めですよという事でした。次回はTwitter使用を前提に独自開発した社内情報共有ツールについて紹介したいと思います。

 

■ 過去に紹介した弊社の取組み