インプットばかりでもいけないので本についても積極的にアウトプット。月1ぐらいで書評書けると良いなぁと思ってます。

今回読んだのは…タイトル長いですね。ようはビジネスで成功して大金持ちになった人の思考や行動の秘密を解き明かす本です。

この手のタイトルって、本田健とか神田昌典テイストなゆるふわ自己啓発色が強そうなので10年前ならまだしも最近は余り読むことがないのですが、たまたま立ち寄った本屋で目に入ったという縁と、表紙に書いてるPwC公式調査という言葉にデータ的裏付けがあるんやねと興味を持ったことが理由で買いました。

良い本だと思います。

お金持ちに持つイメージの誤解

本書は、ビリオネアになれる人は普通の人と何が違うのか?という問題提起が出発点。大きなリスクを取る人とか、新しいマーケットを狙える人とか、もっともらしい理屈は世間に溢れてるものの客観的なデータが無いという壁にぶち当たって、PwC内でチームを組み、データを集め分析を行ったと。

PwCというとプライスウォーターハウスクーパース。国際的に有名なコンサルティング会社ですね。なので、本書はガチの研究レポートです。PwCは、iPhoneの世界でいうと、まだiPhone3Gが出たばかりの2008年に全社員導入を決めた事例で有名です。

PwCのチームは、ビリオネアのリストから自ら真っ当なビジネスで資産を築いた人物600人を抽出、地域や業種に偏りが出ないように120人をランダムに選んで出身地・家族構成・結婚歴等を比較。インタビューもちゃんと行ってキャリア変遷など定量化できない情報も加味して分析したんだそうです。

結果、普通にありそうな億万長者のイメージ、

  1. 若くして成功している人が多い
  2. IT分野で成功している人が多い
  3. 全く新しい市場で大成功した人が多い
  4. 運良く一発を当てれた人が多い
  5. モラルが低そうな人が多い
  6. 一夜にして成功を収めたような人が多い
  7. 元々才能があった人が多い

が全部嘘だと分かったよ〜〜って言うんですから面白いですよ。そうかいな!と。

非ITを含む約50名のビリオネアの事例

上に列挙したお金持ちイメージがなぜ嘘と言えるのか、データと実例に基づいて解説しているのが本書の特徴でしょう。出てくるビリオネアは総勢49名。IT系の著名人も含まれていますが、クルーズ会社、石油採掘会社、ピザ屋チェーン、アパレル会社、不動産会社、などなど業種は様々。最後には全員のプロフィール紹介に20ページも割いてます。

具体的事例の多さは上記3.が誤解であることを頷かせるに十分な情報であり、

われわれが調査したビリオネアの8割は、競争の激しい市場、いわゆるレッド・オーシャンで成功を手にしているのだ。

という一文は本書を読みきれば確かにそうだと納得できるものがあります。新しいものを追いかけるだけが良い思考じゃないと。

ウチは既にアプリ開発事業をやめたところですし、昨今の FinTech だ IoT だ VR だとキーワードドリヴンなビジネス作りに若干疑問も感じている所だったので自分的に一番響いた部分です。(FinTechやIoTを否定する訳ではないですが、どんな課題を解決するのかが見えず、とりあえず盛り上がってる感を感じることがままあります)

メディアはよくお金持ちになった結果のイメージを切り取って報じますよね。我々はそこに往々にして騙されがちです。ですが、その結果に至る過程や「絵」にならない地味な(見えてこない)部分がむしろ重要だと。その見えてこない部分の姿勢が、その人とお金の関係性を決定づけると本書は言ってます。心の持ちよう、思考、マインドセットの持ち方がビリオネアをビリオネアたらしめる根拠なのだと。

マインドセット

紹介されてる5つのマインドセットの一つに「共感力と想像力」が含まれてます。自分も最近思っていることなので強く共感しました。お金が集まるかどうかって結局思考の良し悪し。10億の資産を持つかどうかはともかく、考え方ひとつでお金を稼げるかどうかが決まるってことがよく分かります。

これからますます国や会社に依存して生きることができなくなっていくので、自立しなきゃと思う人には思考を変えるきっかけの本になるかも知れません。国が福祉をぶった切らざるをえない時期は迫ってるし、企業も従業員を養うことを徐々にやめていくでしょうしね。だから正しい思考で正しく稼いでいける人になりましょうと言ってくれる本でもあるなと感じました。

 

僕は今年が頑張りどころなんですけども、今の思考ベースはあらかた間違ってないことを再確認できたのと、上記の通り3.が誤解だと理解できたのが本書からの収穫でした。